エントリ

 晋輔さんは「大淀町や病院が当初応じていた説明を打ち切ったので、当日起きたことを明らかにするために、提訴に踏み切らざるを得なかった。病院には改めてミスを認めて謝罪してほしい」と話している。

 既に議論されている問題ですが、「当日起きたことを明らかにするために、」というような目的の提訴は訴訟の本来の目的からずれますし、原告が期待するような事実は訴訟の場では明らかにならない場合が多いと思います。

 「病院には改めてミスを認めて謝罪してほしい」という言葉から明らかなように、原告は病院側に責任があることを前提にしているわけで、これでは病院と冷静な話し合いはむずかしいと思われます。

 原告がそのような前提認識を持つに至った根拠が問題になります。
 毎日新聞の記事がその主要な根拠であるならば(仮定ですが)、毎日新聞は遺族の原告に対しても罪が深いと言うべきかも知れません。

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「新小児科医のつぶやき」というブログの本日の内容が真実ならば、毎日新聞の責任は重大です。救急搬送の段階から関わっていたというのですから。
本来乗り気でなかった遺族をたきつけ、「陣痛促進剤の被害を考える会」と引き合わせ、最初からシナリオを書いたとおりに訴訟まで進めていたということになるのですから。

火のない所に煙を立てるどころか、放火して煙を立てているような話です。

昨夕の在阪テレビ局の報道は、ある種のバイアスがかかっていたように思えます。

ところで、この大淀病院のケースは、なぜ大阪地裁が担当するのかが、以前より疑問なのですが、どなたか理由ご存知の先生方がいらっしゃいましたら、お教え頂ければ幸いです。
訴訟内容がどうなっているのか、わかりませんが、不法行為か債務不履行ですので、行為地は奈良県ですし被告の大淀町も奈良県、原告の住所地も奈良県。
となれば、被告の産科医先生の住所地が大阪府なのでしょうか?
それとも、医療訴訟は、大阪地裁民事部の医療担当法廷が担当するというルールがあるのですか?

 私は、原告代理人弁護士の責任を強く指摘したいところです。
石川弁護士のキャリアから考えれば、こんな訴訟は思いとどまらせるべきですよ。
「病院から事情説明をきちんと受けたい」「ミスを認めさせたい」「(誰かに)責任を取らせたい」が全部ごっちゃになっちゃってるじゃないですか。

 「流出」したカルテの内容の正確性に関しては、図らずも石川弁護士の「プライバシー侵害」云々の発言で逆説的に担保されているわけですが、その記述から推認される状況は「医師に過失(ミス)なし」であるはずです。医療被害訴訟を数多く手がけてきたとする石川弁護士に、そのことが理解できない筈がない。

 であるならば、代理人弁護士の為すべきことは、遺族に対し病院が説明の場を改めて設けるよう仲立ちをすること、遺族の状況理解の手助けを(法曹として)行うこと、どうしても責任云々を言うのであれば「できる限り手を尽くしたが、どうしようもなかった」の「どうしようもなかった」原因を生んだ部分を俎上に乗せること、だと思うのです。

 私は、遺族男性の心情はわからないでもないし、気の毒だと思う。けれども、本件訴訟に関しては、原告敗訴でなければならないと考えてます。そしてそのあかつきには、大淀病院および今回被告となった医師には、是非とも毎日新聞に対する損害賠償訴訟を提起していただきたい。
 何しろ最高裁が(テレビ局の例ですけど)「一般視聴者が受ける印象」が基準になるとの判断を示してますからね。あの毎日の初報スクープ記事が一般読者に与えた印象がいかなるものであったか考えれば、興味深い展開になると思います。

「マス・メディアの諸問題」のエントリに今朝投稿しましたが、こちらに新エントリが
立ったので再掲させていただきます。

大淀病院が全面的に争う姿勢を明らかにしたとの報道です。
メディアによるバッシングへの反論も必要に応じて行う姿勢かと思われます。

http://www.nhk.or.jp/nara/lnews/01.html

No.2 konakiさま

東京地裁に医療集中部があることは、藤山裁判官がらみで有名になったかと思いますが、
大阪地裁にも「医事事件集中部」が2部あります。
http://www.courts.go.jp/osaka/saiban/medical/index.html
(なぜか裁判所HPでは大阪地裁のほうの紹介ページしかない)
ただ、すべての事件が東京地裁や大阪地裁の集中部で審理されなければならん、というようなルールは特にありません。

本件では、合意管轄(民事訴訟法11条)、つまり原告・被告双方の代理人弁護士が、大阪地裁のほうが便がいい (あるいは医事事件集中部での審理が望ましい) と考えて、大阪地裁でやろうと合意したというのがもっともありうる話かと思います。
あるいは応訴管轄(12条)、つまり原告が勝手に大阪地裁に訴えを提起して、被告側がとくに文句を言わないでそのまま応じたか。

が、単なる推測です。違ってたらごめんなさい

あれ、最終的に大阪の病院に搬送されて死亡したような記憶があります(記憶が曖昧)。
とすると、いつ死亡したか不明ですが、結果発生地になり不法行為地となるので、管轄があるということではないですか?

>No.4

NHK すでに記事がかわっています。 ウェブ魚拓から再掲しておきます。

妊婦死亡裁判 病院争う姿勢

>fuka_fuka(イソ弁)先生
>psq法曹先生

ご教授いただきありがとうございます。
合意管轄・応訴管轄ですね。埃をかぶっている民訴の教科書引っ張り出してみます。
お馬鹿なわたしは、大学でのゼミはなぜか、民訴でした(畑瑞穂先生ごめんなさい)。

妊婦さんが亡くなったのは、大阪吹田市の国循ですので、結果発生地も不法行為地で裁判管轄があるんですね。


素人の直感的イメージですが、立派な名称のある医事集中部よりも奈良地裁の方が原告に有利そうだと思ってしまいます。


少々気になる報道がありました。

これに先立ち意見陳述した晋輔さんは、転院先の医師から「あまりに時間がたちすぎた」と伝えられたことを明かし、おえつしながら「もう少し早ければ助かったということ。それが頭から離れません」と訴えた。
http://kumanichi.com/news/kyodo/index.cfm?id=20070625000253&cid=social


遺族の認識の根拠はマスコミではなく、転院先の医師の一言という可能性もあるのではないでしょうか。

>>9 で引用されているフレーズについて、できれば臨床医療に関わっている方の感じ方・受け止め方を知りたいのですが

「あまりに時間がたちすぎた」

というのは「ここまで病状が進行してしまっては、いかなる手を尽くしても救命できない」と解釈しうる一方で
「もう少し早ければ助かったということ」

ではないですよね?医師がこういう発言をするときの背景状況としては。
原告遺族の意見陳述を担保するには、もう一歩踏み込んで国循のドクターに「もっと早く診てもらえれば助かったのか」の確認が取れていないとダメだと思うのですがいかがでしょうか。

 町側代理人は「診療体制の問題点を特定の医師、医療機関に責任転嫁しようとしており、到底許容できない」と主張。提訴を「正当な批判を超えたバッシング」と批判し「結果として病院は周産期医療から撤退、県南部は産科医療の崩壊に至っている」と述べた。
ここまで法廷で対決姿勢を鮮明にするとは、なかなかの代理人だわ。

 遺族側の訴えについては「脳内出血は当初から大量で、処置にかかわらず救命し得なかった」と反論した。
因果関係を争うわけですかね。

>PINE さん

提訴を「正当な批判を超えたバッシング」

これは弁護戦術・テクニックとしてはありなのでしょうか。そこまで対決姿勢を見せなくとも、とは思うのですが。

しまさん、実は私もそう思っています。
自分は、いっくら不当訴訟だと思っても、ここまで主張する、しかも口頭で述べるということはしたことがありませんので・・・。

原告による訴権濫用を主張しているのか!?
裁判官から、「反訴までお考えかっ?」と言われそうです。

被告代理人の情報がないので、何か深いお考えがあるのか、ただ単に報道陣の前で舞い上がっているのか、わかりません。

No.10 惰眠さんの理解で宜しいと思います。

まず、「あまりに時間がたちすぎた」という表現は、原告の証言のみなので、まずそれ自体が遺族の曲解である可能性があります。

その上で、他の医療系ブログでは、その医師の発言は軽率であった、「後医は名医」という立場を弁えない不注意な言動である、という評価が多いです。実際その発言が無ければ、遺族の提訴は無かったかもしれません。

もちろん、発言した先生の意図は、「この状態になってから来院したのでは手遅れ」という意味で、「早く着いていれば、血腫がまだ小さかった可能性があり、それであれば救命の可能性が出てきた」、のであって、「発症直後に致命的な脳出血が完成していれば結果は同じ」であると思います。

この発言があった時点では、国立循環器の先生(ICUか脳外科担当医)は、大淀での神経学的所見など殆ど情報が無いと思われますので、家族から執拗に、「もう助からないのか、出来ることは無いのか」とまる1週間問われれば、その会話の中で、そのような言葉が出てもその医師を責められないようにも思えます。

No.12 しまさん

提訴を「正当な批判を超えたバッシング」

ここなんですが、テレビ報道では(3分15秒から)
http://youtube.com/watch?v=UNVlSjU1ETc

夫の晋輔さんに対し「マスコミなどに問題が大きく取り上げられ、病院が批判される事によって、奈良県の産科医療が崩壊した」と主張した。

と要約しています。

実際のところはどういう文言だったのか知りたいところです。

 一種の代理戦争ですかね。

>転院先の医師から「あまりに時間がたちすぎた」

脳外科医の発言か、それ以外の科の医師の発言でだいぶ意味合いが変わってきます。

どちらなのか知っているかたいらっしゃいますか??

