エントリ

 奈良県大淀町の町立大淀病院で、重体となった妊婦が19病院に搬送を断られた末、脳内出血で死亡した問題が、お産の現場に波紋を広げている。今回の処置をめぐっては賛否両論が渦巻くが、医師不足が急速に進む中、昼夜を問わずに地域の分娩(ぶんべん)と向き合う産科医の悩みは共通する。出産時の幸福感との落差があまりにも大きい医療事故にどう対応していくか。県警の捜査が進むのを横目に、「担い手の減少に拍車がかかる」との懸念も膨らむ。

 ■捜査に不安

 「福島の事件とそっくり。複数の産科医がいれば診断ミスにつながらなかったかもしれないが、1人では体力、技術ともに限界がある」。関西の病院で常勤医が1人だけの「一人医長」を経験した産科医はこう明かす。

 福島県立大野病院で今年2月、帝王切開の手術中に胎盤をはがした結果、妊婦が大量出血で死亡したとして、30代の執刀医が業務上過失致死容疑などで逮捕、起訴された。医師は年間200件余の分娩を1人で担当していたとされる。

 大淀病院の場合も、60代の常勤医1人が奈良県立医大から派遣された非常勤の医師の応援を得ながら、月に十数件のお産を扱っていた。宿直勤務は週3回以上にのぼり、知人の医師らに「この年での宿直は相当きつい」と漏らしていたという。

 奈良県内では3月にも、大和高田市立病院で出産直後の妊婦が大量出血で死亡し、産科医が同容疑で書類送検された。今回、妊婦の受け入れを打診されたが、満床を理由に断った病院の産科医は「担当医なりに一生懸命やった結果、立件されるようでは、ますます産科医をめざす若者がいなくなる」と漏らす。

 ■処置に賛否

 死亡した妊婦は当初、頭痛を訴え、間もなく意識を失った。その1時間半後にけいれんを起こしたため、主治医だった常勤医は、妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)によって起こる「子癇(しかん)」の発作と判断。脳の異常を疑わなかったとされる。「出産中に脳内出血を起こす例は1万人に1人程度。自分も子癇とみて治療を進めた可能性がある」と、奈良県内の50代の開業医は同情する。

 一方で、妊娠中は脳出血やくも膜下出血のリスクが高まるとされる。大阪市内の産婦人科医は「昏睡(こんすい)状態の時間が異常に長く、子癇の典型的な症状とは違う。頭痛と意識消失が重なったのなら、もっと早く脳内出血を疑ってもよかった」。

 前大阪大産婦人科教授の村田雄二・愛染橋病院長は「詳しい時間経過や症状、血圧の数値がわからないと医師の判断の是非は問えない。専門家の細かな検証が必要だ」と指摘する。ただ、脳卒中の専門医の一人は「重症の脳出血なら、早い処置でも救命できなかった可能性もある」とみる。

 ■行政への批判も

 他県より遅れている救急搬送体制の整備を急ぐよう提言する産科医も多い。奈良の産科医療に詳しい医師は「県は救急搬送を大阪の病院に頼り、県内の搬送システムの整備をおざなりにしてきた。怠慢を認め、県民に謝罪すべきだ」と憤る。

 同県五條市の開業医で、数人の妊婦を毎年、病院に救急搬送している後藤寛医師は「今回のケースで、どこも救急患者を受け入れないのでは、という不安がさらに高まった。高度な医療を必要とする妊婦と新生児を必ず受け入れてくれる総合周産期母子医療センターを一刻も早く整備する必要がある」と訴えた。

追記(毎日から)
支局長からの手紙:遺族と医師の間で /奈良(毎日新聞 2006年10月22日)

 毎日は10月22日の時点で、スクープとして自画自賛しています。

手掛かりある限り、あきらめないで当事者に迫って直接取材するという基本がいかに大切で、記事の信頼性を支えるか。取材報告を読みながら、身にしみました。

 支局長の言っていることは全くそのとおりなのですが、、、

 コメント欄を補足する趣旨で追記しました。

| コメント(39) | トラックバック(0) このエントリーを含むはてなブックマーク  (Top)

