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<お産を守る会>産婦人科医らが設立 看護師にも内診容認を(ヤフーニュース 3月22日3時4分配信 毎日新聞 キャッシュ

 お産の際に子宮口の開き具合を測る内診について、医師と助産師にしか認めないとする厚生労働省の通知に対し、看護師にも認めるよう求める動きが広がっている。嵯峨嵐山・田中クリニック(京都市)の田中啓一院長らが「助産師不足の現状で、通知を守ろうとすれば日本の産科が崩壊する」と訴えて、「日本のお産を守る会」を設立。賛同者は1カ月余りで全国の産婦人科医(約1万人)の2割近い約1700人に達した。同会は22日、厚労相に通知変更を求める要望書を提出する。
 昨年11月には、看護師が内診をしていたとして、神奈川県警が横浜市の病院院長や看護師ら11人を保健師助産師看護師法違反容疑で書類送検。横浜地検は今年2月、違法と判断したものの、「産科医療の構造的問題」などとして全員を起訴猶予処分とした。
 厚労省看護課は「内診は医療行為であり、看護師には認められない。助産師の養成や再就職の促進で対応するしかない」としている。

 現実ないし実情とかけ離れた法規範というものは、必然的に陳腐化、無力化します。
 しかし、無力化の過程の中で、現実と乖離した法適用という深刻な弊害が生じます。
 そのような状況になるまで放置するということは、行政または立法の怠慢であり、そのような行政府または立法府は役に立たないだけでなく有害です。

 法律を変えるか現状を改善するかどちらかをする必要があります。

 法律なんていうものは所詮人間が作ったものですから、現状に合わなくなったら変えればいいんです。
 法律を変えたくないというなら、現状を実際に変えることができる有効な政策を実施する必要があります。
 厚労省は、「助産師の養成や再就職の促進」のためにどういう政策を実施するか、具体的かつ有効な方策を提示すべきです。
 時既に遅しという感じですが。

 ヤメ検的手前味噌意見かも知れませんが、厚労省より検察のほうが現場認識が正しいと思います。

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コメント(17)

 医系技官の現状認識もひどいですが、何年か前に厚労省に来ていた警察官僚も酷かったですよ。CAの除細動器操作は適法で、救急救命士のそれには可罰的違法性があるとして得々としていましたから…。いまは総務省にいるようですが、警察にも厚労省にも戻ってきて欲しくありません。

そもそも内診の通達に関しては実情を建前で否定した感がつよいですよね。

実際として助産師さんの立ち位置はどこにあるのでしょうか
安産であればあまりやることはないでしょうし、
危機的状況なら医師に連絡することぐらいしか動けないでしょうし
個人的には看護師の特殊スキルの一つとして位置づけた方が良いような気が

医療関係者の方々はどう感じておられるか伺えれば幸いです

>法律なんていうものは所詮人間が作ったものですから、現状に合わなくなったら変えればいいんです。

別に法律を変えなくても、厚生労働省お得意の通知の出し替えで済むことでは。

確か静脈注射も、実態に合わない「医師のみに許された医療行為」という解釈から、「看護師も医師の指示のもとに出来る行為」に、通知の出し替えで変貌を遂げたような記憶が。

ていうか、一事が万事いい加減な役所ですから、あそこは。

厚生労働省の課長レベルでの通達が、医療業界全体の生殺与奪を握っている。これは医療に限りませんが、、、、

本省課長が、どっちを向くか次第であって、もし、彼らが小鼠ー安倍ー経済財政諮問会議の目論見通り動いているとしたら、既に、医師会どころか医療業界が吹き飛んでいる。

そうなっていないのは、彼らの一部が医師出身であり、誠実に抵抗している証拠。官僚の中の味方を罵倒する必要はない。要するに、力関係次第なので、勤務医ー開業医ー研究医が団結することが必要。

報道されている<お産を守る会>の動きは自然なこととして、賛同します。ところで、現状として分からないのが、厚生労働省の動きというか、厚生労働省に対する日本産婦人科医会の働きかけの現在の厚生労働省のReactionです。何故なら、日本産婦人科医会の働きかけというのは、それなりに尊重されるべきだと考えるからです。