実際問題としては最後に見た医師にしてみれば、「時間がたちすぎ」という意見も出るのかもしれません。電話を掛け捲ったおかげで時間が経ったこと自体はそのとおりだし。ただ別にそれは大淀病院の関係者のせいではないでしょう。19件電話しないと搬送先が見つからなかった、それは医師の罪…なわけないのですから。
時間がたちすぎた、ってじゃあ何分前なら助かった?何分ならよかったのか?という具体的なところも裁判でつめられてくんでしょう。(この辺脳外科の方だったらお詳しいでしょうか?)

で、これは単なる勝手な私の空想ですが、大淀関係者の方は既に敗訴は覚悟してらして、それで、それならせめて言いたいことを主張したいと、あえてああいう強い口調での発言をされてるのか?と思いました。病院関係者自体はもう今更失うものはないでしょうし。(裁判に関する被告の意見の要約はマスコミによってばらばらで、原文見てないんですが)

しかし本件について、改めて特集番組の時間と量、記事の多さを見て、犯罪者でもないのにここまでマスコミに叩かれる必要ってあったのかな、こりゃリンチの域に達してるんじゃ…と思いました。

>KKさん
「出来る事は行った」「過失はなかった」と言う事を粛々と主張していれば、まず原告棄却となりそうな訴訟なのに、被告側弁護士は何を焦っているのだろうと思うのです。

特に原告と対決しなくても勝ち目は十分ありそうにも思うんですけどね。

>被告側弁護士は何を焦っているのだろうと思うのです。

勝ったところで、町(大淀病院)として得るものは何もないわけです。確かに、過失は認められないという判決が出るかもしれないが、結局、毎日新聞などは「不当判決」と騒ぐだけでしょう。壊れた地域の産科医療も一朝一夕には元に戻りません。

少なくとも、大淀病院をもう一度建て直すためには、マスコミの報道は置いておいて、町として「産科救急のシステム上の問題であり、病院・医師は全力を尽くした。マスコミ等による不当な批判・謂れなきバッシングを受けたのだ。」との認識、「町として断固として戦う」という姿勢を病院スタッフや町民に示しておかねばならないと考えたのかと推察しました。考えすぎでしょうか。

被告側弁護士さんは事故初期に家族に対応した弁護士さんでしょうか?
だとすると、その弁護士さんも遺族感情を逆なでした一人としてマスコミに取り上げられていますから、それによって闘争心に燃料投下されたってことは無いでしょうか?

>No.20 じじい(患)さん
>「町として断固として戦う」という姿勢を病院スタッフや町民に示しておかねばならないと考えたのかと推察しました。

産科を再建したいなら、その際に赴任を考える産科医(もしいれば)へのアピールにもなります。

No.19 しま(その他)様

>出来る事は行った」「過失はなかった」と言う事を粛々と主張していれば、まず原告棄却となりそうな訴訟なのに、被告側弁護士は何を焦っているのだろうと思うのです。
特に原告と対決しなくても勝ち目は十分ありそうにも思うんですけどね。

 通常の、(主として原告側の言い分が)マスコミに取り上げられていない事件については、おっしゃる対応でいいと思うのですが、現在では、マスコミを通じて(ある程度の「ねじ曲げ」を見越した上で)自らの主張をアピールすることは、必要になると思います。
 このようなコメントを出すことにより、原告側及び世間に対する悪感情を増幅させ、却って良くない結果になるのではないかと考えてしまうのですが、原告側がマスコミを使って一方的に自己の言い分を述べている以上、今までのような対応(「訴状を見ていないのでコメントできない」等)は、最終的な法的責任のリスクを考えれば妥当な対応だったが、それ以外のリスク(広い意味での「事業」を行う上での、風評をも考慮した評価)を考えればよい対応で無かった気がします。

 では、どのように対応すればいいのかは、個々具体的なケースでそれぞれだと思います。やりすぎると、光市事件の弁護団の記者発表みたいになっていまいますし。
 ただ、今回の被告側の対応は、毅然としてかつ発表内容も妥当でないかと個人的には考えます。実際の訴訟になれば、発表内容と同じ内容の答弁書・準備書面を作成するのでしょうから。

nukiさん、No.9のしまさんが引用した記事によれば、第1回口頭弁論期日で弁論した内容のようです。

No.23 PINE先生

失礼しました。弁論で述べた内容だったんですね。しま様、見当違いのレスをして申し訳ありませんでした。

それにしても記事中の「これに先立つ意見陳述」って、一体なに?

私はNHKの初報をみて、

被告側の弁護士は、「今回の件でバッシングを受けた結果だ。原告らの誤った主張は医療界をあげて断固正していく」と批判しました。

医療界を挙げて、断固正していくの、根拠というか後ろ盾が何なのかなーと思いました。ネット医師世論を挙げてなら、すでに納得のいくところですが。公式な団体の支援声明は奈良県医師会の産婦人科医会の声明位だと思います。

>KK様

>時間がたちすぎた、ってじゃあ何分前なら助かった?何分ならよかったのか?という具体的なところも裁判でつめられてくんでしょう。(この辺脳外科の方だったらお詳しいでしょうか?)

単なる脳出血か、AVMによるものなのか、hematomaを伴ったSAH、他原因はたくさん考えられ、原因によって意味合いはだいぶ変わってきます。最初から手をつけられないものもあります。血管造影が必要なものもあります。
ところですみません、結局開頭術は行ってないのですよね?
ほぼ脳死状態であれば手術はしません。
脳死状態でなければ手術可能な部位であれば救命目的でしたかもしれません。
無理にやると、脳外科が訴えられかねないけど・・・。
もともと予想される後遺症なのに、後遺症が残ったって。
ということでもしかすると手術不可能な場所だった可能性はあります。

何分って具体的な数値は無理ですけど、
予後が植物状態でかまわないのなら、瞳孔が開きはじめた時なら間に合うのでは?
両方の瞳孔が完全に開かなければ、結構べジで生き残ります。
片方瞳孔散大だけなら、若ければ、歩いて家に帰る方もいます。
高齢ではまず肺炎だとかの合併症でむりでしょうけど。

No.24のnukiさん、
>「これに先立つ意見陳述」

法廷で述べたのであれば、原告の主張ということでしょうかね。
法廷外で述べたのであれば、「陳述」という言葉は使わないと思います。

記事の「意見陳述」という言葉から受ける印象としては、「この記者、刑事事件(被害者等の意見陳述)とごっちゃになっていないか?」です。

No.11のコメントへの自己レスです。

朝日新聞の記事では、被告の主張について、こう記載されています。

 被告の同病院産婦人科(現・婦人科)の男性医師(60)側は、医師は早く搬送先が見つかるよう努めた▽早く転院できても助かった可能性はない――などと主張。「社会的制裁を受け、病院は産科医療からの撤退を余儀なくされた」とした。
最後の「社会的制裁・・・」は、あまり法的に意味のある主張とは思いませんが、被告の主張の柱(=本裁判の争点)は、
“鏐陲倭瓩搬送先が見つかるよう努めた(=過失行為はない)、
∩瓩転院できても助かった可能性はない(=因果関係はない)、
ということですかね。

> No.28 PINE さん

∩瓩転院できても助かった可能性はない

というのは医学的には実は明らかに間違った表現で、医学的な正確な表現は

∩瓩転院できても助かった可能性は少ないかもしれない

です。
でも、これだと法的には因果関係は証明されるのでしょうか?「疑わしきは罰せず」の理論から普通に考えれば証明されないように思うのですが・・・。以前は因果関係が証明できない限り責任は問われることが無いと教わった気もするのですが。
でも証明されないのであればこのような間違った表現をせざるを得ないのでしょうね。
未だに基本的に法律論が理解できていなくて大変法曹の方にはご迷惑をおかけいたしますが、おつきあいいただければ幸いです。

