エントリ

 医療問題は、当然のことながら司法との関係だけが問題ではありません。
 司法についてみても、立法は司法判断に対して決定的な影響を与えますし、医療行政は実質的に最も大きな影響を持つと思われます。

 そこで、このエントリでは立法と行政を含む医療政策についてのご意見をお聞きしたいと思います。
 立法と行政は、本来は分けて考えたほうがいいと思うのですが、日本は議院内閣制ということで、とりあえずまとめてしまいました。

 立法や行政は、国家機関である内閣や国会が行うものですが、一国民、一市民、一医療者さらには医療者グループなどとして何ができるか、という観点でお考えいただければより実りある議論になるのではないかと思っております。

 個別論点が浮かび上がってきましたら、またはご希望があれば、別エントリを立てることを検討します。

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医療政策の問題点というと色々あると思うんですが。

古くからは医療費はケチった方がいいのかどうかとか、年寄りはどこまで生かしておくのかとか、死にそうなのや障害者とか透析患者はどこで諦めるのかとか、話がどう考えても人権無視、生命無視の議論になってしまうので、理想としての生命よりも現実の算盤勘定という人と、いや、それじゃ人としてアレだろうという人の間で平行線になってしまいます。

最近もそうなんですが、地方が困っているから医者の人権を制限して、クジか試験かは知りませんが、運の悪いのが地方都市の病院でいったん研修をはじめたら、バックアップもないような僻地で勤務させたあと褒美として地方都市の病院の中間管理職でストップさせるキャリアにしてしまおうとか、指導者や、何かあったときのバックアップもない、臨床経験豊富な腕利きしか勤まらないような僻地診療所に研修を終わったばかりの経験に乏しいぺーぺーを放り込んでしまおうとか、医療を実際に行う方の意見を全くとりいれない机上の空論が横行しています。

このような状況で何ができるのか、私には全くわかりません。逃げる以外に何ができると思いますか?

>No.1 さなぎまんさん
>逃げる以外に何ができると思いますか?

私も現在一部で検討されている僻地勤務義務化などは、大して効果のない机上の空論だと思っています。ですが、このような状況では何もできないから逃げるという発想には同意できません。

医師(医療者)が逃げるという選択ができるのは、医療制度の改革に献身的に協力するしないにかかわらず、生活できる安心感が背景にあるのではないですか? もっとあからさまに言えば、改革に献身しようとしまいと食べるに困らないのが現実なのではないでしょうか。

ですが、医療者の収入が最低限確保される現実の背景には、日本の医療法や健康保険法による制度の枠内において、という前提条件が付くと思います。健康保険法は決して理想的で完璧な法制度ではありませんが、そうした法令やそれに基づく行政の諸施策、更にはそうした社会基盤に支えられて医療者は日々活動できるのであり、収入を得ることができるのは事実だと思います。

このように社会制度の恩恵に多少なりとも与って医療者も生活しているならば、その拠って立つ社会の要求から逃げるのではなく、医療者として団結し、意見をまとめ、提言して社会制度の改善を訴える、という選択肢を選んで頂きたいと思います。

>No.2 法務業の末席さん
>社会の要求から逃げるのではなく、医療者として団結し、意見をまとめ、提言して社会制度の改善を訴える、という選択肢を選んで頂きたいと思います。

既出の話なんですが、せっかくの医療政策エントリなので、

会員からも信頼されていない(^^;日本医師会ですが、それでも日医総研なんかで政策提言しています。医師会の定例記者会見でも、その提言に基づいてコメントしていますが、ほとんど取り上げられません。たまに取り上げられても「既得権益維持のため」との論調です。昨年は厚労省の将来医療費推計が過大だとの医師会の主張(医師の間では何年も前から周知のことでしたがマスコミはスルーでした)がやっとマスコミに取り上げられましたが、国会で取り上げられたからです。ですから法務業の末席さんが医師会の政策提言を御存知ないのも無理のないことです。

「逃げる以外に何ができる」と私は思っていませんが、相手が話を聞かない状況なら医師個人レベルでは「逃げるほうが合理的」です。おっしゃるように逃げても生活できますから。医師集団としても、実際に窮地に陥らなければ真剣にならない国民性(我々医師も同じですが)を考えれば、主張を聞いてもらう手段として(今までさんざんスルーされてきましたから)「皆で逃げる」ほうが合理的、合目的ではないかという考え方から「医療崩壊待望論」も生まれています。

医療政策対策はマスコミ対策でもあります。

>このように社会制度の恩恵に多少なりとも与って医療者も生活している
>ならば、その拠って立つ社会の要求から逃げるのではなく、医療者とし
>て団結し、意見をまとめ、提言して社会制度の改善を訴える、という選
>択肢を選んで頂きたいと思います。

法務業の末席さん,
既に何周も遅れた議論になっているようですが,医師特に勤務医には現実的にそのようなことに裂ける時間はありませんし,いくらかの団体が提言してもマスコミのこれまで(現在も?)の医療バッシングの姿勢でそれらはほとんど多くの人間の目には触れて来なかったというのが実際のところでしょう。
確かに収入はある程度保証されているかもしれませんが,現状では基本的人権が守られているとは言い難いです。労働基準法の基準をはるかに超える勤務に大して厚労省は見てみぬふりです。強制労働省と揶揄されても仕方が無いでしょう。
医師も動く努力をする必要はあるでしょうが,最大の問題は「問題が分かっていながら対応しようとしない,厚労省や政府の対応にあるのではないでしょうか?
そのためには我々医師よりも国民自体が医療の必要性を考えて政府を動かす必要があるのではないかと思います。最も困るのは非医療者の国民ですから...

>Level3 さん

>そのためには我々医師よりも国民自体が医療の必要性を考えて政府を動かす必要があるのではないかと思います。

 そのきっかけを作るのだ誰だと思いますか。
 医療側が作らなければ医療崩壊という事実がきっかけにならざるを得ないと思います。
 医療崩壊をただ待つというのであればこのブログの医療関係エントリの存在意義はありません。

 既に指摘されていますが、国民は医療の現状を 知らないのです。
 誰かが教えなければずっと知らないままです。
 では、その誰かとは誰でしょう。
 医師以外に考えられますか?
 このブログにわずかにしろ存在意義があるとすれば、その一点であろうかと思っています。

 投票機能はそういうことも意識して作りました。
 投票オプションに「医療の実情」とか「医師の労働条件」などというオプションを増やして、テーマごとに過去のコメントを拾い上げて提示することもできます。
 
>既に何周も遅れた議論になっているようですが,

 私はそうは思いません。
 上に述べたような意味で、この問題は常に現在進行形だと考えています。
 
 

>No.2 法務業の末席さん

>医療制度の改革に献身的に協力するしないにかかわらず、生活できる安心感が背景にあるのではないですか? もっとあからさまに言えば、改革に献身しようとしまいと食べるに困らないのが現実

残念ながら、そのようです。

しかし、食べるに困らない理由は国家によって守られているが故ではなくて、国家が医師を減らしているが故に、結果的にそうなっているのです。

医師が逃げざるおえない環境を作れば作るほどに、その周辺に食べられる地域が増えていきます。なぜなら病を治してほしいという国民のニーズは、国家の想定した、医療費を減らすための妄想需要よりもはるかに大きいからです。

これほどまでに国民が求めているものを与えようとしない国というのは大した民主国家だと思います。

> No.5 モトケンさん
しかし現実として我々現場の人間が行政に訴えても行政処分という形での事実上の制裁を受けてきました。ようやく旧帝国大学が行政に対して半期を翻し始めたところですが、彼らだからできたのでしょう(但し、まだまだ序盤戦ではあります)。
それまでは上記の通りですので多くの大学病院や大病院の医師たちは及び腰になっているのも無理はありません。そういう意味では行政が変わらなくてはならないと私は思います。現場の個人個人の意志の力なんてたかがしれています。
一番変わらなければならないのはマスコミだと思います。彼らの影響は強大です。最近ようやく理解しようとする基盤ができはじめたと思いますが、まだまだでしょう。
現場の人間からいわせていただくと世間的に足りないかどうかの議論はともかく、きっかけは作ってきたと思います。今度はそれを一般の人達やマスコミに理解させることだと思います。そして最後に精索に反映させる、今考えられる方策はこれしか無いと思いますが、今後はインターネットの普及により大きく変わることを個人的には期待しております。
インターネットが普及する前はきっかけを作ってもそれをマスコミや行政が取り上げず、その結果崩壊してしまったのです(これは残念ながら事実です)。

こうした意味では私はLevel3さんの言うとおりだと思わざるを得ません。

>yama さん

>こうした意味では私はLevel3さんの言うとおりだと思わざるを得ません。

 だったら、このブログやめちゃいましょうか?
 そう言ったら身も蓋もありませんが

>今度はそれを一般の人達やマスコミに理解させることだと思います。

 誰が、どうやって理解させるのですか?

>インターネットが普及する前は・・・

 今はかなり普及していますが。

> モトケンさん
あまりそうやって医師をいじめないでいただきたいのですが(涙)。

まず第一に私は世間に知って貰うという意味でもこのブログの有意義性を認めています。また、医療従事者や法曹の人達がこの問題を考えることが大切だとも思います。
第二に、それにちょっと厳しいことをいうようですが、そうやっていつまでも医師を責め立てても解決しません。こちらが法曹を責め立てて解決しないのと一緒です。こちらは十分行政の冷たさを知っているからこういう発言が出てくるのであり、そういう現場の声を聞くことは大切だと思いませんか?
そのこれを元に解決を考えるというのが大切なプロセスだと私は思います。最も解決にはほど遠い状態ですが、いつかは解決するという希望を抱く・・・これが最も大切な姿ではないでしょうか?

ちょっと今回のモトケンさんの発言にはがっかりしました。

追伸
しかし、我々はモトケンさんのこうしたいろいろな圧力に耐えてやって努力してきているのを見ています。こういう意味において頑張っていただきたいと切に願っております。

>No.9 yama さん

>あまりそうやって医師をいじめないでいただきたいのですが(涙)。

 いじめているつもりも責めているつもりも全くありません。

 諦めないで欲しいと思っているだけです。

 医師が諦めたら、つまり医師が口をつぐんだら、成り行きまかせにしかならないからです。
 成り行きにまかせて事態が医療側にも国民にとっても良くなると考えるほど私は日本の官僚や国会議員を信頼していません。
 もちろん司法も同じです。

 現状を見る限り、医療の実情に無知な人間が少なくないことには変わりがありませんから。


 医療問題においては、医師がメインキャストの一人であることは疑いようがありません。
 主役が舞台から降りたら、その演劇は終わりです。

> No.11 モトケンさん
私はあきらめていませんよ。自分でいうのも何ですが、かなりしつこい性格です。

>インターネットが普及する前は・・・
 今はかなり普及していますが。
>今度はそれを一般の人達やマスコミに理解させることだと思います。
 誰が、どうやって理解させるのですか

インターネットが普及しているとはいえ、ブログなどで問題になっている諸問題を理解するにはまだ至って居らず、そういう意味においてインターネットの普及が不十分であると思います。まだまだ人類はインターネットを十二分に活用するまでに至っていないと思います。
それから誰がマスコミに知らせるのか、ということですが、今までは実際に医療が崩壊してマスコミが変わりましたが、それこそインターネットの理解度の普及(こう言葉を変えてみました)が期待できるということがいいたかったのです。
我々は国家権力の怖さをよく知っております。最近保険診療が破綻していますが、例えば保険病名が監査によって認められなくなってきています。そしてカルテに記載が不十分な保険病名に対しては報酬が無効だといわれてもいます(現実問題として保険病名をつけた理由なんて医学的でも何でもないのでカルテに記載なんかできません!患者に治療費返還の口実を与えますし、それこそ行政から「保険病名なんてものは存在しない」なんていわれますから)。でも、それで行政からは「理由をちゃんとカルテに書かないと保険医と保険期間登録を取り消します」と脅されます(かなり怖いですよ、実際にいわれたときは)。
これはほんの一例ですが、こんな国家に一人で立ち向かうなんてことはできません。ドンキホーテと一緒です。いくら世間で日本は民主主義といっても実態は社会主義です。
やはりこの問題は国民レベルで変えていかなければならないのです。我々はそのきっかけを作る役割だと思います。不十分かもしれませんが、Level3さんも含めてある程度はそのきっかけを作ってきたと思っていることでしょう。でもそれが理解されていないということが解りましたし、逆に攻めどころが解りました。そういう医師の認識が違う、と思わせるに至るきっかけを作ってくれたという意味においてこのブログはまた有用だたわけです。
では医師たちの行動に何が足りないのか?それを考えていきたいと自分では思っています。

モトケンさんは「結局、医師たちの中には理解してくれない人がいる」と嘆いておられましたが、私はそうは思いません。譲歩するしないは別としてお互い問題点を指摘し合い、考えています(もちろん、一部の例外は除きます)。私が見る限りは少なくとも考えが多少なりとも変わっている医師が大勢います(同じ職種だから変わったことが理解できるのかもしれません)。これほど有用なことがあるでしょうか?理解はできなくても考えることはできるのです。そしてそれが理解への第一歩となるのではないでしょうか?

一般の医療問題を記したブログは医師たちの一方的な情報発信であり、世間一般には理解度を得るのが困難であると思います。しかし、このブログはさらにそれが発展し(本来ここは医療ブログではなく、すなわち医療ブログが発展したわけでは無いのですが、あえてこの表現を使わせてください)、法曹という医療に関して素人の人達が参加しています。従って一般の人達の疑問も他の医療ブログに比べ理解しやすいかもしれません。

ついでにいうと、No.7に誤字がありましたね。いうまでもないかもしれませんが、「半期」→「反旗」です。

過去 現在 未来
司法 行政 立法

司法は,個別具体的な紛争の終局的解決をするものであって,個別の事案を超えての権利調整やら未来像を描く力には乏しいし,それを司法がおこなおうとうすると無理が生じる

未来を見据える力に乏しく(立法政策能力が乏しく),現状維持だけに奔走すると行政力依存で,成り行き任せのデタラメになる.時代が変われば陳腐になりうせる

本当に必要なのは未来を見据えた立法府の働きでしょうし,それは司法・行政での働きをフィードバックした3権の長としての役目です

司法は医療に例えると病理医でしょうか?
なんでも知っているし,なんでもできるけれども,既に患者は死体.

生きている人に限られた医療資源をできるだけ公平に公正に分配するには知恵がいるとともに,将来を見据えた未来像の構築が欠かせないが,10年後の医療像を騙れる政治屋はいても,語れる政治家はいるのか?

民主党の枝野氏に期待を寄せたい.

残念ながら、日本医師会の上層部がマスコミ対策の方向性を理解していないのは、最近の妙な医師会製作CMを見れば(見なくても?)少なくとも医師の皆さんは実感できると思います。

そこで、勤務医の皆さんにお願いがあります。医師会に入ってください。m3などでも勤務医だけの新医師会を作ろう!との勇ましい意見がしばしば出ますが、そんなことをしなくても、今の医師会を勤務医で乗っ取ってください。

非医師の方への説明も兼ねて言いますと、日本医師会会長は都道府県医師会選出の代議員による選挙で決まります。都道府県医師会会長は各地区医師会の代議員による選挙で決まります。まず、勤務医の皆さんがこぞって地区医師会に加入すれば、勤務医の意見を代表する地区医師会会長や地区代議員を選出できます。これが全国で起これば、日本医師会会長も勤務医の意向で決まることは御理解いただけると思います。勤務医のほうが、開業医より数が大いですから。ちなみに私の加入している地区の地区医師会の勤務医会費は月額3,700円です。そのほかにも内科医会会費とか、○○会会費といわれるかもしれませんが、丁重に断れば問題ありません。上部の都道府県医師会や日本医師会に加入するのは更にお金がかかりますが、前述のように地区医師会にだけ加入すれば間接的に日本医師会会長選挙に関わることができますので、地区医師会の加入だけで十分です。もちろん代議員は更に上部の医師会に加入しなければなりませんが。

忙しい勤務医の皆さんに必要な行動は、皆さんの代表への委任状(郵送されてきますので、代表の名前を書くだけ)を郵送するだけです。(正直言って、全国的に委任状選挙が可能なのか自信ありません。たぶん、可能だと思いますが)

また、つらつらと妄想を書いてしまいましたが、少なくとも新医師会構想よりは実現可能性が高いと思います。

>そのきっかけを作るのだ誰だと思いますか。
>医療側が作らなければ医療崩壊という事実がきっかけにならざるを
>得ないと思います。

モトケンさん,
既に医療側は十分な資料を出してきていると思います。きっかけは作っているでしょう。ネットを探せばそういった情報はいくらでも見つかります。

最も重要なのはマスコミの役割です。これまでのような医療バッシングを改めて,正しい情報を国民に知らせるのはマスコミの本来の役割だと私は思います。マスコミが我々の出している情報を拾い上げてそれを勝手なフィルターを通さずに広報することが現在のマスコミの最大の使命です。
違いますでしょうか?
我々医師は,そのような強力な広報の手段は持ち合わせていないのです。

No.9 yama先生

モトケン先生もお忙しいので、法曹側としてモトケン先生の真意を、私なりにご説明したいとおもいます(もっとも、既にモトケン先生が新しいテーマを建てているので、屋上屋になるかもしれませんが、そのことはご容赦ください)。

>第二に、それにちょっと厳しいことをいうようですが、そうやっていつまでも医師を責め立てても解決しません。こちらが法曹を責め立てて解決しないのと一緒です。

十分おわかりになっていると思いますが、モトケン先生をはじめこのブログでコメントしている法曹は、医師の先生方に、医師が声を上げないと「いけない」とは言っていないと思います。ただ、現状を変えるためには、声を上げないと「動きませんよ」という、現状認識を言っているに過ぎないのです(もちろん、このまま論を進めていくと、「声を上げないという選択をした」→「現状は変わらない」→「声を上げなかったのだから現状が変わらないのもやむをえない」→「現状が変わらないのは声を上げなかったからであって、文句を言うのは筋違いだ」となり『がち』です)。

実は、私も、当初からROMしてきて、医師の立場以外から、「これほどせっぱ詰まっているのに、どうして医師の皆さんは声を上げないのだろうか?」と思っていました(し、現在もそう思います)。
以前に、PINE先生が述べられていましたが、司法改革は恐ろしいほどのスピードで変革しています。そして、それは変革を望んでいる人がいて、その変革を主導した人物(達)が(政治家や行政側の人間ではなく)いるのです。

一例を挙げますと、これも以前このブログでも少し話題に上っていた、「刑事裁判手続への被害者参加制度」です。
この制度は、妻を殺害されて遺族となった一人の弁護士をはじめとして、被害者・遺族が団体を作り、活動を続けています。この弁護士は、企業法務系のパートナー弁護士で、日々の業務に携わりながら、被害者(遺族)の権利獲得に奔走されました。
この制度は今国会での成立が有力視されていますが、現在でも、「最後のお願い」とばかりに、上記弁護士を中心とする被害者の会から、与党・野党を問わず、陳情をして欲しいとのパンフレットが配布されます。
私自身は(というより多くの弁護士は)この制度に疑問をもっていますが、その内容はさておき、上で述べた弁護士の活動状況には頭が下がります。

もちろん、医師の皆さんとは状況は違うことは百も承知です。特に違いがあると反論されるのは、マスコミの扱いなんでしょうね。『現在は』遺族の側にたった報道はされやすいということはあるでしょう。
ただ、マスコミの報道も『最初』は違っていたのです。また、上記の弁護士の行動は、法曹側からも相当な反発を受けたはずです。今では考えられませんが、上記弁護士が犯人(被告人)の裁判の法廷で、妻の遺影をもって傍聴したところ、裁判所から遺影を出さないように言われて、これに対し、上記弁護士は相当な反発をしたのです。
しかし、「当時は」(くどいようですが、私個人は「現在も」ですが)、法曹の常識としては裁判所の判断は、一般的に妥当であると言われていたのです。

「では、具体的に何をすればいいのか?」というところで、止まってしまう、というのはよくわかります。具体的方法がないので立ち止まってしまい、「逃散する」という気持ちになる。
医師の先生方が「逃散しか方法がない」と言われるなら、私自身は、『それも仕方ないかなあ〜』と思うのです。しかし、せっかく議論の場を設けてくれたモトケン先生は、残念に思うだろうなあ、と考えてしまうのです。

とりとめのない話をしていまいましたが、今の自分の正直なを述べてみました。

舞台から降りるのも相当勇気と行動力が必要です。舞台から降りてはじめてマスコミも取り上げるようになってきましたし、国民の目にも留まるようになってきたんじゃないでしょうか。舞台から降りるという行動によってしか声をあげられない、というかそれしか国民に意見を届ける有効な方法がないのが現状です。団結して声を上げれば、国や医者たたき君たちにターゲットをしぼらせ悪役に仕立てられるだけですからね。それは現時点のm3をみても明らかですよね。

朝投稿した自分の発言にいくつかレスが付いていますが、No.2の私の発言にいくつか追加させて下さい。

私自身は社会保険労務士として、健康保険などの社会保険制度、時間外労働などを規制する労働基準法の世界の人間です。一般の国民より健康保険などの社会保険の仕組みには詳しい専門家だと自負しています。その私の立場から見て次のコメントには正直失望させられました。

>食べるに困らない理由は国家によって守られているが故ではなくて、国家が医師を減らしているが故

日々の売上の7割について、法律(健康保険法・社会保険診療報酬支払基金法・その他関連法令)に基づいて、国家がその事業者(保険医療機関)に支払いを行ってくれる業界が他にあるでしょうか? 健康保険法という社会制度(立法・行政システム)の恩恵に与っている何よりの証拠ではありませんか? にもかかわらず先のコメントが出てくるのが社会保険制度の専門家として哀しいのです。

勤務医の過酷な労働実態、違法な労務管理の数々、こうした現実の矛盾を解消する手助けできる法務業として、私どものような社会保険労務士があるのです。とは言っても我々社会保険労務士は代理業ですから、「困っているから何とかしてくれ」という一人一人からの個別の依頼が無ければ動きようがありません。相談や依頼というアクションが無く、逃散という選択をされては手も足も出ないのです。

労働問題を所管する旧労働省と、医療問題を所管する旧厚生省が2001年に合体し、厚生労働省が出来上がりました。ですが一体となったはずの厚生労働省は、単に労働大臣と厚生大臣が同じ大臣が兼務しているだけで、旧来通り2つの異なった役所が存在しているのが自体と言っても良い有様です。その結果医療の世界に残る中世的徒弟労働制度の解消が実現されていないのも事実です。

私は医療者でもなく法曹者でもない場違い者ですが、そうした日本の社会制度の限界のなかで、個人としてできる範囲で発言し、行動したいとおもっています。それが周回遅れだ、筋違いだとブログ管理者がおっしゃるのなら退散致します。

>日々の売上の7割について、法律(健康保険法・社会保険診療報酬支払基金法・その他関連法令)に基づいて、国家がその事業者(保険医療機関)に支払いを行ってくれる業界が他にあるでしょうか?

