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 法業務の末席さんのリクエストによりたてました。

 参考エントリ
 「医療安全調査委員会(仮称)に関する情報収集のお願い

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コメント(171)

モトケンさんのご厚意でエントリが立ちました。
昨日からの場外乱闘板での濃密な議論を、こちらにコピぺします。
(量が多いので分割します:その1です)

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921 :an_accused:2008/09/01(月) 00:35:31 ID:GDFf8RZo
空気を読まずにコメント。

私は今回は、内科の医者さん寄りですね。
皆さんの司法制度へのご理解が進んでいらっしゃるのは嬉しい限りなんですが、今回の法相談話や警察庁長官談話をそこまで重いものとして理解しちゃっていいの?ちょっと物わかりが良すぎるんじゃないの?という感じです。

両談話は、今後の医療事故調査機関の設置をめぐる議論、とりわけ、捜査機関との優劣関係をめぐる議論において、「事実上、刑事司法は医療分野への介入については謙抑的な姿勢で臨むはずだ」という主張の根拠として引用され、「だから、わざわざ明文化しなくても、捜査機関は医療事故調査機関に調査の優先権を自発的に譲るはず」といったように、捜査機関への制約を明文化しようという意見を無効化するための材料に用いられるでしょう。
根拠?根拠はありません。ただ、我が国において公訴権をほぼ独占してきた検察には、それこそ戦後60年のあいだ、公益の代表者・社会正義の具現者の役割を担ってきたという自負があり、また、今後もそれらを担っていかなければならないという強い責任感があり、それゆえ、海のものとも山のものともつかない調査機関に訴追判断を委ねるような「無責任なこと」ができるはずがない、と私は推測している、いうことです。
肝心の医療事故調査機関は、予算規模も人的構成も調査権限も甚だ心許ないものであり、厚労省による行政処分制度も、一昨年にようやく再研修などが制度化されたものの、審査機関である医道審議会の事務局は未だに審議会の事務方のままであって独自に調査を行うだけの人もカネもないわけですから、どうしたって、将来、「警察・検察が、いやいやながら、医療分野へ介入するために重い腰を上げざるを得なくなる場面」というのが出てくるのです。そんなこと火を見るよりも明らかだから、法務・検察は、どんなことがあっても、自分たちの手を縛られる訳にはいかないと考えているはずです。

ただ、内科の医者さんが軽視しすぎているんじゃないかと思われることが一つあります。それは、「検察が、本件で控訴を断念したことそのもの」です。政府高官が口で何と言ったとか、また検事の一部が内心どう思っているとかより、検察が、「このやり方では高裁にいっても勝てないと思い知らされた」ということこそが重要なのです。

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922 :無関係レスなので割愛

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923 :ろくろくび:2008/09/01(月) 00:46:09 ID:P6H9eq2U
>>921
>「だから、わざわざ明文化しなくても、捜査機関は医療事故調査機関に調査の優先権を自発的に譲るはず」といったように、捜査機関への制約を明文化しようという意見を無効化するための材料に用いられるでしょう。

 私は微妙に視点が異なります。検察・警察が抵抗しなくても捜査機関への制約の明文化など無理でしょう。おっしゃるように「海のものとも山のものともつかない調査機関に訴追判断を委ねるような「無責任なこと」ができるはずがない」わけですから。
 わたしは「明文化」しないことは規定路線であって変更はないが、不安を訴える声に配慮した(明文化をめぐる攻防への戦略としての意味合いはほとんどない)だけ、と見ています。

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その2に続く

その2です
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924 :ID:BYaZplmA:2008/09/01(月) 00:47:34 ID:8wIlhxxQ
>921 :an_accused さん

公務員の世界ではそうでもないようですよ。
組織長(大臣、長官、知事、市町村長)の年頭コメント程度ですら、都道府県市町村立という公立病院(今は独立行政法人)の予算や診療科目すら変動するほどです。すさまじきは宮仕え!とはたから見ても大変だなーと思うほどタテ社会の法的強制力を持つヒエラルキーのトップ方針みたいですよ。
特に警察庁という役所は、法律上の規定と違って、都道府県警察の上級庁として君臨し、そこの長官の声は神の声みたいにさからうことはできないようですよ。
検察庁は、法律上も最高検、高検、地検、区検と指揮命令系統が検察なんとか法で明文化されているらしく(軍隊みたいw)、検事総長を唯一指揮できる大臣の言葉(これも法務官僚たる検事が起案して想定問答も用意したんだろうけど)も行き渡るんじゃないかな〜。
だけど、検事さんは上司を上司と思っていないサムライが多いらしいから、違うのかな〜。

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925 :無関係レスなので割愛

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926 :無関係レスなので割愛

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927 :無関係レスなので割愛

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928 :じじい:2008/09/01(月) 01:05:43 ID:Jww3hZZE
>>921 an_accused さん

>厚労省による行政処分制度も、一昨年にようやく再研修などが制度化されたものの、審査機関である医道審議会の事務局は未だに審議会の事務方のままであって独自に調査を行うだけの人もカネもない

人とかカネの前に、そこいらの審議会と同レベルの扱いで、調査権限が弱すぎるのが拙いんじゃないかと思います。

審議会令では、
「第八条  審議会は、その所掌事務を遂行するため必要があると認めるときは、関係行政機関の長に対し、資料の提出、意見の表明、説明その他必要な協力を求めることができる。 」としか、調査権限の規定がありません。この程度の権限で、どれだけ情報を集められるのか。

司法の結果を受けてから処分であれば、この程度でも差し支えないのでしょうが、自主的に動いて、人の人生を左右するような処分をするにしては、余りに権限が脆弱過ぎる(特にセンシティブな情報の多い医療では)のではないかと愚考します。

役所では、人とカネは根拠がないと付いてこないので、医道審をもっと使うなら法的根拠の整備がまず先決ではないかと思うんですけど。

場外だけど、どうもan_accused さんにコメをつけるときは緊張するなあ・・・(^^;

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その3に続く

その3です
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929 :an_accused:2008/09/01(月) 01:08:22 ID:ech9tFsA
>>923 ろくろくびさん
 応答有難うございます。視点というか、評価の違いですね。

法務・検察にとっては「捜査機関への制約の明文化など無理」ですが、医師サイド、あるいは医師サイドの支持を得たい(あるいは、将来の医療崩壊によって、医師サイドに立っていたことが先見の明として評価され支持を広げられると踏んでいる)議員サイドにとっては「検討だけでもしてみる価値はある」でしょう。「検察・警察が抵抗しなくても」というほど安泰であるとは思いません。
>「明文化」しないことは規定路線であって変更はない
というのも、あくまでも法務・検察にとっての規定路線であって、政府全体の、あるいは立法府における規定路線であるとは限りません(少なくとも、与党内で救急医療における刑事免責が議論され始める程度には、捜査機関へ何らかの制約が加えられる可能性が高まっており、法務・検察はそれを感じ取っているでしょう)。だからこそ、わざわざ、不安を訴える声に配慮(要するにガス抜き)する必要があると法務・検察・警察は考えたんでしょう。
んで、内科の医者さんは、「そんなもんでガス抜かれてたまるか!」と吼えられてたわけで。

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930 :無関係レスのため割愛

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931 :ID:BYaZplmA:2008/09/01(月) 01:17:22 ID:8wIlhxxQ
>>921 an_accused さん

 公務員部落の悪知恵ですが、審議会を骨抜きにする方策があります。
 権限を与えて予算を付けないんです。もっとひどいのは、権限も予算もつけない。全部事務局が前もって作った書面どおりハンコ押してもらい、お車代だけは1日1万円を与えるんですぅ。議事録すら事前に出来上がっていて(ゲホッゴホッ
 事務局は総務や所管部局の兼任にしてしまえば、そんなのお茶の子さいさい。既に道路交通行政でマスコミにすっぱ抜かれた有名な手法です。医療費抑制を至上命題とする財務省が増額予算となる新組織に新たな予算を付けるとは思えない。総務課の予算内でやれとか、予備費の範囲で何とかしろとか、他の審議会と一緒にやれ(霞が関用語では「ガッチャンコ」と言います)とか。
 厚労省が検察庁の次に大野事件無罪判決でテンヤワンヤ官庁でしょう。もっとも知り合いの検事さんのオフレコ情報だと検事さんで事件を詳しく知る大半の方が「注意義務か証拠で切られる無罪」を覚悟してたらしいですが。これオフレコですよw

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932 :じじい:2008/09/01(月) 01:23:41 ID:Jww3hZZE
>>924 ID:BYaZplmA さん

>公務員の世界ではそうでもないようですよ。
組織長(大臣、長官、知事、市町村長)の年頭コメント程度ですら、都道府県市町村立という公立病院(今は独立行政法人)の予算や診療科目すら変動するほどです。

実は逆なんでっせ。
役所は普通は意外とボトムアップのとこで、年頭コメントの起案は役人がやりますので、そこには既に予算議論が終了し、強く打ち出すようなものをピックアップして載せることになります。

確かに、最終的には役人の考えよりも政治家(大臣と次官がぶつかると微妙ですが・・・)の指示が優先されますので、トップダウンでドラスティックに変えることもできますが、余りやり過ぎると上が替わる度に右往左往することになり、現場や国民は大混乱することにもなります。

水戸黄門の印籠も出し過ぎるとありがた味がないでしょ(^^)

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933 :ろくろくび:2008/09/01(月) 01:24:16 ID:P6H9eq2U
>>929
そうですね。評価の違いですね(^^)

>わざわざ、不安を訴える声に配慮(要するにガス抜き)する必要があると法務・検察・警察は考えたんでしょう。
 これについては同意です。「どの程度必要と考えたか」はともかく、必要があると法務検察・警察が考えたことは間違いないと思います。

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934 :無関係レスにつき割愛

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その4に続く

その4です
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935 :an_accused:2008/09/01(月) 01:39:54 ID:Wwlt7xHs
>>924 ID:BYaZplmAさん
はじめまして。おっしゃるのはよくわかります。ただ、あくまでも抽象的に「謙抑的にやります」と言ってるだけですからね。「謙抑的にふるまうつもりでも、そうはいかなくなったと考えるに至った事情」なんてすぐ出てくるよなあ、と。少なくとも、「刑事だけが突出しなくても済むために必要な制度の整備」は当分構築されそうもないので、「誰もやらないから仕方なくウチがやりました」的な大義名分はいつでも立つわけです。
なお、>>931ですが、まあそういうことは知っているというか、法務・検察・警察はそんなこと知り尽くしているから、「結局やるのはウチらだけだろう」とわかっていて、「謙抑的」なんて姿勢がいつまでも持つとはおもっていない(いつまでも世論が許してくれるとは思っていない)だろうと。

>>928 じじいさん
お久しぶりです。まあ、そもそも無理、というご意見には全面同意です。でも、できなきゃ捜査機関の介入を正当化する口実を作るわけで。

なお、私も最近は緊張しています(^^;

>>933 ろくろくびさん
 で、問題は、ただのガス抜きなのか本気の発言なのか、本気だとしていつまで持つのか、ということでしょう。

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936 :無関係レスにつき割愛

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937 :無関係レスにつき割愛

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938 :沼地:2008/09/01(月) 06:53:33 ID:nonjrrZk
事故調(安全調?)を作るにあたって、厚労省で作るんじゃなくてもっと上のレベルというか司法も含めて試案を作りなおすってことは出来ないんでしょうか?
というか、厚労省まかせだと予算がどっから出るかも問題だし。
医療の現場から費用と労力が事故調のためにかっぱぐられたら、本末転倒になりそうだし。

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その5に続く

その5です
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939 :じじい:2008/09/01(月) 07:20:54 ID:8.LzWI9k
>>935

an_accused さん、ほんとお久しぶりで(^^)

おっしゃるように、やらなければ捜査機関の介入を許してしまうので、厚生労働省もそうしたことも踏まえて動くべきだと思うんですが・・・。

組織改変を伴う大掛かりな制度見直しの場合、ID:BYaZplmA さんのいわれるように、医療費総枠抑制の観点から医療崩壊を望んでるとすら思われる財務省の査定がネックになります。

それが分かってるから、厚生労働省側は本腰を入れる気はないのかも知れませんが、それでは皆困るわけで。もっとガンバレ厚生労働省!

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940 :感熱紙:2008/09/01(月) 07:35:10 ID:ix/NU5mg
おはようございます。
はっきり言って「医療問題に対する捜査の謙抑的介入」は規定路線です。
長官談話とそれに基づく通達の内容はかなり以前から検討されていました。
警察としては「どのタイミングで国民に表明し、撤退を宣言するか」の段階でした。

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941 :法務業の末席:2008/09/01(月) 09:17:43 ID:taLCt0ZM
場外には相応しくない長文での投稿をお許し下さい。
>>921 >>929 >>935 an_accused 様、ご提示の論旨を大胆に集約すると、厚労省、警察庁、法務省の三省庁間では「謙抑的にやります」との口約束しかできず、明記した「取決め文書」までは無理だろうとのご意見と読み取りました。そして「口約束」に過ぎない事故調設立で万事OKと安心してはいけない、仰る通りかと思います。

ただし私が見るところ、事故調設置の構想は元々が厚労省内の一内局である医政局の中での政策アイデアであって、最初から警察庁や法務省(検察庁)との合同プロジェクトでは無かった。それなのに厚労省医政局の課長レベルで医療事故の刑事責任問題は、事故調に優先権を与えることで司法捜査当局と合意した文書があるなどと言うから拗れてしまった。

こうした省庁間での官僚同士の温度差というか意識ギャップの根底には、旧厚生省系の医政官僚の医療政策は専権事項だという、官僚的縄張り根性があったのでは無かろうか。本来こうした他省庁と跨る政策案件は首相官邸の内閣官房で調整すべき事案だし、官邸レベルに引き上げるには厚労省内部でも次官や大臣レベルで取り扱うべき事案ではなかったか。

長すぎるので一度切ります

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942 :法務業の末席:2008/09/01(月) 09:18:44 ID:taLCt0ZM
前投稿のつづきです

まあ今さらこうした過去のボタンの掛け違いをあげつらっても詮無いことです。ただ今回の福島地裁判決をきっかけに警察庁は事務次官格の長官が、検察は官僚レベルをすっ飛ばして法務大臣が直々に「厚労省さん手を組みましょ」という意味のサイン(談話)を出した。いわば課長レベルの下っ端ではなくトップ同士、省庁挙げての意見調整のレベルに引き挙げましょうと厚労省側にボールを投げ返してきたのだと思う。このトップの談話の意味は霞ヶ関のルールでは非常に大きいものがあると思う。

今後は投げ返されたボールを厚労省側がしっかりと受け止め、法務省や警察庁との調整摺り合わせもオープンに行い、今までに提示された事故調設置案に囚われない、新しい「医療安全調査委員会」設置案を急いで取り纏めるべきだと思う。そうした政官の動きを逆に巧に利用して、医療界の要望希望の多くを新設置案に押し込むチャンスだと思う。

医療界は今こそ刑事訴追リスク軽減の要望を引っ提げて、霞ヶ関の官僚界に攻め込む千載一遇のチャンスを得たのだと思う。8月20日より前の過去の経緯を蒸し返す論議に拘ったり、学会の派閥争いで足の引っ張り合いをしたりすることは一時停戦して、持てる戦力の全てを新しい「医療安全調査委員会」設置案の取り纏めに振り向けるべきだと愚考しています。

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943 :無関係レスにつき割愛

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944 :法務業の末席:2008/09/01(月) 09:34:33 ID:taLCt0ZM
>>943
モッタイナイ内容の討論が進行していますので、モトケンさんにオモテで新エントリを作って頂き、そちらに移行することを掲示板にて提案しておきました。

新スレ移行は今日の午後には決断したいと思います。
(今日の午前中は仕事の都合でオチますので…)

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これでオシマイです。
これに続く活発な議論を期待します

第2の大野病院事件(無理スジの立件そして無罪)が起こったら、「捜査機関への明文化された縛り」を求める圧力は抵抗しきれない程に高まる可能性があります。そうした捜査機関にとってのリスクを犯さないため、つまり捜査機関自らのために謙抑的になる必要があるんじゃないかと考えました。
医師は「何をやったら過失に問われないか」が不明であったため、十分すぎるマージンを取って萎縮診療をしていました。同じことは捜査機関にも言えて、かえって明文化された縛りの無いほうが「謙抑的」になるかも。甘いですか?

第10回 診療行為に関連した死亡に係る死因究明等の在り方に関する検討会より抜粋

○法務省刑事局参事官
 私から若干、いまの理解しているところをご説明させていただきます。この取りまとめ案の趣旨ですが、これは、これまで医療事故の原因究明を専門に行う機関がなかった。他方で刑事、民事手続にその解決が流れていっていたという現状に対して、今後、医療の透明性・信頼性を高める新しい制度を構築しようというものなのだろうと認識しています。
 法務省といたしましては、医療安全を図る上でのこのような点の重要性を十分認識した上で、この取りまとめ案の趣旨を尊重して関係省庁と必要な協議をこれまでも行ってまいりましたし、今後も行っていきたいと考えているところであります。
 この中で、いまご指摘がありました点について若干お話させていただきますと、この専門的知見を有する医療安全調査委員会(仮称)の通知の有無を尊重するという枠組みが、この中では想定されていると承知をしています。この委員会による通知というのは、専門的知見を有する機関から捜査機関に連絡が行われるという点で、直ちに同一のものではもちろんないわけですが、行政機関による告発に類似する制度というふうにも言えるかと思います。
 既存のこのような制度で、どのような形で動いていっているかというのを若干お話しながら、今回のことについて触れたいと思います。例えば既存の制度であれば不当な取引制限等の独占禁止法違反事件で、公正取引委員会から告発がなされなければ刑事訴追することができないという制度が、まずございます。ただ、この場合の告発は訴訟条件でありまして、この検察官による刑事訴追が告発の有無に拘束されることになる制度です。他方、この医療事故については、そこまでの制度でなくて通知ということなのだろうと思います。これは訴訟条件的なものでいってしまいますと、被害者や遺族による告訴権というのは厳然としてあるわけですから、そこまでのものにはしないという点なのだろうと思っています。
 そうしますと、そこまでいっていないようなものということで考えてみますと、例えば証券取引等監視委員会というのがあって、これは証券取引法違反の事件で告発権限を有しています。また収税官吏は国税当局ですが、法人税法違反についての告発権等を有しているわけです。これらの犯罪については訴訟条件等ではありません。告発がなくても捜査、訴追ができるわけです。ただ、実際上はこういう専門機関が置かれているということから、検察当局は、これらの機関による告発を受けて起訴するという運用が行われている現状です。
 このように刑事処分の決定に当たって、専門的知見を有する機関の意思を尊重するという枠組みは現在もあります。今後、この委員会や自民党でのご議論、あるいは最終的には国会のご判断ということになろうかと思いますが、国会のご判断としてこのような専門的知見を有する機関の意思を尊重しなさいという枠組みが導入されることになってくるのであれば、検察当局におきましても、当然ながら然るべき協力の例等がこれまでもあるわけですから、そういうような協力をしていくということになるでしょうし、そういう必要があるのではないかと考えているところです。
(中略)
○警察庁刑事局刑事企画課長
 新制度の構築に当たりましては、医療関係者の不安を取り除くという視点が重要であろうと思っております。他方、患者の方、遺族の方、国民の方々が医療に十全の信頼と安心感を抱けるような制度設計が必要であり、この点については、全委員全く同じ問題意識をお持ちだろうと思います。警察としてはこういった観点から議論に参画させていただいているところであります。自民党案に示された留意事項につきましては十分に尊重しなければならないものと受け止めており、今後も政府における実務的な検討に参画して参りたいと考えているところでございます。
 通知の在り方については、犯罪捜査の端緒は通知のみではありませんが、通知が十全に機能するという運用になれば、それを十分に考慮するという対応になっていくのだろうと存じます。

>かえって明文化された縛りの無いほうが「謙抑的」になるかも

ナルホド。捜査機関もどの程度までなら安全調(事故調)の結論を待たずに手出し出来るか分からず、必要以上にオッカナビックリになるから余計「謙抑的」になる、という考え方ですね。

確かになまじ文書合意なんか出来たら、その文書の文言解釈のトンデモ解釈まで平気で持ち出して、アレもコレも全部コッチの領地だと主張するのは官僚の得意技でしたね。行政文書の文言解釈や法律文書の読解で日頃鍛えられている法務官僚に、厚労省の官僚が太刀打ちできるのか疑問を感じるのは確かですが…。

官僚特有の霞ヶ関での領土権争いのエネルギーとテクニックを、オホーツク海や日本海、それに東シナ海方面などにもビシバシ使って欲しい。アッこれはトピズレですね。

>ろくろくび様

>第10回 診療行為に関連した死亡に係る死因究明等の在り方に関する検討会

コレって何時開かれたのですか?
引用する際は開催日の日付を添えてくれると、時系列上の理解が深まって、大変嬉しいのですが。

※情報を探し出してもらっていながら、文句付けているみたいで気が引けますが、宜しくご理解下さい。
m(_ _)m

失礼しましたm(_ _)m
平成19年12月27日(木)です

 そうなんですよね。官僚の世界では羮に懲りて膾を吹く様なところがありますから、当面はかなり謙抑的な運用がされるでしょう。
 安全調が出来れば仮に刑事立件があっても、安全調の報告書が証拠になるので(これだって本当は問題大ありなのですが)大野事件のようなトンデモ証拠は無くなるでしょう。医師から見ても、患者から見てもはたまた法曹からみても、安全調には十分な人物金を与えて十分に活動させて欲しいです。大きな事故があったときに安全調がどのように、裁定するか(勧告するのかな?)は関連する人達すべてが固唾をのんで見守ることと思います。(別に重大事故を期待してるんではありませんよ)安全調がどのようなシステムになろうとも評価はその実際の運用にかかっていると思っているのは小生だけではないでしょう。

ありがとうございます。平成19年12月27日(木)ですか…

ご紹介の審議会開催が昨年暮れということは、昨年の内から法務省と警察庁は、証券取引等監視委員会や国税庁の脱税Gメンとの関係を頭に描いていた証拠ですね。

ただ、法務省刑事局参事官の下記発言部分を読むと、官僚というのは最後の肝心な部分を、自分達はそう思っていても、与党自民党や国会で議員さん次第ですよ、上手く逃げるモンですね。

今後、この委員会や自民党でのご議論、あるいは最終的には国会のご判断ということになろうかと思いますが、国会のご判断としてこのような専門的知見を有する機関の意思を尊重しなさいという枠組みが導入されることになってくるのであれば、検察当局におきましても、当然ながら然るべき協力の例等がこれまでもあるわけですから、そういうような協力をしていくということになるでしょうし、そういう必要があるのではないかと考えているところです。

 ざ〜っと流し読みしただけでのKYコメントですが、
 検察庁は過失犯に対する捜査権限を維持したいとは考えていないと思います。
 だって、業過事件の大部分は副検事以下で処理してますから。
 過失犯規定が廃止されれば、せいせいするんじゃないかとすら思えます。

 ところで、皆さんの言っている「官僚」というのはどういう立場の人ですか?