朝日新聞記事の「社会的制裁を受け・・・」
制裁って悪いことへの罰として行われるという意味になるのですが、本当に弁護側がこのようなコメントをしたのでしょうか。それともいつもの記者の脳内取材でしょうか。
もし後者なら、世論誘導のための悪意的な表現だと思います。

No.29のyama さん、「疑わしきは罰せず」は刑事裁判の原則です。
民事裁判における立証の程度等については、「司法側の意見を求めます。」エントリの私の4のコメントをご覧いただければと思います。
本件で具体的にどうなるかは、当時の病院の様々な事情や具体的対応、鑑定の結果等が複雑に絡み合ってくるでしょうから、何ともコメントできません。

No.30の東大寺さん、社会的制裁云々というのは、国が刑罰を科すかどうかという刑事裁判では、国が刑罰を科さなくても被告人は充分に制裁を受けているという意味で、被告人の有利な量刑事情として主張することがままあるんですが、原告の被った損害の賠償を求める民事裁判で被告がそれを言っても原告には関係のない話です。
被告代理人がどういう弁護士なのか、ずっと気になっています。

> No.31 PINE さん
ありがとうございます。刑事についての「疑わしきは罰せず」について再確認できました。
ただ、刑事でなく、民事についてで申し訳ないのですが、実際の判例を見ていると100%因果関係が証明されていなくても実際に賠償が生じたりしています。90%因果関係があるかもしれない、と言われれば「ある程度は仕方がないのかな」と思いますが(100%因果関係があるという自体は医学的には想定が難しいと思います)、10%程度しかなく(10%というのは適当ですが、イメージとして)、到底それが原因とは証明できていないのに賠償が生じたりしています。我々医療側はこれがとても納得いきません。そして、この場合は因果関係がないことを証明しなければならないのでしょうか。そもそもほとんどの場合において「全く因果関係が無い」という事象も医療事故においては難しいと思います(それくらい医療というのは不確実なものなのです)。
もしかして民事は「疑わしきは罰せず」の法則は当てはまらないのでしょうか?これが仕方がないと言うことになるとますます産科離れや侵襲的手技の敬遠が進んでいきます。
例えばアメリカでは民事が盛んであっても医療費を上げるとい手段を講じます(それでも産科や心臓外科は減少の一途をたどっていますね)。しかし日本では診療報酬は決まっていますから患者が多大な不利益を被ってマスコミに取り上げられるようになるまで改善しないと考えられます。
国に訴えると言うことは今までの経験上できませんからマスコミに訴えるか、インターネット上で少しずつ啓蒙していくか、大事故が起こるかしないと変わらないのでしょうね。
こういうと法曹の方から医療者が変えなければならないのだ!とまたお叱りを受けるでしょうけど、事実なのであえて言わせていただきます。いずれにしてもすぐに声を上げて変えていくというのは無理だと思います。国に訴えても行政処分という名の罰を食らうだろうし、マスコミは無視するでしょう。自分を犠牲にするのであれば可能でしょうけど、自分にも生活があるからなかなかできない。
でも、私自身は少しずつ世論を変えていくという意味においてこのブログは非常に有意義だと思っています。民意を変えるには時間が必要だと思います。まあ、それまでに大事件が起きる可能性は十分あるわけですが・・・。

 PINE さん、こんにちは。

> 被告代理人がどういう弁護士なのか、ずっと気になっています。

 自分も気になります。どういう方なんでしょう?お名前までとは言いませんが、医療訴訟のご経験が何件ぐらいとか、その辺りはお教え頂けませんでしょうか?

 連投失礼します。

…それにしても、この訴訟、国や県を相手にしたものであれば、文字通り医療界全体がバックアップしただろうと思います。真実を明らかにする上でも、遙かに協力しやすいお話になったはずです。

 どうしてそういう方向に行かなかったものか。

http://www.nikkei.co.jp/news/main/20070627AT1G2602X27062007.html
とのことです。まあ、事実を明らかにする試みとしては個人的には賛成です。

>No.35

興味深いですね。結果がまとまれば、大淀病院裁判の資料にも使われそうですね。

>PINE さん

被告代理人がどういう弁護士なのか、ずっと気になっています。

私も気になっています。つまり、事故発生当時、原告に対応したのがこの弁護士であれば、訴訟にまで発展した理由が理解できるような気がします。


また、原告と被告の主張が鏡写しになっているようにも思います。原告は訴訟を起こすことによって医療制度を批判しているわけですし、被告は原告と対立することでこれまた医療制度とマスコミを批判している。

マスコミ報道による限りでは、どっちもどっちのように思います。

どっちもどっちといっても、対立を遺族が望んでる以上病院も受けて立つしかないのでは…?
訴訟にまで発展した、ということですが今回のケースの場合いっそ最初から訴訟に持っていってたほうがよかったんじゃないでしょうか。裁判にする気はないがこちらの言い分を聞かないのならテレビで言いたいことを言わせてもらうから、といって医師がいかに非道だったかと訴え続けるのって、それってどうなんでしょう?いっそ最初から裁判の場でやりあってたほうがはるかに建設的だったのでは…。あの異常な露出の多さが失わせたものは多かったと思うのです。遺族主導の報道なのかは疑問なのですが。

(1)医療訴訟における「期待権」(そういうものがあるとして)ということについて法曹の方にお尋ねします。

医療における「患者の期待権」というのは何を期待する権利とされているのでしょうか。「良い結果を期待する、あるいは悪い結果を回避することを期待する」権利なのか、それとも「(診療行為と結果との因果関係を離れて)適切な医療を受けることを期待する」権利なのでしょうか。

前者であれば、この大淀事件では結果回避の可能性が認められるとは思えませんので、
「期待権」もないということでしょうか。

後者であるとすれば、診療行為と結果との因果関係がないとされた事例においては、適切な医療行為とは何を言うのでしょうか。もちろん臨床的判断、あるいは医療現場における社会的対応として、おおよそ「適切」と考えられる医療行為は「ある幅を持って」存在するわけですが、法律的な意味で、結果回避可能性がない場合の「適切な医療行為」とはどういう意味なのかという疑問です。

(2)私が思うには、この原告の方が訴訟を起こす最も正当な理由は、「患者は病状に応じて速やかに適切な医療機関に搬送され、適切な医療を受ける権利を日本国憲法により保証されている。しかるに奈良県はその行政の怠慢により医療機関の整備を怠り、よって○○は適切な医療私を受ける権利を侵害された。奈良県当局は弁償せよ。」というようなものではないでしょうか。
現実問題としてこのような訴訟は起こせるものなのですか。原告がこのように主張したとして現行法上、請求が認められる可能性というのはあるのでしょうか。あるいは奈良県側はどのように反論すると予想されるでしょうか。

わたくしが法律家ではないのは散々ご存知とはおもいますが
それを踏まえたうえで少々とりあえずのお答えを

(1)ハッキリ後者であります
要するに従来の損害賠償請求では結果のと因果関係が必要であるが
特に医療では患者側と医療側に情報の非対称性が有ることなどから
それを補う意味で因果関係立証の不要な期待権という概念がヒネりだされたと理解しております
この場合の「適切」とはすなわち、医療水準をクリアしているという意味です。
医療水準については多くの判例があり、概ね非常に医療側に厳しい判断が続出しております。脳外科医が心嚢穿刺できないことは救急病院に求められる責務に反するとかそういう判決が目白押しであります。医師の専門性というものはしばしば無視ないし否定されます。

(2)
民事訴訟を起こすことはどんなにハチャハチャな主張でも可能です。あんまり無茶だとむしを判決を下すのが楽になる。この事件の場合、むしろ同様の期待を医療に対して持つ人が世間に(裁判官も含めて)少なくないという意味では本格的な裁判をするに足る程度にはストーリー性を持つのはわたくしの目から見てもあきらかだと思います。請求が認められる可能性も過去のトンデモ判例に鑑みるとゼロではない。被告は奈良県ではなく大淀町と産婦人科医師でして、主張についてはこちら↓ かなり全面的に争う姿勢をみせてネット医師世論の喝采を受けているようです。
http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2007/06/73_6b54.html

> (1)医療訴訟における「期待権」 (No.39 yanyan さま)

このエントリで議論するには、いささかスレ違いかと。
現段階で、原告は期待権という主張はしていませんし、被告もそのようなことは問題としていません。
期待権に関する参考資料として、
●投票状況を踏まえて、来し方行く末(その2)
No.78 fuka_fuka(イソ弁) さまご紹介の
http://www.yabelab.net/blog/medical/2007/06/15-085327.php#c61755
日経Medical ケースに学ぶトラブル対策講座
 連載第57回
 因果関係の考え方は時代とともに変化

(この内容が、あなたの求める回答かどうかは解りません)