介護保険を適用すれば、寝具業界も建築業界も同様ですよ。

さらに言わせていただけば、国が行う建設事業などもまた、同様です。

しかし、医療に限って言えば、医療側に細目は秘密とされ、おおまかな適応症のみが開示されている支払い基準によって、売り上げの数パーセントは必ず査定といって支払いを拒否され、自己負担分も未収となるリスクがかなりあります(患者さん側も病院は福祉なのだからまけて当然という意識を持つ方が少なからずいらっしゃいます)。公共事業で数パーセントは支払い拒否などというおかしなことはないと思いますので、医療だけが厚遇されているというのは迷信です。ユダヤ人の鼻が大きいとか、アーリア人青年を搾取しているとかいうのと同じたぐいのプロパガンダです。

ちなみに売り上げのうちの数パーセントが損金勘定などという放漫経営の企業というのはどれぐらいあるのでしょうか。

理由を訊いてもろくに応えてもらえない、ただ過剰であるという一言だけである月は認められず、ある月は認められるという不思議な査定が行われています。明確な公刊された基準というものはなく、係官との一問一答というふざけた文書から基準を推測するしかない状況です。

患者さん側から見ればそれなりにまともそうな制度も、楽屋裏はこんな珍問答が日々行われ、理由のわからない査定や、診療報酬の突然の減額や基準の改変などがそれこそ朝令暮改と言うような頻度で行われ、安定した経営を行うことが非常に困難な状況にあります。

日本の医療機関、そして医師達は本当によく耐えているとおもいます。

>No.18 法務業の末席さんのコメント
>私は医療者でもなく法曹者でもない場違い者ですが、そうした日本の社会制度の
>限界のなかで、個人としてできる範囲で発言し、行動したいとおもっています。
>それが周回遅れだ、筋違いだとブログ管理者がおっしゃるのなら退散致します。

横から失礼致します(笑)。私が寺子屋仲間として議論を拝見していて思いましたのは、No.5 からのモトケン先生のコメント にあるようにブログ管理者先生は誰も退散などする必要なしとおっしゃってるのではないでしょうか(笑)。

No.18 法務業の末席さん

>国家がその事業者(保険医療機関)に支払いを行ってくれる業界が他にあるでしょうか

例えば水道トラブルに対して国が7割払ってくれるシステムができたとします。これによって利用者は倍増です。自分で修理していた人が頼むようになり、来客が3倍になりました。これでウハウハかと思いきや、国の決定で今まで一件5000円でやっていたものが、1500円に下げられてしまいました。3倍働いて500円の収入減です。今さら国のシステムを拒絶しようにも、国のシステムでやっている業者と競争するのは不可能です。いくつかの業者はつぶれました。そして4倍の来客が来るようになりました。すると今度は値段を1000円に下げて来ました。

多少の誇張はありますが、今の医療はこういうことです。開業医、及び開業経験者は皆知っています。

はじめて投稿する弁護士です。
  部外者が事情も知らないのに生意気だと思われるでしょうが、ちょとだけ提言させて頂きます。

  医師や看護師の増員については、国民の賛同は得られるはずです。患者はよりよい医療を受けたいと思っていますし、国民全員が患者ないしは患者予備軍なのですから。

 最近はマスコミも医療崩壊の危機について取り上げるようになっています(例えば、朝日新聞は「ドキュメント 医療危機」という連載をしています)。マスコミも国民も、医師の方々が思っておられる以上にこの問題について関心が高いと思います。

 私は医療従事者の方々の組織やその活動をよく知りませんが、組織的、政治的な活動はもっとできないのでしょうか。
 
 例えば、医療危機について分かりやすい(あまり長くなくて人目を引くような)パンフレット(現状の紹介と提言を簡潔にまとめたもの)を作成し、新聞広告に出す、同時にものすごい数の医師のブログでも一斉にそのパンフレットを掲載する、それがまたマスコミの関心を呼んでニュースになる、というように・・・(思いつきですいません)。署名運動をして請願をする、政治家に陳情する等もどの程度の効果があるかは不明ですが、やってみる価値はあるのではないでしょうか。

 もっともそのタイミングは(政治的配慮は必要でしょうから)、今(参院選の前)が適当かどうかは分かりません。
 
 弁護士と違って、医師の数は多く、弁護士会に比べればはるかに圧力団体になり得ると思います。また、この問題について、国民全体の関心は高く、(司法改革の問題点などについてはちっとも記事にしてくれない)新聞記者も記事にしてくれると思います。

 「逃散」も仕方ないのかもしれませんが、ブログや掲示板に書き込むだけでは、国民はなかなか味方についてはくれないし、政治家も動いてはくれないでしょう。インターネットの力は強くなっているとはいえ、まだまだ利用者は少ないですし、医師の方々のブログの読者には医療従事者は多くても一般人は少ないように思えます。

 以上、思いつきで失礼致しました。

 
 

(要請により二重投稿につき削除)

nukiさま

実は、私も、当初からROMしてきて、医師の立場以外から、「これほどせっぱ詰まっているのに、どうして医師の皆さんは声を上げないのだろうか?」と思っていました(し、現在もそう思います)。 
中略
「では、具体的に何をすればいいのか?」というところで、止まってしまう、というのはよくわかります。具体的方法がないので立ち止まってしまい、「逃散する」という気持ちになる。
医師の先生方が「逃散しか方法がない」と言われるなら、私自身は、『それも仕方ないかなあ〜』と思うのです。しかし、せっかく議論の場を設けてくれたモトケン先生は、残念に思うだろうなあ、と考えてしまうのです。

過労死レベルの業務を日常化されても、いまも声なき医師はnoblesse oblige を実践しています。
それが心折られて途切れるは声もでません。 
ただただ、消え去ること、あるいは自死を選ぶことしかできないほど追い詰められているです。 
夜寝る前に 寝てる間に死んでしまったら、明日仕事にいかなくても許される。 そうなってくれないか と思ったことが何度かあります。 
しかし、この場で皆さんのお話を読ませていただいている内に少しずつ私にできることは何だろうかと考えることができるようになりました。
今ここで声を出せる医師は、ここで希望を与えられ、やっと声が出るようになっているのです。
声なき医師は現場を逃げずに自分の健康まで捧げて仕事しています。 その人たちには今目の前にいる患者さん以外のことで声を上げる余裕はありません。
もどかしいかと思いますが、議論を逃げている訳ではないのでご理解ください。

モトケンさま

なんだか変な投稿をしてすみません。
No24(CID 55387 )を削除してください。
すみません。

>労働問題を所管する旧労働省と、医療問題を所管する旧厚生省が2001年
>に合体し、厚生労働省が出来上がりました。ですが一体となったはずの厚
>生労働省は、単に労働大臣と厚生大臣が同じ大臣が兼務しているだけで、
>旧来通り2つの異なった役所が存在しているのが自体と言っても良い有様
>です。その結果医療の世界に残る中世的徒弟労働制度の解消が実現されて
>いないのも事実です。

法務業の末席さん,

私のコメントは厚労大臣が「労働基準法を厳密に適応したら救急医療は成り立たない」と発言していることを指してのものです。
これが解っていながら何も行動を起こさない,改善を行おうとしない,そんな大臣なぞ大臣である意味がありません。
「医療の世界に残る中世的徒弟労働制度の解消」と書かれていますが,artである医療は徒弟制度のような形でしか伝承できないでしょう。それと労働基準法無視の労働環境,時間外労働に対する賃金の不払いなどとは別個の話です。国公立病院の管理者(自治体などの行政)が,医師の良心に「おんぶにだっこ」してきただけの話でしょう。
時間外労働に賃金を払わずに済ませ,過重労働の是正など考えようともしない,こうした行政に問題があったのですね。患者の変な権利意識の増大で医師のモチベーションが下がり,かつてのような「あまい考え」のままでは立ち行かなくなったというのが現状でしょう。
言ってしまえばすべては行政の怠慢ではないですか?
現在でもO病院事件のあったN県をはじめH県なども医療行政はひどいものですね。国を筆頭に,どこの自治体も似たり寄ったりかもしれませんが。

No.22 元行政さん

>今さら国のシステムを拒絶しようにも・・・

健康保険制度での7割保険給付がの具体的な中身は、診療報酬の算定方法(厚生労働省告示第92号、平成18年3月6日)に基づいています。この告示(早い話がレセプト点数表)は、中医協の諮問により決定されます。この中医協のメンバーは18人で、保険者側委員(保険料を負担する側)6名、医療側6名、学識経験者6名の構成であるのはご承知のことと思います。この医療側6人は、日本医師会の推薦する医師の中から厚生労働大臣に任命されていますし、他の委員の人選にも、諮問される厚生労働省原案の内容や審議の落としどころ、といった中医協の運営にも日本医師会のインフォーマルな影響(政治力や強うい発言力の影響)がある、と私は感じています。

つまり日本の健康保険の制度設計、診療報酬の単価、保険の対象とする疾病や療法の決定などは、日本医師会の意向で決まっている部分がかなりあるのではないでしょうか?

しかし、日本医師会の委員人選に関する推薦や、審議に関する意向反映を変えようと思うなら、日本医師会のメンバーとなり、日本医師会の執行機関の決定を変化させなければならない、と言えるのではないでしょうか?

そうして日本医師会のメンバーとして医師会の総会等で投票できるのは医師のみです。日本の健康保険制度の改変・改革に一番大きな影響力を発揮できるのは、医師ではないか? 私はそう考えています。

ですが、医師は虐げられている、オカミとマスコミには逆らえない、だから逃げる。この短絡的な思考パターンが私には理解できないのです。

No.23 M.T. さんへのちょっとした回答

パンフですが、兵庫県保険医協会からとてもよいパンフレットができています。「医療も命も削られる」という題名で、非常にわかりやすく今の危機的状況を取り上げています。あちこちのブログでも取り上げられたし、私も取り寄せて外来や病棟においています。でも持って行く人はほとんどいません・・・新聞も完全に無視しています・・・
署名運動については、福島県立大野病院の刑事訴訟問題や、「看護師内診」問題でたびたび署名を行いました。結果は、署名を渡したときだけは話題になりました。しかし大野病院問題ではあえなく起訴。看護師内診問題は実質看護協会に押し切られているような報道でした。なぜ医師の声はマスコミにこれほど無視されるのでしょう。

No.27 Level3 さんの書き込みを読む前に次の投稿をしてしまいましたので、もう一つ投稿致します。

私は次のように思っています。

今、毎日毎日、身体を酷使して頑張って居られる若い勤務医に、法令通りの時間外労働手当を支払うことを、行政や司法(労働基準監督署は司法警察権を有しています)が厳密に取り締まったら、それこそ日本の医療は1年を持たずに崩壊してしまうでしょう。なぜならば、勤務医に支払わなければならない賃金の総額は今の2倍、3倍になってしまいます。しかしながら、病院の受け取る診療報酬は保険点数表により決まっており、すぐに改変することはできません。その結果、病院の資金繰りが破綻し、病院が次々に倒産・廃業するのは経済の面から見れば自明の理であり、医療体制は崩壊します。崩壊すれば一番の犠牲者は医療を受けられなくなる国民です。

この悪夢が実際に起こったときのことを想像して、厚生労働大臣は決断ができないのです。単に不法労務管理を取り締まれば、医療の諸問題が解決することはなく。両者は密接に絡んで一体不可分であることを知って欲しかっただけです。

>そうして日本医師会のメンバーとして医師会の総会等で投票できるのは
>医師のみです。日本の健康保険制度の改変・改革に一番大きな影響力を
>発揮できるのは、医師ではないか? 私はそう考えています。

法務業の末席さん,
すべての医師が医師会に入っているわけではありません。勤務医の多くは会員ではないでしょう。私も会員ではありません。

基本的には診療報酬が上がったとしても,勤務医には直接よいことはありません。間接的に病院の収益が上がれば,いくらかの締め付けが緩むことはあるかもしれませんが。
そもそも診療報酬の大筋は政府が決めているのであって,手術料などの技術料が諸外国のような価格になることはあり得ません。非常に廉価に抑えられています。そういったことも問題点のひとつではありますが,医師(勤務医)の労働問題,訴訟問題などとは別次元の話です。

いまの医療の最大の問題は勤務医が疲弊し,モチベーションを失い逃散して国公立病院から医師が消えようとしていることです。現在のところかろうじて良心のかけらで止まっている医師たちも,ひとつきっかけがあれば雪崩のように崩れていくでしょう。政府の次の一手次第です。現状を認識しない頓珍漢な手を打てばそれまでということも十分にあり得ます。そこまで行かないと,解らないほどおバカさんなのかもしれません。大臣の言動も見ていますと。
半分くらいはあきらめていますが...

行政とマスコミが両輪となって医療潰しに奔走していることもむろんですが、医療崩壊の最大要因はやはり受益者である患者=国民の意識だと思いますよ。
ここまでこじれてしまった現状を素直に眺めた場合、一度行政の主導するがままに崩壊を実現させて医療に対する歪んだ期待値をリセットしてしまうのが一番確実かつ手っ取り早いと考える者が増えても全く不思議ではありません。

崩壊崩壊と言いますが実際全国どこでも必ず近所に救急病院が必要なのか、まずは国民が本当に必要である医療水準とはどんなものなのかをきっちりと確定することが第一でしょう。
その上で自分たちが必要だと言うのであれば幾ら金がかかろうがそれは自己負担していくしかないという当然のことをもう一度一人一人が認識し直すべきだと思います。

ちなみに自分の場合は食っていくための一手段として医療を選択した者ですが、「医療人であるからには当然に○○すべし」式の意見に対しては相当に違和感を覚えます。
社会的にさまざまな職業があり、それぞれが需要と供給の関係でなりたっている。労多くして実りの少ない職業は廃れていくのは当然でしょう。
大多数の医療者たちは不当に暴利を貪ろうなどと考えているわけではなく、一方的な献身を強要されるいわれはないと考えているだけです。
要求される水準にふさわしく報われていると考えるものが増えていけば、自然に医療崩壊の危機など遠ざかるはずです。

ついでにもう一つ。

政策に影響し得る医療側の代弁者として医師会あるのみであり、故に医師は積極的に医師会に参加するべきという意見もありますが、自分はこの意見には与しません。
かれこれ半世紀も某政党による政権の(ほぼ)独占が続いていますが、故に政治に意見があるなら某政党員にならなければならないというわけでもないと思います。

むろん医師会による数の論理を主張するのも一つの手段だと思いますし、他の手段も多々あるでしょう。自分は全く違う方向から少しばかり小細工を弄してみようとやってみていますが。
人それぞれに自分が出来る一番有効と思える手段を行使すれば良いのではないでしょうか。

>今、毎日毎日、身体を酷使して頑張って居られる若い勤務医に、法令通り
>の時間外労働手当を支払うことを、行政や司法(労働基準監督署は司法警
>察権を有しています)が厳密に取り締まったら、それこそ日本の医療は1
>年を持たずに崩壊してしまうでしょう。なぜならば、勤務医に支払わなけ
>ればならない賃金の総額は今の2倍、3倍になってしまいます。しかしなが
>ら、病院の受け取る診療報酬は保険点数表により決まっており、すぐに改
>変することはできません。その結果、病院の資金繰りが破綻し、病院が
>次々に倒産・廃業するのは経済の面から見れば自明の理であり、医療体制
>は崩壊します。崩壊すれば一番の犠牲者は医療を受けられなくなる国民で
>す。

法務業の末席さん,
そんなことはもちろん解っています。しかし,一方で某大臣は「医師は足りている。偏在しているだけ」と事実を認めようとはしません。
労働基準法を守るためには,いまの2倍も3倍もの医師が必要なわけです。
イギリスのように医師の勤務時間を厳密に規定しつつ,24時間の医療提供を考えるなら,です。
改善する努力をするどころか,事実に目を瞑って逃げているだけではないですか。一度に解決できなくても,できるところから少しずつでも是正して行こうとする態度を示しているようであれば,まだしも救いがあります。

今の厚労省,政府の方策は状況を悪化させそうな小手先の対応だけではないですか?研修医に僻地勤務を義務づけるなど言語道断,実効性もない上に人権無視も甚だしい。憲法違反でしょう。医師免許を持っているだけで一人前の医師としてカウントできると考えているところからして実情無視です。単なる頭数あわせの数遊びにすぎません。医師が一人前になるには少なくとも10年は掛かります。それでもまだまだ経験不足です。
行政が行うべきことは,現状のひどい労働条件を緩和して十分な環境を整え,逃散した医師を呼び戻せるように取り計らうことです。逃散した医師の多くは本来若手を教育する指導層の年齢の医師たちです。彼らを呼び戻す,または残っている医師たちを止められるようにしなければ次世代の医師は育ちません。今よりもレベル低下することは避けられないでしょう。
また訴訟問題に関しても医師たちが納得できるような解決法を政府が作り上げなければならないでしょう。現在の動きを注意深く見て行く必要があります。

山口(産婦人科)さんへ

<パンフですが、兵庫県保険医協会からとてもよいパンフレットができています。「医療も命も削られる」という題名で、非常にわかりやすく今の危機的状況を取り上げています。あちこちのブログでも取り上げられたし、私も取り寄せて外来や病棟においています。でも持って行く人はほとんどいません・・・新聞も完全に無視しています・・・>

 ということですが、私はそのパンフは見たことがありません。
 全国的に配布されているのでしょうか。
 その協会は全国紙の記者と(記事にしてくれるよう)交渉されたのでしょうか。
 あちこちのブログで取り上げられたということですが、ブログに貼り付けたりされたのでしょうか(なんでしたら、このモトケン氏のブログに貼り付けて頂いたらどうでしょうか)。

 それに、「医療も命を削られる」という表題は、ちょっとどういう内容のパンフなのか分かりづらいと思います。もっと明解に「ストップ 医療崩壊」とか、「ストップ 医療危機」などとした方が分かりやすいのではないでしょうか。
 
<福島県立大野病院の刑事訴訟問題や、「看護師内診」問題>と現在の医師不足、看護師不足の問題を一緒に訴えない方が、国民にはアピールできると思います。 
 医師や看護師の労働条件の劣悪さから増員を訴えることはアピールできると思いますが、あまり医療過誤問題にからめてアピールすると逆効果だと思います。

 マスコミや国民向けのアピールには、もっと作戦が必要に感じます。
 また、医師の方々があまりインターネット上で「逃散、逃散」と書き込むことも(内容や表現の仕方にもよりますが)、一般の方々には逆効果であると考えます。

