エントリ

病院3割「火の車」、診療報酬下がり経営悪化(asahi.com 2006年11月15日16時06分)

 4月からの診療報酬引き下げなどの影響で、民間病院を中心に約3割の病院で経営が悪化し、医療行為にかかわる医業収支が赤字に陥っていることが、全日本病院協会の調査で分かった。とくに都市部の病院が厳しく、東京都では約6割が赤字。同協会は「診療報酬改定に加え、看護職員確保のための人件費増加などが経営を圧迫している」と分析している。
 今回の診療報酬改定では、医療費抑制のため過去最大の引き下げ幅となった一方で、看護職員を手厚く配置すると高い収入が得られる仕組みになった。同協会は「病院間で看護職員の奪い合いが激化しており、首都圏を中心に人件費が上がっている」とみている。

 病院の経営が成り立たなくなるというのは患者側としても困ったことです。

 原因はどこにあるのでしょう?
 病院の経営努力の問題なのでしょうか?
 それとも制度変更の際にきちんとシミュレーションができていなかったということなんでしょうか?

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コメント(16)

国家的に「病院をつぶし、医者を集約する」という方向を目論んでいるのじゃないでしょうか。するとアーラ不思議、「ちゃんと医師は充足しています。偏在しているだけです」という強制労働省の言い訳がきっちり成立するわけです。ついでに言えば、国民皆保険制も崩壊させて、○リックスなどが大もうけできるようにする、と。

記事を読む限り、病院を赤字にするための制度のようですから、政策の意図通りではあるのではないでしょうかね。おそらくは、経済財政諮問会議の方針なのでしょうが。

>今回の診療報酬改定では、医療費抑制のため過去最大の引き下げ幅

医師なら大抵知っている前提の知識として。
診療報酬は、見た目は増額になっている改定でも、巧妙に収入が減るように以前からなっていました。規制を入れて点数を取りにくくしたり、よくおこなわれているものを重点的に下げたり。それから、点数が数%下がるというのは、利益の数%ではなくて、売上の数%が下がるわけですから、利益率がもともと低い医療業界としては大変です。

>看護職員を手厚く配置すると高い収入が得られる仕組み

別エントリで書いていた方がいましたが、看護婦を集められなければ、収入が激減する仕組みとも言えます。これは間違いなく厚生省の病院つぶしの一環で、勝ち組と負け組の差が大きくなるようにしむけ、負け組を潰して集約化していこうということです。
病院どうしが一致団結して抵抗しないように、分断しようという意図がミエミエで大変いやらしい。

日本の保険診療は、強烈なダンピングです。社会のためにたいへん役立ってきたのも確かですが、このように民間の企業を潰すも生かすも匙加減一つとも言えます。厚生省の思惑が上手くいって、こんなやり方で保険診療が守られた時は、犠牲になった医療側の絶望感は激しく、イギリス型の崩壊が待っているでしょう。

No.1 山口(産婦人科)さん

>国民皆保険制も崩壊させて

それは厚生省の本意ではありませんよ。省庁は、他の省庁等の思惑で一致団結して動くものではありません。皆保険こそ厚生省の力の源泉ですから、総理が潰せと言ったって抵抗します。
厚生省は、○リックスなどの圧力には、程々の落し所を考えていると思いますよ。

(厚生省にこれほど好き勝手されるくらいなら、私は個人的には保険診療を止めた方がよいと思っています)

>元行政さん
官僚崩壊の世ですし、厚労省にそのような力が残っているでしょうか。経済財政諮問会議の言いなりになっているように私には思えるのですが。

> 見た目は増額になっている改定でも、巧妙に収入が減るように以前からなっていました。

 酷い会社では、サラリーマンの昇給にも用いられている方法ですね。

>newKamer さん
「成果主義」なるものは、人件費の抑制以外の何者でもないでしょうね

No.5 しまさん

医療費削減に関しては、厚生省もせざるをえないことと考えていると思います。

厚生省の天下り先として製薬会社がありますが、薬の許認可の話だけでなく、保険診療を守るということが製薬会社の利益を守るということでもあります。保険診療がなくなれば大手製薬会社はものすごいダメージだと思いますよ。
医療機器に関しても、薬と同じ構造になっています。
保険はたいそう複雑なので、医療機関の保険請求業務をサポートすることも一つの業界として成立しています。もちろん厚生省の息がかかっています。
それから、保険を通して、厚生省は全国の医療機関を右に左にと動かしているわけで、それがなければ、医療機関に対しては、単なる放送局程度の存在になってしまうでしょう。

厚生省は、もちろんたっぷりの予算を牛耳りたいという気持ちはある。しかしそれは国全体の方針としても、道理としても無理。だからと言って、持っているもの全部放棄するわけはない。利権の中枢だけは予算削減されても存在だけは最低守る。ということだと思います。全医師による保険医返上こそ厚生省が恐れることであることは間違いありません。