即ち、日本産婦人科医会の平成17年度事業報告(pdf)の79ページに次の文章があることから、日本産婦人科医会の考え方は厚生労働省に伝わっており、現状を踏まえて厚生労働省は対応をすべきだと思うからです。

1.保健師助産師看護師法に関する諸問題への対応
(1)厚生労働省は医政局に、社会保障審議会医療部会より医療提供体制のあり方の検討の結果、看護師等の名称独占、届出義務及び看護師資格を持たない保健師や助産師による看護業務等が検討すべき論点の一つとの指摘を受け、医療安全を確保するという観点からも重要な問題であるため「医療安全の確保に向けた保健師助産師看護師法等のあり方に関する検討会」を設置した。
この検討会に委員として石渡勇茨城県支部長が日本産婦人科医会代表として選任された。
検討会に対し日本産婦人科医会として以下の意見書を提出したが医療対策部・コ・メ
ディカル対策も意見書作成に参加した。
1)産科における看護師等の業務について(第9回・平成17年9月5日)(pdf)
2)助産所における安全確保のための意見書(第9回・平成17年9月5日)
3)周産期医療に関わる調査報告と意見書(第13回・平成17年11月9日)

No.2 G.Foyle さんのコメント
実際として助産師さんの立ち位置はどこにあるのでしょうか。安産であればあまりやることはないでしょうし、
危機的状況なら医師に連絡することぐらいしか動けないでしょうし、個人的には看護師の特殊スキルの一つとして位置づけた方が良いような気が

私、お産経験一回ありの小児科医です。
これはね、ちがいます!!お産の間って、長いんですよ。ひとによっては48時間とかかかったりするわけで。その間の介助ってものすごく大事です。医者にはできません。ってか物理的に医者には無理。
普通分娩の場合の助産婦さんの腕の善し悪しは、ものすごく大事です。
助産婦さんもピンキリですが、specialist であることは間違いないですし、
看護士の特殊スキルの一つとする位置づけはある意味その通りです。助産婦さんはみな看護士さんですから。

看護婦さんが内診することはべつにかまわないんですけど、
助産婦さんの仕事が「安産だったら何もない」ってのは、違いますよー。
安産ってのは結果論でしかない訳で。
もし、奥さんがおられるのでしたら、お産の際にはぜひ最初から最後まで立ち会ってください。

私の考えだと、この問題は内診行為云々ではなく、G.Foyleさんの仰るようにお産の際の医師と助産師と看護師の役割分担に尽きるように思います。つまり、厚労省がどう言おうとも、この三者で合意が取れていれば問題ないと思います。

もっと言えば、厚労省の問題ではなく、この三者の問題だと思います。この三者で合意が取れていないのであれば、なぜ合意が取れないのかを追求するべきだと思います。


>じじいさん

厚生労働省お得意の通知の出し替えで済むことでは

通知を出し換えると、政治力が働いて法改正に動くようにも思います。医師、看護師、助産師の政治力のパワーバランスの勝負になるかも知れません。


>pyonkichiさん

看護婦さんが内診することはべつにかまわないんですけど

1.内診行為が何かという事が明確で
2.看護師に内診行為以上の行為をさせず
3.それに違反した病院は厳しく取り締まる

と言う事ならば問題はないのでしょうね。どうも、内診行為が問題になっている病院というのは、看護師に内診行為の範囲を越えさせている事が問題になっているように思います。

 しま さん、こんにちは。

> どうも、内診行為が問題になっている病院というのは、看護師に内診行為の範囲を越えさせている事が問題になっているように思います。

 別件というのはいずれにせよ感心しませんね。それにしても、ご指摘の内容は甚だ重大ですから、根拠があって書いていらっしゃるのであろうと思いますが、問題となっている堀病院では、具体的にはどんな行為が行われているのでしょうか。

>rijinさん

ご指摘の内容は甚だ重大ですから、根拠があって書いていらっしゃるのであろうと思いますが、問題となっている堀病院では、具体的にはどんな行為が行われているのでしょうか


端的に言えば、人工破膜が行われていたそうですね。もっとも、私は人工破膜を看護師に行わせることが適切か不適切かを問題にする訳ではありません。しかし、産婦人科医会の内診基準の範囲を越えているようには思います。

