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京都大病院、肺移植事故のミス認め謝罪(asahi.com 2006年10月12日21時34分)

 京都大付属病院で3月、肺の移植手術を受けた30代の女性が、手術後も意識を回復しなかった問題で同病院は12日、調査委員会による調査結果を発表した。同委員会は、人工心肺を使った手術中に血圧低下など複数の異常を見逃した結果、脳の酸素不足状態を引き起こした、と指摘。内山卓病院長は、移植チームの連携不足で患者の身体管理の責任者が術中に不在になるなど「重大な過誤があった」として謝罪した。
 手術中の各種値やビデオ、医師らからの聞き取り調査などを分析。人工心肺を使い体外で血液に酸素を供給する体外循環が不十分なまま人工呼吸器を止めたため、酸素不足の血液が脳に流れ、その後起きた低血圧が重なり脳が酸素不足となった可能性を指摘した。

 報道を読む限りでは、チームとしての体をなしていないように思えます。

 京都では少なくとも市民には最も信頼されている病院のはずなんですが・・・

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コメント(21)

「身体管理の責任者」って誰?教授?
何してたの?
わけわからん話ですね

>「身体管理の責任者」って誰?
麻酔科医が術中に不在になったということではないのですかね?
もしかしたら研修医はいたのかもしれませんが。
やっぱり京大といえども麻酔科医は不足しているのでしょうか?

私も麻酔科医だと思ったのですが、違うみたいですね。

>今回の移植チームは、主担当の呼吸器外科のほか、心臓血管外科と
>麻酔科の医師ら計約20人。手術前に3科の合同会議は開かず、
>手術中に心臓血管外科の医師が不在になった時間もあった。
>呼吸や血圧のデータを共有せず、異常を早く見つけられなかったため、
>処置を怠ったとしている。
http://www.sakigake.jp/p/news/science.jsp?nid=2006101201000645

これだけでもよく分からないので、京大には報告書をウェブで
公開して欲しいと思います

何が起こったのか、と言う事は京都新聞の方が詳しいですね
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2006101200207&genre=G1&area=K10

なるほど胸部外科は人工心肺を使えないから心臓外科や麻酔科とチームを組んだわけですね 脳死移植は社会的にも注目されてる事例でもある先端医療ですから術前の打ち合せは徹底するべきですな

京都新聞からのコピペです.

>脳障害を起した全脳虚血の原因として▽人工心肺から大動脈に血液を送
>る管の位置のずれ▽一部の血液が人工心肺を経ずに循環▽血圧の低下
>▽体温上昇−などが重なって生じた可能性を指摘。手術中、人工心肺を
>担当する心臓血管外科と、患者の状態を管理する麻酔科の医師が3時間
>近く現場を離れるなど、手術を担当する呼吸器外科医との連携不足で、
>患者の異常を示すデータを見逃したとしている。

鑑定したのは自治医科大学大宮病院心臓血管外科の教授ということです.
(1) 送血管がずれるというのは理解できません.通常の人工心肺の送血管は上行大動脈に先端だけを入れて固定しますが,深く入りようがない構造です.通常なら、送血管がずれる=送血管が外れて大出血する,です.???
(2) 体温上昇ですが,人工心肺で血液を冷却していますし,体温はモニターしていますから体温が上昇すればすぐにわかるはず...
(3) 人工心肺は心臓外科医が操作しますからその間は麻酔科医の仕事はありません.我々の施設では人工心肺中は研修医はベッドサイドにいますが,スタッフクラスは通常控え室で術野モニターとバイタルサインを見ています.
心臓外科医が離れることはないはずですが...

レシピエントの年齢からして人工心肺中の平均血圧が40mmHgで全脳虚血が生じることは考えにくいです.

新聞の記事をみてもさっぱり真相が解りません...

 人工心肺、人工呼吸器、体外循環、脳虚血、キーワードをちりばめても、体外循環の回路を理解していないと理解は困難です。
 他科の医師でも理解困難なチームワーク手術を、一般人に判らせる為の報道としては『連携不足で、、、管理責任者が不在』てなふうに表現するしかないのでは?

座位臥位立位さん,

私は心臓血管外科の教授が,新聞に書かれている通りにコメントしたとは到底思えないのです.
先の私の書き込みの(1)のような「送血管が深く入り過ぎた」というような起こりえないことを心臓外科医が話すはずはないですから...
新聞記者が理解しないままに聞き取った言葉をつなぎ合わせて記事を書いたのでしょうか?