議論を拝見していて、司法関係者(検察・警察)がもっともいやがることとは、大野事件が事あるごとに蒸し返されることではないかと思いました。
「通常(と考える)医療行為で逮捕される危険性が明確に否定されていない」とことが、医療関係者が萎縮医療・防衛医療を行うことの免罪符となってしまうこと、このことが司法関係者にとって一番いやがることではないかと。
今後、何かあるたびに、医療関係者が、大野事件を持ち出して、「司法制度は信頼できない」と言い立て、結果として、「悪いのは司法制度である。大野事件についても無罪判決が出ても、「捜査、起訴は適正であった」と、反省しないのだから。」と、医療崩壊を生暖かく見守ることになった場合、国民の非難の一定割合は、司法関係者(検察・警察)が追わなければならなくなります。
とすれば、医療関係者にとって、大野事件に対する司法関係者への最大限の報復手段としては、‖綢悵討任△觧故調構想をつぶしつつ、∪嫻い降ってこないようにして、事あるごとに「大野事件で反省しない司法関係者」では「逮捕される危険性」を言い立て、ぐ緡妬壊を生暖かく見守ることになるのでしょう。
書いてて、いやになってますが、感想まで。

議論を拝見していて、司法関係者(検察・警察)がもっともいやがることとは、大野事件が事あるごとに蒸し返されることではないかと思いました。
「通常(と考える)医療行為で逮捕される危険性が明確に否定されていない」とことが、医療関係者が萎縮医療・防衛医療を行うことの免罪符となってしまうこと、このことが司法関係者にとって一番いやがることではないかと。
今後、何かあるたびに、医療関係者が、大野事件を持ち出して、「司法制度は信頼できない」と言い立て、結果として、「悪いのは司法制度である。大野事件についても無罪判決が出ても、「捜査、起訴は適正であった」と、反省しないのだから。」と、医療崩壊を生暖かく見守ることになった場合、国民の非難の一定割合は、司法関係者(検察・警察)が追わなければならなくなります。
とすれば、医療関係者にとって、大野事件に対する司法関係者への最大限の報復手段としては、‖綢悵討任△觧故調構想をつぶしつつ、∪嫻い降ってこないようにして、事あるごとに「大野事件で反省しない司法関係者」では「逮捕される危険性」を言い立て、ぐ緡妬壊を生暖かく見守ることになるのでしょう。
書いてて、いやになってますが、感想まで。

官僚とは次官や局長個人を言ってるのではなく、日本の官僚組織そのものの一部を指すと思っています。
官僚がすべていい加減とか、検察は腐ってるとか、カテゴライズして言ってしまうと、では日本の医師はなんなんだと反撃が来そうです。
(^^;)

再び官僚についてですが、小生の個人的に知っている官僚の方々は皆優秀で人の話は良く聞くし、言葉の選び方も我々とは大違い(笑)です。 そういう優秀な人達が集団で存在する官庁が往々にしてとんでもないことをしでかすのは、日本国のシステムエラーそのものだと思いますが。

>検察庁は過失犯に対する捜査権限を維持したいとは考えていないと思います。
警察についてもほぼ同様です。
もし交通関係以外の業過事件の捜査権限を警察庁が手放す事になったとしても、歓迎こそすれ異論を差し挟む強行犯刑事は皆無でしょう。
刑事にとって業過事件は「本来業務ではない」という意識が強く、それこそ表彰ぐらい出さないと捜査員のモチベーションが維持できないのです。(予算もつきませんし…)

>皆さんの言っている「官僚」というのはどういう立場の人ですか?

モトケンさんが言わんとすることは、法務省のキャリア官僚のトップとされる事務次官は、原則として司法試験に合格した検察官として任官した者が就く。その点で世間一般の人がイメージするキャリア官僚。すなわち財務省などの次官候補要員である、国家公務員試験での区分が行政職の1級合格採用組(旧上級職)とは違うのだよ、と仰りたいのだと思います。

確かに法務省という省庁は他の省庁とは違って、法曹資格を持つ「法律家」でないと局長・次官には出世できない官庁です。ただし、検察官(稀に裁判官)から法務省に出向して役人ヒエラルキーのピラミッドを昇って行く内に、法律家として優れた者よりも行政官としての能力に長けた者が生き残って行く側面はあると思います。

結果として法務省の事務次官に上り詰めるような者は、被疑者調書や六法全書の読解や、起訴状や法廷に提出する各種書面の起案能力に長けた法律実務家としての検察官とは違い、各種議事録や政府予算書の読解や、行政通達や国会答弁書の起案能力に長けた人達だと想像します。入省したときは確かに法律実務家かも知れませんが、課長や局長、ましてや次官などの地位まで上り詰める法務官僚の人物像は、いわゆる世間で言う「キャリア官僚」に近いものと推測します。

私はこういう意味で「官僚」という文言を使っています。

この期に及んで、司法関係者に医療崩壊の責任を押し付けて医療崩壊を生暖かく見守ったところで、崩壊後を考えた時に医療関係者に何のメリットがあるのか、何も思い浮かばないんですよね。まあ、民事の問題が残っていますけど、検察や警察は無関係ですよね。

http://obgy.typepad.jp/blog/medical/2008/09/post-1341-4.html

なんか私はあらゆる業種で業務上過失罪を考え直したほうがいいんじゃないかって考えになってるんですが、そういう意見も増えて来るかもしれない気がしてきました。
刑事罰がトカゲの尻尾きりにならないように。

民事も別スレでお話を聞きたいなあ。
これも実際すごく問題だと思うし。

本日プレスリリースされた、医療安全調の全医連試案骨子を紹介します。HP記載が間に合っていないので、長文ですけど、骨子部分を全文引用します。我々が重視したのは、手続き法改正による刑事介入の制限です。

「医療の安全の確保と医療の継続に向けた医療事故による死亡及び健康被害の原因究明・再発防止等の在り方に関する試案 ―全国医師連盟試案― 」の骨子

平成20年9月1日 全国医師連盟

1. 医療安全調査委員会の概要

1-1 医療関連死及び医療行為に伴う健康被害の原因究明・再発防止を目的とした医療安全調査委員会を内閣府外局として設置する。

1-2 医療安全調査委員会は、中央と高等裁判所(本庁)の所在地に地方委員会を設置する。

1-3 医療安全調査委員会(中央及び地方)の下に調査チームを置き、調査を行う。

1-4 医療安全調査委員会には、調査に必要な証拠を保全するために、裁判所の発行する令状に基づき強制的に資料収集を行う権限を持たせる。

1-5 地方委員会の下に、監察医務院を設置し、解剖医の育成・確保に努める。

1-6 医療安全調査委員会が、取り扱う対象は、医療事故による死亡(疑い例を含む)と医療行為に伴う健康被害が生じた場合とする。

1-7 医療安全調査委員会への届け出は医療機関、医療従事者が行い、患者・遺族の調査依頼及び捜査機関からの事件回付も受け付ける。

1-8 調査結果は、患者・遺族、医療機関、医道審議会に報告する。

1-9 医療安全委員会が調査の結果、医療機関の行為が医学的に大変不適切であって刑事手続きに乗せることが相当であると判断した事案については、捜査機関に対しその旨を通知するとともに、捜査機関の求めに応じて、根拠となる客観的資料(調査対象医療者の供述内容を記録したものをのぞく)を交付する。

1-10 システムや制度等に起因し、個人の責任を問えない医療関連死や健康被害に関しては、医療安全調査委員会は再発防止のために医療機関がとるべき方策を提言したり、関係諸官庁に対し必要な措置を行うよう勧告する。


2. 被害者救済の制度設計

2-1 医療被害を救済するために、無過失補償を目的とした医療被害補償基金を、厚生労働省を監督官庁として設立する。

2-2 医療安全調査委員会で医療側無過失と認定された場合は、補償制度により法令で定める金額の補償金を受けることができる。補償金の受け取り条件として、医療機関に対する損害賠償請求等一切の請求権を放棄することとする。

2-3 医療安全調査委員会で医療側過失ありと認定された場合、患者は医療機関に対し損害賠償請求をするか、または補償制度に基づき通常の損害賠償請求権を放棄した上で、補償金のみを受けるかの、どちらかを選択することができる。


3. 刑事処罰の要件など関係法の整備等

3-1 不適切な医療行為に基づく不幸な結果(疑い例を含む)については、刑事手続きは謙抑的に運用する一方で、刑事処分に代わる実効性ある行政処分を行うことを旨として、別途、特別法を設け、以下 3-2 〜 3-6 の如く取り扱いを定める。

3-2 「医療に関連した不幸な出来事の刑事訴追の為の特別法」により業務上過失致死罪(刑法211条1項前段)については、医療安全調査委員会からの「刑事手続き相当」通知及び遺族の告訴の両者を起訴要件とする、「親告罪」とする。

3-3 医療行為に関連する人の死傷の結果について、捜査機関が犯罪の疑いを抱いたときは、医療安全調査委員会に対し事件を回付して調査を依頼し、委員会の「刑事手続き相当」意見が出るまでは、捜査に着手してはならないこととする。

3-4 システムエラーの改善の観点から医療機関に対する行政処分を新設する。

3-5 医療安全対策を講じない管理者や設置者に対する処分を新設する。

3-6 医師法21条を改正し、医療関連死について警察に届け出る対象は、過失犯を除く刑法犯に係わる異状のみとする。


4. 民事紛争について

4-1 院内での患者・家族をサポートする人材の配置を推奨するとともに、医療対話推進者(メディエーター)の育成推進を進める。

4-2 医事関係の民事訴訟に関しては、調停(法務省認定ADRを含む)を訴訟に前置すべきことを、法律をもって規定する。なお、委員会の報告書は民事紛争での使用を妨げない。

 今気が付きましたが、医師、看護師、コメディカルの方が、医療事故(安全)調の委員となって、刑事訴訟法の厳格な手続きに則って捜査と告発を行うべし……なんてやられたら、ドン引きすると思います。そもそも刑法も刑事訴訟もアミラーゼもといシラネーゼの世界ですから。
 その逆を検察官が求められているのが医療事故捜査公判なんじゃないでしょうか。
 基礎医学なんて見たことも聞いたこともない、せいぜい司法解剖立会で法医学の入門程度で、どうやったら人を殺せるて死亡するかは経験則でそこそこわかっても、どうやったら救命できるかなんて不知無知なのに、日進月歩の医学情報に基づき医的因果関係や治療と手技のその当時の標準的手法を厳格に間違いなく認定せよ、起訴したら医師の資格を持つ弁護士が待ち構えているから間違いは許されない……なんてやられたら。
 もっとも、法医学入門すら知らない医学完全素人の検察審査会の審査員が二度の決定で起訴できてしまうようですが。_| ̄|○

沼地さん、今日は宅調日なの?

 私は明文化は到底無理である、と考えているわけですが、警察・検察が尊重したくなるようにする工夫は必要であると思っています。
 たとえば安全調のメンバーに警察・検察のそれなりの役職経験者を出向させるなり大物OBを入れるなりすればいいんじゃないか、と思うわけです。そうすると結構「通知」の扱いは変わってくるのではないかと。
 他にも国会審議において委員会答弁なり、附帯決議なりによって、安全調が機能する限り、通知を尊重させるような方向に持っていくことは必要かと。

 また、これに加えてもう一つ重要なのは行政処分の活用ですね。岡井先生がまず刑罰ありきでは医療は退化するで以下のように述べている点について

 厚労省案で一番大きな問題点は、「標準的な医療から著しく逸脱した医療は警察に通知する」という規定です。
 例えば、Aという薬剤を投与しなければいけないのに、Bという薬剤を投与してしまったといった単純なミスは、警察に通知しなければならない事例になるでしょう。ただ、この事故の背景には、作用は異なるが名称の似た薬剤が一緒に保管されていたため、医師が間違えてしまったといったシステム的な問題もあると考えられます。
 そのような場合は、医師個人を刑事罰に問うことよりも、システムの改善の方が重要となります。
小倉先生が批判しておられるわけですが、私は両者ともちょっと違うのではなかろうか、と思っています。
 以前から個人責任を刑事で追求してもシステムエラーの問題を解決できない、と言うことはこのブログにおいても、また、安全調の議論においても有力に主張されていました。こうした発想を受けて作られたのが、大綱案第32(6)において新設される「システムエラーに対する行政処分」であると私は考えています。この行政処分を新設することによってシステムエラーの問題は組織の問題を行政処分によって解決する方向へとシフトすることができます。大綱案はわざわざ「注」として標準的な医療から著しく逸脱した医療に該当するか否かについては、「病院、診療所等の規模や設備、地理的環境、医師等の専門性の程度、緊急性の有無、医療機関全体の安全管理体制の適否(システムエラー)の観点等を勘案して、医療の専門家を中心とした地方委員会が個別具体的に判断することとする。」としています。
 こうすることによってシステムエラーによるところが大きい、取り違え等の単純ミスについて、刑事処分を中心とする対応から行政処分を中心とする対応へとシフトすることが可能になるのではないか、と思うのです。
 行政処分が適切になされれば、刑事処分が必要とされる場面は限定的になります。
 もっとも、大綱案からは上記のようなメッセージは読み取れるものの、実際にどうなるかについてはなんらの保証はありません。そこらへんを国会審議で明らかにして欲しいな〜などと思っています。

厚生労働省の大綱案の刑事手続きに関する一番の問題点は、家族の告発や、警察の独自捜査による、刑事捜査の開始がなんら法的に抑制されていないことです。

ですから、大綱案が成立しても、警察が事故調を無視して独自に捜査することも全く問題ないわけで、第2の大野病院事件を起こらないようにすることは不能です。

1-4 医療安全調査委員会には、調査に必要な証拠を保全するために、裁判所の発行する令状に基づき強制的に資料収集を行う権限を持たせる。
という所ですよね。仮に自分がその委員であっても、令状に基づく資料の強制収集は司法界から選ばれた委員にやって貰いたいですね。  今更刑事訴訟法を覚えるのも大変です(笑)

>令状に基づく資料の強制収集は司法界から選ばれた委員にやって貰いたいですね。 今更刑事訴訟法を覚えるのも大変です(笑)

 司法界も、「今更医学を覚えるのもタイへーン(汗」と思っていると思います。

>ろくろくび様

>国会審議において委員会答弁なり、附帯決議なりによって

良いですねぇ、そのアイデア。

7で引用された検討会議事録からも、法務省サイドは「協定文書のようなもの」はイヤだけど、国会の「付帯決議」や「大臣答弁」或いは「閣議決定」など、政治の決断が明示されれば従うと言ってますからネ。

自分達から厚労省の軍門に下るような、厚労省事務方が用意した省庁間協定文書に調印するのは絶対に不可。だけど自分達より上位のレベルにある国会や内閣という政治の意志表示があれば、それには従うと思います。

検討会での法務省刑事局参事官の答弁は、モロこのように読めますモン。安全調(事故調)設置の議論は、事務方同士の折衝根回しでなく、政治レベルでの討論や折衝根回しに格上げするべきです。

 国会答弁は有効らしいですよ。どこかの学会で古川議員がそのように話していました。
 でも、ここしばらくは内閣そのものがどうなるかですから医療法制に手をつけるのはまだ先になりそうですね。

>ここしばらくは内閣そのものがどうなるかですから医療法制に手をつけるのはまだ先になりそうですね。

コレは考えようによっては医療界に有利かも。
今までの一次案、二次案、三次案が政変によってひっくり返されて、再検討する時間が作れる。
麻雀の流れ連荘(連チャン)で、雀牌をみんなでかき回して積み直す作業と考えれば、もう一回ゼロから仕切直すチャンスが生まれたとも言える。

 こういう政権交代事変は永田町用語で

   ガ ラ ガ ラ ポ ン

と言います。(゚Д゚)マヂデス

医療側(全医連)からこんな案が出てきたようですよ。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080901-00000010-cbn-soci

私は、司法、医療ともに素人ですが、今までこのブログで読んできて理解できたことを踏まえると、結構医療側が妥協してきたようにも思えます。
もちろん、妥協できない部分はしっかり主張しているようですが。

 

 医療崩壊危機>医師無罪判決>警察検察が医療事故調査に慎重……


 問題解決前に首相が一目散で逃散したo(;△;)o

議論中にちゃぶ台をひっくり返したような(笑)

まあ自動的に拙速は避けられたわけですがね。
大野事件判決の詳細を検討する次官が出来ましたね。

全国医師連盟による大綱案反対声明

全国医師連盟試案の骨子

上記が、全国医師連盟HPに掲載されましたのでお知らせします。

全医連試案骨子の特徴は以下の通り

1.届出は、医療者、患者側双方が可能 2.委員会の実効的な調査能力を確保するため、一定の強制力を付与する 3.委員会が刑事手続き相当と判断した場合、警察への通知を可能とする 4.刑事、民事訴訟に事故調の判断を先行させる仕組みを手続法の改正(または特別法)により実現する 5.被害者救済につき、医療者の過失の有無によって区分するという制度設計とした 6.医療安全の向上に資する原因究明を実効あるものにするため、WHOガイドラインに沿って、極力、個人への懲罰的色彩を薄めている

安全安心内閣が最近の改造のキャッチだったのですが辞任なさいましたか。こうなると安全調という言葉が虚しく聞こえます。

全医連について、今まで色々と文句を言っているので、仁義の観点からこれだけは書いときます。

私の期待を上回っている内容だと思います

他に言いたいことはありますがとりあえずこれだけ

更に流れをぶったぎるわけですが。

>No.13 モトケン先生
>検察庁は過失犯に対する捜査権限を維持したいとは考えていないと思います。

>No.17 感熱紙さま
>警察についてもほぼ同様です。
もし交通関係以外の業過事件の捜査権限を警察庁が手放す事になったとしても、歓迎こそすれ異論を差し挟む強行犯刑事は皆無でしょう。

もしや、お二方のコメントは、拙コメントを「警察・検察は過失犯についての捜査権限保持に固執している」と読まれてのものでしょうか?