行政が動くためには国民の声が大きくならないといけません。
まだ国民はわれわれ医療者が思ってるほど、医療崩壊に対してあまり興味を持っていません。すべてのことに対してですが、自分の身に降りかからないと問題と思わない国民性が根底にあるとは思いますが・・・。
医療者から見れば、いまだったら修正できるのに、と悔しくおもっています。
そこで、私ができることとしては、まず周りから固めることです。
他の医師の方もやられてる方法だと思いますが、たとえば外来で待ち時間が長い、医療費が高い、夜間救急が不十分・・・」などという発言をした患者さんには「申し訳ありません。確かにおっしゃるとおりです。しかし、これは国の政策によるもので、私たち医療関係者も困っているんです。お互いに医療をよくしようと頑張りましょうね。」と話します。そうすると、「そうだ、そうだ」という話でだんだんとまとまっていきます。
あとは、さりげなく外来や病棟の図書コーナーに医療崩壊の本を置いたりしています。患者さんは時間があるので、きっと読んでくれると思いますから。
小さな力が大きなうねりになると信じて行動しています。

いまの医療崩壊は立ち去り型サボタージュじゃなくて医者の形を変えたストライキなんじゃないでしょうか。通常のストライキでは国民、マスコミの批判をあびることは必至です。これを避けるためには職場をやめるという形にするしかない、自爆型ストライキですね。

問題は医療費ではなく、社会保障費が一律で減額されている事にあるのでしょうから、そこを焦点にして訴えた方がわかりやすいように思います。

社会保障費の額がそのままで、医療費だけ増える可能性もありますし。ここは一つ、社会保障の他分野の方々と連携して、社会保障費全体の額を増やすことを考えた方がよろしいのではないでしょうか。ちなみに、社会保障費の財源としては、消費税が一番手っ取り早いとは思います。


>Level3さん

また訴訟問題に関しても医師たちが納得できるような解決法を政府が作り上げなければならないでしょう。現在の動きを注意深く見て行く必要があります。

そのためには、医師が納得できるような解決法を、医師自らが政府に働きかける必要があると思います。


M.T.さんの

 また、医師の方々があまりインターネット上で「逃散、逃散」と書き込むことも(内容や表現の仕方にもよりますが)、一般の方々には逆効果であると考えます。

私などは、待遇が悪いのであれば条件のいい職場に移ったり、条件のいい職種に移るというのは自然なことであり、納得してしまうのですね。そこで思考がストップしてしまうわけです。

行政は医療崩壊の原因を現場(医療機関、医師、看護師など)に押しつけ、着々と医療費削減に取り組む。行政は医療崩壊の原因が何であるか、わかっている、わかった上で現状を作り出しているように思えます。医療は非採算部門であり、医療を必要とするのは多くは老人、生きていても年金がかかるだけ。以前、行政がうたっていた健康日本21も医療費のかからない老人を増やそうなどと、そうでない老人はどうなのかと勘ぐりたくなるスローガンをぶちあげ、悪意をもってみれば道路、施設の建設は生産的、医療は非生産的なのだから最低限度で良いではないか、というような行政の心の声が聞こえてきそうにも思います。
現在のわが国では医師は悪人とマスコミにたたかれ、国民はそれを鵜呑みにし、行政はそれに便乗し、自らの目的を達しているわけで、私たち医師が声を上げたところで何がかわるのかなと思ってしまいます。まあ、ここまできたらどうとでもなれといった心境です。

流れとはまったく異なりますが、TVタックルで医療問題を扱っていました。最近のこの手の番組では保険料の未納問題が必ず出てきます。払えるのに払わない人と、払いたくても払えない人は当然分けて考えるべきですが、その時、いつも疑問に思います。税金、年金、医療保険、何故、分けて徴収するのでしょう? 所得状況を最も知っているのは税務署です。所得に応じた減免処置を採るのなら、なおさら所得状況を把握している税務署が一元的に徴収するのが合理的です。社会保険庁を解体すると言うぐらいなら、何故、その機能の一部を国税庁や税務署に併合すると言う話が出てこないのでしょう? また、正規雇用者と非正規雇用者では年金や医療保険の負担が異なります。正規雇用者であれば、概ね半額を企業側が負担します。これもどちらかに合わせるべきです。自営業者や雇用の流動化を考えれば、企業が負担している分は、給与に上乗せし、全額個人から徴収するほうが平等のような気がします。

マスコミと言えば、このところの読売新聞の検視の報道には異様なものを感じます。しっかりと報道しすぎているような印象を受けるのです。あまり注目されているとも思えないですし、法医学会に政治力があるとも思えないのですが。

マスコミもまともな報道ができる事がわかったのですが、何が彼らをそうさせたのでしょうか。

 凄まじい現実ですね。
 私も社会問題には関心のある方ですが、このような医療の現実は知りませんでした。地方在住者にとっては目の前の問題なのでしょうが、都市に住んでいる限り、「医療崩壊」は見えにくいです。見えるのは「保険証の取り上げ」とか「医療過誤」とか、患者側の不幸に関する事柄ばかりです。お医者さんの苦労は解りません。また、地方の医療崩壊に関しても、地方の病院の医師の給与の高さがまず目につきます。なんだかんだ言っても結局、お医者さんは恵まれているなぁ、と思ってしまいます。そう思う人たちは少なくないと思います。
 
 単なる認識のギャップ、私たち一般庶民の無知と言ってしまえばそれまでなのですが、雇用融解とか格差拡大とか憲法改悪とか、いろんな問題があり過ぎて考える手が回りません。
 
 しかし何しろ医療は直接、私たちの生命や不幸に関わってきます。崩壊はくい止めて欲しいものであります。

>地方在住者にとっては目の前の問題なのでしょうが、都市に住んでいる
>限り、「医療崩壊」は見えにくいです。

きとらさん,
何も地方だけの問題ではないのです。都会であっても産科は崩壊しつつあります(既に崩壊しているという説もある).また,救急医療も同様です.
いざ急病になって救急車に来てもらったはよいが,送ってもらえる救急病院がない,ということは大都会でも既に生じている話です.病気になっていないため(身内も含め),そのようなことが視界に入らないだけだとお考え下さい.

私は日本の医療界の不幸のひとつは
アカデミズムを自認する(実質はともかく)大学、各種学会(これを A)と
医療経営の専門家たる開業医集団(すなわち日本医師会 これを B)に分断されていることだと思います。

A はこれまで病院で医療を提供する勤務医集団に対して絶大な影響力を行使してきた。一方、診療報酬をはじめとする医療経営的側面や勤務医の労働条件などに対しては、そういう世俗的なことは自分たちの関知するところではないとして、見て見ぬ振りをし、事実上影響力もなし。

Bは開業医利権代表として経済闘争至上主義。

このA とB のはざまで、悲しくも翻弄されているのがいわゆる一般勤務医と理解しています。

一般外来診療とは異なり、生命、機能予後に直結しうる救急、入院医療を担う勤務医は
ますます患者、家族との対応に緊張を強いられ、かつ これをバックアップしてくれる組織はないのです。

現在いわれているところの医療崩壊とは勤務医問題に他ならないと理解しています。

大学、学会は勤務医の経済的、労働的側面を全く問題とせず、日本医師会も開業医の利権擁護に終始してきた。これでは今日の問題は必然でしょう。

遅くなってますが
No.23 パンフは「医療も命も削られる」
http://hodanren.doc-net.or.jp/kenkou/isi-fusoku.pdf

本田宏先生の講演  「市民公開講座 このままでは病院から医師がいなくなる!
−今、私たちが知るべきこと、なすべきこと−」
http://st1.hiroshima.med.or.jp/2007/0302/003-2.asx
広島県医師会 -> ビデオコーナー > 市民公開講座から見れます。

No.44 yanyanさんのコメント

 <私は日本の医療界の不幸のひとつは
アカデミズムを自認する(実質はともかく)大学、各種学会(これを A)と
医療経営の専門家たる開業医集団(すなわち日本医師会 これを B)に分断されていることだと思います。

A はこれまで病院で医療を提供する勤務医集団に対して絶大な影響力を行使してきた。一方、診療報酬をはじめとする医療経営的側面や勤務医の労働条件などに対しては、そういう世俗的なことは自分たちの関知するところではないとして、見て見ぬ振りをし、事実上影響力もなし。

Bは開業医利権代表として経済闘争至上主義。

このA とB のはざまで、悲しくも翻弄されているのがいわゆる一般勤務医と理解しています。>
 
 なるほど、そういうことなのですか。
 部外者にはなかなか分かりにくい世界ですね。
 
 しかし、弁護士もこれから激増して、経営弁護士と勤務弁護士のそれぞれの利害が対立し、弁護士会もまっぷたつに、なんてことになりかねないと思うので、人ごとではないです(今だって、主張面ではAとBに分かれているような気がするのですが・・・。)

 勤務医の方々も、前にどなたかが提唱されていたように、日医に加入するか、別の組織を作るかして、組織的に活動することはできないものでしょうか。

No.45 32432 さんへ

 パンフ「医療も命も削られる」拝見しました。

 立派なパンフレットですね。内容も体裁も素晴らしいです。
 でも、立派すぎ・・・。文字が多すぎて、一般の方々はなかなか読まないと思います。

 もっと短くて、絵や写真の多いものの方(ある程度インパクトのあるものの方)が、一般の方々は手にとって読む気になると思います。
 私は、弁護士に向けた運動をしたことがありますが、忙しい弁護士は長いパンフやビラはまず読みません。せいぜいA41枚かA42枚程度の文字の大きいものでないとダメなのです。
 もっと短くてインパクトのあるビラやパンフをたくさん作成して、マスコミやネット上に流した方が効果的だと思いました。
 

現在の医療問題に関しては、立法よりも(もちろん対策として不要ということではありませんが)行政サイドの政策立案のウェートの方が高いと思います。課題が多岐に渡るため、
「医療政策の諸問題」というくくりでは、論点が広がりすぎるという面があると思いますが、一方で医療に関する根元的な問題に共通する社会・経済の背景があるわけです。
例えば、医療費に関しては、国や地方の財政赤字の増大、人口減少等による税財源の確保困難などが背景にあるわけです。この観点から(私の意見ではありませんが)行政としては、医療費削減の方向に向かうのは必然です。だとしたら、政策的には予防医療に重点を置いて、できるだけ病気にかからないないような生活様式の導入などを地域住民と取り組むという具体的な施策が求められるわけです。もちろん、施策として考えなければならないことはもっとあるのだと思いますが、「医療費削減」だけでも一つのエントリが必要でしょう。ところで、私としては、喫緊の課題は、やはり「医師不足の解消」だと思いますが、施策としては、当然、医師の供給の増大(医学部定員の拡大等)とともに、現在の医師の労働条件等の改善が必要だと思います。最低限、労働基準法を遵守する体制を確立することが早急に求められるでしょう。大学病院の友人に聞いたところ、大学病院の医師は、研究職であり、診療と研究の区別が出来ないので、時間外手当は支給しないと言っていましたが、実は労働組合の問題もあると聞いています。つまり、現業職員は、組合が強く、労働条件の改善を当局と交渉するが、医師の組合はないため、労働条件の改善はおざなりになっているとのことでした。そういう面で、医師のみなさんがどのように考えておられるのか、伺いたいと思います。

モトケン様、見落としていました。すみません。
>個別論点が浮かび上がってきましたら、またはご希望があれば、別エントリを立てることを検討します

要求を実現する戦術に関しては色々議論があると思いますが、昨今の労組が果たして国民の福祉や給与待遇の改善について、強力な力を発揮しているかというと否定的ではないでしょうか。

比較的小規模の企業で労働基準法無視で働かされている労働者のことを大規模な企業で手厚い待遇を受けている労働者が守るような運動も、勉強が足りないのかもしれませんが、あまり聞きません。

企業が国内外の下請けの低廉な労働を背景に空前の利益を上げながら、国内の労働分配率は向上することなく、国民の怒りの声が起こっているのにもかかわらず、メーデーの盛り上がりも例年通りいまひとつでした。

昨今の労働団体を見ていると、医師会と同様、組織幹部と行政や立法府の大きな力とが癒着、あるいは懐柔されて反論できなくなる方向にあり、組織として頼るにはいささか頼りないという事情もあるのでしょう。

医師も国民の一部である以上、こういったマインドと全く無縁ではないと思います。群れて団体として一律優遇されるように圧力をかけるよりも、個々で動いて解決しようとする人が増えているのではないでしょうか。逃散とかサボタージュという言葉はむしろ逃げる医師を管理する側の言葉であって、辞める方にすれば身体を壊したとか、過労死や医療事故加害者になる危険を感じた、など具体的な理由があるわけで、逃げているつもりはないと思いますよ。そういう問題が解決しているのに、苦労を避けるために逃げるというのならば、哀しむべき、憂慮するべき事態でしょう。「昔は俺がやらないでどうするという人達がいたものですが」そういう人を過労死当然という環境で利用しぼろ雑巾を捨てるように辞めさせてしまったら、あっという間にそういう人はいなくなるでしょう。

>No.38 しま(その他) さんのコメント

 学会で日本福祉大学の二木立教授の講演(「変貌する日本の医療」)がありました。聴衆から医療費増額のための適切な財源についての質問があり、その回答の中で「消費税はいろいろな力関係の中でほとんどが医療費以外の社会保障費(年金等)に割り当てられてしまう可能性が高いので、医療費増額のためには保険料の増額が最も現実的」と述べていました。

逃散という現象を他に手段がないから已む無くといった風に受動的に捉えている方が多いようですが、どうでしょうか。
確かに現場を預かるベテラン層を中心に耐え切れなくなって逃散という先生もおられますが、若い世代はもっと積極的、意識的にこのカードを使っているように思いますよ。

医局での交渉の一環として「じゃあ辞めます」という手は昔からそれなりに使われてきましたが、今は嫌なら本当に躊躇無く断ってくると医局長の嘆きがこの界隈にも伝わってきます。
最近話題の救急指定返上についても結局のところ現場からの「続けるなら辞めます」という声が一番の理由になっているようです。

そもそもストライキ等と同様に労働争議の一手段として見ても専門性の高い職種において逃散という行為がそれほど特殊なものとも思えませんし、より条件のよい職場を選択するのは当然の権利ではないでしょうか。
実際のところ自分のような末端にまで引き抜きの手は伸びてきています。高待遇を求めて職場を変わることは米国等ではごく一般的なことであって、何ら恥じる必要性のない話だと思います。

一方で待遇の悪い職場とはどんな所かと考えた場合に、僻地公立病院や基幹救急病院といったいわゆる医療崩壊最前線の名前が挙がってきます。医療崩壊とは一面で職場環境改善に関わる問題でもあるわけです。
最も真剣になるべきなのに医療崩壊に対して今だ傍観者的態度を崩さない国民にこの問題を考えさせる手段としても、逃散はもっとも有効かつ即効性のある手段であると言えるのではないでしょうか。

現場の環境改善を言うならまず現場の人間が声をあげるべきであり、どうせやるなら最も有効な手段を取るべきなのは当然のこと。何より人の命を預かる場である以上無謀な勤務体制など本来論外であり、無理な労働環境を強いる施設の存在は国民の利益になりません。
今や多くの勤務医は今の医療環境は改善ではなく改革されるべき段階にあると感じはじめています。一時的な不利益を避けようと小手先の対策に終始した結果が現状だとすれば、痛みを伴おうと抜本的対策を講じるべき時期ではないでしょうか。

現状で最も簡便かつ有効な手段である逃散という行為を否定的に論ずるのであれば、より実効性がある対案を提示する必要があると思います。

 静岡県立大学(経営情報学部)小山秀夫教授の講演があり、厚生労働相・政府の既定路線(医療給付費抑制:2025年度に予想される56兆円(2006年度は28.5兆円)を改革によって48兆円に抑制する、在宅療養強化など)と現状(病院数減少)について説明されました。座長からの「医療費のGDP比は先進国の中で最低なのに今後も医療費抑制政策は続くのでしょうか」という質問に対して、「個人的な見解」として「結果として医療従事者の士気が低下したり、医療の質が低下するようなことになれば、前提が崩れることになるので、医療費抑制政策は破綻するのではないか」と述べていました。

 No.52の補足です。
 2025年度の予想医療給付費の対GDP比は6.4-7.0%(2006年度は5.4%)だそうです。

No.52の訂正:厚生労働相→厚生労働省

 厚生行政の現在の問題点を一つだけあげるとすれば、現場の問題を拾い上げる仕組みがないということでしょう。

 各種団体が頻々と陳情に出掛けていきますが、内容の大半はファイルされてオシマイとなっています。

 一部、何らかのコネのある人々の意見は取り上げられますが、それも役所の都合のいいときだけで、真摯に現場の問題点を洗い出すということを行う担当者がいません。

 また、政策評価というものも近年漸く行われてきていますが、具体的に数値化して評価し、問題点を抽出して改善に結びつけるというサイクルが回って居らず、言いっぱなし、やりっぱなしが横行しています。

 たとえば臨床研修制度の導入によって、2年分のスーパーローテーターが生じるということは、そのまま、病院の病棟の医師数が5%減少するということであって、これは事前にもよく考えれば予想ができ、予想できなかったにしても、現時点で何らかの早急な対策が必要なことは明らかです。しかし、弥縫策(全国250人を数年間)に終始し、本来なら向こう5年間で全国で毎年の養成定員20%増(1700人余)が必要であったにも拘わらず、手遅れになるまで何もしようとしません。

 在野の民間人でしかない医師としては、つまりは何もないところから政策提言をする等ということ以前に、現状の問題点をきちんと分析し、選良や官僚に納得させ、あるいは行動してもらうための提言のルートがないことの方が問題であると考えます。

…やればいいだろ、という言葉がどこかから聞こえてきますが、現場には最早そんな余裕はないのです。

 昨年秋頃から、ようやく数人の国会議員が、医療問題に興味を持ってきているようで、以前よりは多少は風通しがよくなってきたような気がしています。

 しかしながら、落選すればタダの人。人数も少なく、いつまで頑張ってもらえるものやら、甚だ心許ないものがあります。

きとら さんへ

>地方の医療崩壊に関しても、地方の病院の医師の給与の高さがまず目につきます。なんだかんだ言っても結局、お医者さんは恵まれているなぁ、と思ってしまいます。そう思う人たちは少なくないと思います。

国民の多くはそう感じていると私も思います。実際のところ、医師の給与が低いとは言いませんが、高い高くないというのは相対的なものでどの職種と比較するのかにより違いがあると思います、職種の責任やリスクにより高くなるものですので、ちなみに弁護士、パイロット、放送局、銀行員、石油会社、広告代理店より年収は低いと何かの雑誌に載っていましたが。給与としては国民の平均から考えると恵まれているかもしれませんが、よく考えてみてください。勤務医、とくに地方、僻地の勤務医は私もそうですが一人医長であり、24時間365日臨戦態勢です。気の休まる暇もありません。日勤帯を忙しく働いて、一般的な職種ではそこで職務から解放されるかもしれませんが、地方の勤務医はそれに加え、私は週2回の救急当直をし、当直がない日も永遠に拘束され、病院の近くから離れることもできません。労働条件として恵まれているといえるでしょうか。

再々の投稿ですが、お許し下さい。

私自身は労務問題と社会保険制度が専門の社労士ですから、医療の問題もついつい自分の土俵で考えてしまいます。そうした社労士のスタンスで「医療の崩壊」を考えると、やはり大きな原因の一つとして「勤務医の過酷な労働実態」があると思います。

現状、勤務医の多くが労基法に違反する長時間労働を強いられており、雇用主である病院はそれに見合う法令に叶った時間外勤務手当を支払っていません。これは誰がなんと言おうと事実です。解消されなければなりません。この違法な長時間労働を抜本的に解消するためには勤務医の大幅な増員が必要となりますが、医師を供給する大学医学部の定員の制約などがあり、半年、1年という時間的スパンで実現するのは不可能なのが現実でしょう。

では、この違法状態を労働基準監督署を管轄する厚生労働省労働基準局が積極的に摘発し、ビシビシと刑事罰を含む改善措置をするのは可能なのか、と問われればそれは理論上は可能ですし、明日からでもすぐに行え得る法令上(労基法など)の裏付けはあります。ですがこうした厳しい取り締まりを即日、かつ完全に実行したらどうなるのでしょうか?

まず病院は、長時間の時間外労働をしている勤務医の大多数に、相当な金額の時間外労働手当を支払わなければならなくなります。医師の給与支払総額(人件費)が2倍、3倍に急上昇するでしょう。しかも法令上は過去2年間の遡及支払の義務を規定しています。実際に時間外手当を積算するには、勤務医各個人の給与データと毎日の労働時間の記録が必要ですが、控えめに見積もって医師1人に毎月40万円の時間外手当としても年間で約500万円、2年間で1000万円、30人の勤務医がいる病院ならば3億円です。その他に看護師や検査技師などのコメディカルスタッフの違法残業の実態がありますので、これだけでは済まないでしょう。5億、10億という単位になる病院も珍しくないと思います。これを一度に支払えと命じられたら、大抵の病院はその必要な資金を調達できないのではないでしょうか?