おそらく軽度低体温(33度くらい)の人工心肺だったんでしょうか.常温に近い温度で,ある程度以上の時間の循環停止(人工心肺のトラブルetc.による)もしくは,公汎な空気塞栓でも起こったとしか考えられないのですが.

>>No.6のLevel3さん
人工心肺中の麻酔科医と心臓外科医と臨床工学士(ME)さんの役割分担は施設ごとにさまざまなのではないでしょうか。
(京大病院がどういう体制をとっているかは存じておりません)

でも確かに京都新聞の記事を読んでも今ひとつ具体的な状況のイメージがわきませんね。

いいところ、人工心肺担当の心外の先生が、医者にしか分からない場所に保管してある医療材料か何かを取りに行くために、研修医か誰かに「何もないと思うけど、ちょっと見といて」と言い残して、数分手術室から出て行ったときにたまたま何かトラブルがあったとかの、悪いことがタイミング悪く重なった事故では、と想像します。
もちろん事実無根の妄想です。

>人工心肺中の麻酔科医と心臓外科医と臨床工学士(ME)さんの役割分担は施設
>ごとにさまざまなのではないでしょうか。
>(京大病院がどういう体制をとっているかは存じておりません)

そうですね,
施設によれば麻酔科医が人工心肺を操作しているところもあるらしいですし,私立の病院などではMEさんが担当していることもあります.

mainichi-msnの方がより詳細ですね
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 報告書によると、患者の心臓と肺を流れる血液をすべて体外の人工心肺装置で循環させるはずだったが、一部の血液が体内に残った状態で、患者の人工呼吸器を止めていた。このため約30分間、体内に残った血液が、病気になっている肺で酸素の供給を受けられないまま循環した。また、人工心肺から体に新鮮な血液を戻す「送血管」が、脳に血液を送る大動脈の分岐点より下流に刺されていたため、脳に酸素不足の血液が多く流入し、虚血状態を招いた可能性があるという。

 また、▽手術の終盤に原因不明の血圧低下が100分間継続▽低血圧状態で、約34度に維持していた体温を元の約36度に戻したため脳に必要な酸素量が増加−−などの要因が重なったとした。
http://www.mainichi-msn.co.jp/kurashi/kenko/news/20061013ddm041040080000c.html
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この手の話は、医学用語でそのまま聞いた方が分かりやすいのでしょうね。
臓器移植は好きじゃないが、やるならちゃんとやれ と思う。
ドナーにもレシピエントにも最悪に失礼だ。
肺移植は心移植のように簡単ではないから細心の注意を払ってやってもだめなこともある。
しかし、2つの命を預かり世間が注目するこの手術で4つもミスのポイントを指摘されるとは。納得いく説明があるなら聞きたい。この手術でうっかりミスをするようじゃ話にならないと言いたい。

Level3 さん
あっ、そういうことですか。そうか。
ところで、脳循環は体外循環でも更に別回路にする方法がメジャーなのではなかったですか?脳虚血のリスクを減らす為に。私は専門外なのでよく判らず発言してしまいました。みなさん申し訳ありません。

座位臥意立位さん,

脳循環を別口にするのは胸部大動脈瘤で大動脈の弓部置換を行う時(脳分離体外循環)くらいです.

毎日新聞の記事でもまだ,理解できません.肺移植で送血管を弓部もしくはそれより末梢に置くことはありえません.そんなことをするのはPCPSくらいです.それだと部分体外循環ですから自分の心臓にも血液が流れるため麻酔科医が換気を続ける必要があります.

考えられるとすれば移植肺の縫合が完了した後に人工心肺からPCPSへ移行し,部分体外循環していた時期があったのかもしれません.
脳死肺移植だと,術後もしばらくはPCPSが必要なことはあります.
その時に換気を全くしていないと冠動脈や総頸動脈に酸素化されていない血液が流れてた???
ただそれだと心臓もへたりますが...

想像しかできません.

京都大学のホームページからのコピペです.これが京大の公式発表ということになるでしょうか.