私も、警察・検察が過失犯についての捜査権限保持に固執しているとは思っていません。「手放したくても、後を引き受ける奴らがちゃんとしていなければ手放しようがない」と考えているのではないか?と思っているのです。

ところで、モトケン先生と似た経歴を有するある法曹が、福島県立大野病院事件に関連して、ブログで以下のようなエントリーをお書きになっています。

(以下引用)
>>判決の朗読が始まって5分ほど経った後、うつむいた父親が突然涙をこぼし始めた。感情を抑えられない様子で、ハンカチを取り出しては、涙を何度もぬぐっていた。

>私は、刑事司法の世界に足を踏み入れたときに検事という職を選んだせいなのかもしれませんが、こういう話を聞くと、何とも言えず胸に迫るものを感じます。
良い弁護士というものは、こういうときに、無罪になって良かった、正義が実現された、と心の底から思うものなのかもしれませんが、どうしてもそういう気持ちにはなれません。そういう点では、私は、まだ弁護士になり切れていないのかもしれませんが、そういう弁護士が良い弁護士であれば、自分はそういう弁護士にはなれないし、なれないのはやむをえない、とも思います。
先日、ある事件の関係で、前から知っている検事のところへ用があって行って、「最近、年をとったのか、疲れやすくなった」と言ったところ、「いい暮らししているからじゃないの?」と笑われ、確かに、iphoneはいち早く手に入れているし(町村教授には「ご自慢の」と言われましたが確かに自慢しています)、六本木ヒルズでランチは食べているし、これをいい暮らしと言えばそうかもしれない、などと、その後思いました。しかし、そういういい暮らし(と言えるかどうか知りませんが)をする前の私を支えていたのは、上記のような人々の存在であり、そのために頑張らなければならないという強い使命感であったように思います。
今の私は、立場を変え、変わった立場の中で努力していますが、上記のような人々の存在ということに、検察庁という組織が思いを致し、たとえ難しい事件であっても、その気持ち、期待に応えてほしい、という思いは、やはり今でも変わることはありません。
(引用終わり)
(モトケン先生も感熱紙さまもご存知のブログでしょうが、むやみに血気盛んな方々がコメントスクラムを仕掛けるようなことがないよう、あえてリンクを示しません。血の気の余っている方々にはコメントスクラムではなく献血をお勧めします)

 まあ、そもそもこのお父さんは被害者じゃなかったんじゃないかとか真の被害者は加藤医師だろうとか、いろいろありますが一旦脇に措かせていただいて、検察庁、というか捜査機関に属している人々は、こういうメンタリティ(被害者とともに泣く検察、という言葉もありましたね)を広く共有しているんじゃないかと私は思っていましたので、予算もつかない、あるいは副検事にやらせているようなつまらない事件だから、捜査権限を手放せればせいせいするんじゃないかとか、歓迎するんじゃないかといったお声をお二方から頂いたことは意外でした。

>法務業の末席さま
 仕事から戻ってみると拙コメントがどアタマに転載されていてビックリしました(笑)。拙コメント自体は中身のない思い付きに過ぎませんが、皆さまにとって議論を展開し易くなったのであれば幸いです。
 なお、医療事故調査機関のありようについてですが、私は、(以前コメントしたもの(医師会の医事紛争処理委員会再編案・民事調停活用案)でないとすれば)航空・鉄道事故調査委員会方式よりは、公調委・都道府県公害審査会方式のほうがマシではないかと思っています、とつぶやいてみます。

 ちょっと揚げ足を取られたという感じがしています。
 過失犯(故意犯的要素の強い飲酒運転や過大な速度超過等の暴走運転を除く)は、やはり過失犯なのです。
 多くはお互いにとって不運な事故です。

>あるいは副検事にやらせているようなつまらない事件だから、

 O弁護士的ですね。

試案のうちの、

委員会の「刑事手続き相当」意見が出るまでは、捜査に着手してはならないこととする。

という箇所が問題ですね。

どのようなケースについて「刑事手続相当」意見を出すことを想定しているのでしょうか。

A:医学的に見て問題のある医療行為か否か
B:問題のある医療行為であるとして、刑事罰に問うのが相当か

という2つの要素が考えられるわけですが、Aの点のみを問題にするのであれば、正に委員会の専門性を発揮して判断して下さい、となることでしょう。

しかし、Bの観点も含めて意見を決するとなると、医師(を中心とした委員会)だけで決めるべき問題ではない、という批判があり得るでしょう。これまでも、起訴/不起訴は、過失の有無・態様のみでなく、その他諸々の要素を勘案して決せられてきたわけですし。

そして、試案が「極力、個人への懲罰的色彩を薄めている」ということであれば、Bの要素を考慮することはもちろん、そのハードルをかなり高く設定することが予想されるわけで、その正当性を外部に認めさせるのは、かなり骨の折れる仕事でしょう。「ミスはあったが罰するべきではない」旨を遺族に向かって言わなければならんわけですから。

そんな面倒くさい仕事は引き受けず、Aの審査に徹するほうが利口ではないか、という気もします。

>モトケン先生

>O弁護士的ですね。

まあなんというか、便利な言葉ですね。

私を「O弁護士的」などと非難するのも結構ですが、「あのコメントにおける、ご自身の足の見事な揚がりっぷり」を省みられたほうがよいと思います(実際のところ、私は揚げ足を取ったつもりはない、というか、あれでもできるだけ揚げ足をとったことにならないように配慮してコメントしたつもりです。本筋はあくまでも「捜査機関は今後、医療業過に対してどの程度謙抑的に振る舞いうるのか」です。つまり、被害を訴える人が現れて、世論が(マスメディアが)捜査と処罰を求め、専門調査機関や行政処分制度が充分でなく、介入を規制する明文規定がないとき、警察・検察は「謙抑的」であり続けられるのですか?それほど両談話は縛りの強いものなのですか?ということです。そこへ「いやむしろせいせいするよ」みたいなことを書いちゃったら、そりゃどこ触られても転んじゃうんじゃないですか?)。

本題(といっても大したハナシではありませんが)に戻りますが、モトケン先生は、医療事故調査機関が今のようにまだ海のものとも山のものともつかない状態で、医療業過に対する捜査権限を手放せと命じられたとしたら、果たして検察は、不安を口にし異議を唱えると思われますか?それとも「せいせいする」といってあっさり手放すと思いますか?

 もし前者だとおっしゃるなら、先生と私の見解に相違がないので、これ以上この話を続ける必要はないでしょう。もし後者なら、それはそれで「検察官としての職務経験をふまえての実感」なのだろうと理解してこれ以上この話を引っ張るつもりはありません(もちろん、答えていただかなくても結構です。レスするもしないも自由、ですから)。

もっと話を続けましょう。議論を深めるのよ。

国会答弁は有効らしいですよ。

法案内に明文化されていない、政治家や官僚の国会答弁(口約束)が、後に反古にされることは、これまで弁護士の先生方が繰り返し述べられていたことであると認識しています。

閣僚の国会答弁は、公式非公式を問わず記者会見での発言や、審議会などでの発言とは性格が全く違います。

国会での閣僚答弁は単に議事録に記載されるだけでなく、行政府のトップである内閣(総理大臣)が立法府(国会)に対して正式に意思表示する行為であり、内閣の閣議決定と同等の規範性を持ちます。国会議員の質問主意書に対する答弁書も閣議決定と同等です。

記者会見や会合での発言(リップサービス)は仰るとおり単なる口約束ですが、国会答弁=口約束にすぎない=後で反古にできるという認識は正しいとは言えません。行政府と立法府並びに司法の三者が対等かつ緊張関係にあるとする憲法の三権分立の概念が、閣僚(内閣)の国会における発言(答弁)の持つ重要性の裏付けになります。

 もともとのコメントは、「ざ〜っと流し読みしただけでのKYコメントですが、」と書いてますように、眠たい目で流し読みした印象では、「官僚」がキーワードになって議論されているような感じもしましたので、ひょっとしたら検察庁に対して既得権益的な感覚があるのではないかな、と思って書いたものです。
 今流れを読み直しましたが、必ずしもそういうわけではなさそうです。
 つまり、私はKYであったわけですが、皆さん(an_accusedさんですら)の検察像と私の検察像は、微妙にずれがあるとは感じます。

 an_accusedさんの当初のコメントに若干のコメントをします。

両談話は、今後の医療事故調査機関の設置をめぐる議論、とりわけ、捜査機関との優劣関係をめぐる議論において、「事実上、刑事司法は医療分野への介入については謙抑的な姿勢で臨むはずだ」という主張の根拠として引用され、「だから、わざわざ明文化しなくても、捜査機関は医療事故調査機関に調査の優先権を自発的に譲るはず」といったように、捜査機関への制約を明文化しようという意見を無効化するための材料に用いられるでしょう。

 この部分の「無効化」という言葉の主語は何でしょう?
 誰が、捜査機関への制約を明文化しようという意見を無効化しようと考えているのかということですが、その後の文脈では、警察・検察ということでいいのでしょうか?
 とりあえず、そう読んで先へ進みます。

我が国において公訴権をほぼ独占してきた検察には、それこそ戦後60年のあいだ、公益の代表者・社会正義の具現者の役割を担ってきたという自負があり、また、今後もそれらを担っていかなければならないという強い責任感があり、

 ここは私もそう思います。

それゆえ、海のものとも山のものともつかない調査機関に訴追判断を委ねるような「無責任なこと」ができるはずがない、と私は推測している、いうことです。

 しかし、ここは微妙に首がかしいでしまいます。
 検察の仕事は、一言で言うと法律(刑罰法令)の適用です。
 そして、法律は国民の代表者たる国会によって定立されます。
 つまり、検察は、国民から付託された仕事をしているという意識です。
 ですから、国民が、医療事故についてはまず安全調で調査することにしよう、と決定すればそれに従うだけです。
 もし、国民の決定の内容が検察から見て心許ないものであったとしても、検察としては、「心配だな、不安だな」とは思いますが、検察が検察自身を「無責任」と感じる余地はありませんし、検察としては法律で決まったことには従わざるを得ません。
 できるできないの問題ではありません。
 
 もっとも、 an_accused さんの頭の中には、、法務・検察はそんな「無責任な」立法に抵抗するに違いない、という考えがあるようですが、私はそうは思いません。
 医療事故に対する検察権行使についての慎重姿勢は、既に既定路線だからです。

 一般的は交通業過事件については、近時危険運転致死罪の新設などの厳罰化傾向が目につきますが、他方で、過失犯処罰としては、処罰範囲を限定していこうという流れが厳然と存在します。
 その一つの現れは、刑法211条2項但し書きです。
 分かりやすいという意味で立法例を示しましたが、起訴裁量の面でも起訴猶予範囲の拡大や寛刑化の流れはあります。
 故意犯的要素の強い事故には厳罰化、単純過失の事故は寛刑化というのが基本的な流れだと思います。

 医療現場への介入の問題について言えば、構成要件的には殺人罪に該当するはずの終末期の呼吸器取り外し行為についても、慎重姿勢が感じられます。
 過失犯についても、大野病院事件は、検察全体に対して慎重姿勢の必要性を鮮明に自覚させたものと考えられます。

 an_accusedさんは、 

検察が、「このやり方では高裁にいっても勝てないと思い知らされた」ということこそが重要なのです。

という言い方をされていますが、無罪判決を聞いた事件をある程度は知る検事の多くの感覚的ニュアンスとしては、「思い知らされた」というよりは「やっぱりな」というものに近いだろうと思います。

 そして、安全調がこれからどうなるかまだまだわからない現時点で、法務・検察自らが、慎重姿勢を発信しているということは

どうしたって、将来、「警察・検察が、いやいやながら、医療分野へ介入するために重い腰を上げざるを得なくなる場面」というのが出てくるのです。そんなこと火を見るよりも明らかだから、法務・検察は、どんなことがあっても、自分たちの手を縛られる訳にはいかないと考えているはずです。

というan_accusedさんの認識とは整合しないだろうと考えています。
 ここが既得権益的な印象をもった根拠の一つかもしれません。

 私は、この文章に対して違和感を感じているのですが、その違和感の中身を考えているときに、「自分たちの手を縛られる訳にはいかないと考えているはずです。」という一文の評価はかなり難しいなと思いました。
 対象事案を過失犯に限定する限り、私としては検察が「重い腰を上げざるを得なくなる場面」というものを想定することが困難なのですが、これは形式論理的な話であって、「過失犯」と「故意犯」の区別は、理論的にも事実認定的にもボーダーラインが必ずしも明確ではないですから、検察としては、故意犯捜査の障害になるような代物だけは作ってほしくないと考えていると想像できます。
 しかし、過失犯については、「どんなことがあっても、自分たちの手を縛られる訳にはいかないと考えているはずです。」とは考えていないだろう、というのが、私がNo.13のコメントで言いたかったところです。

 直近のご質問に答えます。

モトケン先生は、医療事故調査機関が今のようにまだ海のものとも山のものともつかない状態で、医療業過に対する捜査権限を手放せと命じられたとしたら、果たして検察は、不安を口にし異議を唱えると思われますか?それとも「せいせいする」といってあっさり手放すと思いますか?

 医療業過に対する捜査権限を手放すというのは、医師限定の業務上過失致死傷規定不適用の立法と理解していいでしょうか?
 法務省としては、そうした場合の影響についてのシミュレーション的な意見を述べると思います。
 代替措置の必要性についても主張すると思います。
 
 検察の現場としては、「せいせいする」と言うかどうかはともかく、どこかの検事長とか検事正が個人的な見解を述べるかも知れません。平検事が酒を飲みながら(つまり全く非公式に)やや不謹慎に思うところを述べるかも知れません。
 しかし、決まったらそれに従うだけです。

 私の個人的見解は、医師に対する刑事免責(用語の不統一はご容赦)は制度設計の一つですから、医療事故に及ぼすプラス効果とマイナス効果、周辺領域対する影響の有無・内容とそれに対する対策、法制度全体との関係における現実的及び理論的整合性を考える必要があると思います。
 従って、医療業過に対する捜査権限の放棄だけ(文字通りそれだけ)を実行するというのは、反対です。
 というか、そんな政策あり得ないです。

 あと余談ですが、O弁護士的云々は「あるいは副検事にやらせているようなつまらない事件だから、」の「つまらない」に反応したものです。
 これは、過失犯の存在意義と検察庁における過失犯捜査の位置付けという問題に関係しますが、機会があれば別に述べたいと思います。
 最近、「余計な一言」と思える言葉に反応して「余計な一言」を返す場合があります m(_ _)m

 

法務業の末席様。解説有難う御座います。

国会答弁と、記者会見の重みは相当異なるということが理解できました。

そうであれば、「医療に対する刑事司法の介入には、今までより謙抑的に取り組むべきだ」という国会答弁を、法務大臣や、警察検察のトップがしないと、言質をとったことにはならないということですね。

何しろ、「刑事司法は謙抑的であるべき」ということは、教科書的なことのようですから、現在までも、捜査機関は「謙抑的」に取り組んでいたという理屈が成り立ちますからね。

1-6 医療安全調査委員会が、取り扱う対象は、医療事故による死亡(疑い例を含む)と医療行為に伴う健康被害が生じた場合とする。

質問です。
死亡以外も扱うという案ですが、それぞれどのくらいの件数を
見込んでいるとか、あるのでしょうか?
最初から死亡以外も扱うのは、無理があるような気がしたもので。

それと、三重の整形外科のようなケースでは、初動捜査が
重要かと思いますが、この辺について
具体的構想があるのでしょうか?
マスコミで報道されると、すばやく動かないと
世間が非難をしだすという懸念があると思うのですが?

私の職業上の知識の範囲でコメントを。


No.46 田舎の消化器外科医 さん

>そうであれば、「医療に対する刑事司法の介入には、今までより謙抑的に取り組むべきだ」という国会答弁を、法務大臣や、警察検察のトップがしないと、言質をとったことにはならないということですね。

それはあまり意味がないです。
これまであまり言わなかった「謙抑的」と言うことには、十分な意味があります。(逆に、そこまで悪意にとらえるなら、「より謙抑的」でも確実な言質とは言えない。)


No.5 法務業の末席 さん
>941 :法務業の末席:2008/09/01(月) 09:17:43
本来こうした他省庁と跨る政策案件は首相官邸の内閣官房で調整すべき事案だし、官邸レベルに引き上げるには厚労省内部でも次官や大臣レベルで取り扱うべき事案ではなかったか。

医療事故調が官邸マターになることはまずないでしょう。
官邸、内閣官房の仕事は政権のリスク管理。舛添大臣がかぶるべき火の粉を総理にかぶらせる危険は冒しません。

複数省庁が跨る案件=官邸マター ではありません。官邸マターになるのは、
1.省庁間での合意が困難で、かつ、合意できないことで総理が批判されるもの。
2.省庁間の合意内容が、総理の要求水準に達しないもの。
のいずれかです。

医療事故調は厚労省、法務省、警察庁の間で合意に達しているのだろうし、総理に独自意見があるわけでもないから、該当しない。
「合意」と書きましたが正確には、医療事故調が法的に捜査権を縛るものでないなら、法務省、警察庁は関知しないということでしょう。

>そして、法律は国民の代表者たる国会によって定立されます。
> つまり、検察は、国民から付託された仕事をしているという意識です。

憲法上はそのようになっていますね。
しかしちょっと引っかかるところもあります。というのは、日本の国会で議決される法律のうち議員立法はとても少ないということ。
すなわち、行政側が必要に応じて法案を提出して法律化されているということを、見落としてはいけないと思います。
特に現在の国会のようにねじれた状態では(そうでなくとも、という噂もありますが。苦笑)、法案の中身に対して十分審議されることなく、法律化している可能性があるという指摘はしておいてもいいのではないでしょうか?

幸い最近ではパブリックコメントというシステムのおかげで、国民から総スカンを食うような法律は出来にくくなっていますが。

 

 私がまだ新米検事当時の話ですが、法務省の局付き検事が、他省庁の立案の法律案はやたらと罰則を付けたがる、とこぼしていました。

 それを聞いて私は、法務省の感覚つまり検事の感覚では、少なくとも罰則が増えることを手放しで喜んではいないということを感じました。

 警察はどうだかわかりませんが、
 罰則があるということは、強制捜査が可能だと言うことを意味します。
 罰則が増えると言うことは直ちに警察の権限強化になるとは言えます。

 そういう目で法案を見ることは大事だと思います。

>モトケン先生
 丁寧な応答をいただき有り難うございます。

>ひょっとしたら検察庁に対して既得権益的な感覚があるのではないかな、と思って書いたものです。/今流れを読み直しましたが、必ずしもそういうわけではなさそうです。

公訴権は「権限」ではあっても「権益」ではないと考えています。

>皆さん(an_accusedさんですら)の検察像と私の検察像は、微妙にずれがあるとは感じます。

おそらくそうだと思います。で、その場合、「モトケン先生の検察像」のほうが正しいことはいうまでもないので(中の人だったんですから)、モトケン先生のコメントを拝見して「ズレ」を修正し、理解を深めたいと思っています(もっとも、そういう観点でいえば、「せいせいする」は、別の方向にズレを生じさせることになってしまうと思います)。

>この部分の「無効化」という言葉の主語は何でしょう?

お見込みのとおり、検察・警察のつもりで書きました。

>つまり、検察は、国民から付託された仕事をしているという意識です。(中略)/できるできないの問題ではありません。

「国会で決まったことに従う」のは行政機関である以上当たり前の話で、私も「決まった後にまで抵抗するだろう」などとはこれっぽっちも考えていません。  

>もっとも、 an_accused さんの頭の中には、、法務・検察はそんな「無責任な」立法に抵抗するに違いない、という考えがあるようですが、私はそうは思いません。

ここが「ズレ」ですね。

>医療事故に対する検察権行使についての慎重姿勢は、既に既定路線だからです。〜

申し訳ありませんが、「慎重姿勢が既定路線である」ことくらいは知っています。その上で、「慎重姿勢(謙抑的)であること」と「不介入と決めること」は違いますよね、と言ってるわけです。不思議なんですが、例えば感熱紙さまも「謙抑的は既定路線」とお書きになったすぐ後に「撤退を宣言するタイミング」とお書きになっていますよね。私には、「慎重であろうとする」と「撤退する」は一緒くたにできないんです。一緒なんですか?