> No.3 元行政さん
私はむしろ厚生省ではなく、財務省の思惑だと思うのですが、いかがでしょうか。

No.9 yama さん

財務省の各省庁に対する影響力はもちろん大きいです。財務省と折衝していかにこちらの主張を認めさせるかというのが、各省庁における大きな仕事です。財務省が保険診療崩壊(国の支出からの切り離し)を狙っていることもありえる話ですが、財務省の思惑と経済界の思惑も必ずしも一致しませんし。

> No.10 元行政さん
コメントありがとうございます。
実は実際に厚生省の役人から財務省の悪口を聞いたものですから・・・。どちらにしても厚生省の役人も自分たちの思惑がうまくいかない故にやる気が失せているのかもしれません(見た目の判断であり、実際に確認したわけではありませんが・・・)。実際に厚生省はあらゆる必要な政策を後手にやっている気がします。つまり、死亡事故が起きてからようやく対策を行う、と言った具合にです。

No.11 yama さん

厚生省批判もよくしている私ですが、世界一の医療を作り上げることに大きな役割を担ってきたことも確か。もっと評価されてもいいと思っています。

経済界も財務省も所詮医療は素人。素人の理不尽な横槍で、やる気をなくしている。全く私たちと同じようですね。(今後必要になってくるはずの医師の団結に、厚生省も一緒になるべきなのかもしれません)

うちの病院でも収入を上げろというお触れがしばしばあります。
そんなこといわれても病人の数が増えるわけでなし
われわれにはどうしようもありませんが。

http://www.asahi.com/life/update/1122/014.html
>救急外来に来た患者の経過観察は入院させて行う
うちの病院でも似たようなことをいわれているのですが
これって何か問題あるんでしょうか?

ほかのみなさんのところはどうですか?

No.13 ぱんたさん

救急に来た患者は、原則入院というのはそれほど悪いことではないと思います。救急を崩壊させないためにも当たり前になっていく必要があるでしょう。

〔覺屬聾〆困發任ず、専門性の高い医師がいるわけでないから、入院で経過観察は理に適っている。そもそもほんのちょっとみて済む程度の患者は夜間救急に来るべき患者ではないでしょう。
▲灰鵐咼砲里弔發蠅隆擬圓詫茲覆なる。(このメリットは大きい)
7攵匹鯑れて、すぐ帰すことによって、平均在院日数が減る。(姥捨て目的は逆に入院させないことが必要です)

> No.13 ぱんたさん
実際には一晩でも患者を入院させて様子を見た方が安心するという場面は結構ありますね。
例えば、腹痛で投薬させ帰したら死亡したなんてことは結構身近にあります。腹痛ほど怖い症状は私は無いとさえ思っています。
医師が一番怖い症状は、胸痛、眩暈、腹痛でしょうね。これらメジャーな症状さえ、我々医師は経験を積んでも100%的確にに診断することは出来ません。医師も帰したらどうなるか分からないけど、ベッドの都合と、タダでさえ忙しい病棟がさらに忙しくなるのは・・・というような感じでやむを得ず帰宅を指示する場合も少なく無いはずです(勿論、急変したら救急車を呼ぶようにと指示して)。
だから病院によっては一晩入院させても業務があまり忙しくならないように工夫しています。翌日専門家に診てもらえるというメリットもあります。例えば、研修医教育病院でありながらある病院では3日までならサマリー不要とか、そういう風にしています。必要のない無駄な業務をやめる、こうした決断も必要でしょう。
でも、冬場はどうなるのでしょう?夏場は旧設・帝大系の大学病院でさえ、軽症でも良いからなんでも入院を!と上は指示します。しかし、冬はベッドが足りないからと重症でも帰宅させるケースも少なくありません。これは国の医療システム構築失敗の主たるものではないでしょうか?

帝国データバンク 大型倒産速報

2007/04/11(水)
病院・介護老人保健施設運営
医療法人三禄会
民事再生法の適用を申請
負債34億3600万円

その後は、2004年〜2005年にかけて茨城県で「つくばクリニック」、「はんがいクリニック」を開設、2006年3月期には約19億3600万円の年収入高を計上、業況は拡大推移となっていたが、茨城県のクリニック開業資金がかさみ、計画通りに事業拡大に結び付かずに採算割れしていた。また、2005年より進めていた中国での病院開設計画や、栃木市内に開業を目指していた医療施設の頓挫などにより資金繰りは悪化、今回の措置となった。

このご時世の中、経営拡大をはかっていたんですね。中国進出まで目論んでいたとは。

P R

ブログタイムズ

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