エントリ

 こういうことはこそこそとやるから問題になるのです。
 どうせ問題になるのなら思いっきり大きくしてしまったらどうかという提案です。
 まじめな提案ととるか不真面目な提案ととるかはお任せします。

 前提は延命医療であることです。
 延命医療の厳密な定義(もしあればですが)は知りませんが、要するに、回復の見込みがない患者で人工呼吸器が装着されておりそれによって延命されている状態であって、人工呼吸器が外されれば(または停止すれば)短時間で死に至るような状況を前提にします。
 また患者本人の意思表示が困難であり、家族の意思に基づく中止を念頭におきます。

 家族から人工呼吸器の取り外しを要請された場合

1 まず、複数の医師により患者が回復の見込みがないことを確認する。
2 家族に対し、人工呼吸の取り外しは患者の死亡を意味することを確認し、書面で承諾を得る。
3 以上の手続によって人工呼吸の取り外しを決定し、1か月程度の期間をおいて取り外し期日を定める。
(ここからが大胆な部分です。)
4 取り外し期日を決めたら、記者会見を開いて、「何月何日に延命治療中の患者の人工呼吸器を取り外します。」と発表する。
  同時に、厚労省や警察にもその旨事前通告する。
5 そして、取り外し期日においては、病室にマスコミのテレビカメラや警察官を招待して、警察官の見ている前で人工呼吸器を取り外し、それによって各種のモニターが患者の死亡を示していく状況を全国に生放送させる。

 という提案です。

 要するに、警察もマスコミも全国民も共犯者(※)にしてしまおうというアイデアです。
 (※ もちろん刑法学にいう共犯者とは違います)

 記者会見で発表を聞いたマスコミがどういう反応をするか?
 事前通報を受けた警察が取り外しを阻止する動きをするか?

 など予測できないところも多いですが、少なくとも国民的議論が起こるのは間違いないのではないでしょうか。
 また、厚労省や警察も否応なしに明確な態度表明を迫られることでしょう。
 いろんなところからの圧力で中止のやむなきに至るかも知れませんが、圧力があれば、それも全て公にしてしまえばいいのです。

 家族の要請に応じて延命医療を中止して、最終結論はどうであって医師生命が失われるというのであれば(私はそうは思わないのですが)絶対に中止しないということになると思いますが、医師生命をかけてでもやると言うのであれば、これくらいのことはしたらどうでしょうか、という提案です。

| コメント(33) | トラックバック(0) このエントリーを含むはてなブックマーク  (Top)

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://www.yabelab.net/mt4/mt-tb.cgi/2479

コメント(33)

ケボキアン医師がマスコミに安楽死のビデオを配ったのと同じ戦術ですか。

遠い親戚に訴えられそうでおっかないです。

あたしらをつんぼ桟敷に置いて勝手にそんな大事なことやらないで、なんて
言われそうです。

患者の死亡を示していく状況を全国に生放送させる。

社会に対して、「死」を真正面から考えさせるよい方法だと思いました。

先日の大淀病院の件でも明らかなように個人情報保護法違反等々に問われるでしょうね。
事前に警察、検察に判断をあおぐという方が多少実効性はあるのかも知れませんが、今回の経過を見てもまず望ましい期間内での結論は出ないでしょうし…


先日の大淀病院の件でも明らかなように個人情報保護法違反等々に問われるでしょうね。

全く同意です。こういった状況下では、患者さんの家族は単純に呼吸器を外すことを 望むわけじゃありません。「秘密裏に」「あまり公にならない形で」呼吸器を外して欲しい というのが大多数でしょう。患者さん家族の意向を無視して病院ないし医師側が事態を 公表するのは犯罪になってしまいます。

ただ、そうした公表に患者さんの家族・近親者が一致して同意してくれるようなケース がでてきたとしたら、大変に面白い事態になるでしょうね。

>さなぎまんさん

>遠い親戚に訴えられそうでおっかないです。

 同意した家族を共犯に取り込んでしまえば共同戦線がはれます。


>老人の医者さん

>個人情報保護法違反等々

 そんなレベルの話に矮小化されては困ります。
 警察に対して、「人殺しで立件できるものならやってみろ」と開き直る意味も込めた提案です。

 なお、患者の氏名まで公表する必要はないと思います。
 いずれ嗅ぎ付けられるとは思いますが。


>都内病院勤務医さん

 少なくとも近親家族の同意が得られることが前提の提案です。
 共犯者は多いほうがいい(^^)