>「思い知らされた」というよりは「やっぱりな」というものに近いだろうと思います。

 なるほど、そうだろうな、と思います。

>そして、(中略)対象事案を過失犯に限定する限り、私としては検察が「重い腰を上げざるを得なくなる場面」というものを想定することが困難なのですが、これは形式論理的な話であって、「過失犯」と「故意犯」の区別は、理論的にも事実認定的にもボーダーラインが必ずしも明確ではないですから、検察としては、故意犯捜査の障害になるような代物だけは作ってほしくないと考えていると想像できます。
 しかし、過失犯については、「どんなことがあっても、自分たちの手を縛られる訳にはいかないと考えているはずです。」とは考えていないだろう、というのが、私がNo.13のコメントで言いたかったところです。

了解いたしました。

 直近のご質問に答えます。(中略)/法務省としては、そうした場合の影響についてのシミュレーション的な意見を述べると思います。/代替措置の必要性についても主張すると思います。(中略)/私の個人的見解は、医師に対する刑事免責(用語の不統一はご容赦)は制度設計の一つですから、医療事故に及ぼすプラス効果とマイナス効果、周辺領域対する影響の有無・内容とそれに対する対策、法制度全体との関係における現実的及び理論的整合性を考える必要があると思います。/従って、医療業過に対する捜査権限の放棄だけ(文字通りそれだけ)を実行するというのは、反対です。/というか、そんな政策あり得ないです。

了解です。というか、他のご回答は有り得ないと思います。
で、現在議論の対象となっているいわゆる大綱案については如何お考えでしょうか。
私自身は、医療安全委員会の調査着手と時効の問題とか、「調査を開始しない/打ち切る決定」の行政処分性とか、不服申立手続はどうなるのか(遺族側・医師側・医療機関側それぞれ)とか、いろいろ疑問点があって、それこそ論点ごとに別エントリーがほしいくらいですが(笑)、本エントリーの趣旨に照らして一点のみ。

医療安全委員会による通知と検察官による検察権行使の関係について。
これは、他の機関(会計検査院とか)でもみられる問題ですが、例えば医療安全委員会が、独自の価値観に基づいて「これは刑事訴追相当だろう」と思料して、捜査機関に通知しますね。で、検察は、当然別の観点(具体的には公判維持の観点)で事案を検討して、処理します。そうすると、「医療安全委員会は刑事罰相当と考えるけど検察はそう考えなかったケース」というのが出てきます。そうすると、医療安全委員会にとっては、「自らの判断が別の権威によって覆される」ということになるので、権威(信頼といってもいいかも知れません)の維持が損なわれることになり、非常に拙いわけです(ちょうど、検察が無罪判決を嫌って、本当に手堅い事件ばかり公判請求するようになるのと同じです)。
そうすると、患者(遺族)は、自らに交付された(あるいは公表された)報告(医師側有責の内容の)を手に、捜査機関や検察審査会に向かうことになり、そこで、刑事手続開始の決定がなされたりしたら、今度は別の方向から医療安全委員会の判断にダメ出しされることになります。

まあそういうわけで、医療安全委員会はめんどくさい問題をいろいろ抱えることになりそうなんですが、どう思われますか?>モトケン先生

> それを聞いて私は、法務省の感覚つまり検事の感覚では、少なくとも罰則が増えることを手放しで喜んではいないということを感じました。

多分そうなのでしょう。私も法務省というか検察から提出された重大法案が思い出せませんから。
検察は、三権分立による相互監視、相互補完のシステムから、外れた独立性の強い組織です。そんな組織が軽々しく法案を提出することの危険性は今さら指摘するまでもないでしょう。
しかし、モトケンさんのこの言葉で安心するわけにはいかない。とも思います。過去・現在が謙虚だったとしても、将来までも保障するわけではないからです。
もちろん、これは検察官一人一人の責任ではなく、システムの欠陥と考えるべきなのでしょうが。
もちろん独立性が高いことによるメリットも非常に大きいわけで、安易に縛りを加えるべきではないことも事実なのですけど。

>罰則が増えると言うことは直ちに警察の権限強化になるとは言えます。
困ったものです。権限が強化されると同時に(これは警察国家になる可能性を秘めている)安易に法律化しても人員・予算の不足から死文になりそうなもの、あるいはなっているもののなんと多いことか。
今年、道路交通法が改正され、自転車の道路交通法に関しても変更が加えられ、自転車の原則車道走行が明文化されましたが、法律施行後も町の自転車走行風景はまったく変わっていません(とほほのほ)。

法律は行政府の利権確保の根拠ではなく、国民の利益保護のためにあるはずなのですが、どうも理解していない行政庁もあるようですしね(冷笑)。

立法府は、国民から預かった税金を適切に再配分するのが仕事。行政府はその税金を適切に使用すのが仕事。税金もまた行政府や国会議員の物ではないのですが...

 おっと。また余談でした(汗)。

 

すみません,横レスです。
この場合の医療安全委員会は法律の専門家も加わってるという想定でしょうか?
個人的には医療安全委員会は医学的にまっとうな医療かどうかを判断するだけの機関でいいような気もしますが。
で、まっとうでなかったら次に検察(?)で、刑事罰相当かどうかを判断する。
それでまっとうでないけど,刑事相当じゃなかったら民事か和解かになるってのじゃだめでしょうか?

「医療に対する刑事司法の介入には、今までより謙抑的に取り組むべきだ」という国会答弁
この文言の答弁では何の意味もありません。

同様のことはNo.48で現役行政官様がコメントされていますが、答弁の内容がもっと具体的で直接的にでなければ意味がありません。例としては「事故調(安全調)が法務検察に優先して医療事故を今後は調査し、その調査結果の通知内容の如何により刑事捜査に着手されるべきである」このように踏み込んだ内容で国会答弁させなければ「言質=縛り」になりません。

ところが現状の法務省・警察庁サイドから見れば、自分達に法令(刑訴法など)で与えられている捜査権に自ら足枷を嵌める答弁をする可能性はありません。もし有り得るとしたら、それは世論の大勢が事故調優先に賛意を示しているか、行政のトップである内閣総理大臣の政治判断が事故調優先に傾いている場合のどちらかです。このような下地を作り出さないと「謙抑的を保証する具体的な国会答弁」は有り得ないでしょう。

すなわち医療側の運動ベクトルが厚労省医政局をターゲットにしているうちは、法務省や警察庁にとっては事務方レベルでの単なる「合意」で充分だと言う認識でしょう。事故調設置法案が厚生労働省の11ある局中の一局にすぎない医政局に委ねられ、その医政局に置かれた総務課医療安全推進室に任せられていること自体が、政府(内閣)の中で事故調がどれくらい低いレベルの政策課題に位置付けられているかを示しています。

横レスになります。

>個人的には医療安全委員会は医学的にまっとうな医療かどうかを判断するだけの機関でいいような気もしますが。

ごく素朴な例ですが,
1 「この医師がこの術式を選択し,こういった手法で手術を し,その結果,腎臓に○○の傷害が生じて,そのため患者が 死んだ。」
という評価に先行する事実の認定については,証拠収集が必須ですし,法曹の知識が確実に必要になります。そして,その傷害で患者が死んだと断定できるのか=因果関係の有無を解明することなどには,もちろん医師の知識も必要です。

2 1の事実が認められることを前提に,「この術式を選択し たことは適切か,臨床例はどうなっているか。」
という過失の有無に関わる評価については,医師の知識が当然必要ですし,過失論の知識を有する法律家も必要です。

ということからすると,私見ですが,法曹の委員会参加は必須だと思います(多くは,裁判所,検察庁からの出向か,又は元検事とかになるんでしょうけど。)

>で、まっとうでなかったら次に検察(?)で、刑事罰相当かどうかを判断する。
それでまっとうでないけど,刑事相当じゃなかったら民事か和解かになるってのじゃだめでしょうか?

刑事相当のものは,多くは,民事訴訟も相当という結論になろうかと思います。まっとうでなければ,民事にあっても,ほとんどは相当でしょう(インフォームドコンセントに関する義務違反などは刑事処分になじまないので,民事だけってことになるとは思います)。

問題は山積ですね。各論点ごとに議論しないと収集がつかなくなりそうです。

詳しい解説を頂き、ありがとうございます。

複数省庁が跨る案件=官邸マター ではありません。官邸マターになるのは、 1.省庁間での合意が困難で、かつ、合意できないことで総理が批判されるもの。 2.省庁間の合意内容が、総理の要求水準に達しないもの。 のいずれかです。
ここは承知していて、私が「複数省庁が跨る案件」と表現に込めた意味はまさしく「省庁間での合意が困難で、かつ内閣(総理)の重要政治案件と認識する事案」このような意味で使っております。すなわち現役行政官様の区分に従えば1に該当します。

ただし事故調設置という政策アイデアは元々が首相サイドから出た政策ではなく、厚生労働省の医政局の中で産み出されたものです。それ故に厚生労働省医政局のパワーでは、法務省・警察庁の捜査権に明確な足枷を嵌ることが出来ないのが現実であると思っています。

そしてこのような悲しい現実認識を前提に置けば、医療者の皆さんが悲願とする「事故調の捜査権への優位性」を確立させるには、厚生労働省に陳情するのではなく、総理や与党自民党に直接働きかけて内閣の重要政治案件に引き上げてもらう必要があると思っています。

医療者の方々が、医療事故調が捜査権を明確に縛るものとして実現させたいのであれば、厚生労働省医政局のレベルをターゲットに働き掛けていたのでは、百年河清を待つが如くでしょう。私はそのように認識していますし、その個人的認識から導き出したのが医療者側は政府与党に対し、事故調設置を官邸直轄案件に引き上げる決断を迫るような政治的働き掛けが必要だという私の考え方です。

とにかく厚生労働省医政局のレベルに留まっている限り、事故調が捜査権に優越する合意の明示、それが国会答弁であろうと法案の条文に盛り込まれた明示であろうと、それが実現する可能性は無いものと思っています。もし実現するとしたら、事故調設置が首相官邸の直轄案件という政治的重要政策に引き上がられた時でしょう。その実現の為には政治的な働き掛けがまだまだ足りないと思っています。

はじめまして。
某所の医師のサイトでこの件、議論になりましてお勉強の検索でここを1週間前ほどに見つけました。

膨大で全部は不可能ですが、こことか極一部のスレは最初から内容を読んだものもあります・・・疲れた。

安全調の人選には「システム工学」「機械工学」の専門家も必要だと思います。

非医療・非法曹の一般ピーポーの意見でした。

>沼地さん
さらなる横なのですが(苦笑)

個人的には医療安全委員会は医学的にまっとうな医療かどうかを判断するだけの機関でいいような気もしますが。

 大綱案は基本的にそういう機関です。
 これはNo.51 an_accused さんやNo.55 ジャームッシュ さんのコメントに対する反応ですが、第三次試案では「重過失」と表現されていた部分が「標準的な医療から著しく逸脱した医療に起因する死亡又は死産の疑いがある場合」と言う表現へと変更されました。これは「重過失」と言う概念は法律上の概念であって、法律上の概念の判断についてまで安全調に行わせるべきではない、と言う批判を受けてのものです。
 したがって、大綱案では安全調は「刑事処分相当」と言う判断にまでは踏み込みませんし、過失の有無についても判断しません。これらはいずれも通知を受けた検察において判断されるものです。「表現が変わっただけでたいした違いはない」と言われればまあそうなんですが(^^;

 ただ、法曹関係者は必要です。理由の一つはジャームッシュさんの上げる理由1。
 第二に、理由2とほとんど変わりませんが、安全調の意図を正確に伝えて、検察官の過失判断の材料として使うためには結局過失論の知識を有する法曹が必要であること。
 第三に警察・検察が安全調の判断を尊重する方向に持っていけること。
 第四に組織の公平・中立性に対する国民・遺族の信頼を得るためには必要不可欠であること。
 これらを考えれば医療関係者以外の人間を入れることは絶対必要だと考えます。

>an_accused さん
 横なのですが、まず上記したように安全調は刑事処分相当か否かまで判断するわけではありません。とくに警察への通知の際に、示談の成立や遺族の希望等を考慮する旨については、なんらの規定が見当たらないことからも、刑事処分相当か否かは検察官が別個に判断することが想定されているはずです。
 その際(検察官が起訴不起訴を判断する際)に示談の有無や遺族の希望を考慮して不起訴とすること(特に報告書を民事にも使えると言うこの制度設計は報告書完成後起訴前に示談を促すことで刑事起訴を抑制することも意図していると考えます)は十分ありえるわけで、安全調の通知があったが検察官が不起訴にする、と言うのは制度上当然想定されているものであって、特段問題にすべきことではないと思います。
 もっとも、後段(遺族が捜査機関や検察審査会に向かうこと)についての問題はおっしゃるとおりであると思います。ただ、この問題を解決するのはなかなか困難でもあるかな、と言う気はしています。

>No.21 田舎の消化器外科医 様
大分遅レスですが、全医連の「医療安全調査委員会」の概要について感想を。

まず感想を一言で言わせてもらえば、余りにも盛り沢山過ぎて実現性は逆に低くなってしまっているように感じます。確かにこれが実現したら医療者サイドとしては大変嬉しいでしょう。ですがこの新設組織の影響を受ける側(法務・警察・民事賠償請求)から見れば、何もかもが安全調を通さないと二進も三進も動かない、医療界における巨大な権力機構のように見えるでしょう。それ故に反対もまた大きくて実現性が低いと思うのです。

個別に見ていくと、調査権限と刑事捜査への優越性の確保ですが、調査での強制証拠収集のために捜索や差押え令状が行使できる、ある種の司法警察権を与えることになりますね。つまりは警察や検察のの持つ強制的な証拠収集の権限を移管することになります。その上で安全調の調査を刑事捜査の前提条件にする「医療業過罪の親告罪化」を行い、かつ関係者の供述調書については捜査機関には渡さない。これだけ虫の良い内容では法務省や警察庁サイドが絶対にウンとは言わないでしょう。

また無過失賠償責任保険も厚生労働省が所管することになっいますが、その保険給付の決定は安全調が行なうことになっています。さらにはこの保険給付を受けると民事賠償請求権を放棄させられます。これもまた問題の多い提案だと思います。さらに安全調が令状による証拠収集を行なうので、民事訴訟を起こそうにも全ての医療記録は安全調が握っており、実質的に委員会の報告書しか患者側には使える証拠がありません。これは国民の裁判を受ける権利の制約に繋がる大きな問題だと思います。

いずれにせよ刑事立件も、無過失賠償保険の支払審査も、民事賠償請求に必要な調査報告書も全てが「医療安全調査委員会」を通さないと不可能に近い制度設計になっています。これでは医療安全調査委員会委員長の職にある者は、医療界のエンマ大王というか、医療界の絶対的権力者の地位に就くことになります。

あまりにも権限権力の一局集中が過ぎやしませんか。

 米国のNTSB方式でも、刑事責任不問(免責?)は慣習法みたいなもので捜査機関が遠慮しているだけですが、うまく機能している方だと思います(ベストでないにしてもベター)。日本の警察庁長官と法務大臣のコメントは、期せずして一致しているので(医療所管の厚生労働省に下駄を預ける)、木端役人の嗅覚では、水面下で省庁間の合議(あいぎ)がなされて、内閣法制局の答弁審査も経た上で、両方の組織長の期せずした答弁という感じがします(あくまで推測w)。
 なお、NTSB方式の背景にはワルソー条約以降の条約などで民事責任をエアライン(航空会社)が、それもい事実上無過失責任に等しい損害賠償責任を負っていることが無視できません。しかも訴訟社会弁護士社会の米国ですから、エアライン側も心得たもので、懲罰的損害賠償(俗にいう3倍賠償)を避けるため、遺族1家族に1人の専従担当員を置いて、遺族会というクラスアクションや集団訴訟を事実上阻止したり、遺族1家族当たり1台のリムジンを配置して接待に努め(まるで制約もとい製薬会社みたい)、訴訟外示談成立に血眼になってきたという隠れた裏面史も否定できません。
 表だって主張できないと思いますが、医療事故調のシステム設計には、このような背景も事故調査の隠れた先史として考慮しておくといいと思います。
 ちなみに、NTSBは、組織内に弁護士を一時は50人も雇って法的手続的適正を確保し(今でいうコンプライアンスとノティス&ヒアリング)、不当訴訟や不当請求に闘ってきたという隠れた歴史もあります(よその米国省庁も同様らしいです)。
 ご参考まで。さすがに弁護士社会の米国裏面史です。

さらに横レスですが、同意いたします。

医療事故の場面でも、評価の前提となる事実の内容自体が争点になっている場合が多いですから、証拠を評価して事実認定できる人がいないと判断は困難と思います。

公正取引委員会とか証券取引等監視委員会でも、刑事がらみの部署には検察から出向されてますよね。

 横レスの横レス失礼します。m(_ _)m
 告発しても不起訴になるといろいろあるらしく後で問題となってはいけないので、事前折衝として「告発検討?協議会」のような折衝を、国税庁、公正取引委員会、金融庁(証券取引委員会)と検察庁の間で重ねているとの噂です。
 そして、過去の協議の場において、いろいろ問題点が把握され、公正取引委員会に検事が出向常駐して、証券取引委員会では検事が数名も出向常駐して、遺漏なき「調査」を実施しているらしいです。
 ちなみに、米国の調査部局を抱える中央省庁では弁護士が数名〜数十名も常駐するのが普通です(検事も弁護士から選任又は選挙で選ばれるお国柄だから)。
 とすれば、日本の医療事故調も法務担当(法的手続き適正チェックマンと強制調査や取調べの手法指導)として検事が出向常駐するが、ベスト又はベターでしょう。

>医療者の方々が、医療事故調が捜査権を明確に縛るものとして実現させたいのであれば、厚生労働省医政局のレベルをターゲットに働き掛けていたのでは、百年河清を待つが如くでしょう。

 非常に大切な視点だと思います。
 これに加えて、捜査権を法的に縛るためには何よりも、安全調がしっかりと機能することを証明することが必要不可欠です。全医連の

3-2 「医療に関連した不幸な出来事の刑事訴追の為の特別法」により業務上過失致死罪(刑法211条1項前段)については、医療安全調査委員会からの「刑事手続き相当」通知及び遺族の告訴の両者を起訴要件とする、「親告罪」とする。
3-3 医療行為に関連する人の死傷の結果について、捜査機関が犯罪の疑いを抱いたときは、医療安全調査委員会に対し事件を回付して調査を依頼し、委員会の「刑事手続き相当」意見が出るまでは、捜査に着手してはならないこととする。
この主張を実現させよう、と考えるのならば、まず安全調を動かして、審査の渋滞が起きたり、報告書の内容が医療関係者にも一般国民にも信用されるものであることを証明することが必要です。
 たとえば、水俣病患者の救済のための、水俣病の認定審査手続においては、最悪期では未処理件数4171件、年間審査件数278件(1977年)と言うようなこともあったわけで、安全調がこのような事態に陥る可能性がある限り、捜査を縛る立法は当面無理なわけです。
 ですが、安全調が軌道に乗ればこういう立法も可能になる可能性があるのです(告訴権の問題はありますが)。
 いきなり百点満点の組織を求めるのではなく、しょぼくてもとりあえず動かしちゃう、と言う発想も必要ではないか、と思います。

 医療事故調の「「刑事手続き相当」通知及び遺族の告訴の両者を起訴要件とする」というのは、「親告罪(被害者等の告訴を訴訟条件とする)」という法律用語ではなくて、「医療事故調の告発がなければ検察官は公訴を提起することができない」という単に「訴訟条件」とすることになるかと思います(独占禁止法違反や議員証言法違反の訴訟条件参照)。
 ホントに法律用語の定義や解釈だけで恐縮ですが……(^^ゞポリポリ

>たとえば、水俣病患者の救済のための、水俣病の認定審査手続においては、最悪期では未処理件数4171件、年間審査件数278件(1977年)と言うようなこともあったわけで、安全調がこのような事態に陥る可能性がある限り、捜査を縛る立法は当面無理なわけです。

全面的に同意します。

処理スピードがだいぶ問題なります。
刑事にせよ民事にせよ時効があります。
刑事に至っては,確か5年です。
遺族や被害者が医療事故の届出が遅れれば,
審査期間はさらに短くなります。
これに対応するには,相当大きな組織にならざるを得ないでしょう。医師会が対応できるのかな,とも思います。

で,話はずれますけど,
医療事故による業務上過失致死傷罪について親告罪にする,というのは立法論的には,あまり理屈が立たないのかなと思います。

ご存じない方に説明すると,親告罪=告訴がなければ起訴できない(したがって原則として捜査もしない)という罪のことです。

そして,親告罪制度は,基本的に,
1 強姦罪等のように,被害者のプライバシーが深刻に問題に なる場合
2 器物損壊罪のように,一般に軽微と見られる犯罪
というものに集約されます。
ですから,医療事故を親告罪にするのは,理屈が立たないんじゃなかろうかと思います。

それに,ものすごく悪質な医療過誤であっても,被害者は死んでいて,しかも,その人が遺族もいない一人身で,その結果,告訴権者が独りもいなかったら罪を問わないってことになりますし。

この点については反対ですねえ。無茶を言うなあ,という感じです。

そもそも,医療事故の捜査は,たいがいは,告訴(や被害届)で開始するもので,告訴がない事案ってほとんどないと思うんですけどね。異常死の届出があれば,告訴がない場合でも,捜査するんでしょうけど,それは医師法の改正に委ねるべきでしょう。

何で親告罪にしたがるんでしょう?

> あまりにも権限権力の一局集中が過ぎやしませんか。

 自分もそう思います。

 ここまでやると、事故調の事情聴取に対して黙秘権を認める必要があるのではないかと考えます。それは原因究明と再発防止の大きな障害になりえます。

 事故調は少なくとも刑事手続きからは完全に分離した方が、組織目的を容易に実現できるのではないでしょうか。

 刑事手続の必要な「疑い」が生じた時点、つまりは事故調の結論が出る前、できれば「容疑者」の事情聴取前の時点で、事故調は一時的に完全に手を引き、警察に犯罪捜査をしてもらった方が良いように思います。

 ですから、その場合、警察と検察官への捜査協力は、事故調とは別の制度、できれば法医学の専門家を通じて臨床医が協力するような形を取るのが望ましいように思います。

 警察・検察官の疑いが充分に晴れた時点で事故調は調査を再開し、晴れなければ事故調が関与しない形での刑事手続に進むという方が黙秘権の問題を回避できるだけ楽ができます。

 民事については問題がやや異なりますが、無過失補償に民事の終結を組み込んでしまった方がすっきりするように思います。…具体的に実現できるスキームはいくつかあると思いますが、どれが実用的且つ可能であるのかは自分には判断できません。

よくわかりましたm(_ _)m


医療からは全然離れますけど、例えば、とある福祉施設の入所者への虐待が強く疑われる事案で自治体に調査を申し入れても、施設側がそれらの事実を否定してしまえば、役所の方々では事実の有無の判断が出来ないので処分も決められず、もどかしい思いをした・・・というようなことがあるようです。

結局、自治体の方で弁護士を入れた事実調査委員会を組織して事実認定をした・・・というような例もあると思います。

ジャームッシュ様、ろくろくび様あるいは他の多くの方がおっしゃっ
ている、予想される調査件数と処理能力の問題は医療従事者からみて
も疑問のある点だと思います。

それはそれとして、

>これに対応するには,相当大きな組織にならざるを得ないでしょう。
医師会が対応できるのかな,とも思います。

なんで唐突に医師会が登場するのでしょうか?