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://www.yabelab.net/mt4/mt-tb.cgi/1796

コメント(39)

素朴な疑問ですが、朝日の論調はスタッフが充実していたらこのようなケースはとがめるべきだと個人的には読めます。
いくらスタッフが充実していても三人集まれば文殊の知恵の如く、誤診率が減るだけであり、今回のケースではすくえたかどうかも疑問だし、やはり一定の率で誤診はします。
確率論でしかものの言えない発展途上の不完全な学問である医学ではいくらスタッフが充実していても罪に問うて良いのでしょうか?

でも、初期の報道姿勢から大分変わったんじゃないでしょうか。
正直、読んでビックリしました・・これが朝日の記事か??と(苦笑)。

血液内科さま

>これが朝日の記事か??と(苦笑)。

毎日にスクープもっていかれた腹いせ、と見るのは穿ちすぎでしょうか。

この記事への疑問点(処置に賛否の部分)

>脳の異常を疑わなかったとされる
根拠不明。まさかCTを撮らなかったから?内科を一回読んでいること自体鑑別診断としては考えていたと思われる。第一、子癇だって脳の異常だろうに。

>昏睡(こんすい)状態の時間が異常に長く
失神と判断するような不明確な意識障害ではなかったのか?

>早い処置でも救命できなかった可能性もある
さすがに可能性が高いとコメントしたら、掲載されないだろうなぁ。

>fuka_fukaさま
なるほど!(膝打)
このへんは大新聞社のバランス感覚なんでしょうかねぇ。
でもまた、すぐに手のひらを返すような記事も出るだろう・・に3000点(笑)。

>>No.3のfuka_fukaさん
>毎日にスクープもっていかれた腹いせ、と見るのは穿ちすぎでしょうか。

意外に毎日を後ろから撃ち始めたりして。
あそこ、もう体力残ってなさそうだし、とどめを刺すなら今、とか思ってるのかも。

毎日と朝日は、最近も将棋名人戦で露骨に対立したばかりですし。

遺恨試合的に不毛なやり合いにいつ発展してもおかしくなさそな悪寒

舞鶴の内科医のような産科システムがあればいいのに、無駄と言われて
切捨てられてしまうんだろうな。
日本の保険制度で恩恵を受けている人間だけど、アメリカやイギリスのように
なっても致しかたないと思う。整形、眼科、皮膚科だけで人間生きてはいけないし。

 本文に毎日の記事を追記しました。

支局長のこぼれるような笑みが見えるようです。スクープのためには夜討ち朝駆けもいとわない。大変な喜びようです。自分の日記と勘違いしていませんか?この記事の読まれ方の想像もできない程度で支局長が務まるとは。
F県の逮捕、表彰も同列です。このような記事ははっきりと不快です。マスコミとやり合うマスコミは、増すゴミ・・・です。

今日の産経新聞の社説です。

http://www.sankei.co.jp/news/061024/edi000.htm

>周産期医療は訴訟が多く、医療ミスや医療事故の12%は、産婦人科医が当事者
「訴訟の12%は産婦人科医が当事者」なら分かるけど「医療ミスや医療事故の12%は」
と何故言えるのか

>大淀病院の誤診
今の段階で、誤診と何故言えるのか

>当直医が脳の異常の可能性を指摘し、CT(コンピューター断層撮影法)の必要性を
>主張したが、受け入れられなかった
主張した事実はあるのか

>脳内出血と正確に診断されていれば、搬送先の幅が広がり、早く受け入れ先が
>決まっていた可能性は高い。
可能性が高いと何故言えるのか

>患者を救うのが、病院や医師の義務である
その通りだけど、途中で県の責任にも触れながら、最後は病院や医師が悪いと言って
締めくくる。(中段にある県のことは印象が薄れる)

ここまで来ると作為を感じるな。ここって人に言えない事情でもあるのでしょうか?