------
> (2)私が思うには、この原告の方が訴訟を起こす最も正当な理由は、「患者は病状に応じて速やかに適切な医療機関に搬送され、適切な医療を受ける権利を日本国憲法により保証されている。しかるに奈良県はその行政の怠慢により医療機関の整備を怠り、よって○○は適切な医療私を受ける権利を侵害された。奈良県当局は弁償せよ。」というようなものではないでしょうか。
> 現実問題としてこのような訴訟は起こせるものなのですか。原告がこのように主張したとして現行法上、請求が認められる可能性というのはあるのでしょうか。あるいは奈良県側はどのように反論すると予想されるでしょうか。(No.39 yanyan さま)

そのような訴訟は現実には行われていません。
なぜ、仮定的な質問をするのですか。

1.あなたが原告患者側である場合
あなたの弁護士が立てた戦術に疑問があるなら、弁護士とよく話し合ってください。納得できなければ解任という手段があります。
セカンド・オピニオンが聞きたければ、リアルの弁護士にお会いになり、お手持ちの資料を全て見せて、相談料を支払ってご相談ください。資料もないネット上の無料相談では責任有る回答はいたしかねます。

2.あなたが被告医師または大淀町側である場合
原告の矛先がそれてくれることを期待しているのかもしれませんが、
原告がそのような態度に出る可能性は極めて低いので、甘い期待を抱かずに、今、目前にある訴訟に全力を尽くすべきです。
訴訟戦術としては、自己に責任があるとの主張を否定することが大切であり、他者に責任があることを立証するのは、あまり意味がないと思われます。(責任が排他的とは限らず、両立してしまう場合がある)

3.あなたが奈良県の医療行政担当部局である場合
直ちに原告から訴訟を掛けられる可能性は少ないと思いますが、ご心配なら顧問弁護士に対策をご相談ください。

4.あなたが上記1〜3のいずれでもない、事件に無関係の第三者である場合
「日本国憲法により」との表現からして、原告がそのような手段を現に取っていない理由について、また奈良県の立場から予想される反論について、あなたは既にある程度の推測をお持ちであるとお見受けいたします。
まずはあなたのご判断、及び、その前提となる日本の憲法・行政法等の構造についてあなたの知るところを、ここで説明していただくほうが、問題提起になると思われます。法律の知識の少ない方にも分かり易いように、お願いします。

ちなみに、手続的な面においては、No.40 いのげ様のおっしゃる通り、
・原告適格さえあれば、実体法的な権利として成り立つ成り立たないにかかわらず、訴訟提起は可能である
・訴訟により、誰を相手に、いかなる内容の請求するかは、原告が選択権を有する
この説明は、既に何度も繰り返されてきましたので、あらためて論じる必要はありません。

期待権は民事裁判の判決時に一部の裁判官が被告がわの過失判定の根拠として用い始めた学説のひとつで、すべての民事裁判において法理として確立されたものとは言いがたいと思います。教科書的な記載は寡聞にして知りませんし、司法試験に出たという話も聞かないです、素人だからかな(笑)。
ですから、係争中の双方の言い分ではなく判決文現物をみないとそれが実際に使われたかどうかわからないでしょう(笑)。

>No.42 ぼつでおk(医)さん

>期待権は民事裁判の判決時に一部の裁判官が被告がわの過失判定の根拠として用い始めた学説のひとつ

期待権は、もはや、"いわゆる"学説(=一部、学者が提唱。判例・通説でないという語)ではなく、最高裁判所のお墨付をもらった判例・通説となった感があります。

司法試験に出てなくても、医事判例百選にはでてますから、医療訴訟を扱う法曹内では常識化しているといっても言い過ぎではないのでは?(争点はありますが。。。)
地裁レベルでは、簡便に使われているように見受けられます。
患者原告側からすれば、弁護士費用だけでも捻出する打出の小槌にも見えることでしょう

問題は明らかな作為的過失がなくても、ある医療水準を想定した『不作為過失』が、相当に広く解釈される余地が出てきたことであり、転送義務違反を含めると、当該医療機関の治療水準に反しないというだけでなく、一流専門医レベルの救命可能性、後遺症発生回避可能性、説明義務責任を果たさなければ何らかの賠償の責を負う危険性を感じるようになってきてます。

高度の蓋然性⇒相当の蓋然性⇒専門医レベルの救済可能性の水準設定

そこでは、地に足をつけて限られた医療資源、労働資源のなかで献身的に働いている医師に対する理解も、尊重もありません。

一般診療にあたっている医師が逃げ切れないと、悲憤するのは理由があります。
地方から医師が逃げ出す理由の一つにもなります。同じ転送義務違反でも、都会と田舎では不作為過失が生み出す結果に大きな違いが生じます。
後方病院がなく、転送即死が運命付けられている地方でも容赦がないのだから堪りません。
患者・家族の無限大の要望に応えられない施設で診療行為を行うこと自体が不法行為とみなされかねない状況です

情報というバーチャルなもので満たされた、不作為による不法行為、期待権侵害という医療裁判バブルは、『医療なくして、医療裁判なし』という、しっぺ返しで報復されつつあります。

因果関係が切れているなら、
可哀想な人を助けようとした人と、可哀想な人を助けようとして訴えられた可哀想な人
のどちらを救済すべきかは、自明のはずだと思うのですが???

揺り戻しが近々起こって、患者・医療機関の権利調整が行われることでしょうが、それまでの過渡期に人生を棒に振る犠牲者が出てくることを止められないのが残念でならない

過失がない場合であっても、100点満点ではないということであれば和解による解決も考えられる。具体的事実が解明された上での最良な選択を模索するというのが、藤山部長のいうレベルの高い解決ということであろう
という誤解だか、暴論だかが、このブログ外では、まだ濫用されているのが実情ではないだろうか?

大淀病院事件では、安易な和解に流れることなく、転送義務も、結果回避義務も、説明義務も全て果たしたとして戦って、原告の主張を100点満点で叩き返してもらいたい
患者側に一方的に偏った無料で無過失救済をできる道理などないのだから、保険の利かない病院での出産には、数百万円の値段をつけても良いのではと思ってしまう
出産に問題があれば億の金を失うと計算するなら、その数%の保険料を頂くのは、経済原理として当然のこと。

>No.43 Med_Law さん
ありがとうございます。
期待権について法理的な説明を聞きたいというのがこのブログに参加した動機である私にとって、最初にいただけたお答えです。
まず否定論のほうで明快なお話が聞けたという印象です。
いわゆる「権利章典」のような権利の原則から法理的に導かれる「地に足のついた」権利ではないようだと理解いたしました。

既出の藤山学派の肯定論の説明でもある
>過失がない場合であっても、100点満点ではないということであれば和解による解決も考えられる。
>具体的事実が解明された上での最良な選択を模索するというのが、藤山部長のいうレベルの高い解決ということであろう

が、「因果関係なき過失」を説明する「地に足のついていない」理論だなあと感じてこれじゃ法理的に理解しがたく議論の材料にさえならないと思っておりましたので、今後は期待権肯定論の「地に足のついた」原典から導き出したご説明を受けることができればなおしあわせかと存じ、いましばらく参加を続けさせていただきたいと心中ひそかに(文に出てるガニ)願っております。(笑)

誤解が多いのですが、『権利章典』などで言われる権利は、国、政体からの自由を保障する権利であって、私人対私人での権利を保障しているものではないということです。

患者にも患者の私人としての権利がある
同じように
医療者にも医療者の私人としての権利がある

訴える患者原告側、マスゴミが忘れがちな原則です。

医療が公的ものである性質を多分に含んでいるとしても、医療は私人として行っています
国立病院ですら医療行為は、国家権力の行使に相当するものではない(=民間病院と同じ)とされています。

相当の蓋然性(東大ルンバール事件、最高裁昭和50年10月24日)

期待権侵害による精神的慰謝料容認(アルコール性肝硬変・肝癌事件、最高裁平成11年2月25日)

の一連の流れのなかで、当初、「あれなければこれなし」という高度の蓋然性が必要な因果関係が、相当性といういい加減な判断でよいし、外堀が埋められ、相当因果関係さえ認められない件でも、『医師が"注意義務を尽くして(!)”診療行為を行っていたならば』などという緩々の基準を持ち出し、内堀も埋められたに等しい。
緩々の基準に高度の蓋然性などと、言葉で取り付くっても緩々のまま。詭弁に近い

その"注意義務を尽くして"行うべき診療行為についても、個別具体的な当該事例の特殊事情を持ち出すことなく、他施設で統計的にまとめられた結果を期待水準としている昨今の判例を見ると、裁判官は論理で文句を言われないよう事実認定で相当無理をしている印象を受ける。(鑑定意見の摘み食い!)