 さらに、出産促進のため、胎児を包む卵膜を手や器具で破る「人工破膜」も無資格の看護師らの手で普通に行われていたことも明らかになった。人工破膜は胎児の頭を傷つける恐れなどがあるため、出産現場に携わる都内の医師は「リスクが大きく医療行為に近いので、看護師には絶対やらせない」と話す。

 日本産婦人科医会は産科医と助産師が不足するなかで「無資格内診で刑事責任を問われるとすれば、産科医療の現場に深刻な打撃を与える」と県警の捜査を非難した。だがその医会幹部でさえ、地検から堀病院での「人工破膜の話」を伝え聞いたときは「ここまでひどいとは」と絶句した。
お産の現状改善に“猶予”


しかし、医療系、医療従事者のブログでも大きくは取り上げられていないようですし、大した事ではないかも知れません。また、現場の方の感覚では内診時に自然に破膜することはよくある事なのかも知れません。

 しま さん、こんにちは。

 人工破膜は問題であろうと思います。それに実害があるかどうかという問題以前に、産科医のマジョリティの間でも多少は意見が分かれるだろうからです。検察が当初から内診を問題にせず、看護師による人工破膜にのみ的を絞って捜査を行っていれば、周囲の反応も、あるいは結果すらも違っていたのかも知れません。失策であったと思います。

 ただ、逆に言えば、警察・検察には内診を問題にしないという選択肢が看護課長通知の存在によって封じられています。そもそも無理筋であったようですね。

 産科医側の今後の対応としては、人工破膜は医師あるいは助産師が行うという点の徹底が図られるであろうと思います。こればかりは、いくらなんでもできない話ではないだろうとも思います。…ただし、それすらできないほど現場のwork-forceが不足しているのであれば、それはそれで、やはり国民としては甘受して行かざるを得ません。「べき」論だけで現実に立ち向かうことはできないからです。

 また、人工破膜に限らず、どこで誰が何をするべきかというskill-mix designやbattle doctrineについて、日本の医療行政はあまりにも無計画にやってきました。無計画であるが故に、現実から遊離した課長通知が横行しているのであるとも言えます。計画を立てるには、あるべき姿を描くだけでなく、その実現の妨げになっている事象を細かく調べ、いちいち具体的改善の方策を検討することが必要です。

…さもなければ計画や干渉そのものを止めてしまうことが必要です。

 行政が現実を無視してできもしない法令を現場に押しつけることを止めさせるには、その辺りの枠組みを明確にして行く努力が現場にも必要であろうと思います。

しまさんとrijinさんの討論を見てさすがの充実ぶりに感服します。

ふと思ったのですが、厚生省の規約ではお産は疾病ではないので保険医療の対象ではない。ゆえに医師がお産をとるなら自由診療で、また医療ではないので医師がやらなくても良い、助産師がお産をとることを業としても良い、と決めていたと思います。つまり、通常のお産に限っては妊娠中に誰がどのような処置を行おうと、無事出産が完了できた時点では何も通達違反だとか違法だとか過失だとかを問うべき法的根拠そのものが存在しないのでは?

堀病院の擁護云々ではなく、無事出産を済ませたものについては全経過を通じて医療は行われていなかったのだから、医療の実行を規定できる厚生省通達も、法としての実効性が主張できない領域ではないのかなと、ふと思ったぼつでおkな疑問でした。横入り失礼いたしました(笑)

>ぼつでおkさん
通達それ自体には法的な効力は発生しないと思われます。あくまでもその担当者の見解を発表したに過ぎず、裁判所が通達にそぐわない法解釈を行うことも十分あり得るとは思います。

内診行為に関する厚生省通達で、具体的に何がどうなるのかは、私に取っても興味深い問題ではあります。

ぼつでおKさん

今の日本のお産の約2割は帝王切開なんです。これは、保険適応の医療行為になります。

ですから、厚生労働省が何らかの通達を出したがるのは判るのですが、問題はrijinさんの指摘のように、現場の実態を無視し、実行不可能な通達が出されることでしょうね。