産経新聞の無知にも困ったものがありますね。
中間管理職さんのご指摘通り、
>患者を救うのが、病院や医師の義務である
の部分は悪意的な情報操作の意図を感じます。まずがんばるべきは行政でしょう!明らかに取材不足の文章ですしね。それにこの社説は良く読むと、一体何が言いたいのだ?と感じさせる文章です。記事を書いた人の国語力を疑います。
誰に考えて欲しいと言っているのでしょう?医師にでしょうか?だとしたら認識が間違っていますね。医師、医療スタッフ、役人、そして国民というのが正しいでしょう。

No.11 中間管理職さん、No.12 yama さん

中間管理職さん紹介の社説を読みましたが、私はお二人とは違う印象を受けました。
社説では

>患者を医療設備と専門スタッフのそろった病院に搬送するシステムの欠如がまず問題だ。

> 妊婦が最初に入院した大淀病院の誤診の問題も、忘れてはならない。

2つの問題を取り上げていますが、一番の問題はシステムの欠如(=行政)で、個々の医療機関の問題「も」ですから、こちらは順位が下がります。

中間管理職さん、
>今の段階で、誤診と何故言えるのか

これは大淀病院は自分たちの落ち度があったと会見していますから、「誤診」という表現を使っても仕方がないかと思います。

yamaさん、
>まずがんばるべきは行政でしょう!

社説でもそう主張していると私は受け取りました。

このところの医師の方々の書き込みを見ていると疑心暗鬼が強くなっているような感じを受けます。
被害妄想じゃないの?と受け取られかねないかと老婆心ながら危惧します。

マスコミはそれを敵視するよりも、もっと上手く使えないかも考えることも必要ではないかと思います。

クルンテープさん>

申し訳ありませんが、私は医師でも医療関係者でもありません。
その私から見ても、この記事には奇異なところを感じました。

一番奇異に感じたのは結論です。クルンテープさんが言われるように
>まずがんばるべきは行政でしょう!
であるなら、何故、なのような結びにしたのでしょう。

>No.13 クルンテープ さん
冷静に考えれば、被害妄想なんでしょうね。でも我々は心理的に、そこまで追い詰められているんです。
社説は一般向けには概ね正論であろうと思いますが、医療者に対するメッセージとしては最悪な印象を受けます。
特に、
>患者を救うのが、病院や医師の義務である。患者中心の医療の基本を忘れているから患者をたらい回しにし、患者不在となる。もう一度、医療とは何かをしっかり、考えてほしい。

受け入れ先が決まらなかったこと=医療の基本を忘れた医者の怠慢、驕りが背景にあるってことなんですよね・・。
そんなに大上段から言われなくても、みんな精一杯やっているんですよ・・本当にどこもギリギリの人員で・・夜間に寝る間もなく治療にあたっても、翌日は朝から通常通りの業務が容赦なくあるわけで・・。
もっと違う書き方があるんじゃないかな〜って思うわけです。現場の気持ちも分かった上で、医療者が頑張れるような・希望を持てるような・建設的な・・そんなメッセージを期待したいです(あきらめていますが・笑)。

連投で申し訳ありません。

結びは重要です。一番読者の印象に残る部分です。
ですから、何故、あのような結びにしたのかが重要だと思います。

No.14 中間管理職さん

>申し訳ありませんが、私は医師でも医療関係者でもありません。

別に医療関係だと推測したわけではありませんよ。

>であるなら、何故、なのような結びにしたのでしょう。

とのことですが、社説での結びは

「もう一度、医療とは何かをしっかり、考えてほしい。」

欲しい相手は明記されていません。
これを読み手が医師(医療機関)だけと受け取れば、行政や国民は能天気過ぎなだけです。
これは医師や行政だけでなく、国民全体と受け取るべきです。

重症妊婦受け入れ 県が2病院に要請へ
http://www.sankei.co.jp/local/nara/061024/nar000.htm
---------- 
 今回の問題を受けて、県医師会の産婦人科医会は、子癇(しかん)発作や分娩時の大量出血など5つの重症症例を挙げ、こうした妊婦については原則、県立医大付属病院と県立奈良病院で受け入れることを県に要請していた。