訴訟指揮についても患者側に相当の入れ込みをしているように見える。

私のような期待権批判は、もはや少数派とされています(医事判例百選、p.168、2006年)
藤山学派に現状は乗っ取られてしまったと言えましょう。
最高裁で判例変更がないかぎり、医療機関・医師の苦境は続きます。
大淀病院の例は、最高裁まで争って、期待権侵害という暴論を打破してほしいものです。


PS
修正です
×可哀想な人を助けようとした人と、可哀想な人を助けようとして訴えられた可哀想な人のどちらを救済すべきかは、自明のはずだと思うのですが???

◎(単に)可哀想な人と、可哀想な人を助けようとして訴えられた可哀想な人のどちらを救済すべきかは、自明のはずだと思うのですが???

No.43 Med_Law さん

大淀病院事件では、安易な和解に流れることなく、転送義務も、結果回避義務も、説明義務も全て果たしたとして戦って、原告の主張を100点満点で叩き返してもらいたい

上記には私も期待しますが、実際には全面勝訴は難しいと思います。
大淀病院で行われた医療行為自体に過失が認定されなくても、説明義務違反を問われる可能性があります。

まず、現在までに公開されているカルテ内容からは、被告から原告になされた具体的な説明内容は、伝聞に基づくもので、記載されたものは殆ど無かったと思います。(陣痛促進剤使用の説明や承諾書の有無なども不明です。)

あの修羅場(失神から痙攣、気管内挿管、搬送に至るまで)で、その時点での鑑別診断や、頭部CTの必要性と、危険性、自院での処置(帝王切開や脳外科医コール)より、搬送がよりよい結果をもたらす可能性が高いことなどを、十分に説明し、しかも記載している可能性は少ないと思います。(田舎病院の59歳の副院長であれば、防衛医療的要素は甘くなっている可能性が高いと思います。)

実際に家族が納得できていないのですから、家族への情報提供という観点では、過失がない場合であっても、100点満点ではない可能性は十分あると思います。問題は裁判所がそれを認めるかどうかですが。

>No.46 田舎の消化器外科医さん

患者が急変しており、説明義務違反による患者による治療選択・決定権の侵害には及ばないのですから、説明義務違反の責任は少なくなっているはずです。
そんなものを問われても跳ね返せるようでなければ、どうにもなりません。

受入先,十数か所から断わられたという特殊事情までの責任を、当該医師・病院に負わせることは不合理でしょう。
もちろん患者にとっては不幸ではありますが、その対価を責任のない者に賠償させることは、もっと不合理です。
悲しいですが、どちらがより不幸か、同情に値するかを心証に訴えた方が勝ちそうです。

死の許容がない家族に100点満点の病状説明がありえますか?
それでも100点満点を求めることが社会正義なのか、認めずに通常の過失責任原則の枠内に医療裁判を収めるのかの、関が原、天王山です。

予断はなりませんが「私は、大淀病院の無責を信じています」

>No.41 YUNYUNさん

>>1)医療訴訟における「期待権」 (No.39 yanyan さま)
>このエントリで議論するには、いささかスレ違いかと。
現段階で、原告は期待権という主張はしていませんし、被告もそのようなことは問題としていません。


スレ違いですか----。どちらかというと「すれ違い」のような気がするのですが。
参考資料ありがとうございました。


>> (2)私が思うには、この原告の方が訴訟を起こす最も正当な理由は、「患者は病状に応じて速やかに適切な医療機関に搬送され、適切な医療を受ける権利を日本国憲法により保証されている。しかるに奈良県はその行政の怠慢により医療機関の整備を怠り、よって○○は適切な医療私を受ける権利を侵害された。奈良県当局は弁償せよ。」というようなものではないでしょうか。
>そのような訴訟は現実には行われていません。
>なぜ、仮定的な質問をするのですか。


「仮定的な質問」をして大変申し訳ありませんでした。

私は法律というものについては一般国民としての常識程度しか知らない脳神経外科勤務医です。

専門医としてはこの事件で担当医の診療行為と妊婦死亡という結果の間に因果関係を認めるのは「割り箸事件」以上に困難だろうと思います。

一方担当医が頭部CTを撮らなかったことについては、相当説得的な理由を並べないと「適切な診療行為から逸脱している」と認定される可能性は十分ある。そうすると結局、問題となるのは「期待権なるもの」とは何なのかと素人ながら思ったという次第です。
素人がよけいな口をはさむなということでしたら、失礼しました。

原告は裁判所に担当医の「診療上の多少の逸脱」を認めさせたとしたらそれで満足なのでしょうか。「長時間適切な治療をうけることなく」「たらい回しにされた挙げ句、死亡した」ということが不満なのではないのですか。

だったら私の拙い文章のような訴訟を起こしたらどうなのか、「素人の観点」からするとまことに正当な主張なのではないかと私は思います。そして仮にこのような提訴がなされたとすれば、それは全く相手にされないようなものなのか、あるいは行政の責任を問うような判断がでる可能性があるものなのか、どうなんでしょうか、というのが私の疑問です。


>まずはあなたのご判断、及び、その前提となる日本の憲法・行政法等の構造についてあなたの知るところを、ここで説明していただくほうが、問題提起になると思われます。


わからないからお尋ねしているんですよ。私を含め一般人は日本の社会におけるいろんな法律上の権利というのは「日本国憲法」に根拠を持つんではないかと漠然と考えているんじゃないですか。

あなたのお答えは

「未破裂脳動脈瘤といわれたんですけど、開頭術かコイル塞栓かどちらがいいでしょうか」と医療一般人に聞かれて、

「まずあなたのご判断を、およびその前提となる未破裂動脈瘤の自然歴、当該動脈瘤に対する開頭クリッピング術の詳細、難易度、コイル塞栓術の問題点などにつき、あなたの知るところを、ここで説明していただけますでしょうか。」

と言うようなもんです。

No.48 yanyan先生

そして仮にこのような提訴がなされたとすれば、それは全く相手にされないようなものなのか、あるいは行政の責任を問うような判断がでる可能性があるものなのか、どうなんでしょうか、というのが私の疑問です。

先生の上記の疑問に関しては、すでに弁護士の方からの、 国や県の責任を法的に問うことは実質的に困難である、との見解を複数の場所で見た記憶があります。(申し訳ありませんがどこで見たかは失念しました。)

No.49 田舎の消化器外科医さまの補足です。

1.誰を訴えるかは、原告の自由。
2.被告以外に責任を問うのは無理。
3.原告が国や県の責任を法的に問うことは実質的に困難である。

そして、現場が行政の責任までもひっくるめて負わされた場合、

1.泣き寝入りする。
2.行政を訴える。
3.行政の責任を押し付けられられ易いところからは逃散する。

が、現実的な対応となります。法律家の方々からのご提案は2でしたが、原告が行政の責任を法的に問うのが困難であるのに、意味のある提案とは思えません。結局、泣き寝入りするか、納得できるリスクレベルまで逃げるか、どちらかになります。

とりあえず、救急医療には一切手を出さないというのは、リスク低減には手っ取り早く効果があり、医師にとってはリーズナブルだと思います。逆に言えば、救急医療に携わるからには、行政の責任も(一時的にせよ)負う覚悟を持てという事になるかと思います。

期待権とか説明義務違反とかの言葉が出てきましたが、もしすべてのお産で承諾書をとり、その中に帝王切開になる場合、胎児仮死や死亡、母体死亡などの危険性を詳しく書いてあるとすれば、今まで起こってきたような訴訟はほとんど起こらないと思われますか?特に法律の詳しい方のコメントを期待しています。

ちなみに私は一人医長ですが、「健康な人でも麻酔で命を落とす可能性はゼロではない」と承諾書に入れています。近いうちにめちゃくちゃ詳しい(20ページくらい)麻酔のパンフレットを作って病棟ごとに1-2冊置いて、目を通していただくことにします(読みたくない人は読まなくてもいいが自己責任で)。このご時世、自分やパートの先生を守るためにもこのくらいはしておかないといけないと思っています。

No.51 ある麻酔科医 さま

もしすべてのお産で承諾書をとり、その中に帝王切開になる場合、胎児仮死や死亡、母体死亡などの危険性を詳しく書いてあるとすれば、今まで起こってきたような訴訟はほとんど起こらないと思われますか?