>rijinさん

…ただし、それすらできないほど現場のwork-forceが不足しているのであれば、それはそれで、やはり国民としては甘受して行かざるを得ません。「べき」論だけで現実に立ち向かうことはできないからです。

同意します。できないことを要求しても意味がないです。日本産婦人科医会が会員のコンセンサスを得た上で「看護師にも人工破膜を行わせる」と主張するのであれば、異論は唱えません。


また、人工破膜に限らず、どこで誰が何をするべきかというskill-mix designやbattle doctrineについて、日本の医療行政はあまりにも無計画にやってきました。

どこで誰が何をするべきかと言うのは、素人なりに考えるのであれば、行政の守備範囲外だと思います。例えば内診行為に関しては、行政が通達で処理するのは不適切であり、医師と看護師と助産師の三者で調整を行うべきだと思います。

調整がまとまらない場合、その三者は行政に調整を求めてはいけないと思います。厚労省の官僚は一言「それは医師法と保健師助産師看護師法の問題ですから、裁判を起こすなり、法改正を働きかけるなり、自分たちで解決して下さい」と言う方が好ましいと思います。

>No.12 しまさん
>No.13 元小児科、現内科医 さん
コメントありがとうございます。

堀病院がちょうど通達違反で警察が強制捜査に入ったので、No.11のようなことを考えたものです。あれをモデルにした思考実験みたいなものです(笑)。
あの事件では日常的に通達違反が行われている事実があるかないかという捜査だったですが、堀病院での日本一の分娩数のうち、医療分娩でなかった通常分娩のものまですべて看護士による内診があったかなかったかの捜査対象になっていたと思います。つまり、医療分娩でなかったものまで通達の法的実効性のもとに組み込まれたと思いました。病院でのお産ですから、形式的に医療記録の形で記録が残されていたから、混同されるのも無理もないことでしょうが。

ですが、本来助産院で行われてもなんの法的問題もないはずの通常出産は、場所が病院であっても医療ではないはずじゃなかったかな、と思ったので、通常出産で無事済んだ人については記録上行われた内診行為を医療行為であると認定することは論理的じゃないように思ったわけです。

ただし明らかに誰かの内診行為によって異常分娩経過が引き起こされ医療分娩に変化した場合はその瞬間から通達が効力を発生すると思います。この場合は医師か助産師以外がその内診行為を行ったのであれば通達違反行為があったということになると思います。

私に生じた疑問の内容をうまく説明できたかこころもとない(笑)ですが、端的にいえば堀病院では警察の捜査が不必要な範囲に対してまで行われたのではなかったのか、というような疑問ということも出来ると思います。あまり端的に言えてないですね、我乍ら(笑)。

苦手な長文でのタワゴト、お目汚し失礼致しました。読み捨てていただければ幸いです。

>>ある経営コンサルタント さん

>日本産婦人科医会の働きかけというのは、それなりに尊重されるべきだと考えるからで
>す。
厚生省に影響力があるのは日本医師会のみで、産婦人科学会に限らず他の、内科、外科学会も影響力は皆無だといわれています。
現在、日本医師会に2人の産婦人科代議員がおり、その人たちを通じて内診問題を含めいい方向に向きつつあるといわれています。

調整がまとまらない場合、その三者は行政に調整を求めてはいけないと思います。厚労省の官僚は一言「それは医師法と保健師助産師看護師法の問題ですから、裁判を起こすなり、法改正を働きかけるなり、自分たちで解決して下さい」と言う方が好ましいと思います。

ところが、実際は厚生省(当時)看護課(課長は技官で看護師資格者)は看護協会の意向を受けて、一方的に解釈を変更しているわけです。審議会は開催されていますが、意見の一致はみていません。
平成16年の看護師や准看護師は産婦の内診をしてはいけないという通知は、一部の産科医からは今も恨まれているらしい。

と当時の関係者が回想されておられます。
ttp://www.haibara-ob.jp/katsuyaku.html

P R

ブログタイムズ

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