 しかし県では、両病院だけでは満足な対応ができないと判断。ほかの搬送先として、近畿大学医学部奈良病院と天理よろづ相談所病院にも協力を呼びかけることを決めた。
----------

単純に疑問なんですが、産婦人科医会が民間2病院を対象にしなかった理由が分からないですね。色々な事情があるのでしょうから、続報を待ちたいところですが。

No.15 血液内科さん

>冷静に考えれば、被害妄想なんでしょうね。でも我々は心理的に、そこまで追い詰められているんです。

追い詰められていないとは思っていませんし、敏感にならざる得ないのは理解しております。
しかし逆境のときこそ冷静な判断が求められるものだと思います。

>もっと違う書き方があるんじゃないかな〜って思うわけです。現場の気持ちも分かった上で、医療者が頑張れるような・希望を持てるような・建設的な・・そんなメッセージを期待したいです(あきらめていますが・笑)。

違う書き方ができなかったのは書き手の誤解もあるかも知れませんし、あったことでしょう。現場の気持ちをわかろうとする努力を記者たちはしてこなかったかも知れませんが、医療側もわからせる努力は尽くしてきたと胸を張って言えるでしょうか。
今は苦しいときでしょうし、短期的にはさらに苦しくなるかも知れません。しかし、その苦しい時期に誠実に冷静に他者に伝えていくことが将来に繫がると思っています。

医師として医療行為をする人たちも、記者として新聞を作る人たちも日本のプロフェッショナルたちでしょう。自らに限界があることを知るならば他者にも限界があることがわかると思います。

彼らとて医師がいなくなってしまうことを望んでいるのではありませんから。

クルンテープさん

>現場の気持ちをわかろうとする努力を記者たちはしてこなかったかも知れませんが、
>医療側もわからせる努力は尽くしてきたと胸を張って言えるでしょうか。

今はネット上に莫大な情報があります。調べる気になれば、調べられます。
事実、私もそうやって調べました。

ある意味、調べることが仕事である記者がそれをしていないとするなら怠慢です。

わからせる努力などというものを何故しなくていけないかが不思議です。
何が大事で、何を世間にわからせるか、それこそがマスコミとかジャーナリストの本分でしょう。
医者が完全に口をつぐんでいたせいで、全く記者のアンテナに引っかかってこなかったということは流石にないはず。
引っかかったものを取捨選択して必要なら食いついて取材して書く。

昔、どっかの大学新聞に大手新聞社の記者が書いていました。
「日野原先生の話なら是非聞きにいこうという気になるが、そういう気になるような医者がこの大学にはいない。そういう医者を是非皆さんは目指して欲しい」(大意)

そのとき、ああ、この記者はダメだと思いました。
それはキミに材料を見つける能力、取材する能力がないだけだろと。
千里の馬がどーのとかブツブツ図書館でつぶやいていた私は変な人だったかもしれません。

あ、別に日野原先生の話はつまらんとかいう意味ではありません。

>単純に疑問なんですが、産婦人科医会が民間2病院を対象にしなかった理由が分からないですね。色々な事情があるのでしょうから、続報を待ちたいところですが。

想像なんですが、県に要請とありますので、取り急ぎ県の判断で対応可能な県立2病院を要請したんじゃないですかね。医会としては、県には言えても、なかなか民間に無理は言いにくかったのではないかと思うのですが。

>No.19 クルンテープ さん
お返事ありがとうございます。
自分自身は、とてもわからせる努力を尽くしてきたとは言えません。っていうか、個人でどうすればいいのかも分かっていません・・(^^;)
でも、クルンテープさん・中間管理職さんが理解してくださっていることは存じ上げております。
>No.22 立木 志摩夫さん
日野原先生なら、この手の話をどういうふうに話してくれるんでしょうね。
>No.18 しまさん、No.23 じじいさん
産婦人科医会(医師会)と近大・天理との関係が希薄なんでしょうかね?近大・天理の産科医が産婦人科医会に参加していないとか・・。