一定の効果は期待できますし、病院側のリスク回避手段として非常に望ましい (やらないとダメ、ではなくやればプラス、の意味合いで) と思います。

が、訴訟提起が ゼロ には決してならないでしょう。

# 金融商品などでも、どんなにパンフを渡されてどんなに丁寧に証券マンから説明を受けても、損をしたら 「聞いていない」 と言い張って訴訟を起こす人はいなくなりません。


(読みたくない人は読まなくてもいいが自己責任で)

「読みたくなければ読まなくてもいい」 ということは、どれだけ言っても絶対読まないヒトが必ず一定数いる以上、結果を先取りしてつい言いたくなってしまうと思いますが、リスクマネジメントの観点からは、言わないのが望ましいです。

逆に、ことあるごとに 「必ず一度お目通しください。そのうえで疑問・質問があればいつでも尋ねてください」 と患者・家族に伝え、そのように口酸っぱく言っていることを証拠に残しておくことが可能であれば、そうすべきです。

fuka_fuka様、早速のコメントありがとうございます。

合併症の大筋を承諾書の上の方に書いておき、下の方に署名をいただくようにしておいたら、「聞いていない」ではすまないと思いますが、そういうわけにもいかないものでしょうか。

fuka_fuka様の書かれたように、今後は絶対やっておいた方がいいことですので、すべての病院でやっていただきたいものです。またこの文書がないと説明したという証拠が全く残りませんから。

「読みたくない人は読まなくてもいいが自己責任で」というのはちょっと書き方が悪かったのですが、詳しいことを別のパンフレットで説明する場合、同意書の中に「詳しくは別冊を参照ください」などと書いておき、読みたくなければ読まなくてもいいが、読んだものとして扱うという意味合いです。もし読まないとしても大筋は署名をいただく承諾書の方に書いてありますから、あくまでもより詳しい説明が書いてあるだけという位置づけです。

本当に「読みたくない人は読まなくてもいいが自己責任で」なんて言うと厄介なことになると思います。この国の人は自己責任と言う言葉が理解できない人は結構いると思いますから。

> 同意書の中に「詳しくは別冊を参照ください」などと書いておき

それも必ずしも安全ではありません。
「別冊を渡すだけで契約者が自主的に目を通すことは期待できない」
というような裁判所の見解が出て、
わざと1枚の大きな紙に裏表でずらずらと印刷した契約書を作ったこともあります。(賃貸借の修繕区分について)

別冊を1ページ1ページめくって読ませて説明して、「説明を聞き、よく理解しました」と一筆取って、、、
それでも完璧を保証できないのが、同意書の世界です。

先日、学会で法律の学者の先生による医事紛争の教育講演がありました。術前説明書の話でしたので、参考までに内容を一部紹介します。

個々の合併症が起こる確率を記載しておかないと、事後に「そんなにリスクがあると知っていれば手術を受けなかった」と言われる可能性がある。(出来れば確率の数字の根拠となる文献も記載する。)

説明したその日に承諾の署名をもらうと、事後に「説明は聞いたけどよく考えるヒマなく署名させられた」と言われる可能性がある。

万一合併症が生じた場合は、その治療は健康保険で行うので治療費の自己負担分は患者が支払う、という内容も記載するほうがいいのもしれない。

個々の症例に応じた説明をしておかないと、定型文を用いての一般的な説明だけでは最近は説明をつくしたことにはならないそうです。


No.55 Cat Surgeon さん
IOL学会でしょうか。そんなセッションがあったんですね。

個々の合併症が起こる確率を記載しておかないと、事後に「そんなにリスクがあると知っていれば手術を受けなかった」と言われる可能性がある。(出来れば確率の数字の根拠となる文献も記載する。)
これ結構大変ですよねぇ。私の場合、数字まで多少なりとも書いてあるのは、白内障手術説明の中の駆逐性出血と感染性眼内炎のことだけです。他は「ごくまれに」とか「しばしば」といった言葉で書いているだけです…
説明したその日に承諾の署名をもらうと、事後に「説明は聞いたけどよく考えるヒマなく署名させられた」と言われる可能性がある。
これはうちは大丈夫かな
万一合併症が生じた場合は、その治療は健康保険で行うので治療費の自己負担分は患者が支払う、という内容も記載するほうがいいのもしれない。
これもうちでは書いてあります。
個々の症例に応じた説明をしておかないと、定型文を用いての一般的な説明だけでは最近は説明をつくしたことにはならないそうです。
うーん…特にやばそうな場合には、複写式の同意書の空欄に、「これこれで合併症が通常より起こりやすいです」と書くことはありますが…

しかし、キリがないというか。合併症の頻度など、眼科医会でまとめてくれると嬉しいんですが…

あー、でもそうしたとしても今度は、術者に応じた説明をとか言われるのか…

もうだめぽ。

手術受ける前に説明内容をペーパーテストして
不合格患者は手術できないということにすれば
説明不足はなくなります

手術受ける前に説明内容をペーパーテストして
不合格患者は手術できないということにすれば
説明不足はなくなります

手術受ける前に説明内容をペーパーテストして
不合格患者は手術できないということにすれば
説明不足はなくなります

YUNYUNさん、ありがとうございます。

ということはやはり読めないくらいの細かい字で一枚全部に書くか、所詮結果が
悪ければ訴えられる世界だと開き直るかどちらかしかないのでしょうか。
(ちょっと極端な言い方ですみません)

峰村先生のやりとりも読んで、ますますそう思いました。

数年前私が大学病院にいた時に、大学側から各科に定型的手術に関する同意書を作成しろとのお達しがありました。
私はある手術に関する同意書を作成しましたが、A4で21ページで、手術の合併症に関しては、箇条書きにしたのですが、アルファベットでVまでいき足りなくなりそうでした。
病院からは優秀な同意書に選ばれました。
実際の説明も2時間位はかかって大変でした。
皆さん、署名をしてくれましたが、多分理解できていないでしょう。

東京地裁 平成19年06月21日などを読むと、民事訴訟はとどのつまり証拠の出し合いであり、意地関連訴訟は(基本的には)証拠を多く出すことが可能な病院側有利の訴訟のような思いもしてきます。


説明義務違反に対して有効な防御策は、詳細な同意書より、「医師が何を説明し、患者がどのように伝わったか」を知ることが出来る具体的な証拠なんでしょうね。

究極的には、病状説明の可視化と言うことになりましょうか。

やっぱ ペーパーテストですな

病院側がカンペキな答案を証拠提出したら
患者側が「カンニングの予防が不十分だった」
と主張したりして

いのげ先生最高だね

いのげクン、チミの一連のコメントはこのたび場外判定されまちた(笑)。
例の場所へどぞ(爆)
おまちしておりまつ(笑)。

>説明したその日に承諾の署名をもらうと、事後に「説明は聞いたけどよく考えるヒマなく署名させられた」と言われる可能性がある。

奥さんがよく判らないまま同意書にサインさせられた!と怒鳴り込んできたダンナがいました。「よく判らないならサインすべきではなかったですな。」と言ったら怒るまいこと…。
ちなみにだんなの職業「保険会社の社員」。

…お前が言うな!って言ってやるべきだったかなww。

> 民事訴訟はとどのつまり証拠の出し合いであり、意地関連訴訟は(基本的には)証拠を多く出すことが可能な病院側有利の訴訟のような思いもしてきます。(No.62 しま(その他)さま)

それは法曹関係者に常識的な考えです。医療訴訟の原告勝訴率が低いのはなぜか。訴訟を困難にする原因の最たるものは、「情報&証拠の偏在」。
民事訴訟では、訴訟資料の提出は当事者の責任とされており(弁論主義)、当然ながら、各当事者は基本的に自分の手許にある証拠しか、提出できません。
医師は医療の経過に関する全ての証拠を握っているのに比して、患者は徒手空拳です。
カルテ開示請求が認められるようになってきたのは、この不均衡を是正すべしという考え方によるものでした。

http://www.asahi.com/health/medicalasahi/TKY200707030430.html
きょう気がついた記事なんですけど、洒落になりませんね。

No.69 惰眠さん
これ雑誌「メディカル朝日」のコラムですが、
読んだとき、胸が詰まりました。

 ホントに……給食費不払い親とかの学校におけるトンデモな行状はマスコミでもネタにしていますが、医療の場面も同じなんですね。
 教師はまだそういう問題について口を開く機会や場所がありますし、また地方自治体が管轄する事業なので議会でも問題視して取り上げられたりしますが……。

 学校でああいうことが起きているということは、考えてみれば社会のありとあらゆる局面で同じ種類の振舞いをしている連中がいると言うことなんですよね。
 いつぞや、どこかのスレッドで物議をかもしたモトケンさんの発言じゃないですが、人家に棲み付くある種の昆虫を想起してしまいます。

説明内容を理解できたかどうかの確認のテストをするという発想は、たしか、ネット取引かなんかであったような、、、
で、テストに合格しないと、取引を開始できないとか。
どなたか、ご存知ありませんでしょうか?

というか、これも、場外?