また、こうした過去2年間の時間外手当の清算を、2年、3年の分割払い(法令上違法ではありません)にした場合、病院は過去の清算分の支払と、毎月新しく発生する時間外手当の支払が重なり、毎月の人件費負担、すなわち支出が莫大な額に膨れ上がってしまいます。

ところが、病院にとって支出をまかなう収入は診療報酬しかありません。この診療報酬はレセプト点数表によって固定されており、人件費が増大した病院に自動的に診療報酬が何倍にも増額されるわけではありません。その結果病院の多くは資金繰りに行き詰まり、廃業するか倒産することになります。全国的に病院が無くなれば患者は街の開業医に行かざるを得ず、高度な医療を受ける機会が損なわれますし、病院廃業で職場を失った勤務医は収入を得るために個人医院を開業せざるを得なくなるでしょう。

これこそ「医療の崩壊」ではないでしょうか?

時間外手当を厳密に計算して支払うのであれ、病院が雇う勤務医の数を大幅に増やして殺人的時間外労働を解消するのであれ、病院に対して支払われる診療報酬の額を大幅に増やすように、健保の報酬体系を抜本的に変える必要があります。この報酬改訂において、個人開業医も、勤務医を数多く雇用する相当規模の病院も、原則同一の報酬とする現行システムのまま増額改訂すれば、勤務医の人件費負担のない個人開業医は漁夫の利を得ますし、今以上に開業医が増えてその分勤務医がまた不足してしまいます。ですから、この人件費増に対する診療報酬改定を行うにあたっては、同一報酬の原則を捨てて勤務医を多数雇用する病院を優遇する報酬体系に変えなければいけません。

このブログで発言される医療側の皆さん、こうした開業医冷遇=大規模病院優遇という診療報酬改定に日医が同意するでしょうか? 日医の同意がなければ中医協での診療報酬改定は不可能なのは理屈ではなく現実です。しかもこの中医協を廃止しようにも、厚生族と呼ばれる議員の皆さんが日医の意向を汲んで徹底的に反対するでしょう。あたかも郵政民営化法案に自己の当選落選をも賭けて反対した郵政族議員のごとく・・・。

以上のように自分の専門的立場である社労士の目から現実を分析して予測を立てると、この日医の同一診療報酬という考え方をを変えなければ、勤務医の殺人的違法労働を完全に解消することができない、と個人的には感じております。

このエントリのテーマである医療政策を考えるとき、健保制度と日医の存在については避けて通れない部分と思います。そこをお考えになった上で、どうか医師の皆さん、日医なんて興味ないし、勤務医だから入ってないし、などと軽々しく言わないで下さい。私たち医師免許の無い者には、日医の総会で会長不信任案に投票する権利がないのですから。

司法代理権も無く、医師会に加入することもできない、一国民の意見です。

No.28 法務業の末席さん

保険のシステムが恩恵などでは決してないことをご理解いただけましたか?(競争力のない老開業医にとってのみは恩恵です)

>日本医師会の意向で決まっている部分がかなりあるのではないでしょうか?

ここは違うと断言させていただきます(そうであることを前提にした話は無意味です)。本来は何度も席を立つタイミングはあったはずです。医師でかなりあると評価している人間はほとんどいません。

医師会は同じ意図を持った大量の医師が入会しても、制度的に変えることがほとんど無理な構造になっています。変える気があるのならば、別の医師団体を作った方が余程はやいというのが、ほとんどの医師の認識です。実際、医師会からの脱退は徐々に進んでいます。また、新しい医師団体を作ろうという動きも各地に存在します。

逃げるということが短絡的というのは単なる言葉のイメージの問題ですね。悪い条件のまま黙々と働くということこそが、むしろ広い目で見れば逃げているということです。逃散は、法的にストライキが認められていない我々の、積極的な闘争行為です。
他の人も書いていますが一応。

No.57 法務業の末席さん

>診療報酬改定に日医が同意するでしょうか?

日医を過大評価しすぎです。少なくともこの十年は、日医の意見が通ったことなど一度もありません。改定の度に診療報酬は引き下げられ(今まで上がっているものは全て数字のマジックです)、大反対していた政策も最終的にはのまされています。そもそも今回の入院基本料の改定は、かなりの開業医冷遇=大規模病院優遇策ですよ。政策の変更は全て、現場の医師の反抗(⇒かえって出費が増える、誰もやらない)によってのみ実現しています。

官僚にとっては日医などは最早怖いものではなく、アリバイ作り情報操作に利用するだけの存在で、日医でなくて病院協会を呼んだらみたいな話すら出てくる始末です。

>No.57 法務業の末席さん

病院経営が労働基準法どおりに適用すると維持・運用できないとして、違法状態を容認せよと、勤務医に言うのは方向性が間違っています。

病院による勤務医の労働収入の搾取に他ならず、もしそれで病院が潰れ、社会が混乱するとしても、それは勤務医の責任ではありません。

一義的には雇用者である病院の責任であり、違法状態の解消を求めて診療報酬増額を求めなかったツケが回ってきているだけです。厚生労働省は、その病院側の失態に付け込んでいるだけですが、これとて、被雇用者である勤務医には関係のない話です

民間病院が倒産の危機に喘ぎ、社会福祉が保てなくなり、日本の医療がストップする緊急事態ともなれば、それこそ、金融危機の際に緊急融資なり、債務免除なり強制した政治力が発揮されることでしょう
病院診療報酬の増額が約束されなければ日本の医療が潰れるというのであれば、それについても政治課題に上ることでしょう。

我々勤務医が通常の労働基準法の適用を求めることが、公共の福祉に適わないなどということを、社労士の人が言うとは信じられません。

別の見方をすれば、勤務医であるというだけで、今は特別徴収を年間、数百万円行われているということです。勤務医であることだけを理由に、罰則とも思える高額の徴収を行う正当性があるとは全く思えない。

少なくとも、国公立病院では倒産の危機もないでしょう
官制病院では、すくなくとも建前上、コンプライアンスが重視されます
奈良県の産婦人科医の超勤訴訟の行方を待つまでもなく、一斉蜂起する時期も近いと思います。
労働基準監督署に駆け込んだのに、行政指導できないとすれば、役所の存在意義が問われることでしょうし、職業差別が許される理由は全くありません

日本医師会ですが、勤務医こそはいるべきとの意見には賛成ですが、経済的に不可能な大学病院勤務医師が多いのも事実です。私自身も収入面から、正直言って入りたくありません。無給の大学勤務医にとって月3000円は結構大きな出費です。
それなら大学をやめてしまえ!と言われそうですが、大学病院が先端医療を支えているという事実もあります。勉強もできます。キャリアアップも可能です。そう簡単に自分はやめることができません。自分勝手な意見かもしれませんが、そう思っている大学勤務医は多いと思います。

やはり行政が一番何とかしなければならないという方向性で私は考えたいと思います。
あるいは日医が政治家を輩出するとか・・・。

開業医(=病院開設者)と、勤務医(被雇用者)の利害調整ができるかどうか?

少なくとも開業医の集団としてみなされている医師会に勤務医が参加するメリットは乏しい
なぜなら、入会してる限り、会の規約に拘束され、従うことが要請されるが、搾取する側、搾取される側が固定している限り、ギブ&テイクの関係にはなり得ない

被雇用者としての勤務医の利益団体を作り、労働環境の改善を図ることだけを目的とすることが、問題解決の突破口のように思える。

労働基準法に明記された普通の権利を行使するだけでよいのであり、単に労働基準監督署を仲介して交渉するだけだから話は早いはず

一病院の交渉だけで数億円が動く話なので、法務業の末席さんのような社労士が手数料数%で請け負えば、病院成金間違いなしです。病院の数を考えてみれば、刈り取り放題の肥沃な草原が見渡す限り広がっているように見えませんか?

ひとつ如何ですか?サッカーくじより、確実な大儲けです。

>No.60 Med_Law さん

私は違法労働を容認するつもりはありません。違法な時間外労働の告発と同時に、医師を雇う病院が、勤務医の人件費をまかなうに足りる収入(診療報酬)を得られるようにしないと病院経営が行き詰まる、という予測を皆さんに説明したかっただけです。文章が下手なせいで理解して頂けなかったのは私の責任です。

勤務医の方で労基署に申告(役所へのチクリのことを労基法では「申告」と言います)される方がおられれば、代理人として働きます。また実際にある研修医の方から依頼を受けて、病院側に要求する時間外労働手当の額を計算したりするお手伝いをしたこともございます。雇い主である病院相手に一戦交えたいとお考えの勤務医の方は、是非お知らせ下さい。私は勤務医の時間外労働については、病院側の依頼を受けるつもりはありませんので・・・。

>勤務医であるというだけで、今は特別徴収を年間、数百万円行われているということです。

ところで、これは一体何の徴収金なのでしょうか? 労災保険料は全額雇用主負担ですし、雇用保険料も月給100万円の勤労者で8千円です。厚生年金保険料や健康保険料といった社会保険料には特別徴収の保険料はありませんからそうとは思えませんし・・・。もし仮に「住民税の特別徴収」のことでしたら、詳しいことは私ども社労士ではなく、税理士にお尋ね下さい。

>No.62 Med_Law さん
>少なくとも開業医の集団としてみなされている医師会に勤務医が参加するメリットは乏しい
なぜなら、入会してる限り、会の規約に拘束され、従うことが要請される

私は勤務医時代から入会していますが、「会の規約に拘束され、従うことが要請される」ということを今まで体験したことはありません。頼まれごとはありますが、丁重にお断りしています。「こんなの公取法違反だろ」と思う規約もありますが、皆で無視していますので実害はありません。

>搾取する側、搾取される側が固定している限り、ギブ&テイクの関係にはなり得ない

だから、勤務医の皆さんで大量入会して医師会を乗っ取ってくださいよ〜。

>No.62 Med_Law さん

レスが前後しました。

>ひとつ如何ですか?サッカーくじより、確実な大儲けです。

ありがとうございます。No.61で私が依頼を受けた勤務医の時間外労働手当の積算ですが、ボランティアとしての無料相談会で引き受けた案件です。今後は依頼主よりバッチリ報酬を頂戴することにします。

上記訂正。61→63

横レス失礼します。

勤務医であるというだけで、今は特別徴収を年間、数百万円行われているということです。

この「特別徴収」は、勤務医に本来支払われるべき時間外賃金のことをさしていると思います。
サービス残業というものは何か働いた分だけ理不尽に税金を搾取されているように感じるのです。

# あまり凝った例えを出すのは理解を難しくするだけだと思います。

>No.63 法務業の末席さん

社労士さんには職員の社会保険関係で御世話になっていますが、社労士さんが労基署への申告の代理人になれることは知りませんでした。

サービス残業をなんとかしたい、でも自分でどのように労基署へ申告すれば良いのかわからない。労基署は厚労省の意を受けて、勤務医を適当にあしらおうとするのではないか?という勤務医の心配も社労使さんが代理人になって頂けるのであれば心強い。

管理人さんの意に反するかもしれませんが、この情報は勤務医にとって朗報ですよ。

>今後は依頼主よりバッチリ報酬を頂戴することにします。

ビジネスモデルとしては、勤務医対象の未払賃金無料相談会を開き、実際に申告に至ったときに手数料を頂いたほうが需要を喚起できそうです。

No.64 元ライダー.開業医さん

大量入会したところで、直接選挙でなく、ハードルが高すぎることはご存知ですよね。

日本医師会の会長は医師会員の代表決議機関である日本医師会代議員会で、代議員による選挙により選出され、任期は2年間である。この代議員の選挙は都道府県医師会に委託される為、代議員会は比較的高齢の会員(平成14年1月現在平均年齢68.7歳)で構成されている。

医師会にこそ集まるべきという医師も少なくないことは知っていますが、改築より新たに建てた方が早いと考える医師も多く、私もその一人です。先生はその辺りはどうお考えですか?

こんにちは、整形Aです。

医師会についてですが、医師会員として、また医師会のいくつかの役職もしている者として述べます。

当地区の医師会の役員は、当然ですが選挙で選ばれます。
勤務医も、地区の医師会員であれば当然選挙権も被選挙権もあります。
ところが実際には役員のなりてがなく、前(現)役員が奔走して、どうにか定員に足りているというのが実情です。
勤務医の先生にも役員を引き受けていただくようお願いしているのですが、やはりなかなか忙しく、各病院で順番でやってもらうような格好になっています。

県の役員は、各地区の代議員による選挙で選ばれます。
その代議員はどうやって選ばれるかというと、少なくともうちの場合は地区医師会の会長による任命です。
そうやって代議員による選挙で選ばれた県の会長の任命によって、今度は日本医師会の代議員が決まります。

そしてその代議員の選挙によって、日医の会長が決まります。
そもそも代議員制度自体が間接民主主義なのですが、それがさらに二重になっている。
これが日医が末端の意見を取り入れにくい要因の一つになっていると思います。

ちなみに、日本弁護士会の会長は、どのようによって選ばれているのでしょうか。

もっとも、すべての議案を直接民主主義で討議するのは効率的ではないので、代議員制度を否定するわけではありません。
しかし少なくとも役員選挙は、全会員による直接投票で選ぶようにしたほうがいいのではないかと思います。

そうすれば、先にも出た、本田宏先生が会長に立候補して、「当選」なんてこともありうると思うのです。
日医の活性化に寄与すること大だと思います。

勤務医に政治活動ったって忙しくてむずかしいですよね。

代議員会に出席したり、政策提言をまとめるような会合に出るのも病院を休んで行かなければならないわけですから…。

まあ、現役よりも元勤務医の先生にぜひブログ活動のかたわら医師会活動をしていただけると幸いです。なにしろ海千山千の役人は、普通に言ったらまるめこまれちゃいますから、相当勉強していかないとすぐに足下を救われちゃいます。

No.70 整形A(そのまんま)さん
>ちなみに、日本弁護士会の会長は、どのようによって選ばれているのでしょうか。

 間違いがあったら、他の弁護士の方に修正していただきたいのですが(そこまでシビアな選挙は私の世代は経験がないので−40期代の半ばです)、弁護士1人(法人会員を除く)に1票、各弁護士会ごとに1票づつの多数決で、ただし、会長になるためには単純多数決だけではなく、弁護士、弁護士会のそれぞれの過半数はとらなければならなかったと思います。

私が新しい医師会を作るよりも現医師会を乗っ取れ!と、なぜ勤務医の皆さんをけしかけているかというと、現医師会の有形無形の資産(例えば医師会館、事務職員、その他システム)をそのまま継承し、活用できるという大きなメリットがあるからです。

プログラムの作成でも、ゼロから作るより、クラスの継承を利用したほうが楽ですよね。

勤務医は忙しいから、医師会活動できないという意見もありますが、勤務医の意見を代表する人間が勤務医でなくても良いではないですか。完全に勤務医の立場に立つというのは無理かもしれませんが、開業医の中にも、医師会幹部よりも勤務医の意見寄りの人はたくさんいますよ。完全に勤務医の意見でなくても、皆さんの意見を最も尊重すると思える人間を代表にしても良いのではないでしょうか。

整形Aさんのコメントの中にも出ていましたが、代議員会の議事録を見れば、医師会の代議員の中にも日医会長の直接選挙を主張する人もいますし、医師会役員の定年制を提案する人もいます(執行部からあっさり拒否されましたが)。借金を抱えている若手(といっても50代でも若手です)の開業医に至っては、今の日医を全く信頼していません。日医は開業医の組織だといっても、開業医も一枚岩ではありません。

やっぱり開業医は信用できないと言うのであれば、子育後の引退した女医さんに医師会専従になってもらう方法もありますよ(ただし鬼嫁さんくらい強い人)。

間接選挙もデメリットばかりではありません。日医に加入しなくても地区医師会に加入するだけで、間接的に日医の会長選に影響を及ぼすことができます。

※元行政さんへの回答も兼ねます。
(そういえば、水道トラブルのたとえには、脱帽です。最適なたとえです。)

日弁連の会長も、単位会の会長も、会員の直接選挙で選ばれます。

日弁連の議決機関としては総会と代議員会がありますが、日常的な事項はほとんど理事会で決めていると思います。理事の数だけでも結構な人数です。
私は日弁連へはほとんど行かないので、内容は良く知りません。

単位会の議決機関は総会と常議員会。常議員会は月1回開かれる日常的な意思決定機関です。
常議員は会則上は選挙で選ぶタテマエですが、実際には会内派閥の構成員数に応じて割り当て、定員数ぴったりの候補者を出させるので、選挙は行いません。

選挙と派閥について、東京の弁護士さんが赤裸々なことを書いています。
ttp://homepage1.nifty.com/lawsection/yomoyama/election.htm

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> 会合に出るのも病院を休んで行かなければならないわけですから…。

開業医の先生は「本日休診」にして行かなければならないので、そちらはそちらで大変だと思います。
そういう犠牲を払ってでもやるか、やらねばならないと考えるか、ということです。

自分の経験からしますと、勤務時代はよかった。ボスが鷹揚な人で、弁護士会の活動に快く出してくれ、その間、事務所の仕事はしていないのですが、給料を減らされることもなかった。
経営者になった今では、、、弁護士会の会合に行ったら、仕事をしない分だけ減収です。

>私が新しい医師会を作るよりも現医師会を乗っ取れ!と、なぜ勤務医の皆さんをけしかけているかというと、現医師会の有形無形の資産(例えば医師会館、事務職員、その他システム)をそのまま継承し、活用できるという大きなメリットがあるからです。

私は日本医師会と別団体を立ち上げるべきだと思います。継承では既得権益者の意見が強くうまく改革が進まない。小泉流では抵抗勢力といったところでしょうか。

>完全に勤務医の立場に立つというのは無理かもしれませんが、
>完全に勤務医の意見でなくても、

日本医師会は勤務医を取り込み、医師全体の総意としての団体を名乗りたいのではないですか。勤務医の身分でも恩恵を受けていないと言えば嘘になりますが、あくまでも開業医の利益が優先しているのが現状です。

>やっぱり開業医は信用できないと言うのであれば、

開業医が信用できないわけではありません。私が知っている中にも立派な開業医はたくさんおられます、そうでない方もおりますが。しかしながら、診療報酬格差の問題をはじめ、全くもって勤務医と開業医が利害が一致しているわけではありません。最近では開業医から市中病院、大学病院への紹介の敷居も低くなっているきらいもあります、私見ですが。

No.74のYUNYUN(弁護士)さん、本筋からズレて恐縮ですが。

>私は日弁連へはほとんど行かないので、内容は良く知りません。

ちなみに、私は、日弁連の総会については、昨年初めて行きました。
http://puni.at.webry.info/200606/article_15.html

>開業医の先生は「本日休診」にして行かなければならないので、そちらはそちらで大変だと思います。

私の住んでいる地域の開業医の皆さんは、水曜日か木曜日か午後をお休みにしています。
医師会の会合のためだと聞いたことがありますが、本当なのでしょうか。

>そういう犠牲を払ってでもやるか、やらねばならないと考えるか、ということです。

前回の国会で、ゲートキーパ法案が国会に上程されそうになったとき、日本中の弁護士が反対のために立ち上がりました。
私の所属する単位会でも、有志の弁護士が、昼休みや法廷のない時間を融通して、街頭で通行人に訴えかけたり、手製のビラを配ってました。
この法案の阻止だけは、「やらなければならない。」と思ったのでしょう。
本当に忙しい大御所までビラを配っている姿を見て、何だか目頭が熱くなりました。

が、それはそれで。
私は、民暴委員で、委員会として警察庁案に賛成という立場で執行部に反旗を翻していましたので、街頭に動員されることはありませんでしたし、自発的に協力することもありませんでした。

 勤務医のはしくれさんへ

>労働条件として恵まれているといえるでしょうか。
 
 お医者さん、看護婦さんの仕事の大変さは、ときたまマスコミなどでも報道されますね。その通りだと思います。医療事故の報道の度に医療現場の過重労働もほの見えます。
 
 医療問題は結局は「勤務医問題」という投稿がありました。おそらくそうなのでしょう。しかし国民には勤務医の大変さは解りません。開業医も勤務医も同じお医者さんです。そしてお医者さんには、漠然とした不信感を感じています。
 
 検査漬け、薬漬けというイメージはまだ払拭されていません。医療費はもっと節約できるのではないか、もっと有効に使用できるのではないかという疑いはぬぐえません。例えばタミフルにしても使わずに済む場合も少なくないのではないかと疑っています。
 
 ILOのキャッチフレーズは、ディースントワーク、ディースントライフですが、医療もディースントメディカルとでもいうべきものがあるのではないかと思います。そのコンセンサスがないように感じます。コンセンサスなどあり得るかどうか解りませんが・・。
 
 国民にも沢山の検査や投薬を望む人がいるようです。逆に、処方された薬を飲まない人もいるようです。この薬、飲む必要がないのではないか、飲まない方がいいのではないかと考える人もいます。とにかく、こういう現実はなくさなければなりませんね。
 
 その現実を変える原動力は、医師のわがままでも患者のわがままでもなく、お医者さんの勇気ある良識だと思います。医療をどこで切るかですね。要求には際限がありません。
(今の弱者切り捨ての医療費削減に賛成しているのではありません)

 私にも医師に対する漠然とした不信感はあります。しかし、病気になれば、お医者さんに任せなければなりません。すべてのお医者さんが優秀だとは思いません。普通に治療してくれればそれでいいんだ、治らなければ治らないで仕方がないんだ、という諦観的信頼感のようなものもあります。(笑)

>No.75 勤務医のはしくれさん
>継承では既得権益者の意見が強くうまく改革が進まない。

既得権益者とは誰ですか?
なぜ継承では既得権益者の意見が強くなると思うのですか?