>あまりにも権限権力の一局集中が過ぎやしませんか。
そうなんですよね。よそから権力を集めまくった結果、安全調自体が医療警察化している感じで・・・。
 安全調自体が医療警察化している以上WHOのガイドラインと言われても、という気はします。

 でも同時にそもそも全医連は公正中立な団体ぢゃないわけで吹っかけることも必要かな、とも思います。
 まあ、ともかく昔と比べれば全医連の主張が随分洗練されてきてるな、と思うので個人的にはちょびっと嬉しいです。

> 刑事手続の必要な「疑い」が生じた時点、つまりは事故調の結論が出る前、できれば「容疑者」の事情聴取前の時点で、事故調は一時的に完全に手を引き、警察に犯罪捜査をしてもらった方が良いように思います。(No.66 rijin さま)

医師の人たちは、医療過誤が疑われた時でも、
警察はキライ、行政委員会の調査のほうがなんぼかマシと言う主張ではなかったのですか?

刑事手続きでは、黙秘権は与えられますが、反面、逮捕・勾留による身柄拘束が正当化されます。
代用監獄に23日間も留め置かれ、朝から晩まで吐けー吐けーと責められることは、私なら、絶対に願い下げですが。

う〜〜ん、個人的には安全調はあんまり壮大な組織にはなって欲しく無いというか。
法律関係は別個になって欲しい。
ただし医療側から見てこれは「とんでも医療」や「犯罪相当」って判断された後で介入して欲しい。
一緒に動くというのは、ここの議論に2、3ヶ月くらい参加させていただいて、法律って判らん!!と感じている私としては、難易度高そうって思います。(笑
両方判ってる人が全国にたくさんいればいいんでしょうが、普通に医療だけ判ってる人と法律だけ判ってる人が一緒に働くと、言葉が通じるようになるまでにも何ヶ月もかかりそう。
まあ調査に当たる人が専任ならば勉強も可能でしょうが、処理件数を考えると
無理でしょうし。
そして患者さんやご家族の気持ちの慰撫とかも完全に別にして欲しいです。
なぜなら医療側に責任があろうとなかろうと、有害事象があれば患者さんやご家族の気持ちは傷ついているわけですから、事故調査とは別に慰撫して欲しいです。
さらにシステムの専門家は個人のせいというよりシステムエラーだなという意見がでたあとで、改善案を考える際に手を貸して欲しいです。

要はいろんなことをいっぺんに解決するような壮大な組織だと、実現するのが難しいだろうし中が混乱するだろうから、コンパクトにしたほうが動きやすいんじゃ無いかと思っています。

要はいろんなことをいっぺんに解決するような壮大な組織だと、実現するのが難しいだろうし中が混乱するだろうから
そうなんですよね〜。

壮大な組織だと、行政官庁の中での異論反対論も多くなり合意が得られにくい。それに加えて余りに大きな医療界に君臨する権力機構となると、医療側でも分野や立場(診療科の別とか学会とか)ごとに利害得失が異なるから、内部での主導権争いや足の引っ張り合い(今までの事故調案でも既にこうした状況がありますが…)が激しくなって、「医療界挙げての一枚岩の要望」というアピールパワーが失せてしまう。結果として実現までに10年とか20年という長い期間が必要になるだろう。

百年河清を待つが如しと表現した所以です。

コンパクトにしたほうが動きやすいんじゃ無いかと思っています
同意です。

これから1年間ぐらいの期間で議論が収束し実現化出来るような、シンプル&コンパクトな機能と組織に絞った方が早く実現できる。まずは刑事司法とは別の、医療事故の原因究明を医療の専門家が審査する機能と機関として作れば良い。極端に言えば医療事故原因鑑定センターを作る。そして捜査当局や裁判所(刑事・民事の両方とも)からの鑑定依頼には、医療側は医療事故原因鑑定センターでの原因調査報告書以外は一切応じない。そうすれば結果として医療事故鑑定センターが刑事・民事の両面での主導権を握れる。

要は「アソコで責任無しの報告書が出たから、刑事訴追しても民事賠償請求訴訟しても無駄だ」と思わせるような権威ある事故原因の調査鑑定センターを医療側で作れば良いだけ。捜査権を制約しようとか、民事賠償請求権を放棄させようとか、強大な権限権力を与えようとするから反対が大きくなって潰されてしまう。

「シンプル&コンパクトな機能と組織」それは何か、ということを医療側でも今一度考え直すべきだと思う。

安全調の委員構成について

 一つの病院のCPCのメンバーに法曹など数名の外部委員を入れる形で必要十分かと思います。委員が多くても物事が決まりません。10−20人というところでしょうか。

 あたりまえですが自分の病院の事故調査は出来ませんから、近隣の病院同士が相互に調査することにすれば、現場の現役の専門家が比較的時間制約なく直接調査できます。同門の医師同士では、庇い合いではという疑問が医師以外から必ず出るでしょうが、院内CPCレベルの検討で庇い合いという事態は見たことがありません。(調査結果、報告書が直接刑事法廷に出るという構成にした場合は別ですが)

 安全調はいったん事が決まれば運用が善し悪しを決めるでしょう。現場により近く、迅速に対処できる。しかし、現場に負担を掛けないという方法は他に思いつきません。よりよい案があれば拝聴致します。

>>No.73 元外科医 さん
>自分の病院の事故調査は出来ません

それは全く逆だと思います。それができないのなら他院の調査はもっとできないでしょう。

出来る出来ないの「能力」の問題ではなく、医療界以外の他者から見た「信用度」とか「信頼感」に与えるイメージの問題でしょう。

>>No.74の続きです(連投失礼)。
折角作るのであれば裁判員制度のような事実審理ができない使い物にならない制度にしてはなりません。
医療行為の事実審理は、日常診療で専門医として裁量を正しく使っている者にしか判断できないと思います。医療行為の裁量の範囲には医師の間でも議論がありますから、専門医事故調の最終判断は複数の専門医が多数決で決すべきものです。

小生の書いたことはそのことです。自院の医師が委員会に参加することを禁止したつもりではありませんでした。

 返信できる範囲で書きます。

 ここが「ズレ」ですね。

 私の「私はそうは思いません。」というのは、医療行為に対する刑事処罰限定立法に限っての話です。
 念のため。
 他の問題なら、私としても法務・検察が強い抵抗を示すと感じる場合が当然あります。

「慎重姿勢(謙抑的)であること」と「不介入と決めること」は違いますよね、と言ってるわけです。

 私の言葉足らずでしたが、当然違いますね。
 但し、検察・検察の立場から、つまり法の執行者の立場において「介入しない」と言うのは、警察の立件裁量、検察の起訴裁量の問題になります。
 つまり慎重姿勢の最たるものという位置付けになります。
 感熱紙さんの「撤退」も同趣旨と思います。

 しかし、立法府の観点で、「不介入と決める」ということは、過失犯処罰規定の廃止(または訴追免責)という意味になると思います。

 で、現在議論の対象となっているいわゆる大綱案については如何お考えでしょうか。
   これにつきましては、私自身不勉強ですので、今のところ全体的な問題点について明確な答ができません。  具体的なご質問である「自らの判断が別の権威によって覆される」という問題についてですが、同様の問題は、証券取引等監視委員会や国税の査察との関係でも問題になりうるところだと思います。  検察としても、そのあたりのノウハウは持っていますので、運用の問題として対処できる部分は多いと思っています。

 過失犯は、故意犯と違って故意の自白や故意を認めるに足る情況証拠を必要としません。
 「過失犯に自白なし」という言葉もあります。
 この言葉の意味は、過失犯において「私に過失がありました。」とか「私の責任です。」というような供述は、過失認定の根拠にはならないということです。
 結局、被調査者が、どういう状況において、どういう行動を取って、その結果どうなったのか、ということが明確であれば、過失の存否の判断は、今回の大野病院事件判決に従う限り、それほど齟齬しないだろうと思います。
 というか、この部分は検察としては医療側の意見を尊重することになるだろうと思います。
 もちろん、判例の考え方についての共通理解があることが前提になりますので、安全調のメンバーの中に法曹が参加することが必要になると思います。
 そして最終判断は、検察ではなく裁判所に委ねられるべきものでしょう。
 裁判所が安全調と別異の判断を示せば、安全調が感覚の修正を図るべきものと思います。

 問題は、「どういう状況において、どういう行動を取って、その結果どうなったのか」という外形的事実関係に関する証拠が十分でない場合です。
 これは、検察の領分の問題です。
 この点についての共通認識を得るためには、証拠関係に関する安全調と検察との事前協議を行うことが考えられます。 

 裁判所や検察庁などにも同じ問題がありますが、裁定機関というものには、「実際に公正である」ことと同程度に、「公正であるように見える」ということが求められます。

> 刑事手続きでは、黙秘権は与えられますが、反面、逮捕・勾留による身柄拘束が正当化されます。
> 代用監獄に23日間も留め置かれ、朝から晩まで吐けー吐けーと責められることは、私なら、絶対に願い下げですが。

 実務がはじまると、厚労省が関与する限り、けっきょく事故調も同じ事になります。刑事手続の必要が濃厚な局面になれば、そして勾留が必要ならするでしょう。

 厚労省からの出向者が医療機関関係者を全く任意の事情聴取で自殺に追い込んだ事例もあります。

 厚労省は強制力という権力に溺れていると言って過言でありません。

 委員会でいずれ行われるであろうピアレビューの実務って結構大変です。医療内容に対する追究が厳しすぎればけんか腰になる可能性もあるし、甘ければかばい合いと言われる。狭い領域の専門家同士だけのピアレビューでは同席の他科医師やまして法曹人や一般人ではついていけない。事前の資料の準備やメンバーの時間調整など事務局は過労死予備軍になりそうです。
 想定しただけで頭がSAHになりそうw

 医師の方にお尋ねしますが
 問題となった医療行為が、臨床に携わる医師がその場面に直面した場合、ほとんどの者がその基準に従った医療措置を講じているといえる程度の一般性、通有性のある医学的準則に反しているかどうかの判断というのは、それほど難しいことですか?

ほとんどの者がその基準に従った医療措置を講じているといえる程度の一般性、通有性のある医学的準則に反しているかどうかの判断

これは比較的容易だろうと考えています。その判断が出来れば、事故調の案件のうち、刑事手続き相当意見を付すことになるのは、いわゆる「医師の殆どがそれはいくらなんでもだめだろ」というもののみになるレベルにならないかと考えています。

 モトケン先生、こんにちは。

 難しいもののようです。

 現に、大野病院事件の判決後も医療従事者のML等で、無罪となった元被告の医療行為が不適切であったと主張し続けている産科医師がいます。

 既に多数意見ではないと思いますが、こういう人がいる限り、常に判断に疑いが突きつけられ続けることになるからです。

医療行為によりけりではないでしょうか?


点滴を患者を診察する前から作りおいて、しかも2〜3日、常温でころがしてたらアウトという人がほとんどでしょうが、福島の件なんかは産婦人科の先生じゃないと判断できなさそう。

単純なミスはやった人に問題があるか、システムに問題があるか意見分かれるかな?

あとはその施設での限界というのをどう判断するか?

う〜〜ん....

「問題となった医療行為が、臨床に携わる医師がその場面に直面した場合、ほとんどの者がその基準に従った医療措置を講じているといえる程度の一般性、通有性のある医学的準則に反しているかどうかの判断」というのは、少数意見が存在していたとしても、多数意見はどうなのか、どの程度多数と認められるかという検討によって判断可能だと思うのですが。

 臨床例を収集できるシステムの構築は困難でしょうか?
 臨床例がないならないで刑事事件としての過失判断は消極判断(指摘した判例論理に関する限り)になりますので、調べたけど見あたらなかったということが説得的に言える程度のシステムで良いわけですが。

No.83 田舎の消化器外科医さまに一票

ほとんどの者がその基準に従った医療措置を講じているといえる程度の一般性、通有性のある医学的準則に反しているかどうかの判断
これが難しい場合があると言う方は具体例(架空例でも)を示して欲しいくらい。

全医連試案がこのような制度設計に至った経緯を私なりに考えてみました。(全医連の見解でなく私見です)

モトケンブログで、過去に法曹と医療側が概ね合意したことに、「トンでも判決の原因はトンデモ鑑定」ということがあります。そこで、法務業の末席さんが書かれたように、

「医療事故原因鑑定センター」
のようなものが必要という考え方が1つ。

そこに、大野病院事件の経験から、「不当な刑事司法の介入を防止するための仕組みが必要」という点から、親告罪を導入。

これは、事故調査組織と、処罰組織を完全に別にする(民主案等)と、事故調の調査と全く独立して刑事立件が可能となることがあります。

警察が、証拠類を先に押収すれば、委員会は実質的に原因究明が不能となる。また、警察を待たせるからには、ちゃんとした調査能力を持つ必要があるから、ある程度、強制力を持った調査が可能となる仕組みを考えました。これは、捜査のノウハウを持った方々の事故調への参加が必要となると思っています。

安全調自体が医療警察化している以上WHOのガイドラインと言われても、という気はします。

医療事故の調査は、専門家が担当しなければ真相究明は困難というのが医師の間で言われていたことだと思うのですが。また、医師が調査すればこそ、WHOガイドラインの精神が尊重されると思います。

この試案は、医師に権限が集中する代わりに、医師の自律、自浄作用が問われる形の医師への問題提起であり、刑事訴訟法改正に踏み込み、事故調問題を、厚生労働省マターから、法務省や内閣府まで、最終的には立法府までを巻き込む議論にするものです。

事故調大綱案推進論者からは、「反対するなら対案を出せ」といわれており、全医連試案は対案としての提案です。骨子案自体も変遷しながら現在の形になりましたので、現在作成中の本文に皆さんの意見も取り入れることが考えられます。建設的なご批判を御願いするとともに、制度設計について目からうろこの提案があれば、ご意見をいただけますと幸いです。私の勉強不足かもしれませんが、いままでの大綱案反体声明に関しては、具体的な制度設計の全体像の提示がされていないと思います。

尚、業務上過失致死罪自体が廃止されれば、もっとシンプルな仕組みとなると思います。

どうして裁判官が、当事者の上告理由書の作り置きに異議を唱えるの?どういう訴訟準備をしようとさらみの勝手じゃない!

あと、対立しているというか意見が分かれている対処法とか
学説というのは無いのかな?
考古学の検証や経済学の分析でも往々にして分析や対策は分かれるものです。、医学の進歩に
伴う新しい対処法みたいに検証が難しいものもあると思う。
安全調にそこまでの絶対決定権をもたせることは実際に可能なの
かな?という想いがあります。


また安全調には、「何ヶ月以内に」みたいな時間的制約が設けら
れると判断が下せないケースもあるのではないでしょうか?
かといって調査に何年もかかると被医療側からも不満がでる
ような気がします。

 補足です。
 多数意見というものの存在が認められないならば、少なくとも、問題の医療行為が「多数意見に反しているから過失がある。」とは言えないわけです。

しかも単なる多数意見ではなくて、大多数意見ですよね。

自分で具体例を出してしまうのはなんですが、癒着胎盤において検察が主張する方法(子宮摘出)でも産婦を救命できなかった事例がありますが、この事例は

ほとんどの者がその基準に従った医療措置を講じているといえる程度の一般性、通有性のある医学的準則に反している
と言えるのでしょうか?産科医の見解は?

 治療法や診断法が確立していない領域などいくらでもあります。例えば遺伝子治療とか、移植などといった医療では、ほとんど人体実験に近いものがあります。これらでも患者の自発意志による同意がきちんとあれば、犯罪には問われないので、大学病院などの先進的な部分では過失犯罪と言った問題が起こりにくくはなるように思われます。当然ですが院内の倫理委員会などはパスしていなくてはなりません。

>元外科医さん

ご教示ありがとうございました。

>>患者の自発意志による同意がきちんとあれば、犯罪には問われないので

 この部分で患者の同意と過失(故意含む)は関係無いように思うのですが
私の理解不足でしょうか?

 特に臓器移植などの場合、特に被医療者には分かりにくい部分で
もありますので。
 
極端に言いますと、患者のその手術(治療法)に対する同意書があれば
安全調の調査外になってしまうような感じだと違和感を感じ
るのですが、どうなんでしょう。

 議論の流れをぶった切っているかもしれませんが、医療
以外でも損害賠償が絡む場合、同意書というのは結構大きな
意味を持つと思いますので、お手数をお掛けしますが教えていた
だければと思います。
 

> 臨床例を収集できるシステムの構築は困難でしょうか?

 何らかの形で論文や学会発表の形になっているものであれば、臨床例を収集・検察する文献システムは既にあります。日本語では医学中央雑誌、英語ではアメリカのMed-line等が著名です。

 他、がんや外傷等、病気別に作成されている疾患登録データベースが都道部県別、医療機関別等々、何種類もあります。

 これらデータを集積して、その反証可能性を軸にランク付けして治療方針などを決定していくのがEBM:evidence based medicineであり、これが疾患別に作成されると治療指針やガイドラインと呼ばれます。

> 臨床例がないならないで刑事事件としての過失判断は消極判断(指摘した判例論理に関する限り)になりますので、

 EBMは刑事過失の認定に於いて確かに有効かも知れません。

 論文の形になっていれば、多くは掲載前に査読者のチェックが入っていますから、あまり根拠のない主張を断言することはできない仕組みになっています。

 ただし、試行錯誤と議論(controversy)が続いている領域でも、わからないものはわからないとする論文ばかりでなく、査読によるチェックのない雑誌論文や症例報告では、確たる根拠もなく自分の考えを強烈に主張して他を認めないというものが掲載されてしまうことがあります。

 この場合は論文だけ列べても判断はつかず、現場の医師が「自分だったらどうするか」をどうやって決定しているのか、その仕組みに近いものを作り上げる必要があります。

 さらに別に、論文等の形になりにくいタイプの医療行為や意思決定があり、これはお考えのようなシステムには馴染みません。

 それでも、刑事過失の認定においては、一定の限界はありつつも、有効な基準のひとつになりうるであろうと思います。


 他方、No.93 元ライダー(開業医)先生ご紹介の事例については、むしろ現在、刑事罰に問われる危険が高まっていると考えます。この事例もまた、ある意味では「医学的準則に反している」と主張される可能性があると考えるからです。

 実際には、この場合も含めて、「医学的準則」があるような場合はむしろ少数であって、また、現在有効と考えられている「医学的準則」も、来年にはどうなっているか判ったものではありません。

 お考えのシステムは固定的なものでは存在しえず、常にデータが追加されつつ、一種のTime Machine付きのシステムとして設計される必要があります。医者は通常、論文の日付でそれに相当する作業を行いますが、特に近年に新たな論文の発表がなかった場合、どの発表済み論文がdominantなのかをシステムだけから読み解くのはやはり無理のある場合があります。それは各論文の考察部分を比較検討することになります。

 その評価は、研究者には無理で、臨床医の介在が不可欠と思います。

 となると、結局は人の問題になり、圧倒的少数意見であってもある程度は合理的に見える疑いが差し挟まれると、民事過失の認定では特に、判断の根拠が失われてしまいます。

 特に医学会内部の庇い合いという印象付けが行われると、真実の追究とはかけ離れた判断が下される可能性を排除できません。

 医療以外でも不動産や保険など膨大な説明と同意が必要なご時世ですね(笑)
 特にリスクについての同意はどんな場合でも後から、消費者側(つまりシロート)がそんな危険があるとは理解できていなかった。それほど危険だと判っていたら契約しなかったと言う理屈が認められやすい気がしています。裁判実務をやられている常連さんであればそこのところをよりよく解説可能かと。

 医療に関して言えば保険や不動産以上に不確実なものなので危険がありすぎ(^^;)ですから、説明し過ぎると医療は全く受けれなくなる気もします。

 
 刑事罰については自発的に同意があれば。謙抑的に運用されると、同意の範囲内であれば死亡を含めて正当行為だと思いますが、法曹の方いかがでしょうか。

高度な医療の事前説明と同意(インフォームドコンセント)と安全調での調査報告書との相関ですが、私は次のように考えます。

まず、その医療行為における「予測されるリスク」を医療者が事前に説明し、その説明された「予測されるリスク」を患者側が受け入れて納得(※)しているかどうか、これが問題の本質だと思います。
※:医学的に正しく理解しているか否かとは別、予測されるリスク(危険の度合)を承知しているか否かです。

いくらインフォームドコンセントに時間と手間を掛け、その上詳細な文書に合意の署名を貰っていても、医療側が事前説明した「予測されるリスク」に想定の漏れがあり、その想定から漏れていたリスクが具現化して不幸な結果が生じた場合、これは有責でしょう。

例えば「麻酔を掛けて治療しますから、痛くないから大丈夫です」と説明したい状況があると仮定します。この時に、どんなに注意して麻酔を施術しても麻酔によるショックを引き起すことが、千分の一とかの僅かな確率だが皆無ではないことを説明していて、実際に不幸にも麻酔ショックが生じた場合。

もう一つ同じ状況で、説明する医療者自身が麻酔によるショックが生じるリスクを失念していて、何も麻酔ショックのリスクを説明しなかったところ、不幸にも麻酔ショックが発生した場合。