対象となる患者さんや、その家族の同意を得られそうもありませんね。自分の病気とか家族の病気のことを知られるのは、抵抗があるものです。

法律的になんら曇りのない法的脳死判定だって、「これからやりますよ」という言い方はしません。本人と家族の双方が納得している場合ですらこうなのですから、いわんや、突発的に生じたご病気おや。

3 以上の手続によって人工呼吸の取り外しを決定し、1か月程度の期間をおいて取り外し期日を定める。

一ヶ月は長すぎます。一週間くらいが限度では?

5 そして、取り外し期日においては、病室にマスコミのテレビカメラや警察官を招待して、警察官の見ている前で人工呼吸器を取り外し、それによって各種のモニターが患者の死亡を示していく状況を全国に生放送させる

なお、人工呼吸器をオフにする時には、私の推奨する「10連スイッチボックス」の使用をご考慮ください。

非常に面白い提案ですね。
でも、厚労省や警察は、止めろ、って言いますよね、必ず。
これを了承する遺族がいるかって問題もありますが。

不謹慎な話ですが、私の両親がもしこういう状況になったら、私が手を挙げます。

>Dr. I さん

>でも、厚労省や警察は、止めろ、って言いますよね、必ず。

 口先だけで「止めろ」と言われたって、警察官の見ている前でやってしまえばいいんです。
 厚労省のお役人もご招待しておきましょう。

 厚労省の役人や警察官の見ている前でやってしまったら、警察も厚労省も結局見逃したことになります。
 結果的に黙認と一緒です。

 もし、警察が実力で阻止したら、そのことを公表して世論の意見を聞けばいいです。

 やってしまって起訴されたら、法廷で堂々と自分の主張をしましょう。
 法廷はある意味で、極めて効果的な宣伝の場です。
 マスコミの注目度も最大級になるはずです。

呼吸器取り外し前

厚労省
→「国民の間でも議論が分かれている問題なので慎重に対処してもらいたい」

警察
→「実際に呼吸器の取り外しが行われれば、捜査せざるを得ない」

招待された警察官
→欠席

マスコミ
→最初は両論併記、自社のスタンスを明確にせず。次第に勝ち馬に乗る。

呼吸器取り外し後

厚労省
→「警察の捜査を見守りたい」

警察
→和歌山の事件と同じ対処

マスコミ
→勝ち馬に乗り続ける。

国民
→マスコミの騒ぎが終われば忘れる。

最初から最後まで

政治家
→自分のことで精一杯

こんなところでしょうか。
日本で「葵の御紋の印籠」を持っているのは裁判官だけなので、書類をそろえて裁判所に提出し、「呼吸器除去許可状」を発行してもらってから、呼吸器を外すのはどうでしょう。
あっ、でもそうすると、激務の裁判官がさらに激務になり弁護士へ逃散、裁判所崩壊になったら困りますね。

>元ライダー.開業医さん

 警察官が欠席したら
 
 警察は犯罪の予防が使命なのに、あらかじめ分かっている犯罪を防止しなかったのは重大な怠慢であり責任放棄である。

と言って、思いっきり非難しましょう。

 
 (これから新幹線に乗りますので、しばらくレス不能です。)

モトケン先生の提案には大賛成です。誰かこの脚本で行動しないかと期待します。私は呼吸器を扱う現場にはもういませんから無理です。昔は「一度呼吸器つけたら、良くなるか亡くなるかしないと外せません。外したら殺人になります」って家族に説明していました。それでも外してくれって言う家族はいませんでした。もしいたら「私に犯罪者になってくれということですか?」って言葉を用意していましたけど。

一方、空想も好きなので・・・

>警察官が欠席したら
 警察は犯罪の予防が使命なのに、あらかじめ分かっている犯罪を防止しなかったのは重大な怠慢であり責任放棄である。
と言って、思いっきり非難しましょう。

やはり、警察がキーポイントですね。私が警察の幹部なら厚労省と結託して(利害関係は一致)、病院の開設許可を取り消すようにと、都道府県知事にそれとなく示唆します。医療法29条あたりが使えるんじゃないでしょうか。
都道府県知事が言うことを聞かなければ、それまでですね。

おもしろいですねー社会にいろいろな問題提起ができますね。これ。でもこれ医者が医者生命をかけなくても誰でもできますね。自分の家族が脳死になっちゃったら脳死呼吸器即止め派の家族としてやればいいのです。もし書類送検されたらモトケンさんが相談にのってくれるはずです・・・・よね?