毎日新聞の記事ですが・・・

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070829-00000041-mai-soci

この記事は当初見出しが違っていました。
おそらく記者が短絡的な思い込みで書いたところ、さすがに事実誤認だとわかって引っ込めたのでしょう。
度し難いな、毎日は・・・。

変更前の見出し
http://megalodon.jp/?url=http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20070829k0000e040036000c.html&date=20070829120816

なんだか大変なニュースですね。どうなってるんでしょう。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071001-00000039-mai-soci

クローズされたところで他人の悪口を言ったときに侮辱罪になるんでしょうかね。誰か教えてください。

侮辱罪は公然と人を侮辱することが構成要件ですが、ここでの公然は不特定または多数の人間が認識しうる状態であります。

会議室やトイレでの会話など、少数であってもそれらの者がしゃべって伝播していく可能性があれば、名誉毀損罪は成立する。 いわゆる「公然」とは秘密でない行為を指称し、多数人の面前において人の名誉を毀損すべき事実を摘示した場合には、その多数人が特定しているときであっても、その行為を秘密ということができない場合は公然ということを妨げることはできない。
wikipedia:名誉毀損罪#公然より

「行為を秘密にする」ということができていないので公然と言えると考えられます。
さらに、m3.com掲示板の内容は喋って伝播されているわけですし。

あとは「侮辱」を構成しているかどうかですね。

しかしこの報道、(私の見落としでなければ)毎日の記事以外見当たらないのはどうしたことでしょう(笑)。
いかにも、ネット上で繰り広げられた医療従事者他の検証(=毎日新聞批判)は、イコール遺族侮辱であるといわんばかりのニュアンスが感じられるのですが。

惰眠さま

リンクしてから毎日の記事だと気づきました。
そしたら記事への信頼度が急激にw

bg さん

会議室やトイレでの会話など、少数であってもそれらの者がしゃべって伝播していく可能性があれば、

可能性だけでよいということであるならば、人の悪口を言えばすべて侮辱罪ということになりかねませんが・・・
人の口に戸は立てられないというではありませんか。

物言えば唇寒し・・・・気をつけよう

ここで勉強した内容にもとづけば、書類送検と起訴とは違うので、検察の判断を待ってから論じるほうが実効的ではないでしょうか。

>No.81 ぼつでおk(医) さん

私もそう思います。

 例えば、自動車事故で人身扱いになった場合は原則として全て書類送検になる――と私は認識していますが、例えば東京都内で昨年(平成18年)に発生した人身事故件数は7万4千件余(死亡含む)との資料があります。
 これらは全て(当時であれば)業務上過失致死傷容疑または危険運転致死傷容疑「事件」です。

 で、警察捜査が終われば当然に地検に書類送検されるわけです(捜査したのに書類も身柄も検察に送らないなんてことはありえない)が、上記7万4千余件のうち報道されるのは何パーセント程度でしょう。
 まして、実際に起訴された件数は・・・と考えると、書類送検そのものに特段の意味づけをすること自体が「ためにする報道」なのではないか、との疑念が浮かんできます。

 マスコミが継続的に事件を追い続けているような場合は、節目節目という観点から、書類送検をニュースとして扱う意味合いもあろうかとは思いますが、本件に限って言えば、私には毎日新聞社の「キャンペーン」臭が感じられてなりません。

いのげチャンネル経由です。

http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200710010049.html

起訴どころかすでに判決も出ているようですね。

No.83 うらぶれ内科さん

うーん、科料9000円ですか?!
科料といえば私も経験があります。住民票を実家のままにしておいて、就職前に正直に申告したら科料7000円になりました。まあ、今回の掲示板の発言はその程度の罪だということでしょうか。

それにしてもよく県警が受理したものだと思いました。
私は数年前に自分の掲示板(サッカー関係)に以下のような書き込みがあり、杉並警察署に相談に行ったことがあります。

管理人死ね。うんこみてぇな髪型しやがってよ。
お前みたいなアホは秋葉でオナニーしてろ!くそったれ!
次の公式戦は、MINEって書いてあるレプリカ着てこい。
ぶっ殺してやるからな。
応対してくれた刑事さん、唸った結果「受理せず」の判定でした。ついでに言えば「こんなのには言い返してやりなさいよ。黙ってる必要ないよ。」と、素晴らしい助言を頂き(笑)、それ以降、「荒らしはスルーで」という対処法は私の頭の中から消えました。

あ、なるほど。朝日の記事なら納得です。
問題とされた書き込みの内容も、大体私の想像通り(笑)。

ちょっと取材すればここまで書けるのに、相変わらず毎日は中途半端な記事でバイアスをかけるんですねえ(苦笑)。

>No.83 うらぶれ内科 さんのコメント
情報ありがとうございます。

>奈良区検が略式起訴し、奈良簡裁は9月21日付で、科料9千円
>の略式命令を出した。

なんか一時停止違反で隠れ場所からでてきた警官に切符切られたあとの手続きみたいな処理をよくもしてクレタな、て区検に対して忌々しい感想を持ちました。
ネットという法的に微妙な状態にあるはずの事件で検察と裁判所がこんなおざなりな対応でいいのでしょうか。

あのー、侮辱の場合、法定刑が 「拘留 又は 科料」 ですので。。。

そして、本人が略式命令を拒絶して無罪を主張すれば、正式裁判での審理を受けることは可能です。本人の自由。

※拘留: 懲役の30日未満バージョン

※※ 「勾留(判決確定前の身柄拘束)」 とまぎらわしい、という批判は立法者へお願いします

No.87 fuka_fuka さんのコメント
お、ご指導ありがとうございます。
侮辱罪でしたね、NO.86は撤回致します。すみません。

毎日新聞の記事の
>・・・の診療情報がインターネット上に流出した問題で、流出し
>た医師専用掲示板に・・・の名誉を傷つける書き込みをしたとし
>て、奈良県警が東日本在住の医師を、刑法の侮辱容疑で奈良地検
>に書類送検したことが1日、分かった。

この部分を読んで、守秘義務違反も問うて来られたように勘違いしてました。
毎日新聞の記事を読むにはまだまだ未熟でありました。お恥かちい限りです。

> 本人が略式命令を拒絶して無罪を主張すれば、正式裁判での審理を受けることは可能です(No.87 fuka_fuka さま)

人違いなら争うべきですが、
本件表現が侮辱に当たらないとか、公然性(不特定または多数、伝播性)に欠けるとする主張では、正式裁判で争っても、過去の判例からみて、認められにくいと考えます。

こういうケースでは、被疑者としては、
拘留はイヤだが科料の限度であれば、多少の不満はあっても面倒だから争わずに払っとこか、という気持ちに傾くことが多いと思います。

---------
> 守秘義務違反も問うて来られたように勘違いしてました(No.88 ぼつでおk(医) さま)

はい、悪口とカルテ漏洩とは全く別個の事件であり、
本件の医師が守秘義務違反を疑われている訳ではありませんので、二つの事件を結びつけて報道する必然性はありません。
この新聞記事には、何やら妙な含みを感じます。

------------
横道にそれますが、告訴手続きについて。

> 応対してくれた刑事さん、唸った結果「受理せず」の判定でした(No.84 峰村健司 さま)

その表現自体は侮辱罪の成立には十分と思います。
投稿者の氏名も、管理者としてIPアドレスを把握できるので、捜査すれば挙げられる可能性は大です。

しかるに警察が「受理しない」というのは、単なる行政指導というか、警察の都合で「受理したくない」だけです。
軽微な犯罪や民事がらみの事件なんかは、警察はしょうもないと思っていて、捜査しなくて済むように、何のかのと言い訳して告訴状を受け付けないよう画策します。
「検討するから」と言って、告訴状をコピーして原本を返すとか。原本を警察署にツッ込まない限り、正式に受理されたことにはなりません。
そういう時は、内容証明郵便で送りつけてやるのも一手です。

No.89 YUNYUN(弁護士)さま

>しかるに警察が「受理しない」というのは、単なる行政指導というか、警察の都合で「受理したくない」だけです。

確かにそれが大きいだろうと感じました。IPアドレスも分かっているし捜査は簡単だろうから、あとは警察がやる気になるかどうかかな、と思ったのですが、やる気にならなかったようです。
こちらも掲示板のログをコピーして持参しただけで、なんら準備もなく相談に行っただけだし、警察も忙しいだろうし、「こんなのには言い返してやりなさいよ。」というホンネを得たことでちょっとすっきりしたので、自分としてもそのまま終了にしました。
最初に弁護士さんに相談したりしてたら、また違った経過を辿ったかもしれませんね。

ところで、マスコミの医師への不当な批判は侮辱に当たらないのでしょうか?それこそ不特定多数に影響を与えていますよね。あるブログによると名誉毀損で賠償命令が出ているようですが、侮辱罪の適用例は知りません。

裁判所としては本件の発言が侮辱に相当するという判断と思われますが、実際どのあたりが問題ですか?

例えば、電車内でマナーに反する行為を行っている子供の親をたしなめたところ逆切れされたとして、これに対して、
「お前のような者には子供を生む資格などない」
と不特定多数の乗客の前で言い放ったら侮辱罪成立ですか?