>No.21 立木さん
>何が大事で、何を世間にわからせるか、それこそがマスコミとか
>ジャーナリストの本分でしょう。

自分がジャーナリストなら、情報を積極的に発信している医師の元へ取材に行くことになると思います。今はネットで取材相手を見つけることも多いとは思いますが、例えばサーチエンジンで検索する場合、質の高い情報を発信している医師、積極的に情報を発信している医師が上位にランクされ、そのような医師の元へ取材に行くことになるでしょう。


自分の考えを他者に聞いてもらいたいのなら、やはりPRは必要かと思います。

日刊スポーツの記者コラムです。
http://blog.nikkansports.com/nikkansports/writer/
最後の二文だけ、引用しておきます。

>命を見捨てた18の病院に言いたい。恥を知れ。

だそうです。

真摯に受け止めるべきでしょうか?
「反省します。たとえベッドの空きが無くても、不眠不休で体を壊しても、何日間も家に帰らず家庭が崩壊しても、不十分な治療しか施されなかったといって胸ぐらをつかまれ、裁判を起こされ高額な賠償金を払うことになろうとも、また過失を問われ刑事罰を受けることになろうとも、国民のみなさまの健康を守るために滅私奉公させていただきます。」
と誓うべきである、のように感じましたけど、間違った理解でしょうか?

御意見をと書いてありましたので、意見、というより、ささやかな希望を送っておきました・・・。

-------
10月24日のコラム「命を救ってこそ病院」について、意見を述べさせていただきます。

書かれた記者の方は医療問題が専門では無いことでしょう。
しかし、産科、広くは医療が崩壊しつつある現状に関して、無知・不勉強・無理解の結果、誤った意見を曝け出すことは、情報を扱うことを生業とする記者として、少々恥ずかしいことのように思われます。

できる限り正確な情報に触れていただくため、このコラムを書いた記者の方に、是非、下記のブログと書籍を一読されるようお勧めいたします。

(以下リンク)
本ブログのURL
新小児科医のつぶやきのURL
「医療崩壊」 朝日新聞社 小松秀樹 著
(さりげなく、本ブログからamazonへのリンク)

もし、これらの情報に目を通すつもりが無いのであれば、今後は医療に関する記事は書かれないことを、御本人の名誉のために、お勧めいたします。
このコラムは他のコラムと違い記名記事ではないので、どなたが書かれたのかはわかりませんが、書かれた記者の方が、現在の医療問題に関して少しでも理解を深められますことを、心よりお祈りいたします。

追記:
既に(その5)で、この記事は話題になっていましたね。
失礼しました。

このような意見も、世間の反応を知るための重要なモニターだと思っています。
日が経つにつれ、冷静な報道が出始めていますし。

こんにちは、クルンテープさん。
整形Aです。

僕にはこの記事(主張)が、システム(行政)の問題をメインにしているとは読めませんでした。

まずタイトルです。

>病院たらい回し 患者本位の基本忘れるな

別に病院は「たらい回し」したわけではありません。居留守を使ったわけでもありません。単に、その重症患者を受け入れる能力がその時点でなかったので搬送を断っただけです。
自分にその能力がないのに受け入れるのが「患者本位の基本」なんでしょうか。

このあと、システムに触れています。

> 残された夫は(以下中略)
> 患者を医療設備と専門スタッフ(以下中略)

しかしまた医療人のモラルを問題にします。

> 重体の患者を引き受け、面倒な医療訴訟を起こされる事態を避けたがる受け入れ側の病院の体質もあるだろう。厚労省によると、周産期医療は訴訟が多く、医療ミスや医療事故の12%は、産婦人科医が当事者だという。

18病院がどれだけ訴訟を危惧したのかわかりません。
上記のことを言うのなら、救急病院が重症患者を受け入れる際、訴訟のリスクをどう考えているのかを検証しなくてはなりませんし、そもそも重症患者を引き受けたり、周産期医療を行なうことが医療訴訟の原因になるのであれば、それ自体どこに問題あるのかも検証すべきでしょう。

> 妊婦が最初に入院した大淀病院の誤診の問題も、忘れてはならない。(以下中略)
> 脳内出血と正確に診断されていれば、(以下中略)