>日本医師会は勤務医を取り込み、医師全体の総意としての団体を名乗りたいのではないですか。

今の医師会幹部にはそういう意図はあるでしょうね。でも、意図に乗ったと見せかける方法もあります。

>診療報酬格差の問題

具体的にはどういう格差ですか?

>最近では開業医から市中病院、大学病院への紹介の敷居も低くなっているきらいもあります。

具体的にはどういうことでしょう?

>勤務医と開業医が利害が一致しているわけではありません。

細かいところを言えば、一致していない部分もあります。でも、国民医療費は増やすべきだという根本にかかわる意見は一致していますよね。

※確かに皆さんの言うように、外から反旗を翻す方法もあるでしょう。でも、医師が分裂して一番喜ぶのは誰ですか?そこを考えて欲しいものです。中に入って中から変える方法もありますよ。台湾の李登輝さんがその代表格です。

個人的な考えですが、ここで言う行政の問題とは、基本的には政治の問題であるように思います。

行政が言うことを聞かないと言う意見が医師の多勢を占めているようですが、医師の言うことで行政が言うことを聞いても困りますので、やはり政治家に働きかけた方がいいのかなと思います。

>No.68 元ライダー.開業医さん

レスが遅くなり、失礼しました。日頃は同業者をご愛顧頂き、誠にありがとうございます。

それはさておき、「サービス残業を何とかしたい→労基署に申告する」
実際には、この行動をすることは労働者(勤務医)にとって精神的によほどの覚悟を決めて頂かないとやれません。個別労働紛争(労働者個人Vs雇い主の間の労務トラブル)において、
いくら法令上の正当性に疑いがない事案にしても、訴え出る側には相当の覚悟が必要です。

違法残業の時間外手当請求の申告などは、労働した時間を証明する疎明資料と、実際に支払われた給与明細書がキチンと用意できれば、手続き上は難しいことではありません。社労士に依頼しないでも本人だけで簡単に行えます。確認した事実が明白であれば労基署は雇用主に是正を命じます。

ただし、その労働者は雇用主には恨まれるでしょう。雇用主が太っ腹な根に持たない性格であれば良いのですが、普通はチネチと陰湿な嫌がらせを受け、その職場に居づらくなり、退職に追い込まれる、というパターンをたどります。大体は退職せざるを得なくなります。悲惨な例では雇用主が地域や業界のボス的な存在で、同業者や商工会議所などのコネクションを通して、「○○というヤツは俺に楯突いた不届き者だから雇うな!」などとお触れを回されることすらあります。こうしたイジメ行為は法令上は禁止されていますが、精神的嫌がらせというのは証拠が残りにくく、完全にシャットアウトすることは不可能ですし、雇用主から不法な仕打ちを受けてから救済措置を申し立てても、死んだ者が生き返らないのと同じで、時間を逆回しして不当な仕打ちを消し去ることはできません。

ですからこうした労基署への申告という手段は、労働者がその職場を退職し、場合によってはその業界から足を洗う覚悟を決めた上でないと使えない面があります。このように労働者が心理的に大きな決断をし、それなりの覚悟を決めてからでないと、サービス残業代の請求はしにくいのが現実です。

さらに勤務医の場合は、[雇用主=病院長]Vs[勤務医=労働者]という労使関係の他に、もう一つ若い勤務医の場合は出身大学の医局だの、○○教授が紹介してくれただの、それなりのキャリアの医師なら××学会グループだのという、インフォーマルな主従関係の要素も頭の隅に入れておかなければいけません。こうしたシガラミが一切なく、今勤めている病院の職を失ってもどうってことない、包丁1本さらしに巻いてぇ〜、の歌のように医師免許1枚あればオマンマの食いっぱぐれはネェ! こんなタイプのお医者さんでないと難しいのではないでしょうか?

ちなみに私が扱った研修医の方は、最後まで自分の勤め先の病院につい正確な名前を出さず、「首都圏のそれなりの都市にある中規模の病院」としか教えてくれませんでした。
多分、前記のようなシガラミを考慮しての慎重な態度だと思います。

このブログにはあまり関係のない経験談を長々と書いてしまいました。申し訳ありません。

>No14元ライダーさん

医師会入ってみようかなと思い電話してみました。どうも転勤のたびに退会して新しい勤務地で入りなおさないとダメなんですね。もちろん入会金も再度払わなければいけないそうです。

ドロッポ予定なので勤務医辞めたらどうなるか聞いたところ、開業医とおなじ額の入会金、うちの市ですと400万はらってくださいといわれました。400万てなに・・・・

No.80 法務業の末席さん

あなたが言いたいのは、もしかして

労働基準法を無視した労働慣行に反発して、当該医師が辞めることになれば集団退職を呼び込み病院自体が医師不足で潰れる羽目になり、ましてや医局が崩壊してるなか、大学からの制約もなく、一匹狼のフリーランスでも食いはぐれがなく、ましてや世の流れは不当な超過勤務に厳しくなっている
この今の状況を逃しては、労働環境を改善するきっかけと、世論の後押しを得られないということに。。。。。。

頑張って権利を勝ち取れ!!!と、
あえて逆説的に受け止めておきます

まだ勉強が進んでいませんが、このような不当労働環境を強いている雇用者に対する刑事罰、行政罰はないのでしょうか?
もしあるのであれば、告発することで雇用者責任を追及し、腰の重い病院管理者を締め上げることも可能だと思いますが?????

法に携わるのであれば、社会正義の実現という役目も思い出して欲しいものです。
是非、力をお借りしたいものです

ちょっと場違いなコメントかもしれないのですが、現在の政府の方向性は、労働者の、この中には法曹(弁護士)や医師といった知的労働者も含めて、その価値を下げる方向(風潮)に向いているのではないかと思うのです。ホワイトカラーエグザンプション制度しかり、法科大学院制度(弁護士過剰時代)もそうです。一方、政治家は財界人(経団連など)と組んで経営者の利益獲得の方向に向かっています。
末端の庶民の声も知識人の声も届かない世界だと感じることが多いのです。それは狂牛病問題にせよタミフルの副作用にせよ、有識者の意見なく進められています。また、政府主導の諮問委員会やワーキンググループも「初めに結論ありき」の有識者メンバーで占められています。
で何が言いたいかと言うと、勤務医、開業医あるいは医師、法曹がただ意見でぶつかるのではなく、誰の政策、あるいはどの党の政策が良いかというところ(票)にまで話を結び付けなければならないのではないかと思うのです。政治家だって痛み(票)を感じなければ動かないはずなのです。

政策の実現には、もちろん、政治的手法〜自分の政策を実現してくれる政党に投票する、あるいは医師会などの団体を通じて、議員、行政に要望を提出する、世論を動かし、国民への理解を求めるなど様々な手段があるでしょう。このプログで医療関係者、法曹関係者、その他の方々が医療問題を議論することで、国民に理解してもらえるようになることもそのひとつで、それが、国政選挙での投票につながり、あるいは医療事故に関してのむやみやたらな刑事告発、民事訴訟の抑制につながる結果を生むことができるかもしれません。ただ、改革の動きは遅々として進まない〜それに医療関係者の方々はいらだちを覚えることもあろうかとは思いますが、私もモトケン様同様、何事もやらなければ進まない、世論を動かす大きなうねりにするためには、医師をはじめとする医療関係者の方々が積極的に動く必要があるのだと思います。もちろん行政も。ところで、厚生労働省のHPに都道府県の医師確保対策が掲載されており、それなりの施策を考えてはいるようですが、ドラスティックに効果的なものは見あたらないようです。医療問題のエントノリは、あまり見ていなかったので、既出なのかもしれませんが、この辺りで医師確保策(施策として)についての医師の方々の見解をまとめていただけたら幸いです。

No.77 きとら さん

>国民には勤務医の大変さは解りません。開業医も勤務医も同じ

誤解されているふしがあるので、コメントさせてもらいます。

開業医が思ったより収入がないことを理解してください。
また、国に薄利多売を強制されているために、すごい数の患者を診なければ、儲からないことも理解してください。(私の場合などは、勤務医に戻った時に、開業医の勢いで仕事をしていたら、病院内の誰よりも多くの仕事をしていることになりました)
勤務医の過酷さは、若い時だからという面もあります。

開業医も楽で儲かる仕事ではありません。(私は患者が来なくて開業を止めたわけではないので念のため)

> No.77 きとら さん
薬漬け,検査漬けは,確かに以前はそうだったかも知れませんが、現在では特に若い医師はそんなことしません.残念ながら一世代前の事例か,厚生省かマスコミに踊らされた結果,国民がそういう幻想を抱くものになったと思います.
実際問題,患者さんに「特に薬は必要ありませんよ」とま風邪できた患者さんにこちらから「なにかほしい薬はありますか」とたずねるととても不信そうにみます.そして,「前の先生は黙って薬くれたけど,先生はやぶかい」みたいなことをいいます.さすがに若い世代ではこういうことはあまりありません.
でも,一般国民にはこうした事実を知らされていません.マスコミや厚労省によって作られたイメージというのはなかなか覆せないものなんですね.

あと,開業医が收入がないというのは誤解だと思います.収入の多い開業医もいる,というのが正しい認識です.ただ,かつてのように豪邸を建てるとか,そういうことができるのはほんの一握りでしょう.しかし,収入が多い=裕福というわけではありません.勤務医と違い、そこから給与,経費が出て行くわけです.

きとらさん

>検査漬け、薬漬けというイメージはまだ払拭されていません。

検査漬けに関しては、どこまでをもってそのように仰っておられるのかが、わかりませんが。現在、中核病院以上の病院ではDPCが進んでいます。これは診断名に対して診療報酬が一定額支払われる制度で検査をすればするほど病院の収益は下がります。ただ、近代医療では診断には検査が必要であり、とくに悪性腫瘍などでは全身の検索が必要となります。また、治療経過を把握するためにも検査は必要であり、とくにこの訴訟のリスクのあるご時世ですので念には念を入れなければならないのではないでしょうか。私たちも検査もしないで適当な治療をしていれば、そちらの方が楽ですが、それでは無責任な治療になってしまいますので。薬漬けに関しては微妙です。診断によっても治療薬は変わりますし、投与薬剤によっては副作用の多いものもあります。もちろん薬剤を減らす努力はしています。ただ、この人は薬だけでお腹いっぱいになっちゃうなという患者さんもおられます、だいたいそういう方は主治医が決まっていないで不定期に来る方が多いですが。また、薬を減らそうとすると過度の抵抗をされる患者さんもおられます、説明をしても解ってもらえない。私たちも忙しいので何十分もかけて説得する時間もなくハイハイとなってしまいます。


元ライダー.開業医さん

>既得権益者とは誰ですか?

会員は開業医が圧倒的に多い状況で医師会は開業医の利益を守るために動いています。勤務医集団がその権益を医師会内部から切り崩すことの労力とその結果得られる利益がいかばかりかを考えると新団体設立が勤務医にとって利益が大きいのではないでしょうか。

>診療報酬格差の問題

再診料は診療所で高く設定されています。結果として再診料が安い病院に患者は集まってしまう上、病院は外来では患者は多くなる上に収益としては診療所より上がらない構造があると思います。私も経営しているわけではありませんのでそこまで詳しくはありませんが、誤りであれば申し訳ありません。

>最近では開業医から市中病院、大学病院への紹介の敷居も低くなっているきらいもあります。

あくまでも私見ですが、外来で治療可能な軽症例、胸部レントゲンも撮らずに熱があれば肺炎といって紹介し、心電図も取らず胸痛があれば心筋梗塞といって紹介してくる、ほぼ丸投げに近い状態があるように思えます、とくに僻地では。もう少し開業医の段階で症例を篩にかけて貰いたいという気持ちはあります。もちろん、地域には尊敬できる開業医の先生も多くおられますが、そうでない方もおられるということです。ただし、これは開業医に限った話ではないのですが。

もしかしてボールドのまま?
これでどうですか?字体直りました?

(管理人)
No.82 Med_Law さんのタグの閉じ間違いでした(^^)

>No.80 法務業の末席さん
世間を見れば、お話はあり得そうなことなので、大変よくわかります。医師ゆえに申告を躊躇する事情もたしかにあるでしょう。しかし、医師の意識は変化しています。おっしゃるように職人であるがゆえに、申告しやすい事情もあります。保険会社の社医に転職するとか、東京で勤務医をしていたが故郷で家業を継ぐ場合とか(この場合、親に阻止されるかもしれませんが)、のどから手がでるほど医師が欲しい医師不足の地域に赴任するとかいった場合は、一般の方々に比べて申告は比較的容易かもしれません。確かに今のところ社労士さんのビジネスになる程、代理業としての需要は無いかもしれませんが、医師の需要が供給を大きく上回る御時世ですから、奈良県立病院で起こっている事態が全国でちらほら見聞きできるようになれば、雪崩をうって、ということも考えられます。

どちらにしても、今回の情報は「サービス残業を疑問に思っているが、いきなり労基署に行くのは気が引ける。その前に誰かに相談したい」と思っている人には朗報です。もっと、社労士さんがどんな仕事をしているのか世間に広めたほうが良いです。それこそマスコミを使って。サラ金の金利過払いのときは司法書士さんが対処していると記事が出ました。サービス残業が問題になっている(もう流行おくれ?)この御時世ですから社労士さんも・・・

>No.81 柳さん
>ドロッポ予定なので勤務医辞めたらどうなるか聞いたところ、開業医とおなじ額の入会金、うちの市ですと400万はらってくださいといわれました。400万てなに・・・・

今どき、まだそんな医師会があるのはあきれますが、単に事務職員の認識不足かもしれません。そうでないとすると、開業前にとりあえず医師会に入っておく意図があると勘ぐられているのかもしれません。

地区によっては、医師会は看護学校、検査センター、医師会病院などを運営しています。そういった施設建設の際に、既存の開業医師会員は建設協力金としてまとまったお金を個々に負担していた経緯があるようです。新規開業の場合も同様に負担してほしいとの考えから、入会金に上乗せしているケースなのかもしれません。

しかし、400万となると、新規開業の参入障壁として意図していることは確実です。医師にたくさん入会してほしいと本当に思っているのなら、こんなことはナンセンスなんですけどね(ため息)。

>転勤のたびに退会して新しい勤務地で入りなおさないとダメなんですね。

そういったことが、勤務医入会の妨げとの認識は医師会内部にもあるようですが、動きは鈍い。地区によっては、転入なら入会金を取らないところもあるようですが。

いずれにせよ、勤務医に入会してくれと言う前に、まずは医師会内部に入っている我々が規約改正に動かなければダメですね。反省しますm(__)m

長くなるので分割しました。今日は患者さんがとても少ない日です。あ〜あ、夏のボーナス払えるかなあ。

>No.87 勤務医のはしくれさん
>既得権益について

開業医の権益にどんなものがあるか実感できませんが、もし、あったとしても多数の力で勤務医の意見を代表する医師会長を擁立すれば、そんな権益は奪えますよ。

前のコメントでも述べましたが、勤務医が入会しやすくするために、まず内部の者がアリの一穴を開けなければならないと、今では思っていますけど。

>診療報酬格差の問題

外来は病院が安く、入院は診療所が安いという診療報酬設定なので、格差というより、「外来は診療所で、入院は病院で」という政策誘導のために厚労省が目論んだ診療報酬のメリハリなのですが、病院が厚労省の目論見どおりに動かず期待したのとは逆の結果を招きました。

ちなみに厚労省には、病院の外来診療報酬を減らすことにより、病院は外来診療を縮小するのではないか、病院は再診料・初診料に自由に保険外の価格を上乗せしてもよい(特定療養費、一部例外あり)という制度を作ったので、自己負担の増加した患者は診療所に流れるのではないか、という思惑があったようですが、病院側にも事情があり、外来患者を減らすことができる程の上乗せ価格を設定できた病院は極一部でした。

>胸部レントゲンも撮らずに熱があれば肺炎といって紹介し、心電図も取らず胸痛があれば心筋梗塞といって紹介してくる

そういうことですか。クレーマー患者さんなら私もそうするかもしれません。厄介払いです(^^;
勤務医のみなさんには申し訳ないと思いますが、後ろだての無い開業医にはリスクが大きいです。

クレーマー患者さんでなくても、医療水準(診れないのだったら紹介しろ)の影響で、以前なら「95%これで十分と思っていた症例」でも、正直な話、99%以上大丈夫と思えなければ紹介するようになりました。数万分の1、数千分の1の患者のために、その他大勢の患者さんが不便を強いられています。でも患者さんにはわからないですよね、こんな事情。

>No.83 uchitama さん

新聞に「素人優位の時代」という論説がありました。裏を返せば「資格職受難の時代」です。建築士、教師、医師は免許更新制にしろと責めたてられています(そのうち法曹も?)。日本版文化大革命のようです。

>No.79 しま(その他)さん

行政←政治家←国民←マスコミ、という流れですから、根本的にはマスコミ対策でしょうね。

とりあえず一般人のよくある誤解について。

>薬漬け

ほとんどの医療機関でメインになっている院外処方の場合だと、どれだけ大量の薬を出しても、医療機関の収入が増えることは全くありません。薬に関して得られるのは処方箋料(文書の料金)のみです。しかも出す薬の種類が増えると逆に減額されます。
院内処方の場合も、仕入れ値が厳しく統制され、ほとんどの場合消費税程度が補えるかどうか程度の価格に設定されているため、利益はありません。時に消費税分にいたらず損になることすらあり、在庫のリスクを考えるとまるで旨味のない話です。

ちなみに諸外国に比べて特別に安い医療費(全額負担でも)の日本ですが、薬品代、医療材料代は逆に高いです。医師の診察料がいかに安いかという話でもあります。

長い投稿、本当に申し訳ありません。

しかし
もうこんな議論、無駄ではないでしょうか?
煽り、釣りのつもりでこんな投稿するつもりではないのですが。

私は2年間留学しその間このブログをROMしてきました。
きっとわかってくれる人たちがいる、今は過渡期なだけだ、がんばろうと思ってきました。
先月帰国し大学で勤務を始めましたが、結局手取り20万円の生活。
月4回の当直代はゼロ。
留学は自費のため貯金はゼロ。
当面、貯金をためるため妻は実家。
今は、月2万円の風呂トイレ共同のアパートに一人暮らし。
医師9年目になりますが。
実家は貧乏なので仕送りもしています。
久しぶりにこのブログを覗けば
「生活が保障された医療職」
との法に関わる人たちの認識。
結局、こんな一般の馬鹿日本人となんの変わりもない人たちと議論しても無駄です。

私たちのしていることは絶対にわかる人たちなんていない事がよくわかりました。
もともと解っていたことなのに。

わかったつもりの人がたくさんいるブログですね。

目の前に患者がおり、その患者のために頑張っている同僚がいて
その場を去ることなんて出来ません。
朝7時半から夜11時まで仕事して自分の待遇改善なんて
訴える先の相手はもう家でくつろいでます。

無理なんです。もう何を言っても。

明日も明後日も目の前の患者さんのため私は笑顔で働くでしょう。

今、私は国際学会で発表のためアメリカにいます。
日本は夕方ですね。私は寝る直前です。

研究成果も論文博士なんて制度がなくなりそうな現在、自分の実績は関係ありません。
ただ今後、難病に苦しむ人たちに役立てることが出来ればいいと
ひたすら研究に力を注ぎました。
全て自費で。

今、思うこと。
今まで何の文句も言わずついてきてくれた妻に楽をさせてあげたい。

一緒の時間を作り、金がないから子供は今は諦めてなんて言わずに、
週に2,3回は夕食を一緒にとり、お茶を飲みたい。

こんなことも許されないのか?

