エントリ

帝王切開死「無罪」医師の減給取り消し(2008年10月2日 読売新聞)

 見出しに不満のある向きもあるようですが、

 福島県立大野病院で2004年に帝王切開手術を受けた女性(当時29歳)が死亡した医療事故で、県病院局は1日、業務上過失致死罪などに問われ、無罪判決が確定した産婦人科医加藤克彦さん(41)の減給処分(1か月、10分の1)を取り消した。

 病院長への戒告処分も取り消した。

 同局は05年6月、専門家による事故調査委員会の報告書を基に、加藤さんを処分した。しかし、8月の無罪判決を受けて再検討し、判決の方が精密で客観性が高いとして、処分を取り消すことにした。

 若干の皮肉を込めて目を引いた部分を再度引用。

 判決の方が精密で客観性が高いとして、
| コメント(18) | トラックバック(0) このエントリーを含むはてなブックマーク  (Top)

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://www.yabelab.net/mt4/mt-tb.cgi/7548

コメント(18)

>同局は05年6月、専門家による事故調査委員会の報告書を基に、加藤さんを処分した。

 安易で杜撰な事故調を作ると医療側が自分で自分の首を締める結果にもなる、という警告だと思います。
 願わくば、日本の航空機事故調の「B707羽田沖墜落事故の調査結果」という歴史的大問題を想起してください。あのころから、操縦桿を握ったこともない学者が安易にヘゲモニーを握ると(以下略

そりゃあ見出しに不満は大有りですよ〜!!
きょーれつだなあ、読売。
喧嘩売ってるのかな?
帝王切開死「無罪」医師って見出しで実名報道って何の嫌がらせかよって感じ。

「判決の方が精密で客観性が高いとして、」って報道もこの見出しのせいで、本当は責任あるけど判決の方が精密で客観性が高いってことらしいからしかたないよねみたいに見えてしまう......

記事は中身書く人と見出しつける人が別って話をみかけた気がしますが、目を引く見出しなら何でも有りだと中身も台無し。

記事:毎日新聞社 提供:毎日新聞社

【2008年10月2日】
大野病院医療事故:医師の懲戒処分取り消し 事故調報告書は訂正せず /福島

 ◇県、民事上の賠償責任検討

 県立大野病院で04年に起きた医療死亡事故を巡り、裁判で無罪が確定した加藤克彦医師(41)の懲戒処分(減給)が1日、約3年を経て取り消されることになった。一方で県は、事故調査委員会の報告書を「当時としては適正だった」として見直さず、死亡した女性患者側への賠償責任を改めて検討する方針を明らかにした。

 他方、事故調の報告書について、尾形局長は「再発防止の観点から検討されたもので、見直しは適当でない。資料を集め専門家が判断したもので、当時は適正なものだった」と語った。賠償責任については「刑事と民事が同じ結論になるとは限らない。判決全文を検討し、弁護士とも相談し精査する必要がある」とした。

それでも、当時の報告書は当時は適正だったとして見直さないそうですが、それはどうなんでしょうか。

失った時間は取り返せないにしても、これで名誉が少しでも回復されることは良いことだと思います。

残念ですが、今の日本では、マスコミによる「人民裁判」の様相を呈しています。

本件と直接関係はありませんが、先日、テレビで「未解決事件の公開捜査番組」を放送していましたが、司会者やゲストは、まだ逮捕もされていない容疑者を完全に真犯人として糾弾していました。
こういうことを放置しておいて良いのでしょうかね。

引用された毎日新聞の「福島県が民事上の賠償責任検討」との報道からすれば、平成17年の事故調査委員会の報告書を基に請求された賠償責任保険の保険金支払を、損保会社は過失による医療事故ではなく保険金の支払対象ではない、と判断して支払わない決定がされたみたいですね。

賠償責任保険が支払われないことが明確になったので、福島県としては県予算から直接賠償金を支払う方向で、ご遺族側と示談交渉を始める意向と読めます。

別エントリ「医師はどうすれば安心するのだ?」での160:Level3様の投稿にある

それからもう一つ,公立病院などでよく起こっている現象があります.なまじ自らの懐が痛まないために本来かって当たり前の裁判に負けても,控訴せずに保険を使ってお金を払い,おしまいにしてしまうという状況です.そしてトンでも判決がそのままで判例として残り,医師の心を折っていくという問題です.
このご指摘の重要さが思い起こされます。

連投失礼
>No.3 事務方の星 さん

当時の報告書は当時は適正だったとして見直さないそうですが、それはどうなんでしょうか。

福島県が「当時の報告書は間違いで、報告書の内容は根拠の無いことをテキトーに書きました」のように受け取れる発表をしたら、それはエライコトですよ。当時の報告書を根拠として保険金支払請求を受けた損保会社からすれば、「それは無いダロ、3年前の保険請求は保険金搾取の意図があった詐欺行為として刑事告発するぅッ!」となりかねません。