これもシステムというより、個人の医師を非難しています。
そして最後の文です。

> 患者を救うのが、病院や医師の義務である。患者中心の医療の基本を忘れているから患者をたらい回しにし、患者不在となる。
> もう一度、医療とは何かをしっかり、考えてほしい。

最後の一文が行政に向けられたもの(行政がんばれ)、と読むのはちょっと難しいんじゃないでしょうか。
そもそも「患者を救うのが、病院や医師の義務」と言い切っていますが、患者を助けられなかったら病院や医師は「義務」を果たしていない・・・結果として義務に違反しているので逮捕、損害賠償は当然といいたいのでしょうか。
つーか、実際そうなっていますけどね。

病院や医師に対し、悪意があるとは言いませんが、無知をさらけ出した社説だと思います。
これは疑心暗鬼でも被害妄想でも何でもありません。普通の医師が普通に読んで抱く感想だと思います。

しまさん(NO.25のコメントに対して)
>自分がジャーナリストなら、情報を積極的に発信している医師の元へ取材に行くことになると思います。

それって視界に入ったおいしそうな餌(医療界の闇を暴く!とか神の手で奇跡の生還!とか学会が否定する癌治療の真実!!とか)に食いついているだけのことではないですか。
色鮮やかなシュガーとマジパンで飾られたケーキばかり、おいしそうだからと食べ続けてている子供と変わりありません。
医療を良くするために国民一人一人の努力が必要である、なんて真面目で地味な記事は読者も読みたくないし記者も書きたくない。書くとしても具体的内容を伴わない標語みたいなもので、アリバイ作りにすぎない(例:だが、我々一人一人にも反省すべき点がないか見直す必要がありはしないだろうか/記事終わり)
彼らが情報源を掘り起こす、というのは野菜炒めからピーマンを取り除いて肉切れを集める作業のことです。記事にしたい内容まずありきで情報源をフィルターにかけていることは、毎日新聞記者のコメントを見れば明らかではないでしょうか。
新聞社に100件の抗議メールが送ったところで、目立たぬように小さな謝罪記事でも載ればむしろ驚きです。

別に、消費者の需要に応えて虚実取り混ぜた情報を提供するのがマスコミ、ということでかまわないと思います。最大の問題は、そうでないもののように思い込んでいる社会とマスコミ自身があるということです。
今後、きっかけ次第でマスコミがいっせいに戦争賛美の報道をするような事があっても全く不思議とは思いません。

テレビや新聞が主要な情報伝達媒体でなくなりつつある現在、マスコミを経由しないで情報を伝えられる手段を洗練させていくべきだと思います。

> クルンテープさん
多分クルンテープさんはこのブログに出入りしており、ある程度医学の限界というのを知っているのでそのように思うのでしょう。しかし、世間はどうでしょうか?ましてや明らかに取材していない記者の記事を見て「また想像でもの書いちゃっているよ」と我々は半分ため息をつきたい気分であきらめています。
我々から見たら中立的に公平に真実を可能な限り取材を通じて見ていく、という基本を忘れており、そこには真のジャーナリズムはみじんも存在しないと断言せざるを得ません。
勿論、記者の人員不足、取材先の取材拒否などの問題もあるのでしょうが、いくら何でも人を批判する前に自分たちのふがいなさを反省しろ、と言いたいのです。
まあ、普通の新聞はともかく、スポーツ新聞や週刊誌の内容を賞賛しているような人間は元々程度がしれていますけどね。

マスコミ関係者から、「奈良事件とblogによる医師の反応」に対する苦言が書かれています。毎日の記事とそっくりなメンタリティに感心しました。
http://d.hatena.ne.jp/kaerudayo/20061024#p2
自分のblogでもツッコミ書いてますが、女史のエントリはここでの議論の参考にもなりそうなのでURL載せておきます。