今日、久しぶりにこのブログを読み、コメントを読み、何かがはじけたような気がしました。

モトケン様、その他わかったような振りをしているコメンテイター様、

もうやめたら?善人ぶるの。

>のんべえさん

 しらふのときにまたよろしく。

 善人ぶっている管理人より

のんべえさんも明日になればきっと気持ちが変わるんだろうけど。でも、時々本当にそういう気持ちになりますね。
医師と言っても僕も前の病院よりずっと時間があるからここをみていられます。本当に忙しく働いている医師はここもみる余裕もないものね。息絶え絶えの人に水をほしいと自分で要求しろと言われてもできるかと思えます。
でも、それでもここで議論していることできっと変わることもあるのだと明日には思えます。

 元行政@元開業医さん 勤務医のはしくれさん 元行政さん yama さん
 
 失礼しました。
 
>一般人のよくある誤解
>一世代前の事例か,厚生省かマスコミに踊らされた結果
 
 そうですね。我々一般人はマスコミの、特に批判的な報道に支配されやすいです。問題を深く考えるより、正か悪かと簡単に割り切ってしまいます。悪者は誰だと決めつけてしまいます。そして一旦形成されたイメージは容易には消え去りません。
 
 患者側にも問題がありますね。賢明になるべきですね。いい病院を探す、要求する、だけでなく・・・。

きとらさん

御理解いただきありがとうございます。このブログの良いところは医療者と一般の方が本音でかつ紳士的に意見を交換できるところです。私はこのような場所で草の根により一般の方に現状を知らせていきたいと思います。そしてこのブログを多くの一般の方に広めてより多くの方に参加してもらい、理解し合えるように話していきたいと思います。それがすでにカウントダウンの始まった医療崩壊を少しでも先送りする方法の一つになればと思います。
さて、マスコミの話です。マスコミは自らの哲学なき主張で放送を通じて国民を洗脳し、あたかも世論のように、視聴率のため、おもしろおかしく、陰で誰かが傷ついていても報道の自由を盾に自らを正当化します。医療問題においても医療側に非がある場合もありますが、あたかも医師はすべて悪人のように放送し、妬みや不信を増長させ視聴率を稼いでいました。それに出演する馬鹿な医者(医師とは呼びません)も同罪ですが。つい1年前まではジャニーズの芸能人が出演して医師は悪人、油断も隙もない、自分の主張をして奴隷のように使用人のように利用しろと毎週のように放送していましたね。私にいわせれば医療に関してマスコミは不正確、不勉強、真実を伝えようとする意識もプライドもなく、大衆が喜べば良いと考えているように思えます。その上、マスコミは自らの自浄作用で自らを律するとか訳のわからないというか、全くできていないことをさもできているように言っています。医師になる前はマスコミを信じていましたが、今は何でこんな奴らの言うことを信じていたんだろうと医療以外の報道に対しても不信の目で見ています。医師だからではないと思います。報道被害に遭われた方はそう思っているのではないでしょうか。すいません、感情的になってしまいました。

>元ライダー.開業医さん

建築士、教師、医師は免許更新制にしろと責めたてられています(そのうち法曹も?)。

自動車運転免許に関しては更新制になっていますよね。問題は、免許更新制にする事と、問題のある専門職を排除することがごっちゃになって議論されている事にあると思います。

 勤務医のはしくれさん
 
 仰るとおり、マスコミのセンセーショナリズム、スキャンダリズムには私もうんざりしています。
 
 大淀病院事件で遺族が提訴しましたね。NHKニュースで見ました。以前このブログで専門的な議論がありました。事件報道を見た段階では医師に責任があるのではないかと思っていましたが、議論を読んで、過失とするのは酷であり不起訴になるだろうと思うようになりました。
 
 しかし遺族の提訴も解ります。病院側による誠意ある説明が不足していたと思います。医師を引っ込めて弁護士を出すというのは如何なものでしょう。遺族感情を考慮したとは思えません。
 
 係争に至る前に患者側、病院側にとるべき手段があるのではありませんか。病院側は充分に説明すること、患者側はそれを理解すること。しかし患者側に専門知識はありません。となれば患者側に信頼できる助言者をつけることですね。中立公正な医師が間に立つ、という方策は取れないものでしょうか。

No.98 きとら さん

納得のいかない患者に、医者が雁首をそろえて何時間もかけて説明をするうちに、その医者たちが救えるはずの別の患者が、ばたばた亡くなっていくかも…医者の数は有限ですから…

>となれば患者側に信頼できる助言者をつけることですね。中立公正な医師
>が間に立つ、という方策は取れないものでしょうか。

きとらさん,
今回は,その反対で「陣痛促進剤によるxxxの会」が裁判を誘導した可能性が高いと思われるのですが.
言ってることと,やってることが正反対ですね。かのご主人は「真実が知りたいだけだ」といっておられるようですが,それなら提訴することは逆効果です.かの会はそのことを知っていながら裁判を誘導していると思われるからです.

 Level3さん
 
 検索すると「陣痛促進剤による被害を考える会」のHPがありました。そういえば以前、陣痛促進剤の不適正な使用を批判するNHKの番組を見たような気もします。この会の運動は間違ってはいないと思いました。大淀の提訴との関わりは解りません。
 
>かのご主人は「真実が知りたいだけだ」といっておられるようですが,それなら提訴することは逆効果です.
 
 真実にもいろいろな相があるのではないでしょうか。
 
 医師は役務の提供者、果たした役務に瑕疵はなかった、というのもひとつの相です。
 
 しかし医療は人と人との関係でしょう。よい関係のもとでは、役務に瑕疵はあっても我慢するということもあるわけでしょう。その反対もあります。今回の事案は「ケア」の面で欠けるところがあったのではないか、と思います。
 
 このスレッドで知りましたが、いろんな厄介な患者がいるようですね。医療現場もドライになっているようです。本来は医師と患者は利害対立の関係であってはならないと思うのですが。勿論これは提訴された遺族のことを指しているのではありません。
 
 遺族も医師も可哀相です。しかしこれで救急医療体制の整備が進むならば無駄な死ではなかったと思うしかありませんね。
 
 裁判は本当の意味での「和解」であってほしいものです。

なるほど、事情を知らない方々から見るとあの会の活動は間違っていないと見えるわけですね。いや揶揄するつもりではなくちょっと意外に感じています。

正直なところ自分も周囲もすっかりスレてしまったのか、非医者の友人に件の会を紹介しても「おいこりゃ見るからに…w」という反応ばかりだったので世間の多数派も同じものだとばかり思いこんでいました。
マスコミがああいう会を持ち上げるのは医者叩き等の目的のために手段を選ばずという考えで利用しているだけなのかと思っていたのですが、あるいは素でヨイショしていたという可能性も考慮しなければならないのでしょうか。

>老人の医者さん
正しいかどうかは相対的なものなので、安易にいいか悪いか言う事はできませんが、やる事はやっている団体だなと思います。

マスコミが持ち上げていると言うか、マスコミに注目させるように戦略を練り、努力をした結果だと思います。また、厚労省と定期的に意見交換(恫喝しているように見えなくもないですが)しているのも素晴らしいですね。

No.101 きとらさん

今回の事案は「ケア」の面で欠けるところがあったのではないか、と思います。
何度も書きますが、「ケア」一つとっても医者の労働力を喰うことは、わかりますよね?
たとえばきとらさんが瀕死の重傷を負って医療を受ける必要がでたときに、医療を提供できる力を持った医者が「ケア」のために出払っていて、あなたは野垂れ死ぬのを待つばかり、という状況のとき、あなたはその状況を受容できます?
「ケア」とか以前に、人の生死にはどうしようもないものがあるという社会常識を学んでおくほうが、ご遺族にとっても医療体制にとっても良いことです。

No.101 きとらさん

しかしこれで救急医療体制の整備が進むならば無駄な死ではなかったと思うしかありませんね。

これのおかげで奈良県南部でお産が出来る場所がなくなりました。奈良県は何とか産科救急体制を整えようとしましたが予算がなく断念。いま現場では救急業務を忌避する理由に訴訟回避をあげる医者がすごく増えています。結果として逆に救急医療体制を崩壊させる一因になっちゃってます。

No.101 きとら さん
>大淀の提訴との関わりは解りません。

「陣痛促進剤被害による被害を考える会」の勝村久司氏は、1月ある雑誌に下記の文章を掲載しております。「カルテその他の原資料を入手し、遺族の方のお話も把握しての話」だそうです。先日大阪で開かれた「陣痛促進剤被害による被害を考える会」のシンポジウムに遺族の方を引っ張り出し、ご遺族を完全に取り込んでいると思います。

「奈良で最近起こった、妊産婦の救急車のたらい回しによる死亡事故は、過強陣痛を放置されて脳内出血に至るまでに、多量の陣痛促進剤を投与されていた」

大淀病院事件の経過をご存知の方でしたら、この文章がいかに捏造とデタラメな医学的考察に基づいているかを容易に理解できると思います。

ご遺族の方々に近付いて、滅茶苦茶なことを吹き込み、病院側への不信感を増幅させ、訴訟へと背中を押したとみるのが妥当だと思います。

>遺族も医師も可哀相です。しかしこれで救急医療体制の整備が進むならば無駄な死ではなかったと思うしかありませんね。

残念ながら、「まっとうな医療を行っても、結果が悪ければ訴えられる」非常に有名な例となってしまいました。医療の前線に立つ医療者の士気を挫くには十分すぎる燃料だと思います。原告勝訴などと間違ってなろうものなら、救急医療体制は壊滅的打撃を被るのは目に見えています。

 峰村健司(眼) さん
 
>「ケア」とか以前に、人の生死にはどうしようもないものがあるという社会常識を学んでおくほうが、ご遺族にとっても医療体制にとっても良いことです。
 
 私も一般人です。専門知識はありません。あるのは常識だけです。例えば医者に癌と言われりゃ、もう終わりと諦めますよ。それが常識じゃないですか。
 
 毎日病院でどれだけの人が死んでいますか? その中でどれだけの人が病院にクレームをつけていますか? 私の周囲、死んだ者も多くいますが、誰もクレームを付けていません。病気で死ぬ。それもやむを得ないことと諦めているんですよ。
 治療が100%妥当であったかどうか解りません。死期を遅らせることが可能だった場合もあったかもしれません。しかし医師が精一杯努力してくれたのなら、それで充分だと思っています。医師の方で、自分のこれまでの治療行為は完璧であったと言える人、どれだけおられますか?
 
 大淀の場合、
 これは子癇発作でその処置はしています、明日も勤務なので仮眠を取らせてください、何かあればすぐに来ます、とか、患者側に適切な説明をしておれば、後で、医者はその間何もせず仮眠していた、と言われなくて済んだかもしれません。
 また遺族が病院側に説明を求めた時、弁護士を差し向けるのではなく、医師が適切な説明をしておれば訴訟にまで至らなかったかもしれません。
 
 柳さん
 
>これのおかげで奈良県南部でお産が出来る場所がなくなりました。奈良県は何とか産科救急体制を整えようとしましたが予算がなく断念。
 
 医療とマスコミは仇同士のようになってますが、こういう場合は、マスコミにおおいに働いていただいて予算を付けざるを得なくなるような方向に持っていって欲しいものです。削るべき無駄な予算は沢山あるでしょう。
 
 岡山の内科医さん
 
>過強陣痛を放置されて脳内出血に至るまでに、多量の陣痛促進剤を投与されていた
>この文章がいかに捏造とデタラメな医学的考察に基づいているか
 
 私は素人ですので詳しいことはわかりません。医師が脳内出血を子癇発作と判断したことに関しては非難できないだろう、それに救急体制の不備が加わった悲劇だろう、という程度の認識です。

きとらさんのおっしゃることも感覚的には分かるのですが、
「治療に失敗して殺された」ってのと、「治療に失敗したことに対して誠意が感じられない」ってのは、素人の浅はかな考え的には全然話が違うと思いました。

それとも、常識的には
 「治療に失敗」+「誠意が感じられない」=「殺された」
 「治療に失敗」+「誠意ある対応」=「力及ばなかっただけ」
ってことになるんですかね?(^^;)
「誠意を持って説明している間に手遅れになった」場合は、そうすると「力及ばなかっただけ」って事になるのかしらん(独り言)

患者さんは何が原因でなくなったのかとか、原因が複数あるとしてどの位の割合で責任がありそうかとか、治療は本当に失敗していたのか、成功する可能性はあったのかとか、素人考えではその辺が「真実」だと思うのですが、
ケアが悪かったという「真実」って、この裁判で見つけられるんでしょうか(^^;)

ゃ、前者の「真実」も裁判で見つけるのは難しいでしょうが……(裁判とはどうも「真実を知る」ことが目的の場所ではないらしい、という意味で。ついでに多分、本当は「救急医療体制の整備を求める」為の場所でもないらしい、ような?)。
その辺、分かってなくて本当に「真実」を求めていらっしゃるなら、ご遺族の方の努力はちょっと明後日向いてますよね。
分かっててやってるなら、誠意がなかった事への報復、とか?敗訴勝訴関係なく、提訴そのものが嫌がらせになるこんな世の中じゃ……

このエントリの本筋と少々違うかも知れませんが、以下の私見について法曹関係者、特に弁護士の方のご批判をお聞きしたいので投稿します。

このブログでの大量の発言を読んでいくと、医療側の皆さんの多くは、医療者(医師)に絡む裁判については次のようにお考えのように感じます。(あくまでも私の受けた感想です)

一部のトンデモ団体などが患者(家族)をそそのかして、トンデモ訴訟(刑事告発)を行っている。その結果、司法の場での争いに不慣れな医療側が負けること(トンデモ判決)が多い。仮に裁判で負けなかったとしても、医師としての本業に大きなダメージを受ける。こうしたトンデモ訴訟から医療者を守るため、医療は免責と法的に明確に定めるなり、トンデモ訴訟の提起そのものを禁止する司法制度を作り、裁判所の方で門前払いするなりして、医療者を訴訟リスクから守って欲しい。

これに対して法曹側の皆さんは、トンデモ訴訟をフッカケて来るような人種は、法的に勝ち目が無くても平気で訴えてくる。そもそも、訴訟を起こす権利は絶対的に犯してはならないのであるから、司法制度の中に医療裁判だけを制限する手段を設けたり、トンデモ提訴だからと言って訴状を受理せずに門前払い的に却下する司法制度などで、医療者だけを保護することは困難だ。

この両者の溝を埋める一手段として、「訴訟費用の敗訴者負担の制度」がある程度有効なのではないかと愚考しております。現状の民事訴訟法では勝訴側は敗訴側に対して、裁判所に納付する印紙代程度の請求しか認めておりません。ですが、敗訴者に対して応訴に要した弁護士費用や証拠集めなどに要した費用を請求できるようにすれば、勝ち目のないトンデモ訴訟をフッカケて来るような人々に対しては相応の「抑止力」として作用すると想像します。

最近この「訴訟費用の敗訴者負担の制度」の導入が提起されたとき、先に書いた「訴訟を起こす権利」が犯される恐れがあるので反対する、との理由で日本弁護士会が強力にアピール活動を行い、結果として導入は見送られてしまうという経緯がありました。私個人としてはこの日本弁護士会の反対活動(反対の理由付け)には少々腑に落ちない部分がありますが・・・

それはともかくモトケンさん、お手数ではございますがこの「訴訟費用の敗訴者負担の制度」と「トンデモ訴訟への抑止力」というテーマで別エントリを立てて頂き、皆さんの、特に法曹側の方々の意見を聞いて見たいのです。

>No.107 きとら さん
>明日も勤務なので仮眠を取らせてください、何かあればすぐに来ます

担当医は仮眠をとっていたのではなく、転送先を必死で電話して探して
いたそうです。その時間帯の看護記録が空白だったので何もしていない
と勘違いされたようですね。本当にシンプルな誤解から生じた問題です。

それでもこんなに大問題になるのです。本当に怖いです。

不当なクレームをつける患者家族が例えば100人に一人であったとすれば、一般人の感覚からは「極めて稀」であって受容可能な範囲内と認識されるのも已むを得ないかも知れません。
日本の医師の患者担当数は年間およそ9000人と言います(諸外国の数倍〜数十倍!)。100人に一人とすれば週に数人はクレーマーに遭遇している計算です(実際の感覚としてはもう少し多いようにも思いますが)。

何が社会常識かは母集団によっても違うので一概にこれとは言えませんが、例えば現在崩壊で話題となっている産科医の場合は確率的に生涯においておよそ半数が医療訴訟に巻き込まれるとされています。
産科以外でも確率は決して低いものではなく、訴訟沙汰以前のトラブルに至っては日常的に起こっています。無論正当なものであれば誠意を持って対応すべきなのは言うまでもありませんが、実際にどんなものであるかはこの場を始め各所で語られている通りです。

人間関係であるから文句をつけるななどと言うつもりは毛頭ありません。しかし結果として悪かったならば「人殺し!」と罵ることが顧客としての正当な権利であると国民が認識しているのであれば、誰がそんな国民のために寝食を削って努力するでしょうか。
医療崩壊などと特別の現象のように言われますが、現場で起こっていることは当たり前のことの積み重ねに過ぎません。我々の眼から見れば国民は自分で自分の首を絞めている。そしてその最大の当事者であるはずの国民が他人事のような態度に終始していることがこの問題の根深さを物語っていると思います。

No.101 きとら さん

>陣痛促進剤の不適正な使用を批判するNHKの番組を見たような気もします。この会の運動は間違ってはいないと思いました。

私たちが、この会の運動方針を見ている限り、エセ同和と同じ類です。

エセ同和の怖いところは、表向きは被差別者の人権救済という大義を掲げながら、差別者vs被差別者という固定した対立構造を押し付け、被害感情が救済されるまで、徹底的に弾劾、恐喝、暴行を加えるというものです
結果、差別感情解消に向かうどころか、大きな溝を作り、被差別者の存在を恐ろしい存在と避けることになり、差別を拡大、維持させることになります

もちろんエセ同和が求めていることは、差別の解消、融和ではなく、金品、精神的優越、既得権益の保護ですので、人権団体とは程遠いものです

この手の人達が求めてくる『誠意ある謝罪』とは、被害者感情を満足させる『謝罪』であり、無限の謝罪です。相手が満足したと言うまで、執拗に追いかけてきますから
これは、説明する側に無力感と恐怖を植えつけるので、直接交渉を拒絶し、弁護士に任せるのは、むしろ当然のことと言えます

理性を失った人に誠意ある説得をするのは困難で、するとすれば、徹底的にウェットに感情を演出するということでしょうか?但し、当該医師、医療機関は無責と思っていますので、あくまで感情を慰撫するということだけに努めますが、相手はミスを認めろ!!というのだから、水掛け論どころか、永久に溝が埋まるはずもありません

片方で差別、被害を強調しながら、片方で既得権益、一方的攻撃権を手に入れているのだから、勝ち馬に乗るマスゴミは正当な批判を向けません
まともな意識を持つものは、かの団体に非常に立腹しています

No107 きとらさん
>私は素人ですので詳しいことはわかりません

説明不足の文章で申し訳ありません。

実際の経過は、例えば、10.22の産経新聞に掲載された記事をみると
8 月 7 日
9:20 ○○さんが分娩誘発のため大淀病院に入院
9:40 分娩誘発剤を投与 ( 以降、1 時間おきに 6 回 )
夕方 陣痛が始まる
8 月 8 日
0:00 「こめかみが痛い」と頭痛の訴え
                      とあります。
もう一度、勝村氏の文章を再掲しますが

「奈良で最近起こった、妊産婦の救急車のたらい回しによる死亡事故は、過強陣痛を放置されて脳内出血に至るまでに、多量の陣痛促進剤を投与されていた」

・陣痛促進剤の内服が終了した午後3時頃より後に(他社の報道では午後5時頃)、陣痛が始まっている訳で、陣痛が始まってからも陣痛促進剤を内服させたというのは捏造です
・「過強陣痛」とありますが、そんなことを示唆する資料は現在のところ確認されていません
・「多量」とありますが、成書に記載された通常の投与量であり、投与法です(添付文書の認める用法・用量でもあります)

勝村氏の書いた文章は、時系列すら無視した捏造です。こんな調子で、担当医が悪いなどと吹き込まれたら、医学的知識の無い一般の方は、どんどん不信感を募らせ、病院側への報復感情を増すのではないでしょうか?