この二つの想定を比べてみると、私の考えでは前者は医療者の説明には瑕疵(落ち度)が無く、説明責任という面では無責と思いますし、後者の事例では文書による説明に患者の署名を貰っていたとしても説明そのものに瑕疵があって、その説明不足の落ち度に対する責任は生じるでしょう。

医療安全調査委員会の調査報告でも、このように考えれば良いのではなかろうか。

「医療事故原因鑑定センター」は事故回避策提案センターにもなりうるわけで魅力的だとは思いますが、どの程度の「診断力」があるのか未知数なので、運用を急いでほしいとは思いません。

まずはテストセットのようなものでどの程度のことができるのか試してほしいと思います。

既存の症例(症例発表になったような診断や治療に困難を極めた症例や、実際に訴訟になってすでに決着がついている症例など、、使いにくいことはわかってはいますが)あるいはうまく作った実在しない症例を用いて原因鑑定と回避策提案を試みます。

できれば、3チームぐらいが独立に同じ症例を検討し、鑑定結果と回避策提案を審議過程とともに発表します。司法にゆだねるべきか否かについても発表してもらいます。誰に見せるかも難しいですが。

内容が適切かどうか多く医師その他のふさわしい知識判断力を持った人がそれを評価します。当然各チームにどの程度のブレがあるか、それが許容範囲か否かは重要なポイントです。

まさか三者三様の結論では、これに三審制がいることを示すようで、実際の稼動は時期尚早ということです。

逆に、このテストセットを5から10セットぐらいやってみて、司法を含めて多くの有識者が、なるほどそうかと、納得する内容でしかもチーム間でもぶれの無い結果が出れば、その後の運営に、予算のつき方なども含めて、高いポイントになるのではないでしょうか。

医師、患者さん、司法が納得すれば言う事なしです。

No.97 元外科医 さま

 刑事罰については自発的に同意があれば。謙抑的に運用されると、同意の範囲内であれば死亡を含めて正当行為だと思いますが

一般論としてはそのとおりなのですが(「危険の引き受け」と呼ばれます)、まさにその死が「同意の範囲内」だったのかが問題になります。

 リスクについての同意はどんな場合でも後から、消費者側(つまりシロート)がそんな危険があるとは理解できていなかった。それほど危険だと判っていたら契約しなかったと言う理屈

は、民事に限りません。
遺族が納得いかなければ、今のシステムでは刑事告訴へ持って行くことを阻止できません。
そして受理されれば、警察は捜査(担当医に対する取り調べを含む)をせざるを得ません。
結局は、ICが直接問題にならない医療事故(業務上過失被疑事件)と変わらなくなります。

 医療に関して言えば保険や不動産以上に不確実なものなので危険がありすぎ(^^;)ですから、説明し過ぎると医療は全く受けれなくなる気もします。

「どっちを選んでも負けだけど、うまく賭ければ負けの程度は軽く済むかもしれない」 というギャンブルなのだということが理解されない限りは、起こり続ける問題なのだろうと思います。

>また安全調には、「何ヶ月以内に」みたいな時間的制約が設けられると判断が下せないケースもあるのではないでしょうか?
>かといって調査に何年もかかると被医療側からも不満がでる
ような気がします。

死亡あるいは重大な障害の原因を調べ再発防止策を提案するには時間がかかるかもしれませんが、
主治医の判断が妥当であったか、あるいは犯罪的ではないといえるか否かについては、問題になっている症例で医師が実際に使えた時間程度を(一人の審査官の)判断の制限時間にすべきだと思います。

手術中のその場での瞬時の判断の妥当性を問うのであれば、審査員がせいぜい数分で判断すべきでしょう。(大野病院のケースでいえば胎盤をはがし続けるか、子宮摘出に写るか否かなど。臨床経過を理解するのにかかる時間を含めても治療方針の決定に1時間はかからないかもしれません。状況がわかった後も数分で答えられないならその審査員は術場でフリーズしたことになります。その間に何リットルか出血します。)。上の投稿で書いたテストセットで調べることができると思います。

論文読んだり、みんなと相談して主治医の診療の妥当性を判断するのは、同じことが主治医にも可能であった場合だけ許されるというのが私の考えです。(大野病院のケースであれば、癒着胎盤か否か、大学病院に送るべきか否かの判断など)

そう考えると、患者のご遺族に主治医の判断が妥当であったかどうかだけは、早めに判定できる仕組みを作れるのではないでしょうか。

再発防止案は、システムやヒューマンエラーなども含めて、じっくりと検討し提案してもいいんじゃないかと思います。学会のシンポジウム、パネルディスカッションでやってもいいぐらいだと思います。

>内科の医者さま

丁寧な解説ありがとうございました。

>そう考えると、患者のご遺族に主治医の判断が妥当であったかどうかだけは、早めに判定できる仕組みを作れるのではないでしょうか。

これは、医師の方にとりましても良いことだと思いますし、今回
の安全調設置のひとつの課題のように思います。

No.101 内科の医者 さま

手術中のその場での瞬時の判断の妥当性を問うのであれば、審査員がせいぜい数分で判断すべきでしょう。

というのは現実的には無理だし、かえって不当だと思いますが(焦って出した「かっ、過失あり!」という結論が不適切である可能性が飛躍的に上がってしまいそう)、「そういう状況下での判断だったこと」を評価の前提にすることは必須だと思います。

よく私も他の方も言っていますが、「クイズ・タイムショック!」の状況で何点くらいとれるのが標準なのか、という基準でないと駄目なはずです。
が、その観点がすっぽり抜け落ち、「100問中何問正解か」ではなく「(他の99問は無視して)この問題を解くことができたかどうか」について、しかも時間無制限の前提で考えているのではないか、と思わされる例が散見されます。トンデモ判決と呼ばれているものには。

医療側が事前説明した「予測されるリスク」に想定の漏れがあり、その想定から漏れていたリスクが具現化して不幸な結果が生じた場合、これは有責でしょう。

法務業の末席さんが書かれているような「予測されるリスクを全て説明すること」は、「あらゆる疾患に(過失レベルの過誤を設定するための)ガイドラインを作ること」と同様実現可能性が極めて低いと思います。

死亡など重大な有害事象の説明だけとしても、どのくらいの頻度のものまで説明すれば、無責となることを想定しているのでしょうか。

(幽門側胃切除術の死亡が500人に一人、抗生物質によるアナフィラキシーショックは通常数万分の1、CT用造影剤のショックによる死亡は40万分の1。上部消化管内視鏡検査の死亡率は80万分の1などは、私も説明しています。)

例に挙げられた、局所麻酔薬の添付文書を例示しますが、
挙げられている副作用は少なくありません。

例えば、指を怪我して縫合が必要となったとき、処置そのものの合併症以外に、使用薬剤による有害事象を全て説明し同意書をとり、処置後にさらに内服薬を出すのであれば、抗生剤、消炎鎮痛剤、胃薬などの副作用につき、それぞれ添付文書に書いてあることを全て説明し、同意を得てから、処方することになります。

一人の患者さんの診察に一時間でも足りないかもしれません。

・「医学的準則」があって
・その「医学的準則」に基づいてほとんどの医師が医療行為を行っている

これに反した場合、刑罰に問われる可能性がある

ということですから、

「医学的準則」があるような場合はむしろ少数であって
ということならば、多数は「医学的準則」がないわけですから刑罰に問われようがない、と解釈しました。
「医学的準則」も、来年にはどうなっているか判ったものではありません。
この点に関しては現状どおり、事案の発生した時点での「医学的準則」(それが存在したら)のみを考慮すればいいのでは。

なお、No.93で示した事例については産科医でない私には判断がつきかねます。ただ、捜査機関が医療に介入した混乱期に起きた事例ということは考慮されるべきと思います。

ということならば、多数は「医学的準則」がないわけですから刑罰に問われようがない、と解釈しました。

医学的準則がないのに、なぜその治療を施したのか、根拠が問われるとは思います。「医学的準則」がなければ刑罰に処せないのであれば、やりたい放題になってしまうリスクを考えてしまいます。

「どっちを選んでも負けだけど、うまく賭ければ負けの程度は軽く済むかもしれない」 というギャンブルなのだということが理解されない限りは、起こり続ける問題なのだろうと思います。
安全調ができて、そして権威、信用力をもってくれば、患者側の不満もある程度は抑制できることを期待するしかありませんね。

安全調が中途半端で刑事司法が謙抑的だと、死んだ患者の遺族が復讐行為に及ぶ虞も出てきます。(^^;)

死の受容も日本人の教育には必要だと思います。トピズレですみません。

医療行為の事実審理は、日常診療で専門医として裁量を正しく使っている者にしか判断できないと思います。医療行為の裁量の範囲には医師の間でも議論がありますから、専門医事故調の最終判断は複数の専門医が多数決で決すべきものです。

仰る事はまことにごもっともなのですが、それを許容するのであれば、大野病院事件に関しても、いわゆる「事故調査」は警察や検察だけが判断する事を許容する事になります。

つまり「捜査行為の事実審理は、日常業務で専門捜査官として、裁量を正しく使っている者にしか判断出来ない」という事になり、検察・警察など、身内のもの以外は調査や判断に参加出来ないという事になるかと考えます。

横からで済みません
ぼつでおk(医) さん は「医療行為の・・・」その専門性や不確実性の話だと思うのですが。
しまさん は 違う読み方をして居ませんか?

 念のためにコメントしますが、大野病院事件の判決は、多数説がない医療行為は過失犯として処罰できないと言っているわけではありません。
 きちんとしたリスクコントロールを要求していると読めます。
 但し、リスクのある医療行為をするなと言っているわけではありません。
 医療行為にリスクはつきものであるという認識はもっています。

はじめまして。
トラックバックさせてもらった者です。
個人的には医療過誤の刑事罰は、死傷させてしまったという事実とその医療が正しかったという事実別々なんじゃないかなと思います。前者は罪名に反映し、後者は刑の重さに反映するので無罪という事は無いんじゃないかなと感じます。医学的には後者が正しいと思うのですが、まだ未開拓な領域なので絶対がない以上、罪は受けざるを得ないのではないでしょうか。

医療事故の調査は、専門家が担当しなければ真相究明は困難というのが医師の間で言われていたことだと思うのですが。また、医師が調査すればこそ、WHOガイドラインの精神が尊重されると思います。
 もちろん、真相究明のためには医療の専門家が調査すべきですし、WHOガイドラインの精神も専門家が調査するほうが尊重されます。

 ただ、骨子案では安全調の通知を起訴要件とするなど、安全調の判断は刑事処分がされるか否かを大きく左右することになります(ちょっと話がそれますが、私は、骨子案を前提にした組織を作るのならば証拠収集の際の令状主義(憲法35条)、黙秘権の保障(憲法38条)がなければ憲法違反になると思います)。WHOのガイドラインは刑事罰の威嚇の下では真実を語ることが期待できない、と言う点に着目したものである、と理解しています。(大綱案にも同様の問題がありますが)刑事処分相当かどうか判断する閻魔大王(@法務業の末席さん)である安全調の調査において、「あー、やっべーなー。本当にあったことを正直にしゃべったら、もしかしたら刑事処分相当って判断されるかもしれないなー」と思っている医師がどこまで素直に真実を話すか、と言う問題がどうしても骨子案には出てくるはずです。
 ただ、私はこの点については本音ではあまり異論はありません。そもそもWHOガイドラインの提言を、そのまま日本で制度化することには批判的なので。ただ単に骨子案はWHOガイドラインに沿ったものとまではいえないだろうな、と思っただけです。
 むしろWHOガイドラインの考えに親和的なのはNo.66 rijin さんの考え方だと思います。(この点についてはすでに私とrijinさんの間でやり取りがありました(あらためて医療崩壊について語るエントリ米欄6、9、27、31、43、66、83、94、99、102))

まず最初に、これは言い訳と受け取る方もいらっしゃると思いますが、念のために申上げておきます。私は先のNo.98投稿の冒頭に「私は次のように考えます」と書きましたように、あくまでも私個人の考え方であって、法律的な解釈が正しいかどうかは断言できません。無責任に聞こえるかもしれませんが、私の法律知識では確定的に断言する自信がないのです。

ですが私の自分の仕事(社会保険労務士)として依頼者に説明をしておかなければならないとき、依頼者に説明を求められたときは、想定できるリスク(私の仕事の場合は法的不利益を被るリスクになりますが)を全て説明するように心掛けていますし、説明することを信条としています。

こうした私の信条のために、私の説明は非常に長くくどいことで評判で(別の表現では悪名が高く)、年金相談などでは1人の相談者に3時間とか5時間掛けることも稀ではありません。(それだけ時間を掛けても相談料は1件5千円ですので、儲かりません) また諸手続の代行の依頼者には最初の打合せの文書記録から、行政官署に提出した全ての文書のコピー、さらにはそれぞれの手続書の法律的な意味を解説した説明文など、数十ページから場合によって厚さ数センチの依頼人控えのファイルを作成し、手続代行が完了したときにお渡しします。

こうした仕事の方針の結果、私自身は30分刻みの予約のように時間の制約が厳しい、行政の無料相談会のような仕事は現在は引き受けないようにしています。現在はある金融機関の年金相談の契約もありますが、お一人様2時間の時間枠を貰えるようにお願いしてご理解頂いています。1人2時間ですので、原則的には午前に1人、午後に1人か2人しか予約を受付けないようにその金融機関の担当者にお願いしてあります。

でも全ての相談者に何時間も掛けるわけにはいきません。そこでそれなりに説明時間を端折る工夫も必要になります。私は自分で報酬という稼ぎがかかったプロとして何百という依頼者と面談して来ましたが、その経験から初対面でも15分も会話をすれば、その相談者が既に持っている知識や理解度のレベルが推し量れると自負しています。そうした「この程度のことは説明するまでもなく知っている」と判断した部分は詳しい説明を端折ったり、手持ちの解説パンフを「読んでおいて下さいね」で手渡して済ますことは日常茶飯事です。

ただし何処の説明を端折り、何処をトバして解説するかは、全て私自身の判断であって、聞いている依頼者の責任ではありません。すなわち文書を手渡したから、説明を聞いて納得したという証拠に署名を貰ったからといって、自分の為した説明行為の責任が免れるとは夢ほども思っておりません。

説明を端折ったのは自分の判断ですし、この程度は常識として知っているはずと判断したのも自分の責任だ、その説明の至らなかった部分で依頼人とトラブルになったらそれも自分の責任である。私は日々このような思いで仕事をしています。そうした個人的信条を医療での説明責任に置き換えた話をしたのが、先の93投稿です。

このように説明すれば法律的に責任は免れるが、こうした場合は法律的な責任が生じる、これは法律解釈として間違いないことですと断言する意味で書いたコメントではありません。また私の仕事の進め方をそのまま安易に医療現場での説明に置き換えた例示をしましたが、医療現場では私のように説明時間をどの程度確保できるのかという違いもあると思います。そうした医療者との違いをわきまえずに私の個人的な信条を書いてしまったことは謝らなければならないと思います。

こうした点をご理解頂ければと思いますし、また私の常として大変にくどく感じられる長い説明になりましたことを、重ねてお詫びいたします。

rijinさまへのレスでしたが誤解を招く表現でした。m(_ _)m
『医療行為の多数は「(唯一の)医学的準則」がないわけですから、「(唯一の)医学的準則」違反を理由に刑罰に問われようがない』
という意です。

唯一の「医学的準則」がある場合は少なく、複数の「医学的準則」があるのが実際です。そのどれにも反していれば常識外れの医療行為となりますから加罰可能性ありと思います。
(複数説があったとしても、さらにそれから外れていれば×)

その場合も×な医療行為であるか否かの判断は容易だと思います。
(つまりは常識外れの医療行為かどうかを判断できればよいということかな)

専門の事は、その道の専門家でしか評価出来ないという趣旨だと受けとりました。医療に関しては、医師を中心とした医療従事者でしか評価出来ないというのは当然の事です。

そうであるのならば、捜査に関しては、捜査の専門家である警察や検察でしか評価出来ないのではないのかと思いますが、それは時として、他者の目には「かばい合い」と写るかも知れません。調査結果が警察や検察の「かばい合い」に見えた時、それを受け入れる事が出来るでしょうか、と言う問いかけです。

まだ未開拓な領域なので絶対がない以上、罪は受けざるを得ないのではないでしょうか。

という対応を続けると、「絶対がない未開拓な領域」を手掛ける医師はいなくなってしまう可能性が高いと思う人がこのブログの参加者には多いように思います。

geulさまは、その可能性は高いと思いますか。
あるいは、「絶対がない」ことなんて誰もやらなくなるほうが世の中のためだ、というお考えでしょうか。

また、質問が続いて恐縮ですが、「医師が死傷させてしまった」の線引きはどこでされますか。「医師が有罪」よりも手前の判断の、「医師が『死傷させた』といえる場合がどこか」の問題として。

A 交通事故により瀕死の重傷の患者が、救急車で搬送中に死亡
B 搬送されてきて、緊急手術を行おうとしたが、手術に入る前に、病院到着後10分で死亡
C 手術中に死亡
D 手術により一命は取り留めたが、翌日に死亡
E 手術後1週間後に死亡

意図を誤解していました。申し訳ありません。

私が考える微妙な例としては

1.ブラッドパッチ療法
2.創傷治療

と言う辺りでしょうか。

死の受容も日本人の教育には必要だと思います。

 トピズレへのレスで恐縮ですけど、国民は死を受容していないと言えるでしょうか。
 小倉弁護士のエントリによると、

平成11年〜16年の医師の人数は概ね平均26万人で,この間公判請求がなされたのは20件ということですから,年平均でいうと,公判請求されたのは概ね全体の0.0015%ということになります。

 とのことです。
 (エントリで語られている交通事故との比較はさておき)直感的には公判請求は非常に少ないと感じますし、この状況で、患者による非合法な「復讐」行為がないことを思えば、国民は死を受容していると言えるようにも思います。
(「日本人」と言う言葉を使うと、外国人と比較したくなりますので、「国民」と言う言葉を使いました)

 刑法の違法性阻却事由である「許された危険」を調べてみてください。m(_ _)m このブログの過去ログに私が何回かコメントしていると思います。

「死を受容する」と「処罰されないなら私刑・復讐に出る」との間に排中律は成立しないように思うのですが。

「告訴不受理や不起訴処分にはまったく納得していないが、自分の手で復讐することまではできずにいる遺族」は皆無でしょうか。
そのような遺族も「死を受容している」と呼ぶのであれば、「受容」の定義について再検討が必要でしょう。

ろくろくびさまの理解は概ね私の見解と変わらないと思います。全医連試案は、WHOガイドラインに沿ったものではなく、あくまでもその精神を尊重しつつも日本の法制度に従うほかありません。

骨子案の中には明示されておりませんが、作成中の全医連試案本文では、調査委員会は「裁判所の発行する令状に基づき強制的に資料収集を行う」が、「関係者は証言を強制される訳では無い」(黙秘権の確保)としていたはずです。

(また、刑事手続き相当意見を付す時、本人の証言は証拠として提供しないと規定しています。)

黙秘権を認めることは、真相の究明という点からは遠ざかりますが、業務上過失致死罪が存在する日本に於いては、越えられない壁と考えています。

繰り返しになりますが、真実究明、再発防止に特化した機関が設立されても、現時点での司法制度が存続する限り、別個に刑事立件される可能性が常に残っているわけで、我々が2000年以前のように、刑事罰を恐れず医療行為を行える環境が手に入る訳ではありません。

「死を受容する」と「処罰されないなら私刑・復讐に出る」との間に排中律は成立しないように思うのですが。
 この指摘はその通りですね。  No.107の元外科医さんのコメントに「復讐」と言う言葉があったので、レスの流れでそれを引用したのと、「死を受容できないことの結果の現われ」として、復讐はイメージしやすいこともあり、こういう表現をしました。  正直、そこまで厳密に言葉遣いを考慮していませんでしたが、一般論としては別に通じるかなと思っています。

 真実発見のため偽証罪の制裁下で本人供述を強制するけれど、得られた本人供述は刑事裁判の証拠能力を失う、という「証拠禁止という免責特権」の付与という考え方もあることをお忘れなく。ご参考まで。

「一般論」という意味では、「受容」という語は、「泣き寝入り」や「渋々」ではなく、安らかに受け入れているというニュアンスが込められて使用されることのほうが多いように思います。

ので、「医師への復讐のニュースが少ないこと(「ない」と断言する根拠はお持ちですか?)」 をもって、「国民は死を受容している」 というのは飛躍と感じた次第です。

免責と供述強制は外国の制度ですね。日本では刑事訴訟法を改正したら可能になるのでしょうか。

 というか証人供述強制の例外が、憲法上自己帰罪拒否特権で、刑訴法上は、自己又は一定範囲の親族の帰罪証言拒否権です。まず憲法違反とならないためには、供述強制証拠の証拠能力を否定しないと、そもそも供述強制ができないので、話が進まないと思います。
 それでも、自己の行為で罪となり得る事実の証言強制は、証拠の取扱い問題以前として、証言強制それ自体が違法違憲という学説も存在するからです。

「一般論」という意味では、「受容」という語は、「泣き寝入り」や「渋々」ではなく、安らかに受け入れているというニュアンスが込められて使用されることのほうが多いように思います。
 安らかでも、渋々でもないと思います。  ニュートラルに、文字通り「受け入れる」のが一般的な言葉の意味だと思います。
医師への復讐のニュースが少ないこと(「ない」と断言する根拠はお持ちですか?)」 をもって、「国民は死を受容している」 というのは飛躍と感じた次第です。
 繰り返しになりますが、No.107の元外科医さんのコメントに復讐との言葉もありますし、レスの流れを考えても特段飛躍したコメントとは思いませんが、fuka_fukaさんがあくまで「飛躍だ」とおっしゃるなら、それを躍起になって否定しようとするつもりもありません。

 

「ない」と断言する根拠はお持ちですか?