この件は、物言えば唇寒し、という言葉通りだなと思います。

 おじゃまします さん、こんにちは。

 いくつかの判例を見ていると、対等の関係にある人間同士の間よりも、社会的地位が高いと見なされている側の人間が、より弱い立場の人間に対して侮蔑的表現を用いた場合に侮辱罪が成立していることがあるようです。

 対等な関係であれば「言い返しておやんなさい」で済みますが、ロールが上下関係を内包している場合、紛争化しやすいこともあるかと思います。

 この場合、表現の細かいところよりも、また、上下関係と言うよりも、専門的知識のある専門職が一般人に対してその専門的知識のないことをあげつらっているように見える点が、判断を決定づけているのではないでしょうか。

 簡単に言えば、専門職が一般人を「バカにしている」という構造が見て取れます。言った(書いた)側に対して、警察官や検察官、裁判所が「バカにする気持ちがあったのではありませんか?」と聞いたとしたら、全くそういうことがないと言い切ることは、よほど法理に詳しいか、ツラの皮が厚くない限り、難しいでしょう。

7月14日の第一回口頭弁論の様子が報じられ始めていますね。

・「お決まりの日々?:第一回口頭弁論メモ」
http://okimari.blog26.fc2.com/blog-entry-2068.html

・「産科医療のこれから」
http://obgy.typepad.jp/blog/2008/07/post-1341-41.html

・「日々のたわごと・医療問題資料館」
http://symposium.b-r.under.jp/?eid=958855

あたりをながめました。あの福島事件は刑事ですしこちらは民事ですが、だいぶ雰囲気が違いますね。弁論の内容については、これから見てみます。

僕の中では、皆さんと違った意味で気持ちの悪さが残っています。

僕は、致死的な脳出血を起こしたのはどうみても痙攣を起こした時だと思うんです。小出血はあったかもしれないんですけど。seizure at onsetだと主張する医者は少ないですね。大淀病院自体の主張も僕とは違っている、
意識障害から痙攣までの時間にCTをとったとしてもおそらく大出血はなくて、痙攣を予見できなかった。医学は医者が100人集まって出した結論とり、より専門性のある医者1人の方が正しいこともある。
カルテ流出がなかったら、僕は大淀の先生の対応に問題があったかもしれないと思った。致死的な脳出血を起こして見逃している、痙攣が起きるまでほっておいたのなら医学的に判断ミスがある。しかし、どうみても意識障害をおこした時点で大きな出血はない。そんなにじわじわ起こす脳実質におこす出血があるのだろうか

どうみても、大淀病院に過失はない。でも、過失がないと主張する論理には間違いがある、と感じています。

これって民事だから結局どこかで和解するんですよね。

同業だから、どうしても被告の医師・病院側の肩を持ってしまうのかも知れないけれど、やっぱり、被告側には非がなさそうに思っちゃいますね。むしろ、原告とそのまわりの人々(マスコミや家族、親戚)が、大騒ぎしている感じをうけてしまいます。

「記者の質がすごく落ちている」
http://minkara.carview.co.jp/userid/9433/blog/5014371/

の中で、後半に

>  ここまでの経緯はともかくとして、亡くなった妊婦の夫はつい
> 一昨日、町と担当の医師を大阪地裁に提訴した。――とても、つ
> らい話だ。事実経過が、本職のドクターたちが読み解いたカルテ
> の記載内容どおりであったとしたならば、原告男性は道化にしか
> ならない。「事実が明らかになれば」と言うが、既に、事実は明
> らかなのだから。即ち大淀町の病院医師は、可能な限りの対処を
> 尽くしたけれども、残念ながら患者を救命することはできなかっ
> た、と言うこと。
>  誤診も、過誤も、手違いも、何もない。責められるようなこと
> は、何一つ。残酷だけれども、医者に診せても助からないときは
> 助からない。そういう結論にしかならないのではなかろうか。
>
> もしかしたらこの原告男性も、毎日新聞の「スクープ」が築い
> てしまった「医療過誤事件」という虚像に振り回されている犠牲
> 者なのではないか、そんな気がした。(この稿続く)

が、いちばんしっくり来ます。

少し疑問さん,

>カルテ流出がなかったら、僕は大淀の先生の対応に問
>題があったかもしれないと思った。致死的な脳出血を
>起こして見逃している、痙攣が起きるまでほっておい
>たのなら医学的に判断ミスがある。

retrospectiveに見れば判断ミスだったかもしれないと考えられることもあるかもしれませんが,経過を追って時系列的に思考した場合,「子癇」と判断することを「ミス」と言う事はできないでしょう.より確率の高いものから順に考えていくのが通常の診断であり,(もちろんそれ以外の可能性も考えながらですが)それに対して最も妥当と考えられる処置をしていくのが医療の流れです.大淀の例では独自の判断だけでなく内科医の判断も参考にしています.これ以上何を望むのでしょうか?
大淀病院の医療体制で出来得ることを適切に行なったと考えるべきです.そもそも「稀な合併症を適切に判断しろ」と要求するところに間違いがあります.野球で言えば「イレギュラーバウンドの球でも野手が取れないのはおかしい」と言うようなものです.取れた場合はファインプレーなのであって,取れなくても仕方が無いというのが現実でしょう.そこまでの要求に医療は答えられないのが現実です.医師は神ではなく単に医療知識のある「人間」に過ぎません.それを非医療者にも理解して頂かなければならないのですが,それがマス○ミのフィルターによって惑わされているのが実情です.

No.98 Level3 さん
カルテ流出があったから、大淀の先生に判断ミスはなかったと理解できたという意味です。子癇の判断で間違いではなかったと理解をしたということです。
四肢を動かしていたという記述もありましたよね。
だから、痙攣を起こす前には致死的な脳出血はなかった、と考えるのが妥当だということです。
カルテが流出したから、内科と産科の先生のやりとりがわかったということです。

循環器病センターの先生が、最初から致死的だったということを言っていますが、意識消失時点ではそんなことはなかったはずでカルテをみる限り誤りです。
この裁判では枝葉末節のことかもしれませんが、意識消失の時点で救命不能の状態ではなかったというのではなくて、意識消失の時点ではあおそらく致死的大出血はなく、従ってCTをとっても混合型出血の証を得られた可能性は少ない。だから、経過をみることは理にかなった処置であった。しかし、不幸にもその後大出血がおこり(痙攣発生前後)、それ以降は転院先を一刻も早く探すことが何よりも優先されるべきであったと主張する方が少なくとも僕には納得できるということを書いた訳です。

その時の医療行為を非難は全くしていないと思います。マスコミ情報だけでは読者として判断はできなかった、医療ミス、怠慢があったと読めてしまったと書いたのですが。

>その時の医療行為を非難は全くしていないと思います。マスコミ情報だけでは読者として判断はできなかった、医療ミス、怠慢があったと読めてしまったと書いたのですが。

一般的に言ってマスコミ報道から実際に何があったかを判断することは不可能です.そしてマスコミは恣意的に医療側に瑕疵があったような書き方をします.実際M日新聞は「6時間放置」とかいったデタラメを書いています.

>カルテが流出したから、内科と産科の先生のやりとりがわかったということです。

これはその通りですね.
この裁判の最大の問題は原告本人よりも「xx被害の会」が動いていることでしょうね.「裁判では真実は明らかにならない」のに「真実が知りたいから」と,当初は「裁判など起こさない」と言っていた原告に裁判を起こさせているところでしょうね.

マスコミの問題点の認識は同じなので、何を問題とされているのかよくわからないのですが、一点だけ。

>一般的に言ってマスコミ報道から実際に何があったかを判断することは不可能で>す.

これはまさにそうなんですが、医師に不利な報道があった時点で、非常に医師に都合のよい状況だけを想定した議論もよく目にします。これも同じように好ましくない行為ではないかと思うのですけれど。

今の時点での議論ですが、
瞳孔も共同偏視や左右差、固定など問題なかったので産科的なものではないだろうと。で内科医を呼んだのですが。と証言されています。カルテににも確か四肢を動かしていたということが書いてあったと思います。
それなのに、未だに
病院側弁護士(米)
 先週、国立循環器病センターに尋問にいってきましたが、先生はきいておられないと思いますが、彼らの意見では意識消失の段階で脳出血が出てきていて、痙攣の時点で救いようがなかった事例ではないかと考えていると言うことでした。

という議論は何なのか、と思います。出血はあったかもしれない。それを否定するのは難しい。子癇に伴う出血も多い。しかし、内包もまたがるような大出血が起きた状態でないのは明らかではないかと思います。
その時の対応ではなくて、むしろ今されている議論にいらだちを感じるということを最初に書いた訳です。


P R

ブログタイムズ

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