私適には、人工呼吸器は一日過ぎたら止まるようにできているべきだ、と思いますよ。

毎日経過診察されて、治癒の為に効果が有ると医師が判断したら再起動、と言う具合に。

モトケンさま

4 取り外し期日を決めたら、記者会見を開いて、「何月何日に延命治療中の患者の人工呼吸器を取り外します。」と発表する  同時に、厚労省や警察にもその旨事前通告する。
5 そして、取り外し期日においては、病室にマスコミのテレビカメラや警察官を招待して、警察官の見ている前で人工呼吸器を取り外し、それによって各種のモニターが患者の死亡を示していく状況を全国に生放送させる。
賛成です。ただ以前、あらかじめ、家族に提訴してもらって、事前に裁判所より「人工呼吸器取り外せ」命令もらうのが望ましいと書いたのですが、それとは本質的に違うのでしょうか?

>falcon171 さん
 
 私の提案は、まず司法判断ありき、じゃないんです。

 まず、マスコミと世論を動かしてしまおう、というものです。

 どう動くかは予測できない面もありますけどね。

モトケンさま ありがとうございます。

「どう動くかは予測できない」
情熱を持った団体の方が、期せずして、これは殺人だからといって、事前に警察に告訴?でいいかどうかわかりませんが、対処を求める気がします。あるいは弁護士会が人権侵害の恐れありで動くか。
いずれにせよ、対処を事前に求められた警察は、自分で判断するのいやだから「書類送検」?、起こっていないからできないか、なり何らかの方法で、検察に判断を仰ごうと。
検察は自分で判断するのがいやだから、−−−。

いっそピケを張るなり実力行使に出てくれれば、排除を求めて、「われわれのやってることは合法ですよね、ピケを排除してください」裁判を起こせるからいいかと。

厚労省なり行政、あるいは立法府が積極的に動こうとしない日本では、司法が判断せざるを得ないのではないかと。それを事後に殺人容疑で起訴、裁判となるとダメージ大きいので、事前にするほうがいいと思います。

ただ、世論、マスコミ論調を大きく引き寄せることができれば、司法も延命中止可 の判断出しやすくなりますよね。ですから、モトケンさまの提案には賛成です。

> 情熱を持った団体の方が、期せずして、これは殺人だからといって、事前に警察に告訴?でいいかどうかわかりませんが、対処を求める気がします(No.16 falcon171 さま)

いや、もっと切迫した状況になるのではないかな。
本気(正気ではない可能性もある)の団体が現場に乱入して、医師にタックルかまして、呼吸器停止を阻止するとか。
その時に警察がどちらに付くか、見物です。
テレビ局はさぞ、中継のし甲斐があることでしょう。

弁護士会はねー
会内で賛否両論ある論点については、ハッキリした意見を出せないことが常ですから、せいぜい、
「病院及び医師に対し慎重な対処を求める会長声明」くらいでしょう。

皆様のご意見、ごもっともだと思います。

一般の法律家の発想は、とかく「1分でも長く延命できる手段があるのに
その手段をとらない医療は断罪されるべき」とのものです。

実際、杏林大学のいわゆる「割り箸事件」で、
検察は、「仮に適切な医療が施されれば『数日間の延命は可能であった』」
との釈明を行って刑事訴追をしました。

現場の感覚から解離したそのような司法の現状を打破するためにも
こそこそと「ナチュラルコース」をやっている時代に終焉を告げる必要があるかと思います。

不作為の殺人罪
他のスレッドで書かれていたナチュラルコースも不作為の殺人罪になるというのには驚きました。今まで考えたこともなかったのですが、でも、考えてみたら、確かにそうかもと思えてきました。