「全脳虚血発生の原因は、一つには特定できないものの、大きく(1)部分体外循環といえる状態での肺換気の停止による非酸素化血の頭蓋内への流入と、(2)体外循環後半に発症した血圧低下、が複合的に関与した可能性が高く、さらに(3)早期の復温や呼吸性アルカリ血症が脳虚血を助長した可能性があると考えられた。また、術中の患者管理に関する指揮命令系統や、診療科間での意思疎通、肺移植チーム全体としての総合力に改善すべき点があった。現に上記(1)(2)(3)は、いずれも全身管理の責任者が不明確となった時間帯に発生しており、そのことが全脳虚血の早期発見の妨げになった可能性がある。」

おそらく原因は特定できなかったが,いくつかの要因の複合で生じたと考えているようです.部分体外循環時に換気を行わなかったことは失敗と言えばそうかもしれませんが,脳死肺移植では移植した肺で直後にどのくらい酸素化が可能かはわかりません.ポンプフローを減らすと同時に換気を開始し,血液ガスをみながらポンプオフもしくはPCPSへのブリッジを考慮するのが一般的な方法だと思います.発表されているように,全体の指揮系統の不備が最大の問題であったのかもしれません.

この記事の元となった京大の発表は
http://www.kyoto-u.ac.jp/notice/05_news/documents/061012_1.htm

「現に上記1 2 3 は、いずれも全身管理の責任者が不明確となった時間帯に発生しており、そのことが全脳虚血の早期発見の妨げになった可能性がある。」

⇒「内山卓病院長は、移植チームの連携不足で患者の身体管理の責任者が術中に不在になるなど「重大な過誤があった」として謝罪した。」(朝日)

朝日の国語力もここまで落ちましたか…
モトケン先生京大職員なんでしょ!クレームかましてあげてください(w

>いのげさん
報告書を公開してくれないかと願うわけですが、そうも行かないのでしょうか。

この要旨で充分な気もしますけど

要旨には「全身管理の責任者が不明確」とありますが、
具体的に何が不明確だったのか不明確なような気がします

医師の方々はこれを読んで、再発防止に役立てられるものなのでしょうか
もっとも、医師の方々がこの種の報告書に自由にアクセスできるようなら、
私ごときが文句を言う筋合いもないのですが。

呼吸器外科医の責任による手術の自粛は分かりますが、術中の呼吸管理による心臓外科医の責任を問い、心臓外科手術の中止は理解できません。呼吸管理であれば必ず麻酔科医が指揮を執るはずですし体外循環中でも必ず麻酔科医は、血液検査を怠らないものです。その状況から言えば麻酔科の診療自粛があってしかるべきですがそれでは京大病院の外科診療が滞ってしまいます。では何故、心臓外科への制裁なのでしょうか?私は院内(白い巨塔)での教授会の駆け引きが有るような気がします。

>呼吸器外科医の責任による手術の自粛は分かりますが、術中の呼吸管理に
>よる心臓外科医の責任を問い、心臓外科手術の中止は理解できません。呼
>吸管理であれば必ず麻酔科医が指揮を執るはずですし体外循環中でも必ず
>麻酔科医は、血液検査を怠らないものです。その状況から言えば麻酔科の
>診療自粛があってしかるべきですがそれでは京大病院の外科診療が滞って
>しまいます。では何故、心臓外科への制裁なのでしょうか?私は院内(白
>い巨塔)での教授会の駆け引きが有るような気がします。

コメディカルさん,
麻酔科医としてコメントします.
先のコメントにも書いたと思いますが,人工心肺のコントロールを行なうのは呼吸器外科医ではなく心臓外科医です.施設により異なりますが,体外循環中の血液ガスや電解質の測定は私の施設では人工心肺を管理する心臓外科医やMEさんが行ないます.人工心肺中には麻酔科医が検査を行なうことはありません.
公汎な大脳虚血の原因は定かではありませんが,人工心肺にまつわるトラブルということであれば心臓外科に最大の責任があると考えられます.通常麻酔科医は部分体外循環時には換気を行ないますが,移植肺ですので何時から換気を開始するかに関しては外科医側からの指示に基づくこともあります.
責任のレベルから言えば「心臓外科医」>「麻酔科医」>「呼吸器外科医」
でしょう.いずれにしても全体を統率して指令を出す人間がはっきり決まっていなかったことが,問題点であったのだと思います...

P R

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