絶対に福島県の側からはあの報告書は保険金を請求する為の方便でした、根拠が無いものですから撤回します、なんて言えるわけは無い。

>賠償責任保険が支払われないことが明確になったので、福島県としては県予算から直接賠償金を支払う方向で、ご遺族側と示談交渉を始める意向と読めます。

県予算から直接払うっていうのはないんじゃないですか。県が賠償金を払うということは県に法的賠償責任があると判断するということであり、法的賠償責任があるならば当然保険会社は支払い義務ありということになります。
民事上の賠償責任を弁護士と相談、検討するという記事ですが、当然保険会社とも協議するということでしょう。保険会社に相談するとは表向きはいえないですからね。
保険会社はあの判決の内容ではNoでしょうから、賠償金は支払われないと考えます。遺族が訴えれば今度は民事の裁判ですね。

>No.7 元保険屋 さん
私のような兼業掛け持ち代理店にとって、保険会社の元社員の方から教えて頂けるのは有難いです。

民事上の賠償責任を弁護士と相談、検討するという記事ですが、当然保険会社とも協議するということでしょう。保険会社に相談するとは表向きはいえないですからね。
私は保険会社との協議は既に行い、決定的なNOの返事を県は貰っている、と推定しているのです。もちろん県としての賠償責任を認諾する内容を盛り込んで、和解契約書をご遺族と締結するならば、その和解契約書を支払根拠として損保会社は保険金を支払うでしょうが…。

ただ、福島県が和解で賠償責任を認諾するとしたらどのような文章にするのでしょうね。刑事裁判の判決と矛盾しますから、医師本人の医療行為に過失があったとは書きにくいでしょう。すると医師の使用者としての民法715条での賠償責任での和解契約は難しくなります。結局は具体的な賠償責任には触れないまま、賠償ではなく和解金としての金銭支払を行なう和解契約にもって行かざるを得ないのかなと考えます。賠償責任を曖昧にしたまま和解金なり解決金などを支払う内容の和解契約書では、保険会社は賠償責任保険の支払いにはなかなか応じませんから、最終的に県としては直接県予算から支払わざるを得ない。私はこのように見ています。

あとご遺族からの民事訴訟を起こされると、当該医師の医療行為についてもう一度公開の法廷で審理されることになり、全国の医師からの非難が刑事裁判のとき以上に巻き起こると予測できます。刑事裁判での医師の非難の矛先は警察と検察に向けられていましたが、民事訴訟となればご遺族へのバッシングと同時に、福島県当局の対応の悪さにも全国の医師の非難は向けられるでしょう。場合によっては福島県立の病院から、抗議の意味を込めた医師の大量退職となどもあり得るかもしれません。こうした予測ができることから、県当局としても民事訴訟になるのは避けたいとでしょうから、結局は賠償責任の有無には触れない解決金の支払い、という方向に向かわざるを得ないと思います。

いずれにせよ福島県当局の選択できる落とし所は非常に狭く、賠償についての関係方面との交渉は、非常に困難な作業になると思います。

賠償責任の有無には触れない解決金の支払い
福島県民は税金の支払い拒否などの怒りを示すかもしれません、県行政はそれでも強行するでしょうか。

県当局が強行すると考えるのではなく、賠償責任の有無には触れない解決金の支払いでの和解しか落とし所がないだろう、というのが私の素直な予想です。

・3年前の事故報告書を根拠としての賠償責任保険金の請求
 →保険会社が支払拒否(確定)
・刑事裁判の判決書を根拠としての賠償責任保険金の請求
 →保険会社が支払拒否(確定)
・医師の過失を根拠とする和解契約の締結
 →刑事裁判の判決と違う内容では医師の名誉の面で問題あり
・過失が無いとして一切の賠償や和解交渉に応じない
 →3年前の事故報告書を元に賠償金(保険金)支払いの意向を
  福島県から示されているご遺族が納得しないだろう
・ご遺族からの民事賠償請求訴訟の提訴
 →全国の医師からの非難が集中し医師確保に悪影響が予想され
  福島県としては再度の公開法廷での審理は避けたい
・賠償責任の有無には触れない解決金の支払いでの和解合意
 →保険会社が支払拒否の可能性高いが、
  福島県当局としてはこれしか落とし所の選択肢が無い


大野病院騒動の全ての根源は、3年前の県病院局の事故報告書です。ではその報告書は何の為に作られたのか。それは賠償責任保険の支払請求の根拠作りだったと思われます。このことから保険金にて金銭的賠償が行なわれるであろうことは、当然ご遺族にも3年前に既に伝えられていると推測されます。

では、刑事裁判の判決が医師の過失を否定したので保険金は下りません、3年前にご説明した保険金での金銭的賠償の見込みは無くなりましたので、という説明でご遺族が納得されますでしょうか?