理由はどうあれ、取材拒否に会うのは、どうせマスコミには良いことは一言も書かれないという判断もあるのだと思いますし、私自身、マスコミの取材を受けたら記事校正を条件にしないと受け入れないでしょう。取材を受けた周りの人からたびたび話を聞きますが、取材時にはすでにストーリーができあがっており、自分の主張がほとんど反映されていないという話をほぼ100%の取材を受けた方から聞きました(念のため、一人や二人ではありません)。
マスコミが医療従事者は悪いやつだ、と断言しているのと同じように我々も正義の味方気取りしている仁義も何もないマスコミは悪人ばかりだと思っています。そこにはマスコミの顔が見えません。テレビを見てもいつもコメンテーターは一方的なアンフェアな取材のためか文句ばっかり。そこには文句はあっても答えがない。一部は真実であっても全体としてはもはや真実ではなくなっている。
それくらい深い溝が多いのですが、いっそ懇談会でも開いて、あるいはブログ等で本音をぶちまけあって誤解を解くというのも一つの手かもしれません。とはいえ、医師の影響力とマスコミの影響力は段違いです。どうあがいてもマスコミの権力の方が強いです。マスコミに比べたら我々なんてアリのようです。フェアな戦いが出来るかどうかの保証は出来ません。マスコミが自ら改革してくれない限り我々は彼らを敵に回す羽目になるでしょう。

>>No.31のZXSさんのリンク先より
>http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2006/10/14_9c46.html
> ↑には、奈良の件に関する詳細な情報いろいろ。mp.comという、医者しか入れない掲示板での話が出ている。

「mp.com」ってなんじゃいなw

>No.29 田舎内科医さん
>テレビや新聞が主要な情報伝達媒体でなくなりつつある現在、
>マスコミを経由しないで情報を伝えられる手段を洗練させていくべきだと思います。

それは賛成ですが、そのような手段が発達したところで結局は医師からの積極的な情報発信が必要だと思います。「視界に入ったおいしそうな餌」に飛びつくのは何もマスコミばかりでなく、一般の人も同じでしょう。


例えばブログで情報を発信するとします。普通の人は検索で引っかかるサイトのうち、1位から100位まで見ればいい方で、1位から30位までのサイトを見るのがせいぜいでしょう。以上のように仮定すると、読まれるブログになるためには、30位以内に位置する事が必要であり、そのためには積極的に何らかの情報を発信することが必要かと思いますが。

この患者のカルテはおそらく遺族の同意を得て
マスコミに配布されている様です
ところが横文字の医師カルテが読めないので
報道はナースカルテの日本語のみを追っている
医師カルテの和訳がm3に出ましたが
毎日の報道とぜんぜん話が違う
毎日の自称スクープは誤報であることが確定的になりました
確たる証拠が有る
自慢ぶっこいていた支局長さん
しっかり事実を認めていただきたいものです

>いのげさん
そこまで公開しているのでしたら、病院側の説明責任に関しては問題なさそうですね。

以前よりROMさせていただきました以前FFF先生が難しいとおっしゃいましたが、事情が明らかになってきたので、
間違えて朝日のほうに記入しましたので
病院受け入れ拒否:意識不明、6時間“放置” 妊婦転送で奈良18病院、脳内出血死亡

 ◇手術は60キロ先の大阪

 奈良県大淀町立大淀病院で今年8月、分娩(ぶんべん)中に意識不明に陥った妊婦に対し、受け入れを打診された18病院が拒否し、妊婦は6時間後にようやく約60キロ離れた国立循環器病センター(大阪府吹田市)に収容されたことが分かった。妊婦は、脳内出血と帝王切開の手術をほぼ同時に受け元気な男児を出産したが、約1週間後に死亡した。遺族は「意識不明になってから長時間放置され、母体の死亡につながった」と態勢の不備や病院の対応を批判。大淀病院側は「できるだけのことはやった」としている。過疎地の産科医療体制が社会問題化する中、奈良県や大淀町は対応を迫られそうだ。(31面に関連記事)

 ◇県外搬送常態化

 遺族や病院関係者によると、妊婦は同県五條市に住んでいた高崎実香さん(32)。出産予定日を過ぎた妊娠41週の8月7日午前、大淀病院に入院した。8日午前0時ごろ、頭痛を訴えて約15分後に意識不明に陥った。