 自分が見聞きした報道や伝聞の限りでは記憶にないという意味で「ない」と表現しました。
 したがって「ない」と言い切ったのは言葉遣いの正確さに欠けていましたね。

fuka_fuka様へ。
 ちょっと箇条書きに見えるかもしれませんが下のようにまとめました。
>>、「絶対がない未開拓な領域」を手掛ける医師はいなくなってしまう可能性が高い
 私も医療過誤訴訟によって、特定の医療行為のみなら医療そのものが消極的になり得ると感じています。また、医療サービスの消極化は、司法の市場介入が引き起こすものだと感じるので、司法がどの程度介入できるか問題視しています。しかしながら、被害者感情からすると、患者の望みを絶ってしまったという事実は何ら変わらないので、その責任は避けられないと感じています。なので、微量なりとも罰は与えるべきだと感じます。

>>医療過誤の境目
 救急患者の受け入れるかどうかの病院側としての判断なので、Bから問われていくと思います。具体的な理由についてはこのURLに記載してあります。
 無罪があり得ないという理由については、被害者側の立場に立ったときにそう思いました。微量なりとも罰して欲しいです。

>田舎の消化器外科医様

全医連の新安全調(事故調)の提案ですが、理想を追い求め過ぎ、欲張りすぎではありませんか。

先の福島地裁判決を受けた検察(法務省)&警察庁サイドは、安全調(事故調)が作られたならば、その報告書で問題ある医療行為で刑事立件もやむを得ないと判断された事例以外、積極的に刑事捜査の対象としないと「口約束」している訳です。

確かにこの口約束、法律的な規範性をもって刑事捜査当局を縛るものでは無く、将来の世論や捜査当局の考え方の変化次第によってはホゴにされる恐れがあることは認めます。ですがこれから2年や3年のうちに謙抑的という方針が全面的に変わり、この口約束が全くカラ証文になって、医療過誤の疑いで医師がドンドン逮捕されたり刑事訴追される事態はちょっと考えられません。

であるならば当座の3年間ほどは、全医連が提案されるように安全調(事故調)の報告調査を刑事訴追の要件とするなどとわざわざ法律条文に明記しなくても、実質的に医療過誤に対して捜査当局安全調(事故調)の調査報告で刑事訴追やむなしとの判断が示される事例以外は、刑事捜査や刑事訴追を行なわないと予測できます。すなわちこれからの3年ほどは、立法措置(国会での答弁や付帯決議も広義の立法措置の一種です)で刑事捜査当局を縛らなければならない必要性は薄いと思うのです。

そこで取り敢えず、事故原因の調査鑑定だけに機能を絞った「医療事故原因鑑定センター」の設立だけを先行させ、そのセンターで如何に公正で信頼の置ける鑑定結果(事故調査報告書)が出されていくのか実際に捜査当局や司法当局に実績を見てもらい、「あそこで刑事立件不相当という報告書が出されたのなら起訴しても無駄だ」という評価を勝ち取っていく方法論は如何でしょうか。

このように「医療事故原因鑑定センター」の機能を限定して早期に実現して稼いだ3年5年という時間を利用し、やはり法令に明記した刑事立件への制約を追加するか、無過失賠償責任保険(労災保険という実例があります)のような民事賠償責任の機能も盛り込むのかなどを議論し、理想的な医療事故調査委員会を段階的に作り上げていく手法は、全医連なり医療者のサイドから見れば検討の余地も無い下策なのでしょうか。

アレもコレも全てを満たす「大作」を作り上げるには時間がかかります。理想的な機能を模索した結果、議論だけが5年も10年も続いたが一向に安全調(事故調)のカタチは実現できない。このような事態になれば医療者も被医療者も全ての国民にとって不幸なことです。

「およそ日本国民一般が医療ミスによる(と遺族が考える)身内の死を受容していない、したがって『死の受容』の教育の必要性は強調しすぎることはない」
といった主張に対して、
「にしては、医療従事者が処罰されている数が非常に少ないのに(医療ミスと遺族が思っていても不起訴で済んでいる例がそれだけ多いはず)、不満を爆発させている遺族が少なすぎはしないだろうか」
という限度での指摘は、有効だと思います。

表現としてそれを超えている部分があったので、引っかかりを感じたということです。

事実認識の対立はなく、あとは言葉のとらえ方の相違だけだと思いますが、一応。

ハスカップさん

「証拠禁止という免責特権」の付与

有難う御座います。勉強になります。

一応横レスになるかな?

医療過誤の刑事罰は、死傷させてしまったという事実とその医療が正しかったという事実別々なんじゃないかなと思います。
意図がよく分からないのですが、
・死にそうな人がいる
・一片の曇りもない最善の医療を施した
・でも患者(死にそうな人)は死んでしまった。
この場合でも「死傷させてしまった」ことになるという主張ですか?

 横レス失礼します。

 赦されるべきでない者が巧妙に立ち回って免罪を手に入れる可能性があり、個人的に許せません。

「にしては、医療従事者が処罰されている数が非常に少ないのに(医療ミスと遺族が思っていても不起訴で済んでいる例がそれだけ多いはず)、不満を爆発させている遺族が少なすぎはしないだろうか」
 とても妥当な表現です。私の言いたかったことが、遥かに正確に言い表されていますし、この表現を見て、言葉の使い方や選び方には慎重にならなければいけないなとわが身を振り返っている次第です。(普段から感じてはいるのですが、なかなか実践できないところです)

突然の不躾な質問にもかかわらず応答いただき感謝します。

微量なりとも罰は与えるべきだと感じます。

遺族とすれば、そういう欲求(処罰感情)を覚えることは自然だと思います。
が、それを本当にそのまま実現してしまうことにはやはり問題があるのではないでしょうか。

「犯罪者」のレッテルを貼られることによるダメージは、相当高いのではないかと思っています。
「微量」ならば逃散するほどではない、というのは、「普通に仕事をしている限りはまずそのレッテルを貼られることのない側」からの希望的観測にすぎないのではないか、と。

また、A〜Eの例は、「医師が関与した結果」と見ようとするのであれば、確かにB以降はすべてそういう見方として成り立ちます。
が、それを言われる側に立った場合、刑事訴追はされず、報道レベルであっても、どう感じるでしょうか。
「そのままでは即死の人を助けようと努力したにもかかわらず、『お前が死なせた』と常に言われること」が当然視されるとしたら。

Bについて「死傷させた」と表現することに何の違和感も感じないということですと、私の認識との隔たりはかなり大きいといわざるを得ないように思います。

法務業の末席様

真摯なアドバイス有難う御座います。

ですがこれから2年や3年のうちに謙抑的という方針が全面的に変わり、この口約束が全くカラ証文になって、医療過誤の疑いで医師がドンドン逮捕されたり刑事訴追される事態はちょっと考えられません。

私もこれに関しては同意です。
(試金石は、この件が検察でどのような扱いになるかです。)

そこで、我々の目標の最優先順位は、まず現在公表されている大綱案がそのまま成立することを阻止する。そして大綱案の問題点をなるだけクリアーした、委員会を作ることです。

全医連大綱案反対声明から

(1)大綱案に計画される組織では、医療事故の原因究明が困難となり、かえって事故被害者側の期待に反する結果となる可能性が高い。

(2)大綱案では、医療者に対する不当な刑事訴追を防止する仕組みが全く不十分である。

(3)大綱案では、医療に関連した民事紛争がかえって激化する可能性が高い。

そのために、大綱案では良く無いと考えられる部分に対し、一つ一つ対案を考えていくうち、現在の試案の形になっていきました。

上記の問題に対し、対案を示さなければ、どのような制度設計が医療者、国民にとって(法務省や捜査機関にとってではなく)より良いか判断することも出来ないでしょう。現在は、我々の主張を目いっぱい出す段階と思っています。

妥協することはいつでも出来ると思います。
(これでも、業務上過失致死罪、単純過失罪の廃止を正面から主張していない部分は現実的と思っています。)

「医療事故原因鑑定センター」の機能を限定して早期に実現 理想的な医療事故調査委員会を段階的に作り上げていく手法

というのは、まさに現実的と思いますが、実際鑑定センターを十分に機能させるだけで多大な労力と予算を必要としますし、また、段階的に刑事介入を制限する仕組みを作ることと、大綱案の考え方は全く相容れないものです。

今月中の試案本文の発表を目指していますので、ぜひまたご意見を御願い致します。

「そういう状況下での判断だったこと」を評価の前提にすることは必須だと思います。

ええ、まさに私が言いたかったことです。

焦って出した「かっ、過失あり!」という結論が不適切である可能性が飛躍的に上がってしまいそう

日常的に判断していることなので、あんまりあせらないようにも思いますが、数分て言うのはいいすぎですね。
どちらかというと、何をやったかを知っていれば「これも、ありだよな」と思うほうが多いようには思いますが。

いずれにしても、運用前のテストは是非やっていただいて、各方面の前向きの評価を得てから進めるべきだと思います。

そういえば、裁判員制度がちょうどそんなことをしているような。

NO.132様へ
 業務上過失致死傷罪は、いかなる医学知識を用いて、その過失が無くても死を逃れさせることができない場合は無罪になるらしいです。ですが、どのように避けられないと判断するかは問題ですね。

NO.135様へ
 自分の好きな職に就いたのに、罪が付くだけでその患者たちから避けられるというのは精神的にとても辛いと思います。直感的には「血管を切ってしまった」という医療過誤の事実を医療過誤と問いたいですが、多様な過誤があると思うので一概に言えませんね。業務上過失致死ではなく、医療過誤を専用の処罰を新しく作らないと、いつまでも運転ミス的なイメージがあるので「死傷させた」という意味合いの事実が、「あ、このお医者さん危ない」というイメージに繋がっていくのだと思います。

 免責付与と司法取引は、日本の法制史に全くないものですし、文化的にも勧善懲悪の時代劇がデフォですので、導入の可否は慎重な議論が必要でしょう。
 ロッキード事件の最高裁判例では、米国における免責特権を事実上付与した証言は、(現行法下の)わが国では許されないという判断がなされています。
 立法論としても、免責付与と司法取引(免責付与も広義の司法取引の一部です)は我が国で反発が強く予想されるので、理想論ではなく現実論としては、国会を通過するかどうか大いに疑問です。

個人的には医療過誤の刑事罰は、死傷させてしまったという事実とその医療が正しかったという事実別々なんじゃないかなと思います。前者は罪名に反映し、後者は刑の重さに反映するので無罪という事は無いんじゃないかなと感じます。

「その医療が正しかったという事実」があれば、医療過誤ではありませんし、刑事責任はもちろんありません。

「死傷させてしまったという事実」患者さんが死亡しただけで罪になるなら医師は全員犯罪者です。

医療過誤があった場合でも、悪い結果との因果関係、回避可能性が証明されなければ、刑事罰は無いと理解しています。

およそ日本語になっていないと思います。
もう少し推敲してから投稿してください。

>そこで、我々の目標の最優先順位は、まず現在公表されている大綱案がそのまま成立することを阻止する。

これについては全面的に同意です。

現在の大綱案というか元々の事故調設置構想は、元々が厚労省が「日本の医療界の総元締め」の地位(省益とか縄張りとも言いますが)の維持強化を企図して出てきた政策案です。厚労省(旧厚生省)の医政系の官僚から見れば、ゼニカネの予算という財布を握っている財務省だけは止むを得ないが、箸の上げ下げまで含めて医療現場の全てのことは厚労省の仕切りに従うべきというのが常識です。

その常識と伝統の結果、例え検察など刑事司法の分野であっても、他省庁が口を突っこんで来ることは我慢がならないという風潮があります。今回の事故調設置大綱案は、そうした旧厚生省医政系官僚の縄張り独占意識と、医療界の一部の政治的野心が合体協力して出来たもので、医療現場の真の改革改善には不適当な要素が多分に見え隠れします。

以前Yosyan先生のブログなどで事故調は解体される社保庁職員の受け皿論がありましたが、私に言わせれば事故調を新設する目的は、社会保険の保養施設や関連団体(厚生年金基金など)が減って行き、本省課長級以上のキャリア官僚が理事職などで天下る先が無くなる代替であり、事故調のトップは元医政局長経験者か場合によっては厚生省(厚生労働省ではなく敢えて厚生省と書きます)事務次官経験者が就任する気ではないのかと予測しています。

医療界の閻魔大王的な性格を持つ事故調を新設し、そのトップに事務次官経験者などを据えれば、まさしく厚生省医政系の官僚が日本の医療界を牛耳る図式が完成します。私は厚生労働省の事故調設置の真の狙いは医師の逃散対策ではなく、こうした日本の医療界のドンの地位を確保することだと以前より思っています。

そのような腹黒い目的を何となく感じますので、全医連のお医者様がある意味無邪気に、事故調に盛り沢山の機能権限を盛り込む案を推進することによって、医療行政の権力亡者に利用されることを危惧するのです。その危惧があるからこそ、事故調には必要最小限の機能と権限だけにして、シンプル&コンパクトな組織をスピーディに作り上げた方が、現場の医療者には利益が大きく、さらに結果として国民全体を医療崩壊の損失から救えるのではないかと考えているのです。

なかなか具体的に役に立つ提案をするほどの力量は持ち合わせていませんが、何ほどかの参考になればと思い自分の見解を書いておきます。

医療界の閻魔大王的な性格を持つ事故調を新設し、そのトップに事務次官経験者などを据えれば、まさしく厚生省医政系の官僚が日本の医療界を牛耳る図式が完成します。

全医連試案では、事故調は、厚労省への権限集中防止と、厚労省の政策の間違いも指摘する必要があるので、内閣府への設置を提案しております。それでもトップを厚労省出身者で固めればそのような危惧はあるかもしれないですね。

私としては、公正取引委員会をイメージした組織です。それはそれで、検察の関与が大きくなりすぎると本当に「医療警察」となってしまうのですが。

>モトケン先生
応答ありがとうございます。

>私の「私はそうは思いません。」というのは、医療行為に対する刑事処罰限定立法に限っての話です。/念のため。

もとより了解しています。

>検察・検察の立場から、つまり法の執行者の立場において「介入しない」と言うのは、警察の立件裁量、検察の起訴裁量の問題になります。/つまり慎重姿勢の最たるものという位置付けになります。/感熱紙さんの「撤退」も同趣旨と思います。/しかし、立法府の観点で、「不介入と決める」ということは、過失犯処罰規定の廃止(または訴追免責)という意味になると思います。

私の理解は、検察・警察ともに、自らの意志に基づいて、極力不介入の方針を維持するつもりではあるが、立法府によって「不介入と決められること」を従容と受け入れるほどには「撤退」するつもりはないだろう、ということです。

これは、ろくろくび氏が本コメント欄のはじめの方でご紹介なさっておられた「第10回 診療行為に関連した死亡に係る死因究明等の在り方に関する検討会」でなされた発言

>この場合の(公取委の)告発は訴訟条件でありまして、この検察官による刑事訴追が告発の有無に拘束されることになる制度です。他方、この医療事故については、そこまでの制度でなくて通知ということなのだろうと思います。これは訴訟条件的なものでいってしまいますと、被害者や遺族による告訴権というのは厳然としてあるわけですから、そこまでのものにはしないという点なのだろうと思っています。(法務省刑事局参事官)

>通知の在り方については、犯罪捜査の端緒は通知のみではありませんが、通知が十全に機能するという運用になれば、それを十分に考慮するという対応になっていくのだろうと存じます。(警察庁刑事局刑事企画課長)

をみればわかります。そして、両談話は、上記2発言の示す「撤退」ラインよりさらに後退する意志を示したものと読めるほど具体性があるものではないように思います。
まあ、これはもう感覚的な問題ですので、もうここらで充分じゃないかと思っています。

>同様の問題は、証券取引等監視委員会や国税の査察との関係でも問題になりうるところだと思います。/検察としても、そのあたりのノウハウは持っていますので、運用の問題として対処できる部分は多いと思っています。

証券監視委や国税の告発の対象となる事案は、インサイダー取引や脱税など、「被害者が特定されない(市場とか、国民といったような抽象的存在)犯罪」ですが、安全調の通知対象となる医療業過は被害者が特定人です。証券監視委・国税−検察の二面関係で蓄積されたノウハウが、安全調−被害者−検察の三面関係にそのまま通用することも多いでしょうが、新たなノウハウを必要とする問題もまた少なからず出てくるだろうと思います。

>安全調のメンバーの中に法曹が参加することが必要になると思います。

大綱案によれば、調査チームの構成は、解剖医2・臨床医5〜6・法律家その他2を想定しているようです。
相当数の判検事を出向させる必要が出てくるような気がします。

>ろくろくびさま
 応答ありがとうございます。私は、安全調は通知みたいなことをせず鑑定に徹するほうがうまくいくような気がしています。
ご教示いただきましたとおり、安全調の報告書が完成し、これに基づいて捜査機関に通知があった後、示談等の成立によって起訴が見送られることは充分あり得ます。示談成立や行政処分の存在などのようなわかりやすい場合はいいでしょう。でも、例えば採証が不充分で起訴が見送られる場合などは最悪です。前述したとおり、逆のパターンもあり得ます(そうならないための事前協議ですが、公取委と検察でさえ、足並みの揃わないことがあるわけで、おそらく件数も事案のバリエーションも公取委よりずっと多いだろう安全調と検察が、そうそう息をピッタリ合わせ続けられるものではないでしょう)。

>an_accused 様

私は、安全調は通知みたいなことをせず鑑定に徹するほうがうまくいくような気がしています。

私も安全調を「医療事故原因鑑定センター」の機能だけにコンパクト化し、刑事立件相当か否かなどの判定は外部に委せるべきだと考えていますが、医療者サイドの受けは今一つのようです。世の中、色々な利害の絡む複雑な調整組織の立案は、本質の機能だけシンプルにまとめた方が上手く行くと思っているのですが…。

安全調を「医療事故原因鑑定センター」の機能だけにコンパクト化
私もそのほうが良いと思いますが、大綱がそういう制度設計になっていないのは医師法21条が関係していると思います。

安全安心内閣が3ヶ月も保たず三日天下に終わったのは、安全安心を実現しようとすると莫大なコストを要することが官邸内部で明らかになって、コスト負担に堪えられなくなったためだと思います。もって他山の石とすることができるでしょう。

すべからく制度設計にあたってはコストベネフィットを最大限追求するべきでしょう、シンプルイズベストの原則のもとに。シンプルでなければ必要な堅牢性耐久性問題がクリアできませんから。

>医師法21条が関係していると思います。

これって2000年以前はすっごく届出少なかったですよね?
そこから増えてきて、また減り始めてたのに福島の事件でまた増えちゃった。
でも個人的には届けられちゃったほうも迷惑だよな〜って想像するんです。(あ、勝手な想像かな?

何かすっごいご高齢で熱発して来院なさって、胆嚢炎かな?あらら、septic shock??え〜vital上がって来ないよ〜!!わ〜〜〜初診から緊急入院して半日でもうダメ?あああ、ご家族は充分やっていただいたのは判りました、ありがとうございましたってつれて帰ろうとしてるよ、ゼクとれないの??よく判んないままだったよ。
さあ、どーしよう?痛くもない腹探られると嫌だから届けておく?みたいな騒ぎ(フィクションです。笑)
私としてはきっぱりそんなもん届け出られたら、届けられた相手だって迷惑だろ!!って言いたくなるわけで。(あくまでフィクションです。笑

だから昔みたいに「本当の異常死」だけ届けるに戻ればいいと思うのですが?
福島の判決もそうしてねって言ってる気がするんですが。

私には医師法21条の存在意義が疑問なんです。主犯と医師が共謀して殺人を闇に葬ることも可能性として無いとは言えませんが、そういう医師に対しては21条違反ではなく、他の罪で対応できるのではないでしょうか。
今のご時勢、異状死と医療事故死が同義のようになっているのには、なんだかなあ。

>福島の判決もそうしてねって言ってる気がするんですが。

内心そう言いたいのかもしれませんが、そうは言っていないように思いますよw

No.148はNo.147 沼地さまへのレスです

第4回 診療行為に関連した死亡に係る死因究明等の在り方に関する検討会(平成19年6月27日(水))警察庁刑事局刑事企画課長(太田)発言

私どもは基本的には第三者機関というものには賛成です。というのは、現場の警察の中でも、非常にいろいろな事件の取扱いがあります。先ほど来申し上げましたように、患者側、病院側等からのいろいろな届出も増えています。どちらかというと病院側からの届出のほうがぐっと増えているのですが、そういうものにきちんと対応していこうと思うと、警察官で専門的な知識を持っている者はほとんどいるわけではありませんので、そこではほかの先生方、医師にいろいろご指導を乞い、また鑑定をお願いするという形できちんと調査をしていかなければいけません。現場にとっては大変な労力の多い仕事になるわけです。
他の仕事で忙しいので、届けられた相手も迷惑だそうです(笑)

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安全調を「医療事故原因鑑定センター」の機能だけにコンパクト化
については反対ですね。

 理由その1は医師法21条との関係。

 コンパクト化すると届出先が警察になって証拠収集とかは警察が行うことになっちゃう。今、問題になっているのは必ずしも起訴・不起訴だけではないと思います。

理由その2は通知範囲を限定していること(軽過失の事実上の限定的刑事免責)にはやはり意味があると思うこと。

 現在警察への届出は医療関係者等からの届出が約200件、患者側からの届出が約50件(2007年)ですから結構意義は大きい。

理由その3は行政処分の積極活用による対応が困難となること。

 単なる鑑定請負機関になると難しいのではなかろうかと。

届ける=テイクアウト=お持ち帰り????