私のような町医者をやっている者でも、この不作為の殺人罪を犯しています。

今までは、「家族」からの訴えがなかったから犯罪者にならなかっただけかもしれない。
これが、遠くの「親戚」とかが突然出てきてというよくあるケースが当たったりしたら、、、

>No.19 ある町医者さんのコメント
>不作為の殺人罪

おや、その「不作為の殺人罪」がもし医療行為について成立するなら、日本だけじゃなく世界中の医者が現在も犯行中ということになりますが、そんな罪がほんとうに医療事件にあるのでしょうか。

また、裁判員は一般刑法上のその罪について知る責務が生じますね。制度が始まる前に最高裁に質問状を書いて答えてもらわねばならないかも知れませんね。

No.19
>他のスレッドで書かれていたナチュラルコースも不作為の殺人罪になるというのには驚きました。

そうは書いてありません。
警察に聞いたら殺人になる可能性があると言われた、という趣旨のことが書いてあります。「可能性」です。

警察に正面きって聞けば、「ない」とは言わず、ないと思っていても「可能性はあるでしょうねぇ」と答えるのは、ある意味考えられます。
それは、医師の方々も、患者から質問を受けて、そんな心配はほとんどないと考えても、ぼかして「・・・と思いますよ」とか「・・・普通は心配ないでしょうね」(不正確ですが)というのと余り変わらないと考えたほうがよいかと思います。

殺人罪になる「可能性」があるんですよね?

我々のほとんどがやっていることが殺人罪になる「可能性」がある、それだけで驚きでした。
これは、モトケンさんのプランをどなたか早く実行してほしいです。
って、いつもこうやって他人任せにするところが、あかんのじゃ、とちょっと前にもYUNYUN(弁護士)さん言われたばかり、、、

自分たちのことなんだから、自分でしろ>医者たち

そういやぁ、、、一か八かで手術をしてはいけないという理由で逮捕され刑事裁判に引っ張り出される時代が来るとは、医者の多くは、ついこの1年前まで思っても見なかった、、、

>No.22 ある町医者さんのコメント
>殺人罪になる「可能性」があるんですよね?

問題は過去に日本の裁判史上において、医療事故と呼べるケースで「不作為の殺人罪」が適用された判例があるのかないのか、という一点に集約されます。
これを明らかにするのが司法の仕事だと考えておりますが、勘違いですかね(笑)。

No.22
「警察」の誰かがそう言っただけです。

No23
そんなものないでしょ。
あ、調べてないから、「ないと思います」と言わなきゃいかんのかな(笑)
判例があるわけないし、ないのは起訴されていないからであり、そもそも考えもしない。

ついでに、判例は、具体的事件が存在し、その中で結構バカらしい主張をするから生まれるという側面もあり、皆が合理的な主張や判断をしていたら、案外生まれないものです。
医師という専門家限りでできる裁量判断かつ最良判断もあると思います。

No.24 psq法曹さんのコメント

No.22
「警察」の誰かがそう言っただけです。

警察に、そういう誰かがいるだけでも驚きです。我々の常識が通用しない人が警察にいるというだけで。殺人罪疑いで我々の前に最初に来るのは、検察官でもなく裁判官でもない、警察官でしょうし。

私のような片田舎なら、家族も長いつきあいですから、遠い親戚などというのはまず出てこない。ナチュラルコースに家族の希望を聞いてしますが、そうじゃなかったら十分気をつけないと。遠い親戚みたいなのに、なんとか被害者の会とかなんとか弁護士がついて、まず刑事で騒ぎを起こす(告訴するぞという脅しをマスコミに流すとか、マスコミの知り合いに流してもらう)。そうなると警察も業務上過失致死罪で捜査中となって、さらにマスコミが騒ぎ出す、、、