No.109 法務業の末席さん

私も近い疑問を持ち、少し前に

http://www.yabelab.net/blog/medical/2007/04/16-112210.php#c53194

で質問させていただきました。立場の異なる弁護士お三方からコメントをいただいております。ご参考まで。

(ちなみに私自身は非医療職・非法曹・非法務業です)

No.114 ひさん、ご指摘ありがとうございます。
まったく同じ主旨の書き込みかと思います。

このエントリは、余りにもレスが多いので読み落としていました。

 Med_Law 先生、こんにちは。

> この手の人達が求めてくる『誠意ある謝罪』とは、被害者感情を満足させる『謝罪』であり、無限の謝罪です。相手が満足したと言うまで、執拗に追いかけてきますから

 ジャーナリストの鳥集徹さんなんて、身を以てその辺りの経験をされているはずですが、…。

訴訟費用の負担問題について。
濫訴と評価される訴えに限って、弁護士費用の敗訴者負担を命じるという考え方もありますが、
濫訴とは何か、は難しい問題です。

医療訴訟の場合は、原告訴訟代理人は提訴前に協力医の意見を聞くのが普通です。
最低1個でも、医師と名乗る人の肯定的意見を得て提訴したのであれば、
それがどんなに極少数のトンデモ説かは、素人たる原告側には判断がつきませんから、
たとえ敗訴しても、「濫訴」とまでは言えないと思われます。

患者に無体な期待を抱かせる医師を不適格として排除することは、同業医師なり監督官庁なりにお願いするしかありません。

No.117 YUNYUN(弁護士)さん
>患者に無体な期待を抱かせる医師を不適格として
学説程度なら、不適格と断定するに足りません。排除は現実不可能です。

>最低1個でも、医師と名乗る人の肯定的意見を得て提訴したのであれば、
「濫訴」の評価が定着すれば単独意見に頼ることがなくなる期待が。

これらよりも、YUNYUNさんがいつも提唱している、医学会としての統一意見の形成の場を作るのがbestでしょう。

濫訴の定義が難しいのは ある意味で セカンドオピニオンやドクターショッピングの問題にも通じる可能性があるかも知れない と思いましたが、異質なものでしょうね。
複数の医療機関にかかるのは無駄なことがずっと多いのはたしかですが、
たまたま わかりにくい病態の場合に 他所にかかった方が 良かった 場合もあるのもまた事実です。

不適格な医師というのも 何がどこまで不的確なのかというと なかなか難しいですね。
論外 という事例は、なかなか表面化しないものです。
犯罪事例は別ですけど、
通常は 判断が分かれうる 微妙な面も多いように思います。

>No.117 YUNYUN(弁護士)さん
>患者に無体な期待を抱かせる医師を不適格として排除することは、同業医師なり監督官庁なりにお願いするしかありません。

確かにそのとおりなんですが、
タイムリーにもエントリーが立てられた光市母子殺害事件差戻審の弁護団のように、不適格な医師の背後にも「ある特定思想を持った集団」がいる訳でして、弁護士会がこの弁護団をどの様に扱うかが、われわれ医師集団にとっても不適格医師に対処するヒントになりそうです。

 jack(ど素人) さん
 
>ケアが悪かったという「真実」って、この裁判で見つけられるんでしょうか(^^;)

 遺族の感情がわかるような気がするんですよ。単に医師の処置に疑問があるということだけではなくて・・。合理的な疑問に対してなら、合理的な説明をすれば納得されるはずですよね。
 奥さんを失われた悲しみ、また、奥さんに対する申し訳なさ、もう少し自分が執拗に医師や看護婦に処置を求めていたならという慚愧、等々が綯い交ぜになっているのではないでしょうかねぇ。人間というのは不合理なものですよ。あの時の自分自身の無力に対する怒りが医師に転嫁してしまっているという可能性もあるわけでしょう。それもひとつの相であるわけでしょう。そういう不合理な感情も解消されなければ遺族は救われません。「真実」という言葉をそういう意味合いで使いました。
 
 岡山の内科医さん
 
>勝村氏の書いた文章は、時系列すら無視した捏造です。こんな調子で、担当医が悪いなどと吹き込まれたら、医学的知識の無い一般の方は、どんどん不信感を募らせ、病院側への報復感情を増すのではないでしょうか?
 
 捏造なら裁判では通用しないでしょう。
 
 たまたま書店で中野次郎『患者漂流』(祥伝社新書)を見つけ、いま読んでます。大淀の事案に関しては、基本的に「判断は正しかった」とされていました。
 途中までの感想ですが、医療の現場、すごいことになってますねぇ。
 お医者さんも大変でしょうが、貧乏な患者も大変なんですよ。
 
 大淀の報道では、最初、病院長が、判断は誤りだった、とされていませんでしたか?
 
 刑事では黒白をつけなければなりませんが民事ではそうではありません。相互理解の方向で事態が進展して欲しいものです。

No.121 きとらさん

 お医者さんも大変でしょうが、貧乏な患者も大変なんですよ。
なのになんでそんなに医療費が上がるような要求(例、心のケア)ばかりするのかわけがわからんです。

みなさま御指摘のとおり、医師は増やすべきで、医療費も増額されるべきで、医療保険制度の運用に関わる様々な問題点も改善されるべきと考えています
昨今の報道・世論の流れから見て、遠からずそういう流れになると楽観していますので、医師のみなさまには、絶望されるのではなく地道に世論への訴えを続けていただきたいと思います。

ただ、医師の訴えが世論に受け入れられるには、医師側も苦い薬を飲むという覚悟を示すことが必要と思います。
1点目は悪質な医師を専門家集団としての責任で排除すること、2点目は医療費の野放図な拡大への歯止めの案を示すこと。
1点目について。人間の集団には必ず悪質な人間がある程度含まれる訳で、医師集団も例外ではないと思います。しかし、それを自らの責任で排除しようとする努力が見えないと感じます。
2点目について。医療費は増額されるべきだと思いますが、財政状況から見てどこかに歯止めは必要なわけで、医師側から実効ある対案(単に欧米より少ないから増やせと言うだけでなく)を出すべきだと思います。感覚的には、保険の対象から超高度な医療と風邪の診察みたいな安い医療を外すのかなぁと思いますが、この具体案については十分な知識がないので、ただの戯言です。

以上、勝手なことを申し上げましたが、悪質な医師を自らの責任で排除し、医療費の拡大の実効ある歯止めの案を示せば、世論は医師の味方に変わると信じています。

>人間というのは不合理なものですよ。あの時の自分自身の無力に対する怒りが医師に転嫁してしまっているという可能性もあるわけでしょう。それもひとつの相であるわけでしょう。そういう不合理な感情も解消されなければ遺族は救われません。


不合理な感情の解消法として、マスコミを使って医師をバッシングする姿勢が正しいこととは到底思えません。
医師だって家族を病で失う不合理な思いは味わうんですよ。

No.121 きとらさん

大淀の報道では、最初、病院長が、判断は誤りだった、とされていませんでしたか?

少なくとも私の見た記者会見では、「結果から見ればミスだった」ことを認めただけでした。「結果から見ればミスだった」と言うことは、結果が分からない時点での判断はミスでは無かったという意味です。まあ、メディアは鬼の首でも取ったようにミスだミスだと騒ぎましたがね。

 峰村健司(眼) さん
 
>なんでそんなに医療費が上がるような要求(例、心のケア)ばかりするのかわけがわからんです。
 
 医療費の問題じゃないんです。
 同じ処置をして貰って痛い思いをした場合、この看護婦なら、まあいいや、この看護婦なら、気をつけろ! と怒鳴りたい。 基本的にはそういう話です。
 
 看護婦さんに、患者に親切にしろ、患者の身になれ、と説教されたことがあるでしょう。
 患者はそういうことも求めているんですよ。

>No.123 現役行政官さん
厚労省が介護保険制度を導入した当時、立案者のO政務次官がまさに私利私欲のために制度を作ったのだなあと感じ入った汚職事件で失職しましたが、1.介護保険制度は当時どういう意味で(誰にとっての)ゴールドプランと呼ばれていたのでしょうか。
さらに、O次官が退職後制度設計上何の見直しもなくそのまま施行されたようですが、2.どのようにして汚職の再発を防ぐ方策が講じられているのですか。
寡聞にして存じませんが以上の2点につきまして、よろしければご教示ください。

No.127 ぼつでおk(医)さん

>厚労省が介護保険制度を導入した当時、立案者のO政務次官がまさに私利私欲のために制度を作ったのだなあと感じ入った汚職事件で失職しましたが、1.介護保険制度は当時どういう意味で(誰にとっての)ゴールドプランと呼ばれていたのでしょうか。
>さらに、O次官が退職後制度設計上何の見直しもなくそのまま施行されたようですが、2.どのようにして汚職の再発を防ぐ方策が講じられているのですか。
>寡聞にして存じませんが以上の2点につきまして、よろしければご教示ください。

私は行政官ですが、厚生労働省の所属ではありませんので、残念ながら分かりません。

きとらさん

何度も何度も書きますが、「ケア」一つとっても医者の労働力を喰うことは、わかりますよね?労働力を喰うということは、その分医者の頭数を増やさねばならない、つまりカネを喰うということですよ。

あともう一つ

 看護婦さんに、患者に親切にしろ、患者の身になれ、と説教されたことがあるでしょう。
 患者はそういうことも求めているんですよ。
そんな馬鹿馬鹿しい説教をする看護婦さんなんて、いないんじゃないですか?少なくとも僕は聞いたこと無いです。看護婦さんも医者と同様に、クレーマー患者さんにうんざりしていますよ。
 患者さんとか医者とかの立場と関係なく、人と人との付き合いとしての礼儀は大切ですよ。
 でも、患者が「お客様」のツラをして、これもよこせあれもよこせとか言い出したら、そこでもうこちらも不信感たっぷりになります。

今日の外来で、「予約なのに40分も待たせるな」と看護婦さんに文句を言っている患者さんがいました。私が出て行って、最初は「お待たせするのは申し訳ないですが、どの患者さんが(治療に)どの程度の時間がかかるかわからない中でやっているので、ある程度は勘弁してください」というような説明をしたのですが、「そんな予約制度やめたらどうなんですか」だとか「杏林大学病院なんかお客様満足度調査を頻繁にやっている。今後医療はますますそういう方向に進むでしょう?」とか言い出すんで「あー、私そういうのにはあまり興味ないです」とか「保健医療では限界がありますよ」とか「僕も昔目の手術を受けたことがあって、外来で2時間待ちとかざらでしたが、そんなもんだと思ってましたけどね」とか、「どうしても待ちたくなければ、自由診療で大金を積んで医者を雇うしかないと思いますよ」とか言い返すわけです。その患者さんはさほど物分りが悪くなかったようで、最後にはまあ一応納得はしたようです。

そのあとで、看護婦さんには「先生がピシッと言ってくれたからよかったです」と言われました。

また、同じようなやり取りをすることはたまにありますが、それを聞いていたほかの患者さんは、一様に私をねぎらってくれます。つまり普通の患者さんはクレーマーをクレーマーと認識してくれるんですね。

ちなみに私の初診患者さんへの最初の一言は「はじめまして、峰村と申します、よろしくお願いします」です。

>医療費の野放図な拡大への歯止めの案を示すこと。

これに関しては、むしろ大多数の患者側がどこまでで諦めるかによるのではないでしょうか?先端の医療を受けないことの選択も甘んじて受けてもらえるなら、医療従事者側としては何の問題もないです。

>No.128 現役行政官さん
コメント有難うございます。

>私は行政官ですが、厚生労働省の所属ではありませんので、
そうでございましたか(笑)。では見当違いの質問を発してしまいましたことをおわびいたします。
ここに現役行政官のかたが書き込んでくださることは望外の欣事とよろこんでおります。今後とも今のお立場から忌憚のないご意見を書き込んでいただければ非常に幸せであります。

 7年目内科医さん
 
>マスコミを使って医師をバッシングする
 
 たしかにマスコミはバッシング報道しましたが、これはマスコミの問題だと思います。ちゃんと事実関係を調査して、医師を非難すべきかどうか冷静に判断すべきだったと思うのですが、よくある悪者探し、糾弾報道になってしまったような感じがします。
 
 別のスレッドで光市母子殺害事件が論議されていますね。本村氏の論理には必ずしも賛成しませんが、死刑にしてくれ、という感情はよく解るんですよ。本村氏に大淀事案の高崎氏が私には重なって映るんですよ。
(勿論、母子殺害犯と大淀病院の医師が同列と言っているわけではありません。高崎氏は犯罪の「被害者」ではありませんから。)
 
 ただ、二人とも、辛いだろうなぁ、と同情するばかりです。批判する気にはなれません。
 
 bamboo さん
 
>「結果から見ればミスだった」と言うことは、結果が分からない時点での判断はミスでは無かったという意味です。
 
 私が誤解していました。
 
 奈良県警が立件しなかったことから見ても、敗訴になるとは思えませんが、病院側はあくまでも争うつもりなのでしょうかねぇ。つまり、和解に応じる気はないんでしょうかねぇ。
 
 峰村健司(眼) さん
 
>看護婦さんも医者と同様に、クレーマー患者さんにうんざりしていますよ。
 
 ま、人生色々、患者も色々ですから。どの世界にも一部にクレーマーはいるのではないですか。それに、クレーマーが増えている傾向もあります。ジコチュウが大人になって騒いでいるのでしょう。お察しします。
 
 クレーマー患者ではなく一般の患者も要求水準が高くなっているようですね。正常に分娩できる妊婦でも大病院に集中する、と『患者漂流』にありました。結果、常に万床でいざという時の対応ができないそうです。大淀の件にも関係しているかもしれません。

No.121 きとら さん
>同じ処置をして貰って痛い思いをした場合、この看護婦なら、まあいいや、この看護婦なら、気をつけろ! と怒鳴りたい。 基本的にはそういう話です。

わかります。うちのクリニックでも、A看護婦が注射を失敗しても「いいよ、いいよ」って言う人がB看護婦の失敗だとムッとした顔をする。

でもね、別の患者さんはA看護婦が注射を失敗するとムッとした顔をして、B看護婦の失敗だと「いいよ、いいよ」って言うんですよ。どうしたらいいのでしょうか?

私の場合でも、そういうことはありますよ。同じような病気で同じような説明をしても「わかりました!」って笑顔で言う人もいれば不満そうな顔をする人もいる。一応、人を見て内容は同じでも言い方を変えるようにしていますけど、完璧に合わせるのは無理です。「なんでそうなるの?」と思うことも少なくありません。

そういう時は「あの患者さんとは相性が悪かったんだ。病院はうちだけじゃないから、他へ行くだろう」って思うようにしています。でもね。そういう患者さんに限ってまた来るんですよ。どうしたらいいんでしょう。

※きとらさんの言わんとしている事とすれ違っているかもしれません。御指摘を。

>No.123 現役行政官さん
>1点目について。人間の集団には必ず悪質な人間がある程度含まれる訳で、医師集団も例外ではないと思います。しかし、それを自らの責任で排除しようとする努力が見えないと感じます。

私はそれは無理だと思います。無理だと言うのは方法が無いという意味ではなくて、非医師が悪質と思う医師と、医師からみて悪質と思う医師が一致しないということが根本にあるということです。ですから非医師から見て、医師集団は悪質な医師を排除できないという思いは永遠に解消されません。

>2点目について。医療費は増額されるべきだと思いますが、財政状況から見てどこかに歯止めは必要なわけで、医師側から実効ある対案(単に欧米より少ないから増やせと言うだけでなく)を出すべきだと思います。

どこまでの医療が必要かは、政府でもなく、医師でもなく、国民が決めることです。ただし正確な情報に基づいてです。ですから今のように大本営発表しか国民に知らされていない状況を改めるのが優先です。

クリニック関係のSE関係の仕事"も"しており、仲良くなったドクターと医療崩壊についての話をすることもよくあります(話を振ると待ってましたとばかりに色んな話をしてくれますw)。
ある先生は、医療費の総額規制の問題については、超高額レセプトを削れば解決するということを仰っていました。
参考:医療費の大半は少数の患者で使われています
http://www.urban.ne.jp/home/haruki3/resept.html
※ただこの辺の数字も統計マジックがあるようなので、計算によって変わるそうですが。

で、具体的にドクターからどうすべきかどうかを提案するってのはやはり酷だと思うわけで。パニックに陥っていることの多い患者家族に対して、これ以上は財政的にメリットの割にはコストがかかりますから、なんてお役所的でなくとも、人間関係を築き挙げた上でも、やることは困難なことでしょう。
それよりも保険制度を等級に分けて、あらかじめどのレベルまでの治療が受けるかは、患者側が入る保険のランクを選択することで、意思表明をしさせておくほうが患者側も貧乏だから仕方ないと諦めやすいんではと。ドライな話ですが、どこかで削ったり、抑えたりするのであれば、それは患者側が決めるべきことかと思います。医者は保険のランク通りに粛々と治療を進めるだけ。これがアメリカ式ってやつですかね?

自分は無駄な点滴注射は一切しない主義なので患者からは評判悪いんじゃないかと思いますが、保険財政上はコストを削る良い医者なのかも知れませんね(苦笑)。

ま、何を持って悪徳医者というかは人によりけりなんで一概には言えませんが、誰が見てもこいつはちょっと…というぶっ飛んだ不適格者も一部にはいるでしょうし、そんな御仁にもちゃんと厚労省から免許は下ります。
それ以前の使えないなというレベルの人財になると自分などを筆頭に幾らでもいるのですが、面白いものでどんな無能に見える医師でも何か一つくらいは取り得があるものです。その昔医局長が「そういう人財もうまく使うのが我々の腕」と言っていましたが、医局崩壊した今の時代の人材難と併せて考えると興味深いですね。

使えない人間も使わざるを得ない現状を見るにつけ、他の職場のようにある程度セレクションできるくらい現場に来る人が増えてくれるようになったら少しはいいのかなとも夢想していますが、到底期待できる話ではなさそうです。

No.123 現役行政官さん

1点目について。人間の集団には必ず悪質な人間がある程度含まれる訳で、医師集団も例外ではないと思います。しかし、それを自らの責任で排除しようとする努力が見えないと感じます。

法律に基づいて行政がするべきことと思いますが。悪質な人間を民間人が排除しようと思ったら、むしろ犯罪になると思います。

No.130 7年目内科医さん
>医療費の野放図な拡大への歯止めの案を示すこと。
>これに関しては、むしろ大多数の患者側がどこまでで諦めるかによるのではないでしょうか?先端の医療を受けないことの選択も甘んじて受けてもらえるなら、医療従事者側としては何の問題もないです。

最終的には国民と患者の選択となるのはおっしゃるとおりです。
しかし、専門家として何か案を示さないと、経済財政諮問会議の医療費抑制論が世論の支持を得て、厚生労働省もそれに押されて医師にとって不適切な方法で医療費抑制に走らざるを得なくなるように思います。
何も知らない私の目からは、医師集団がメリハリの案を出せないなら、一方で財源の制約もあるのだから、一律機械的に削減するしかないよね、と見えてしまいます。


No.133 元ライダー.開業医さん
>私はそれは無理だと思います。無理だと言うのは方法が無いという意味ではなくて、非医師が悪質と思う医師と、医師からみて悪質と思う医師が一致しないということが根本にあるということです。ですから非医師から見て、医師集団は悪質な医師を排除できないという思いは永遠に解消されません。

おっしゃりたいこと、よくわかります。
でも、私が言いたいのは、「医師からみて悪質と思う医師」の排除もしているように見えないということです。
諸外国での医師免許取消の数と、日本の医道審議会での処分件数を比較すると、そう推測したくなります。専門的に見て適切な医療をできないと思う医師の方に、勇気を持って退場を促すことはできないでしょうか。

>どこまでの医療が必要かは、政府でもなく、医師でもなく、国民が決めることです。ただし正確な情報に基づいてです。ですから今のように大本営発表しか国民に知らされていない状況を改めるのが優先です。

7年目内科医さんへの答のとおりです。
「大本営発表しか国民に知らされていない状況を改める」という点は全く同感です。「優先」というのもそうありたいですが、放っておくと状況は悪くなりますので、スピードも大切だと思います。

No.135 老人の医者さん

>それ以前の使えないなというレベルの人財になると自分などを筆頭に幾らでもいるのですが、面白いものでどんな無能に見える医師でも何か一つくらいは取り得があるものです。その昔医局長が「そういう人財もうまく使うのが我々の腕」と言っていましたが、医局崩壊した今の時代の人材難と併せて考えると興味深いですね。

えてして、そういうものですよね。
私の職場の周りを見渡しても、使えないなぁと思う人はいても、今すぐやめちまえとまで思う人はあまりいません。諸外国(アメリカだけ?)で免許取消が多いのだとしたら、どういう基準でやってるのかな。


No.136 うらぶれ内科(事業主)さんの
>法律に基づいて行政がするべきことと思いますが。悪質な人間を民間人が排除しようと思ったら、むしろ犯罪になると思います。

おっしゃるとおり、最終的に免許を取り消すのは行政の仕事です。
しかし、あの医者の医療行為は専門的に見て間違いが多いから、医師を続けさせるべきではないと行政に助言する責任はあると思います。そういう仕組みを作れませんかね。
機能しているかどうかはともかく、民間人の団体たる弁護士会にはそういう機能があります。

>現役行政官さん

諸外国での医師免許取消の数と、日本の医道審議会での処分件数を比較すると、そう推測したくなります

ニューヨーク州のシステムが有名だと思いますが、以下のような流れになっているみたいですね。適当に要約します。
http://shakai-gijutsu.org/ronbun2/285.pdf


・医師の行政処分は州政府健康局内のOPMC(Office for Professional Medical Conduct)で管轄され、BPMC(Borad for Professional Medical Misconduct)で判断される。

・BPMCの委員は200名(医師120名)であり、委員の謝礼は1日150$。年間予算は2,400万ドルで、財源は主に医師の登録料から捻出されている。OPMCは調査官61名、医師34名、法律家30名、行政法判事15名を抱える総勢約200名の組織である。

・患者や家族からクレームが寄せられると、OPMCが調査に乗り出す。OPMCには寄せられた全ての報告に対しての調査が義務づけられている。

・本格的な調査が開始されると、OPMCは全ての診療情報を要求し、聞き取り調査を行う。OPMCにはあらゆる情報を閲覧する権限が与えられている。調査結果と専門医の判断を踏まえ、さらなる調査が必要かどうか判断する。必要だと判断された場合、調査委員会にかけられる。

