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 送検の理由について県警は「心停止前に呼吸器を外せば、患者が死亡することは分かっていた。現行の法体系では殺人罪に問わざるを得ない」と話した。

 ただ、遺族の処罰感情が薄く、延命治療中止に明確なルールがないことから、県警は書類送検するにあたり、会見で「厳重な処罰は求めるものではない」とも述べた。こうした状況を踏まえ、刑事責任の有無を地検が判断する。

関連記事
 患者7人の呼吸器外す…富山・射水市民病院(2006年3月25日 読売新聞)

 本件は故意犯に分類されますが、比較すればこちらのほうが非刑罰化が容易な領域だと思います。

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他の報道では,立件見送りの見通しと最初から書かれております。
http://www.47news.jp/CN/200807/CN2008071501001290.html

富山呼吸器外し立件困難 射水市民病院6人死亡で  富山県の射水市民病院で2000年から05年にかけ、元外科部長の男性医師(52)が人工呼吸器を外し、50−90代の末期患者6人が死亡したとされる問題で、県警は15日までに医師の立件は困難と判断し、「刑事処分相当」などの意見を付けずに、近く殺人容疑で書類送検する方針を固めた。

 書類送検を受け、富山地検は起訴しない見通し。

 捜査関係者によると、県警は医師数人にカルテなどの鑑定を依頼。今年4月までに「呼吸器を外さなければ、数時間生存した可能性がある」とする鑑定書や「数日から10日程度生存した可能性があった」などとする鑑定書を得た。

 しかし検討した結果、呼吸器を外したことが直接の死因になったとまでは言えず、医師は当時、家族から呼吸器を外す了解を得ており、遺族に被害者感情がないことなどから、立件は困難との結論に達した。こうした捜査結果から、地検は医師の行為は「延命治療の中止」に当たり、起訴は難しいと判断しているもようだ。

2008/07/16 02:01 【共同通信】

 30年前から、違法性阻却事由といして「安楽死」や「尊厳死」として議論されてきた問題だと思います。積極的安楽死(死期を早める)と消極的安楽死(死期を無理に伸ばさない・延命しない)の分類で論じる必要があり、人工呼吸機器による医療行為をしない(止める)という不作為で作為義務があるかという違法性阻却事由が構成要件要素に高まった問題でしょう。
 人工呼吸器を外すという物理的作為行為は、人工呼吸器の機能を不全にする物理的不作為と等価なので、評価的には不作為という行為の作為義務として論じてもよいかと思います。
 ペインクリニック(麻酔や神経ブロック等)の進歩により、安楽死要件の「死に勝る耐えがたい苦痛」こそかなり無くなりましたが、意識混濁朦朧で人工呼吸器で無理に生命を維持するより、尊厳をもって死にたいと個人的には思っています。家族は「息があるうちは1分でもこの世にいて欲しい。」と反対してますが。(^^ゞポリポリ

>家族は「息があるうちは1分でもこの世にいて欲しい。」と

やや揚げ足取り気味ですが、終末期に呼吸器をつけた状態では、自発呼吸が無い、要は息をしていない(機械で強制換気されている)状態が想定されますね。

自発呼吸が少しでもあれば、速やかな心停止には至らないので、呼吸器外しは容易になります。

超高齢者の救急現場では、常に呼吸器をつけるかどうかという相談になりますが、このような概念の理解が無い一般の方には、呼吸器装着や取り外しの是非を考えることは容易でないことですね。

>超高齢者の救急現場では、常に呼吸器をつけるかどうかという相談になりますが、このような概念の理解が無い一般の方には、呼吸器装着や取り外しの是非を考えることは容易でないことですね。

 ご指摘のとおりで、遺族の間で意見が分かれてもめると事務屋でも間に入れず、苦労します。瞳孔拡大や嚥下反射喪失でも、ひょっとしたら意識が戻るかもという願望切望が支配される肉親の方がいらして。
 長期療養の末なら、割と説得がきくのですが、交通事故や災害事故という不慮の事故の場合、遺族の気持ちの整理がつく暇がないので(無理もないですが)、息子さんや娘さんが「先生がおっしゃるなら」と延命中止を納得してくれても、長年連れ添った高齢の配偶者は反対する傾向が強いですね。気持ちがわかるだけに辛いですが…(つД`)グスン

NHKで放送されていた(最初は医療ドラマだったけど途中から恋愛ドラマと化し、とうとうNHKが放送を打ち切った)「ER(緊急救命室)」では患者本人の「延命治療拒否」をめぐっていろいろありましたね、医者の間で意見が分かれたり、弁護士が出てきて「延命治療」をやめさせたり、「本人の意思を無視して延命治療をしたから訴える!」といきまいたり。「延命治療拒否」の患者の横でだた「死亡時刻」の確認のために立っている医師や、家族が臓器提供を承諾したため、提供先が見つかるまで「機械につながれて息をしているだけ」の患者も登場しました。
日本ではあのような制度はないのでしょうが、もし「延命拒否」制度があるなら、私は(残される家族のためにも)延命拒否をし、そして尊厳を持った終末期医療を受けることができた、と思ったら、「お世話になった医療スタッフを訴えてはならない」という遺言を残すでしょうね。

マスコミの取材にキチンと応対していて、立派なものだと思います。

「患者の名誉守るのも仕事」
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/toyama/news/20080724-OYT8T00069.htm

ちょっと自分にはマネできないなぁ。小心者の私は、これからも患者の人工呼吸器をはずすことはせず、じっと心停止を待つことにします。

人生最期の数日を、ICUの片隅でひっそりと「安置」されながら「早く心臓止まらないかな」などと周囲から思われて過ごすのは、自分や自分の家族だったら決して認めないんですけどね。

こうしてマスコミの報道被害に遭ったり、法体系上しかたないとはいえ殺人容疑で書類送検されるのは、いやですからしかたないですね。

P R

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