防衛医療、防衛医療、、、

No.25 (注)師=医師、コメント=意見、瓦版=スレッド

師曰 意見十九番ニテ「他ノ瓦版ニテ××ハ不作為ノ殺人罪ナリトアルニ驚愕セリ」
然ルニ其瓦版ニハ「殺人罪ニ該ル可能性アリト 問ヒタル警察官吏カ言ヒタリ」旨ノ記載アリ
而シテ吾意見二十一番ニテ其旨示シタルモ 師 意見二十二番ニテ「殺人ノ可能性アリ」ト理解シタルカ如キ言辞アリ
再ヒ吾意見二十三番ニテ「一警察官吏ノ言ナリ」旨陳へルヤ 師意見二十五番ノ如ク回答セリ
吾 法分野ニ在ル故 伝聞ノ弊ヲ識ル者ナリ 即チ事実カ不実ニ 不実カ虚実ニ 順次転シテ 終ニハ虚実カ事実トシテ流布サルル惧レアリ
若シ其緒ヨリ意見二十五番ナレバ意見セザルハ道理ナリ
嗚呼 君責メ給フコト勿レ

・・・ということで、この件はこれくらいにして、本来の主題に戻りましょう、戻りましょう。

最初のモトケン様の提案にたいする答えですが・・・(かなり遅れたレスで申し訳ありません)

他人が困っていても、他人事のように興味がない多くの日本人に対して(このブログに参加されている方はそうではないのですが)、モトケン様が提案したくらいのことをしなくては人工呼吸器をはずすことの是非なんて、だれも考えないと思います。結論はいつまでも先送りでしょう。まあ、私にそれがができるかというと、できないんですが・・・(小心者です)

で、もし、私が家族から延命の中止を頼まれたら、「今の法律では人工呼吸器を止めると殺人罪が適応されるかもしれないから私は行わない。だから、どうしても中止してほしいのなら、『患者や家族の意思に反して病院で治療され生かされていることは人権の侵害である』と私や病院相手に訴訟を起こしてくれ。」と家族にいいます。こちらのほうが、医師としては労力が少なく、社会にも問題提起ができると思います。(法律関係の方には申し訳ありませんが、すべて法律に丸投げしてしまいます)

アメリカでたしか似たような事件があったと記憶しています。それで、生かすべきだと結論がでたのなら、今の世の中では人工呼吸器を止めることは許されないでしょう。

ただ、それが倫理的に正しいのか、という点は別です。

別のスレッドで述べたように、「医療そのものが延命治療」と考えると、治療と延命の区別は難しいし、人間が生きるということはいったいどういうことなのか、そのことさえわかっていない私には是非は判断できないからです。

> アメリカでたしか似たような事件があった(No.27 まるべ様)

カレン・クインラン事件(1976年、ニュージャージー州最高裁判決)
事故で植物状態になった娘の両親が、生命維持装置の取り外しを裁判所に訴えた。
裁判所は装置を取り外せばカレンが死ぬことを前提に、取り外しを認め、そのことについて、誰も、民事・刑事の責任を問われないと宣言した。
余談ですが、生命維持装置を外した途端に死ぬと予想されていたのですが、あにはからんや、カレンさんはその後10年近く、装置なしで生き延びたそうです。
この場合、意識はなくても自発呼吸ができていれば、中止してよい「延命治療」に当たらないから、それ以上はどうしようもない?

アメリカは日本と法制が違い、また何でも裁判で決めようという風潮があるため、こういう形式の訴訟が可能とされていますが、
日本法の下では具体的な法的利益がないと訴訟できないので、難しいと思います。

「天網恢恢 疎にして漏らさず」という言葉がある。

疎にして漏らさないようにするのは技術的には難しく、やはり網の目を
蜜にして漏れないようにするのが一番いいが、そうすれば悪いのも良い
のも全部ひっかかってしまう。

悪いのをぜんぶ捕らえるには良いのが少々犠牲になっても無問題という
発想の医療の外の人々と、悪いのがいるのは分かるが、せっかくがんば
っている良心の人が一人でも犠牲になるようなら、我々は立ち去らなけ
ればならないという医療の中の人々とはそもそも視座が異なり、決して
交わるところはない。

司法の人は、日本を動かす人がいっぱいいるけれど、医療の人は目の前
の患者で精いっぱいだ。ならば司法の人が都合悪い事は日本が動くが、
医療の人が都合悪い事は個人が動くしかない。すなわち立ち去りとは、
医師の選択肢が他にないことにほかならない。