・調査委員会は医師2名、一般人1名で構成されている。月に2回の調査委員会が開かれ、1回の調査委員会で25件(年間600件)のケースについて判断が行われる。調査委員会にかけられた600件のケースのうち、400件でヒアリングが行われる。ヒアリングを経た上で、医師に対する処分が可能となる。

No.138 現役行政官さん

たれ込むのは自由ですので、基本的には医道審議会等を強化拡大して対処すべき問題と考えます。
弁護士会というのは、そもそもそこに加盟しなければ弁護士活動ができない団体であり、大幅な自治権を与える代わりに自分たちのことは自分でやりなさいよ、ということなんでしょうね。
http://www.nichibenren.or.jp/ja/autonomy/

同じように、医師に医療費も含めて十分な裁量権を与え、不適格医師も自分たちで処分しなさいということならこれまた大幅なシステムの変更が必要です。

きとら さん

>捏造なら裁判では通用しないでしょう

 裁判に至るまでの過程で(少なくとも今年初頭までは)、こんなデタラメを吹き込んで、ご遺族の不信感を煽っていたのではないでしょうか。不信感から怒り・恨みへと心情が移ろい、ご遺族を裁判へと向かわせたのでは、と考えています。無論、裁判ではこんな初歩的な誤りを主張するとは思っていません。
 医療側にしてみれば、医学的に妥当な対応をしていて、裁判に巻き込まれることは、非常なストレスです。このような事例で裁判を起こされることそれ自体が、医療崩壊を一層促進すると思います。

>刑事では黒白をつけなければなりませんが民事ではそうではありません。相互理解の方向で事態が進展して欲しいものです。

このブログで散々議論されていることですが、裁判の場で相互理解が進むことはありえません。対立構造に否応無しに放り込まれ、相互に憎悪がつのるだけで、真相の解明にも繋がらないと思います。医療ADRの必要性が叫ばれる所以です。

初めてコメントします。病院側専門弁護士です。
あちらこちらの病院での講演で話していることなのですが、
やはり医師の懲戒処分を充実させることは不可欠だと思います。
これだけだと誤解が生じそうですが、
現在の医療に対する刑事司法の介入傾向に歯止めをかけるために、
同業者が主体となった懲戒制度の確立が必要でしょう。
医師と同じプロフェッションである弁護士については、
強制加入の弁護士会によって、同業者の視点から懲戒処分がなされています。
本邦の医師の場合、医師会が強制加入でないため、
医師会による統一的懲戒制度の確立は望めません。
一方、各医学会はどちらかというと大学病院等の医師がが主導しているため、
学会による懲戒制度も実効性に欠けます。

諸外国の例を参考にしつつ、本邦の法制度で可能な医師の懲戒制度としては、
行政庁が設置する同業者による懲戒審査会の拡充、
すなわち現在の医道審議会制度の抜本的な改革が現実的ではないでしょうか。

刑事司法の医療に対するこれ以上の介入を防ぎ、
医療崩壊の一因を除去するためにも、
早期に立法的手当が必要です。
既に厚労省も動いており、パブコメも取っていますが、
適正な意見が反映されなければ医療(ひいては国民)の将来は暗くなります。

>現役行政官さん


諸外国での医師免許取消の数と、日本の医道審議会での処分件数を比較すると、そう推測したくなります

 NWでの処分は州外に出れば反映しないということのように解釈しました。日本の医師免許取り消しは、日本全国での永久欠格ですが、NWでの処分は、基本的にNWでは働けなくなるという処分ではないのでしょうか。もともとアメリカは合衆国でありその州の独立性が強く認められているのですから、ライセンスのことについても同様ではないのでしょうか?この件について詳しい(現地で過ごされた方)教えていただけませんでしょうか。

すいません、NWなどと変な間違った略語を作ってしまいました。ニューヨーク州の意味です

きとらさん

>本村氏に大淀事案の高崎氏が私には重なって映るんですよ。
(勿論、母子殺害犯と大淀病院の医師が同列と言っているわけではありません。高崎氏は犯罪の「被害者」ではありませんから。)

この比較は断りを入れていたとしても酷い話です。感情としては高崎氏に同情しますが、だからといって全面的に遺族の言い分を受け入れるということとは話が違います。まず、私たちは年間、数十から数百という不幸の転帰をみています。その場その場でこのような遺族は発生し、ときには不幸を受け入れられない遺族とトラブルを経験することもあります。とくに若くで亡くなられた方の場合はなおさらです。私も遺族に同情し、また、自らの非力を悔やみます。ただ、遺族が(これは病気の受容の時も同じですが)その事実の受容に至る過程には拒絶から始まり怒りを経験します。それは理解できます。しかし、その都度、訴えられては私たちもたまりません。私たちは限られた人数で地域の医療を守っています。しかし、もし訴訟を抱えた場合、その病院は通常の診療は営めなくなります。つまり、地域の医療は崩壊します。かわいそうだという感情論でこのような状態を放置していいのかということです。現在、無過失保証など議論されていますが、たとえ自然死であっても納得のいかない遺族は補償しろと言うかもしれない。まず、もっとも大切なことは一般の方々が人は不死身ではない、必ず死は訪れるということを理解することです。感情論の問題ではないのです。

 勤務医のはしくれさん
 
>もし訴訟を抱えた場合、その病院は通常の診療は営めなくなります。つまり、地域の医療は崩壊します。かわいそうだという感情論でこのような状態を放置していいのかということです。
 
 訴訟はできるだけ回避すべきだと私も思います。病院側にとって大きな負担であり、また、遺族側にとっても大きな負担です。
 
 高崎氏が病院側に説明を求めたとき、医師を引っ込め弁護士を立てたというのは適切だったのでしょうかねぇ。他に対応の仕方がなかったのでしょうか。時間をかけて話し合いを続けておれば落としどころはあっただろうと思いますよ。大淀バッシング報道も下火になりましたし、奈良県警も立件しませんでした。高崎氏も冷静になり得ただろうと思います。
 
「陣痛促進剤の被害を考える会」が高崎氏の背中を押した、という発言がありましたが、大淀病院もまた、高崎氏の背中を押してしまったのではないでしょうか。

>No.146 きとら さん

たしか、医賠責の契約内容としては、医師、病院が示談交渉をすることを禁じていたと思うので、2回目の対応から弁護士が参加するのは、必然だとは思いますが、自分もこの弁護士の対応が(報道されている通りであれば)、家族の燃料になったと思います。

事件報道初期のPINEさまの投稿です。

No.41 PINE さんのコメント | 2006年10月17日 22:31 | CID 14916 | (Top)

No.33のしまさん
>この弁護士の対応は最悪だと思いますが、いかがでしょうか。
>訴訟リスクを高めているように思います。

損害保険会社の弁護士や地方公共団体の顧問弁護士の中には、本当に木で鼻をくくったような対応をする弁護士がおり、それが訴訟の一因になっている可能性は否定しません。


遅レスですが。

>No.139 しま(その他)さん
>http://shakai-gijutsu.org/ronbun2/285.pdf

読ませていただきました。アメリカの事情を調査するだけで論文になるんですね。などという感想はこの際関係ありませんが。

最後に述べられている
>米国の経験を断片的に取捨選択するのではなく、全体のシステムを日本の環境条件に適応させつつ参考にする
その日本のシステムが問題なわけです。

アメリカではご存知のように医師の労働市場が流動化しており、おおむねにおいて医師個人が、その医師の市場価値にみあった病院と契約するというシステムになっております。つまり、普通の会社員が、企業と契約するのとおおむね同じシステムですね。対して日本は、ご存知のように例外的な大病院を除いては、医学部を卒業すると医局と呼ばれる、大学の講座に就職するのが通例です。最近は研修医からそのまま研修先の病院に職員として就職するケースもありますが、そのまままったく医局に所属しないというのは多数派ではありません。
医師が医師を裁くシステムを形成する際に、日本ではこの医局の存在が問題になると思います。例えば、医局の大先輩のかかわっている紛争事案ではやはり遠慮がちにならざるを得ません(少なくとも私は)。あるいは医局の後輩の事案でも同じことでしょう。それであれば、違う医局のヒトをあてるルール作りを、という反論がただちになされますが、違う大学医局といっても、たとえば首都圏では、教授の出身大学であるなどの理由で東京大学の影響下にあるほかの大学は多いために、同様の心理は働きやすいと思います。また例えば同じ大学の系列でなくとも、他の大学への遠慮の心理も働きます。(医局制度のしくみについて詳しくご存知ない方はasahi.com,メディカル朝日コラムの「医局の窓の向こう側」に医師の本音に近い話が詳しくでています。)また、それであれば、今の臨床研修制度を推し進めて医師市場の流動化をという反論に対しては、昨今の転職仲介市場の拡大を考えても、労働市場の転職がアメリカほど一般化するかに思いをはせていただければ日本的なシステムとはなりえないことがご理解いただけると思います。
これらの点から、アメリカの医道審議会(たとえばNYのBMPC)やドイツの職業裁判所のシステムを日本で形成するのは難しいと考えます。つまり、医師の紛争事案を面と向かって医師が判断するのは難しい面がある、ということです。

>No.123 現役行政官
>1点目は悪質な医師を専門家集団としての責任で排除すること、2点目は医療費の野放図な拡大への歯止めの案を示すこと。

ではどうするか。私見ですが。
個人的には、保険診療の弾力的運用、すなわち審査機能の強化もひとつのアイデアと思います。ご存知のように保険医指定の取り消しは、実質的にその医師の市場からの退場を命じる仕組みです。保険病名をつけることはよくあることですが、出ている薬剤、処置、手術などから、おおよその医療内容を推定することは可能です。現在のシステムでは書類上、病名と保険支出の整合性の審査に留まっていますが、現在レセプト上問題のある場合に限られるカルテのチェックを、全数から一定の割合でぬきとり検査を行い、医療の妥当性の評価に利用してはどうでしょうか。ある程度スクリーニングをかけ、最終的な医療上の適否の判断には適当な医師、法曹関係者、基金担当者などからなる委員会が判断に関与するようにすればよいと思います。現在の保険基金の審査は、支出を抑えることにのみ審査の力点を置いていますが、弾力的に運用することで問題のある医師の退場を判断するしくみとしても利用できると思います。実際に、このしくみはある程度機能しており、今も問題のある医療に退場を命じていると思いますが。(少なくとも医道審議会よりは。)

審査委員としては、例えば、医療関係者としては元教授や元院長など、法律関係者として定年後の民事専門の判事を雇用するのはどうでしょうか。公証人になりそうなヒトをリストアップして、個別訪問してリクルートする。結構優秀な人材がリクルートできそうな気がします。行政関係者としては、局長クラスの天下り先としてはどうでしょうか。国家機関ではありませんから、特殊法人の位置づけで高額でのリクルートが可能です。個性の強いお偉方が集まって、実効性が薄れるかもしれませんが、医療側にとっても、あのヒトがそう言うなら仕方がない、というメンバーが集められるとよいと思います。

>No.11 p さんのコメント
>運用で切り抜けるのが得意な日本人!

別スレでpさんの言われるとおり、日本的システムは弾力的な運用で機能を最適化するのが得意です。現在の保険診療は最適化されまずまず機能しています。きとらさんの言われることはもっともですが、より(医療内容に関するより丁寧な説明など、接遇にせよ、医療内容にせよ)高水準の医療を希望されるのであれば、アメリカに御住まいの方々のように、より高額な医療費を払わねばなりません。 (そもそも今でも公立病院会計は現在の医療を提供するのに赤字の病院の方が多いのですが)医療側もない袖はふれないのです。例えば、大淀町民病院の問題では、奈良県南部に産婦人科医、脳神経外科医が4人づついる医療センターがあれば(私の知りうる限りの情報から判断するに残念ながら結果は変わらないと思いますが)より対応が早かったかもしれません。しかし、そのような施設を望むのであれば、奈良県南部の住民が、自治体会計からの支出という形でそれだけのコストを支払わなければならないということなのです。ちなみにアメリカの3人家族の平均的な補償の保険料(自分でかかる病院や治療を選べない、最低限の医療を保障するいわゆるHMOによる保険料)は1年あたり85万円程度となっています。つまり、360万円程度の収入であれば、2割以上が医療保険料となるわけです(http://www.kenkyuu.net/guide-5-07.html)。ちなみに、日本で同程度の収入であれば年間保険料は24万円前後(事業主14万円、本人負担10万円)となります(http://mitsuikenpo.or.jp/pdf/hayamihyo.pdf)。さらに付け加えると、日本は世界でも医療水準の高い国と考えられており、アメリカと日本の医療水準はほぼ同一であり、ごくまれな疾患を除けばアメリカでできて日本ではできない検査や治療は先端医療を含め、ほとんどありません。HMOが提供する医療よりもずっと効率的で丁寧な医療を行っています。出産翌日には体調がすぐれなければ退院して下さいなどとは言いませんし、どんなに発熱していてつらくても外来通院して点滴を毎日受けて下さいなどとは言いません。(年間85万円払ってもHMOは言います。)現在のリソースで最適化されている(少なくとも私はそう思います。)日本の医療のよい点にも眼を向けていただきたいと思います。

保険関係者が代理人(弁護士)交渉にするのは、よくあります。
交通事故でも、そういう場合があり、それが被害者側の不満になります。
つまり、保険会社はアメリカ・西洋スタイル、被害者側は日本・アジアスタイル、であることで擦れ違いが生じます。

さて、医賠責の場合、弁護士の交渉の際に、病院側の誰か(当の医師又は責任者)が同席するというのはどうでしょうか。(保険会社の弁護士が担当するのではないですよね?)

保険会社には「いやいや交渉したのは代理人の弁護士で、病院ではない」と言えるし、被害者側にとってみれば病院関係者も同席している。
弁護士も、そう無茶なことは言えないだろうし、事実経過など間違った点があれば同席者が忠告できる。(弁護士が嫌がるかな?)

現場を知らない者の発想ですので、お許しを。
でも、何とか工夫したいところではありますね。

訴訟の原因になっていようがいまいが、今目の前に押し寄せている産婦を何とかする(=診療をする)方に医者を回して、事後の対応に弁護士を回した判断の、どこが間違っているというのか、全く理解できない自分がいます。

ないものねだりも大概にしろという見解が、同じ患者さん側から出てくるようにならない限り、事態の好転もありえない気がします。

医療費に続いてスタッフ数でも最低を達成できそうな勢いというニュースです(苦笑)。
逆にこれで質の低下が起こらないとすれば高度成長どころではない「奇跡」として未来永劫語り継がれる偉業となることでしょう。

医師人口比:日本、20年に最下位へ OECD30カ国中
 人口1000人当たりの日本の医師数が、2020年には経済協力開発機構(OECD)加盟30カ国中最下位に転落する恐れがあることが、近藤克則・日本福祉大教授(社会疫学)の試算で分かった。より下位の韓国など3カ国の増加率が日本を大きく上回るためだ。日本各地で深刻化する医師不足について、国は「医師の地域偏在が原因で、全体としては足りている」との姿勢だが、国際水準から懸け離れた医師数の少なさが浮かんだ。

 OECDによると、診療に従事する03年の日本の医師数(診療医師数)は人口1000人あたり2人。OECD平均の2.9人に遠く及ばず、加盟国中27位の少なさで、▽韓国1.6人▽メキシコ1.5人▽トルコ1.4人−−の3カ国を上回っているにすぎない。

 一方、診療医師数の年平均増加率(90〜03年)はメキシコ3.2%、トルコ3.5%、韓国は5.5%に達する。日本は1.26%と大幅に低く、OECD各国中でも最低レベルにとどまる。各国とも医療の高度化や高齢化に対応して医師数を伸ばしているが、日本は「医師が過剰になる」として、養成数を抑制する政策を続けているためだ。

 近藤教授は、現状の増加率が続くと仮定し、人口1000人あたりの診療医師数の変化を試算した。09年に韓国に抜かれ、19年にメキシコ、20年にはトルコにも抜かれるとの結果になった。30年には韓国6.79人、メキシコ3.51人、トルコ3.54人になるが、日本は2.80人で、20年以上たっても現在のOECD平均にすら届かない。

 近藤教授は「OECDは『医療費を低く抑えると、医療の質の低下を招き、人材確保も困難になる』と指摘している。政府は医療費を抑えるため、医師数を抑え続けてきたが、もう限界だ。少ない医師数でやれるというなら、根拠や戦略を示すべきだ」と批判している。【鯨岡秀紀】

毎日新聞 2007年5月28日 3時00分 (最終更新時間 5月28日 6時47分)

日本人の特徴として、言葉が無くても相互理解する、というのがあると思います。私は残念ながら典型的合理的・理系人間なので、真実を話すと「むっ」とする人(一般的な話も含むので、患者とは限りません)がよくいらっしゃいます。そのたびに私は「あ、しまった!」と思うのです。自分の失敗を通じて感じたことは、日本人は反論されることに嫌悪感を示すのではないか?ということです。
日本は元々こうした場を読む雰囲気と言うのが発達しています(私はこれが苦手で、場の雰囲気というのが読めず、直接的な言葉で理解する傾向があります)。それ故か、患者さんに真実を説明したり、「それは違うんですよ」と話するとあからさまにいやな態度を示す人がいます。何もしゃべるな、あるいは態度で示せ、ということでしょうか。いろいろ話しすぎるとそれが却ってコミュニケーションを壊すきっかけになることもあるようです。

そしてそれは「お客様は神様」という別の発想と結びつくことが近年多くなってきています。私は病院だろうが、店だろうが、人間と人間の平等な関係と思っているからお客様は神様という発想は好きではありません。しかし、この発想は患者の権利意識の増大と共に過剰にふくれあがっていると思うのです。
医療は有限です。患者の要求を100%どころか、10%も満たすことができれば合格点であると私は医療技術と現在の日本の医療システムから思うのです。

最近の増えている患者の特徴として、語るな、反論するな、自分たちは医者より偉いんだというのがあります。そういう患者が初診患者の10人に一人くらいいるのでは?というのが正直な私の感想です。
もちろん、その他の9割の患者は普通の人ですが、我々にとって1割のクレーマーは普通の人の100人分くらいの労力を費やします。一人見るだけで身も心もくたくたです。

もちろん、患者の権利の向上は悪いこととは思いません。最初は不適切でも、ちゃんと勉強をして、最終的に適切な質問をしてくる患者は手間はかかるけどむしろ大歓迎です。最終的に信頼を勝ち取ることができます。医師にとって患者に信頼されることは何事にも代え難いことなのです。
しかし、中には明らかに医学・医療的に間違っている、あるいは実現不可能なのに「自分が絶対正しい」と思いこんで、結果、現在の医療水準とミスマッチを起こすわけで、それが患者の不満となる一つの理由でしょう。私の知っている限り、医事紛争の一部はそうした理不尽な要求から来るもので、決して「真実を知りたい」とか、そういうものではないと思います(これはあくまでも自分の周りで起きている医事紛争なので、全国的なことは知りません)。訴訟に至らない場合でもこれらの処理には大変な苦労を費やします。手間がかかる割に仕事に対する充実感もありません。

病棟はともかく、外来診療時間中は時間がありませんから説明もそこそこ、適当に納得して貰い、納得して貰えなければ「はい、さようなら」という診療を行うことはしょっちゅうあります。これがさらに患者と医師とのコミュニケーションを決定的に破壊する一つの材料となっているかもしれません。
昔は「あ、うん」の呼吸(場の雰囲気)で患者も医師の苦労を解っていましたからクレーマーというのはとても少なかったのだと思います。説明は不要だったのです。しかし、今は医師が何か言えば文句を言う、自分の思いとおりに行かなかったら文句を言う、というクレーマーが増えているように思います。

事情の違うアメリカ人はどうでしょう。アメリカ人も過大な要求をしてきます。しかし、彼らは言葉に頼る傾向があり、「あ、うん」の呼吸はありません。だから徹底的にディベートをすることになります。医師が患者を罵倒してもそれが正論であれば良いのです。実際に「これ以上解らないのなら警察を呼ぶぞ」と医師が患者に言ったりします。しかし、日本ではそれはタブーです。こっそり警察を呼ぶことはありますが、脅かすことは無いでしょう。それはそれで合理的な社会であるのかもしれません。そして、言葉と言葉のぶつかり合いと訴訟社会とどう関わりがあるのか解りませんが、もしかしたら関係しているのかもしれません。

一つ言えることは、日本には変にアメリカの都合の良い部分だけを持ち込んで、自分たちの都合の良いように社会を作り上げていることだと思うのです。私はこれが医事紛争が変な方向に行っている一つの理由だと思うのですが、皆様はいかが思うでしょうか?

>No.152 yama さんのコメント
>一つ言えることは、日本には変にアメリカの都合の良い部分だけを持ち込んで、
>自分たちの都合の良いように社会を作り上げている

現政権の政治手法についてその現象が最近特に顕著に表われていると思いました(笑)。
152に投票させていただきますね。今日の私は投票マシン(笑)。

> No.153 ぼつでおk(医)さん
もちろん、政治家や行政の誘導の結果も一部ではあるでしょう。でもそれだけでは無いと私は思っています。

P R

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