 産科担当医は急変から約1時間45分後、同県内で危険度の高い母子の治療や搬送先を照会する拠点の同県立医科大学付属病院(橿原市)に受け入れを打診したが、同病院は「母体治療のベッドが満床」と断った。同病院産科当直医が午前2時半ごろ、もう一つの拠点施設である県立奈良病院(奈良市)に受け入れを要請。しかし奈良病院も満床を理由に、応じなかった。

 医大病院は、当直医4人のうち2人が通常勤務をしながら大阪府を中心に電話で搬送先を探したが決まらず、午前4時半ごろ19カ所目の国立循環器病センターに決まったという。高崎さんは約1時間かけて救急車で運ばれ、同センターに午前6時ごろ到着。脳内出血と診断され、緊急手術と帝王切開を実施、男児を出産した。高崎さんは同月16日に死亡した。

 大淀病院はこれまでに2度、高崎さんの遺族に状況を説明した。それによると、産科担当医は入院後に陣痛促進剤を投与。容体急変の後、妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)の妊婦が分〓中にけいれんを起こす「子癇(しかん)発作」と判断し、けいれんを和らげる薬を投与した。当直の内科医が脳に異状が起きた疑いを指摘し、CT(コンピューター断層撮影)の必要性を主張したが、産科医は受け入れなかったという。

 緊急、高度な治療が必要な母子について、厚生労働省は来年度中に都道府県単位で総合周産期母子医療センターを指定するよう通知したが、奈良など8県が未整備で、母体の県外搬送が常態化している。

 大淀病院の原育史院長は「担当医が子癇発作と判断して処置した。脳内出血の疑いも検討したが、判明しても対応しようがなく、診断と治療を対応可能な病院に依頼して、連絡を待っていた。ご遺族とは誠意を持って対応させていただいている」と話した。一方、高崎さんの遺族は「大淀病院は、脳外科を備えながら専門医に連絡すら取っていない。長時間ほったらかしで適切な処置ができていれば母体は助かったはずだ」と話している。【林由紀子、青木絵美】

 ◇「確認可能なはず」

 妊婦が意識を失った場合、子癇発作と脳内出血の差はどう判別されるのか。県立医大の小林浩・産科婦人科教授によると「いずれもけいれんを起こし、普通どちらなのかは判断できない」という。一方、別の産科医は「頭痛があり、妊娠高血圧症候群がないなら、脳内出血を疑うべきだ。病院内にCTがあるなら、確認は可能だったはず」と話す。

 遺族は「脳内出血を疑う情報が、転院依頼先の病院に伝わっていれば、次々と断られることはなかったのでは」と訴える。

これは カルテを入手しながら解析せず、院長の発言のうち毎日の記者
の都合の良いところだけ取ったことが明らかになれば名誉既存で訴えれませんか、たらいまわしや拒否6時間放置の表現は、得られた情報からしても悪意ある捏造と思われます。重過失かつ故意ではないですか。

我々の気持ちを逆なでする表彰です。

http://www.shinbunroren.or.jp/oshirase/oshirase.htm

特別賞 2件
☆毎日新聞労組 毎日新聞 奈良支局 ・大阪科学環境部取材班
「奈良・大淀病院妊婦死亡」をはじめとする全国の母子救急医療搬送システムの未整備を問う一連のスクープと検証キャンペーン

誤報道謝罪どころか、その逆ですね。
毎日新聞は、してやったりと喜んでいるのでしょうか?

正直、心底 腹が立ちます。

これって,福島県警の表彰と全く同じ構造ですね.
自分たちの行ないを他の人たちがどのように受け止めているのか全く理解しようとしない,独りよがりの発想には共通するものがあるのでしょうか?
マスコミと警察・検察には...

自分たちの行動がもたらすものを後からみても,全くそれが自分たちの行動が原因であるとは考えないのでしょうね.きっと...

P R

ブログタイムズ

このエントリのコメント