安楽死の責任は、なぜ医師のみ問われるのか。訴えかねないいきおいで
医師を恫喝するような家族がなぜ嘱託殺人罪や脅迫罪に問われないのか
理解に苦しむ。というより、医師にとってこれらのリスクから逃れられ
る唯一の手段は、医師を止めるあるいは高リスク医療から立ち去ること
しかないという現状はなんとかならないものだろうか。

こういう視座を持てる司法の人はいないのか。悲しい。

> そもそも視座が異なり、決して交わるところはない。

> こういう視座を持てる司法の人はいないのか。悲しい。

やはりみなさん一度は通る道ということでしょうか。

よろしければお時間とれる時に過去ログもお目通しください。>しゅるるっぽんさま

>しゅるるっぽんさん

 このブログでは、延命医療の中止をした医師が刑事責任(民事責任もですが)を負わないためにはどう考えるべきか、どうすればいいのか、ということを考えているのです。
 弁護士ら司法側の参加者がそのように考えているのです。

 その観点で言えば、医師が立件されたのだから依頼した家族も立件されるべし、というのは本末転倒なのです。

 なお、あなた以外のコメントの中に、社会的な関心を高めるために家族も立件すべし、という意見がありますが、その論理に従えば、

 医師の逃散と医療崩壊に関する国民的関心を高めるために医療事故を起こした医師をどんどん起訴すべきであって、大野病院事件の起訴はその意味でとても有意義であった。

ということになりかねません。

 このブログの常連法曹は、誰もそんなことは考えていません。

福島大野事件で医師法21条違反で業務上過失で起訴された時、医療側はそれなら病死例は全例警察を呼んで司法解剖してもらうと反発しました。
いまもまだ判決が示されていないので法医学会中心にそうするべきだという意見が多いと思います。
司法が判断を示す前の過渡期の対応としては医師側は医業を平常どおり行うためにはそれしかないでしょう。
現実には警察側の人員不足で司法解剖の請求に応じきることは不可能であっても、法理論的には正しいと思います。だが、現実問題として実行困難だといわざるを得ないのもまた正しい認識でしょう。

この異状死届出問題に比べれば、緊急性のない延命処置中止の決定に際して、モトケン先生のご提案中の「警察官を立ち会わせる」ことと、公表しないカルテ記録としてビデオ撮影(手術ビデオのようなもので、事件の時だけ司直に対して公開される)を行っておくことは、現実的かつごく低コストで訴訟や起訴に対する法的準備が整えられるという、現状では非常に魅力的なご提案だと思います。これ以上の対策は現在存在しないのではないでしょうか。

死についての法整備が進まない中、医師がわは法に詳しい弁護士さんのこの提言を直ちに受け入れて、たったいまから早速各自実行に移すことをおすすめしたいです。われわれは医学に詳しくても医療に必要な刑法には素人なのですから。具体的な相談事項は各病院で顧問弁護士を頼んで法務部を設置して弁護士さんと逐一協議しながら事を進めれば、法的に可成安全な病院経営も見えてくると思いますが。

> 医師の逃散と医療崩壊に関する国民的関心を高めるために医療事故を起こした医師をどんどん起訴すべきであって、大野病院事件の起訴はその意味でとても有意義であった。

医療側の事情に関して言えば、上記のように考えるものは若手層を中心に着実に増加しているように思われます。
総数に占める比率はどのくらいかは判りませんが、感覚的に言えば大きな病院の医局(数十人規模)となれば少なくとも何人かはいるだろうという程度に。口に出さずとも心情的に同意しているという者はもっといるのかも知れません。
医局内で漂う空気はむろんのこと、普段であれば過激な意見で充満する傾向のある某便所の落書き掲示板(苦笑)においてすら異論多々満ちあふれている状況をみても業界の総意として単独の見解に収束させるのは到底無理なのではないかなと感じています。

むしろ今回の件において当事者である医療界でそれだけ見解が割れているなかで、
>このブログの常連法曹は、誰もそんなことは考えていません。
と仰られるほどに司法側の見解だけが一致している点が興味深いです。
立場の違いと言ってしまえばそれまでですが、医療の側からみてそうまで統一できるほど単純な話とも思えませんし、実際この場においてすら統一出来ていないわけですから。

P R

ブログタイムズ