ホリエルにお持ち帰りされた人が困るだろうって?

シツレーだ!!

自ブログでも書きましたが、そんなにコストをかけなくても、第三者が、よーく話を聞いてあげて、

「しょうがないでしょ」

と客観的に言ってあげれば、殆どの場合、それで済むような気がします。

医療過誤被害者団体みたいな色の付いたものしか無い現状が、そっちに向かうしかない悲劇を生んでいると思います。

だから昔みたいに「本当の異常死」だけ届けるに戻ればいいと思うのですが? 福島の判決もそうしてねって言ってる気がするんですが。

ドイツでは「死因不明」の遺体も異状死に含まれるらしいので、今の異状死の考え方が、グローバルスタンダードに基づいているのかも知れません。

>「死因不明」の遺体も異状死に含まれる
これは日本もそうですよね?
かかりつけじゃなくて運び込まれたときにすでに死亡してたら異状死ですよね?

日本ではさらに診療中の死亡まで届ける場合が出て来ちゃったのに、病理解剖があんまり行われてないから届けられても判らんもんは判らんだろうみたいな状況になっているような。

ええ、ドイツでも事情は同じみたいです。

死亡診断書の記入項目20のエピクリーゼには、災害、中毒、暴力、自殺と並んで「医学的処置の合併症complication」があり、後者は自然死ではない扱いをしている。日本の刑法はドイツの法律を根拠にしているので、不自然死の場合の死亡(死因)の種類(災害、自他殺など)を判断するのは検察(警察)または役所の医師ということになっている。
http://www.hi-ho.ne.jp/okajimamic/d126.htm


また、(これとは別に)病理解剖は世界的に減っているという話も聞きました。

全医連試案では、事故調は、厚労省への権限集中防止と、厚労省の政策の間違いも指摘する必要があるので、内閣府への設置を提案しております。

医療費削減政策や、医師不足に関しての間違いを指摘する事はできないわけですね。厚労省相手にのみ指摘出来るとすると、ちょっと活躍の範囲が狭くなりそうですね。

安全調を「医療事故原因鑑定センター」の機能だけにコンパクト化、という私の提案に皆様よりご意見を頂きありがとうございます。機能コンパクト化への懸念の最大は、やはり医師法21条問題のようですね。

この医師法21条ですが、先の福島地裁判決ではどのように示されているのか。判決要旨から裁判所の同条に対する基本的な考え方を示した部分を抜粋してみます。

医師法21条にいう異状とは、同条が、警察官が犯罪捜査の端緒を得ることを容易にするほか、警察官が緊急に被害の拡大防止措置を講ずるなどして社会防衛を図ることを可能にしようとした趣旨の規定であることに照らすと、法医学的にみて、普通と異なる状態で死亡していると認められる状態であることを意味すると解されるから、診療中の患者が、診療を受けている当該疾病によって死亡したような場合は、そもそも同条にいう異状の要件を欠くというべきである。

また医師法21条での届出について、最高裁第三小法廷平成16年04月13日判決では次のように示されています。

本件届出義務は,医師が,死体を検案して死因等に異状があると認めたときは,そのことを警察署に届け出るものであって,

この2つの判決を見比べると、最高裁判決での「死因等に異状があると認めたとき」をどのように解釈するのか、問題に行き着くと思います。最高裁判決ではこの点については明確とは言えず、具体的にどのような「異常」が該当するのか、この最高裁判決の意味するところを解釈しなければなりません。

モトケン先生は「過失による死亡であることが明白な場合にとどまらず、過失による死亡の疑いがある場合も含むと読むのが自然です」(大野病院事件地裁判決要旨エントリ本文記述より)との解釈を示されています。その上で福島地裁はまず先に医師の過失について検討し、当該医療行為は医学的準則に則っていて過失は無いと判断し、過失が無いのであるから届出の必要は無く、よって医師法21条違反ではないと判示しました。

ここから導き出されるのは、「医学的準則に則った医療行為で死亡した場合は、医師法21条の届出義務が無い」という福島地裁の考え方です。しかも控訴されなかったためにこの判決が確定しております。このことを大前提において、安全調が医師法21条問題にどのように関わるべきなのか、私的な考察を延べてみたいと思います。


私は安全調は「医療事故原因鑑定センター」の機能だけで良いと再三提案しています。では実際に安全調に報告された医療事故から何を調査し、何について調査鑑定するのかということを突き詰めておく必要があります。

何を調査するのかですが、これは私に言わせれば簡単です。医療行為の「時系列的な経過の事実」の調査です。航空機の墜落事故などで、回収した事故機のフライトレコーダーやボイスレコーダーの記録、管制官の通信の記録やレーダー画像の記録、目撃者の証言や残骸の状況などから得られる情報、こうした多くの情報を集めて秒、いや場合によっては1/100秒単位で1本の時系列の流れの上に「何が起きたのか」を再現する作業が行なわれます。

安全調に報告された異常状態に陥った医療行為でも、カルテはもちろんですが、その他に医療器械の電子的記録ログデータ、看護師や他の病院スタッフの証言や記録、実際に使用された医療材料や薬剤の種類や量という情報、そして当事者である医師の証言等々、こうした多くの情報が安全調に集まるわけです。ただこうした情報をゴチャゴチャのまま整理しないで個別に分析していくと、実際に診察室の中で何が起こったのかという「事実の経過」が逆に分からなくなってしまいがちです。ところが多くの輻輳し一見相矛盾する情報を、1本の時間軸の上に並べて再構成していくことで「事実の経過」が明確になってきます。

明確な「事実経過」を再現して具体的に提示できれば、その再現提示した医療の事実が「医学的準則に則った医療行為」に該当するのかどうかを判断すればよい。準則に則った医療行為であれば「事実経過の報告書」を作成公表して調査は終了です。過失が無いのですから「捜査機関に通告」したり、医師法21条での届出を考える必要はありません。また医学的準則に則っている医療行為ですから、是正措置等の改善策の指導や行政処分の検討も狭い意味では不要となりす。また患者家族が良く言われる「何が起こったのか真実が知りたい」という声に対し、時系列で再現した「事実経過の報告書」は正にその期待に応える報告です。

では、安全調が調査して再現した事実経過に「医学的準則に照らして不適当と判断される医療行為」が見つかったときはどうするのか。そのときに初めて医師法21条の報告を行なうことで良いのではなかろうか。場合によっては医療を為した医師本人に代わり、安全調が医師法21条の届出を代わって行なうということで捜査機関も納得する予知はあると思う。もちろん明らかに異常死と医療現場で判定できる、犯罪や事故という異常行為に因ると見られる死亡者や、異常な受傷または急性症状で死亡した者を診察した場合は、安全調に報告して事実経過を調査して貰う必要無く、その異常死を検案した医師が速やかに届出れば良いだけのことではなかろうか。

私の考え方を要約すれば、次のようになる。
1:安全調では報告された医療行為を時系列的に再現した「事実経過の報告書」を出すことに徹する。
2:前記報告書をまとめるための「事実経過の時系列再構成」こそが安全調の使命である。
3:「事実経過の報告書」で医療準則に則った医療と判断されれば医師法21条の届出は必要無い。
4:医療準則に反する医療と判断された場合、安全調が医師に代わって医師法21条の届出を警察に行なう。
5:前記の安全調が行なう医師法21条の「代行の届出」をもって、捜査機関への通知に換え、さらにその根拠として「事実経過の報告書」を添付する。
6:以上3〜5までの捜査機関への届出と通告の手順について、警察庁や法務省が「安全調の捜査機関への届出や通知の方針に、捜査機関として了解し尊重する」旨の国会答弁を行なって担保とする。
7:安全調の「事実経過の報告書」において、医療準則に反する医療行為、医療準則には合致しているが患者への説明対応や医療技能などに問題が指摘された場合、再発防止のための行政措置を検討実施する。
8:前記7の再発防止のための行政措置の検討・勧告・実施の主体となる組織は、医療専門家というより行政職の職分に跨るので、医療専門家と弁護士などを主体とする安全調とは別組織を設けて担わせる。
9:また安全調の「事実経過の報告書」において、医師等の免許者の処分が必要であれば、現行の医道審議会の開催機会や処分基準を改善した上で、医道審議会の審査と処分決定に委ねる。
10:無過失賠償責任保険の制度は、強制加入・強制適用である現行の労働者災害保険法をモデルに「医療災害保険」の制度を新設し、安全調とは別の実施主体(保険者)を向ける。
11:前記の「医療災害保険」での保険金支払の審査機関は、安全調とは別組織の保険者の専決事項とするが、その保険者の裁定において安全調の「事実経過の報告書」を活用することを妨げない。
12:「医療災害保険」は、その給付の限度にいて医療者の損害賠償責務を免除する。(この手法は労災保険と民法715条の使用者賠償責任との関係と同一とする)

私の考え方は以上の通りです。集約すると「医療の事実経過を調査報告する機関(安全調)」と「医療ミスの背景となるシステム改善の提案と改善策の実施の主体」「医療免許者の行政処分の実施主体」「無過失賠償責任保険の実施主体」、これらの機能を纏めた一元組織を作るのではなく、機能ごとに分けた組織主体とし、医療界の絶対的権力(=医療界の閻魔大王)の出現を予防しようという考え方です。そしてこのような機能と権限の分離分散は、利害が輻輳する関係省庁や諸団体との合意形成において、分離された一つ一つの機能と権限について意見調整を行なえば良く、利害調整と合意形成において巨大組織を新設するより時間と手間が少なくて済むというメリットがあります。

以上、大変長々と書いてまいりましたが、この私案について民様より忌憚無いご意見ご批判を賜りたく存じます。

しまさん、

委員会を内閣府に設置するということで、委員会の提言は医療政策全般に関し、内容に制限がなくなるものと考えています。

宛先は、厚労省だけでなく、財務省でも、総務省(自治体病院)でも、文科省(医学部、大学病院)でも可。そのために、内閣府に置くということです。

横入りスミマセン。

どうも横から見ていると、全医連の行政制度(内閣法などの規定)のご理解が足りないように感じます。私も行政組織法の分野不勉強であって、正確に解説できるか否か自信がありませんが、内閣総理大臣の行政に対する命令権、指揮監督の権限について書いて見ます。
(行政組織諸法令に詳しい方の訂正補足の説明を期待します)

まず、内閣総理大臣には省庁の行政事項について強行指揮する権限はありません。閣議の決定に基づいて、行政各部を指揮監督できる(内閣法6条)だけです。閣議の決定は全閣僚の「全員一致」が原則で、全員一致の合意が出来ない案件は省庁次官会議の段階で「お流れ」になるか、事務レベルでの「摺り合わせ」の合議(アイギと読みます)に持ち帰る慣例です。よって首相官邸の閣議の場で、各国務大臣に対して首相から「省内の反対は引っ込めてこの通りヤラセロ」と命じることは、現実の政治シーンとしてはありません。

では何故内閣総理大臣が普通の国務大臣に優越する地位であるのか。これは国務大臣の任免権は内閣総理大臣のみが持っている(内閣法2条)ためです。つまり首相は自分の考える政策を実行しない行政各部があれば、自分の考え通りにその省庁内部の意見を取り纏められる国務大臣とすげ替える権利を有するからです。

逆に言えば、ある省の事務方が首相の示す政策に反対で、自分のところの国務大臣をして反対論を言わせるように官僚がし向けたとしたら、首相はその反旗を翻した官僚を更迭することはできず、代わりに反旗を翻した官僚に操られた国務大臣を罷免し、その代わりに省内の反対する官僚を押さえ込める豪腕の国務大臣を任命します。もし適当な人材が誰も居なければ自分でその国務大臣の行政事務分担(○○省担当、いわゆる○○大臣)を自らが兼務して、直接その省庁を指揮命令することも可能です。こうすれば閣議の場ではなく、首相が直接その省庁の官僚に対して「コレコレの通りにヤレ」と命じることが可能です。これが首相の「行政の長」としての権力の実態です。

このように内閣総理大臣の権力の源泉は、国務大臣の任免権であって、この国務大臣の任免権とそれに加えて閣議の全会一致の原則を通して、行政各部への指揮監督権が形作られててます。内閣府に組織機関を所属させれば、その機関が各省庁に対して具体的な指示や命令の権限が持てるという訳ではありません。安全調を内閣府に置いたからといって、他省庁に対して「お願い」することは出来ても、強制権や優越権は持てないと私は理解しています。(あまり自信はありませんが…)

行政法がご専門のプロの方、間違っていたら指摘して訂正して下さい。

本件届出義務は,医師が,死体を検案して死因等に異状があると認めたときは,そのことを警察署に届け出るものであって
これに関して、過失なのか過失の疑いがあるか、事故であったか事故の疑いがあるかの価値判断をどの判決でも裁判所は医師に求めていないように思います(たぶん法的判断だから)。そのような価値判断抜きで、単に死体や死因に疾病の経過によるものとは思えない異状があったら「届出よ」ということだと思います。「疾病の経過」と言っても、それは一通りではなく、様々に分岐します。その分岐のどれにも当てはまらない場合に異状として「届出よ」ということだと思います。

そうすると「医療準則に反する医療と判断」と「死体や疾病の経過に異状があるか否かの判断」は全く別の価値判断ですから前者では21条の届出要件に該当しないように思います。さらに踏み込んで医療準則に反する医療と判断し、それが死因と因果関係があると判断した場合は21条による届出(代行)ではなくて、業務上過失致死を疑った告発になるような・・・・。

さらに踏み込んで医療準則に反する医療と判断し、それが死因と因果関係があると判断した場合は21条による届出(代行)ではなくて、業務上過失致死を疑った告発になるような・・・・。
そうなんですよね。

 自分の医療が過失があると思っていない以上、異状死体でないので21条で届けるはずは無いと思います。
 また自分の医療が過失が明らかなら、業務上過失致死になるので、異状死体として、21条で届けると言うことは、自分で自分を告発する義務を科すようなものです。これは、この判決では最高裁判所は認めていませんが憲法38条に反するような気がします。
 この辺は法曹の方々では解決済みの問題なんでしょうかね。

このスレとは直接関係ないのですが、医療と同じことを検察はしているよ・・・と思わずにはいられない事案です。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080908-OYT1T00441.htm

社長なり責任者なりが直接「遅れたらスピードアップしろ」と言ったのならまだしも、そうでは無いのに「ATSを設置していれば事故を防ぐことができたのに安全対策を怠った」というのはちょっと納得いかないような気がします。そもそもJR西日本ではATSを設置工事中だったと聞きます。なぜ、「安全を怠った」となるのかが解りません。
想定できないものを「専門家なのだから想定外でも責任者は刑事責任は追うべき」という暗黙の了解が日本にはあるような気がしてなりません。起訴されるかどうか見守りたいとは思います。
医療の二の舞にならないようにして欲しいです。これはシステムの問題であり、個人の責任問題ではないように思います。
ただ、日勤教育云々に関しては故意であるから、個人的には刑事罰に相当するように思います。

>yama さん

 このニュースは検察の判断を報道したものではなく、県警の判断を報道したものです。
 さらに言えば、県警としても過失責任を認めたとは必ずしも言えません。

県警は、山崎社長ら5人が、ATSを設置していれば事故を防ぐことができたのに安全対策を怠った過失を最も重視し、起訴を前提とした「厳重処分」に次いで重い「相当処分」の意見をつけた。

 この部分はミスリードでしょうね。
 たしかに、「相当処分」は「厳重処分」に次いで重い処分意見だと思いますが、私の感覚では、ほとんど不起訴でもかまいませんよ、という程度です。
 つまり、県警としても社長らに過失責任を問うには自信がないのです。

>>No.163 モトケン 先生ご引用の記事部分

>県警は、山崎社長ら5人が、ATSを設置していれば事故を防ぐことができたのに安全対策を怠った過失を最も重視し、起訴を前提とした「厳重処分」に次いで重い「相当処分」の意見をつけた。>

これは県警自身がこう語ったのを記者がそのまま書いたものではないのでしょうか。
というのは、警察が語る言葉をそのまま速記できないにしても録音して言葉どおりに原稿に起こすことくらいは最近の携帯記録機器を用いれば容易なのではないかと思われるからです。

仮にそうだとすれば、県警が自信を持ってあのように語った可能性も否定できなくなるように思うのですが。

横から失礼します。
私はモトケン先生の読み方が順当だと思います。
警察の感覚としては、送致時の処分意見に「相当処分」と記載する場合は「捜査の結果、警察としては積極的に不起訴が相当とは言えないが、起訴=処罰に足るとは認めがたい」という意味で、厳重処分意見と相当処分意見との間にはかなり大きな隔たりがあります。
普通処罰の必要性があると思うのなら、多少無理筋の状態であっても厳重処分意見を付記します。
自信を持って相当処分意見を付記するなんて矛盾もいいところです。
ちなみに「しかるべき処分」は「お分かりと思いますが、後はよしなに」という意味です。

しかし書類送致時の処分意見について記者が興味を持つことなんてほとんどないのに、わざわざ記事にしているのを見ると、あからさまなJR西日本叩きのための意図を感じますね。
あと余談ですが、サツ回りの記者でICレコーダーを持ってきて取材している記者なんて見たことありません。
ほとんどこちらで用意した資料そのままです。

 相当処分は、起訴猶予か罰金でおk。
 しかるべく処分は、起訴猶予か嫌疑不十分だお。
 「言うに理あり」で送致する、とは、嫌疑不十分か、嫌疑なしじゃね?
 というざれ歌を学生のころ耳にしました。
 ホントかどうか知りませんがw

 社長の社会的責任、会社の民事責任は当然としても刑事責任は無いかと(笑)
 絶対に想定外である100km以上の猛スピードで運転した乗務員の一人の責任しか(刑事責任は)問えないと思います。(死んでるので不起訴ですよね。)
 送検後、最終的に全員不起訴だと、その報道にくっつけて「100人以上死んでるのに、誰も処罰されないのは不当だ」というご遺族の談話が必ず載るんですよね。遺族の感情からは当然であると理解しますが、わざわざ大きく談話載せなくてもいいと思います。
 こういった事案、事実だけ報道すればいいのに、報道機関が公平を装って、被害者側の意見を載せようとするのじゃないでしょうか。このため一般市民の応報感情が不当に煽られるような気がするのです。
 報道関係の方に訊いてみたいです。

>>No.165 感熱紙 さん
現場に常駐しておられる感熱紙さんのおっしゃることはさすがによく腑に落ちますね。

>サツ回りの記者でICレコーダーを持ってきて取材している記者なんて見たことありません。

そうですか、国会中継で大臣のコメントを取ろうとして群がる記者さんたちがレコーダーを突き出す映像を見た覚えがあるので、最近は新聞記者の三種の神器くらいにはなってるのかなと思っていましたが、こちらも外れ推量でしたか(笑)。

医療安全調の全医連試案がリリースされました。

宜しくご検討、ご批判を御願い申し上げます。

医療の安全確保と診療の継続に向けた医療関連死および健康被害の原因究明・再発防止等に関する試案Ver. 3.02

全国医師連盟

ざっくりとだけ(明日は多分一日中コメントできません。投げっぱなしジャーマンですいません)

1 内閣の外局に置くのと厚労省下におくのとの違いってどういうものなんでしょう?誰か行政に強い人教えてくれないかなー(ボソッ)

2 まあ、全医連の試案なので、委員を医療従事者に限定して法曹等を参与にする、というのはとりあえず突っ込みません。ただ、参与の権限をより明確にしたほうが良いと思います。
 助言というのではちょっとよく分からない。委員会への出席権限はあるのか?委員会での発言権はあるのか?調査報告書の作成にどの程度関われるのか?調査報告書に参与の見解はどの程度反映されるのか?委員会で「かばい合い」があったと参与が認識した場合、参与はどのような手段を取れるのか?

3 (22)の評価はチョイ難しい。そもそも届け出の要否は届出義務が法的義務である以上法的判断になる(建前上であっても)ので「医師の専門的な知見に基づき届け出不要と判断した場合」というのはなんか違和感

自分の名前を間違えました(汗)。No.170はろくろくびです。

P R

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