最終的には何らかの金銭支払を交渉せざるを得ないと思われますが、保険会が支払われるような内容で和解交渉が纏まる見込みが少ない以上、いずれは議会に対して予算案を提案しなければならなくなる。福島県当局としては、3年前に保険金請求の為に必要だから、と安易に決済した事故報告書のもたらしたツケの大きさを、これから困難な和解交渉を通じて思い知ることになるでしょう。

福島県病院局の責任者が、こうした論理的予測を理解し、受け入れることができないとしたら、それは組織の責任ある地位に就く能力が無い木偶の坊である証左になりませんか?

> 賠償責任の有無には触れない解決金の支払いでの和解しか落とし所がないだろう。
> いずれは議会に対して予算案を提案しなければならなくなる (No.10 法務業の末席 さま)

私も同じ成り行きを予想をしていますが、
地方公共団体は法的に理由のない支出をすることができないというタテマエと、どう整合させるかが難しいところです。

> 福島県民は税金の支払い拒否などの怒りを示すかもしれません (No.9 MultiSync さま)

県民が解決金名目であれ、遺族への支払いに納得しなければ、
会計責任者に対して、「違法な公金支出である」として、住民訴訟により損害賠償請求したり、背任or横領罪として刑事告訴することも考えられます。

保険金請求ないし公金支出の理由を付けるためには、
むしろ遺族から民事訴訟を提起してもらって、敗訴の形をとるほうがよいのではないか?
そうなると、保険会社が訴訟詐欺を警戒して訴訟参加し、ますます泥沼化しそう。

福島県当局は今まさに、「前門の狼、後門の虎」の心境でしょう。自業自得ですけれど。

焦点が明瞭で解りやすく、有難うございます。 >お二方

福島県当局は今まさに、「前門の狼、後門の虎」

アレですが、虎と狼の配置が「県の後ろ向き」を表して笑えました。
さらに、県議会で土下座、の場面が想像できるのは私の日本人的発想です。

法務業の末席さんは和解を予想されているようですが、私は今回の判決を精査した結果、賠償金は支払わないという結論が出て、場合によっては遺族の民事提訴という方向に進むと考えています。

>・3年前の事故報告書を根拠としての賠償責任保険金の請求
 →保険会社が支払拒否(確定)
これは刑事裁判になったことにより、判決まで保留となり、判決確定という新たな事実を前提に、県、保険会社とも検討に入っている段階だと思いますよ。
>・刑事裁判の判決書を根拠としての賠償責任保険金の請求
 →保険会社が支払拒否(確定)
記事にあるとおり刑事無罪確定が即民事賠償責任なしということにはなりませんから、上に述べたとおりでは民事ではどうかと検討している。具体的には県、保険会社とも顧問弁護士の意見を求めるということでしょう。双方の弁護士の意見が一致すればその方向に進む。そしてそれは賠償責任なしの可能性が強いと考えます。
>・過失が無いとして一切の賠償や和解交渉に応じない
 →3年前の事故報告書を元に賠償金(保険金)支払いの意向 を福島県から示されているご遺族が納得しないだろう
賠償交渉自体刑事裁判の推移を見守るということで中断しているでしょうから、賠償0回答もありでは?遺族は納得しないでしょうが。
>ご遺族からの民事賠償請求訴訟の提訴
 →全国の医師からの非難が集中し医師確保に悪影響が予想され福島県としては再度の公開法廷での審理は避けたい。
それまでの経緯はともかく、提訴されるのは賠償責任なしと判断したということですから、全国の医師は非難するどころか評価、激励すると思いますよ。

和解金、賠償金の支払いは議会の承認がいりますから、理由なしの県独自の支払いは困難でしょう。
賠償交渉では通常保険に転嫁されることには言及しませんよ。
「保険はわかった、誠意分の上乗せを」とか「どうせ保険で出るのならもっと」とかありますからね。

もし私がご遺族側の代理人の立場であれば、選択する交渉方法は民事訴訟の提訴です。勝てるかどうかの見積りの問題はありますが、賠償請求する側からは一番ストレートな要求の仕方であり、手法としては単純明快ですから楽です。しかも事故報告書時点での「福島県はあの時は賠償金を払うと言ったじゃないか」と攻めるには、非公開の和解交渉より公開の法廷で追求した方がやり易いと思います。

ただ賠償請求訴訟で福島県側が負けて、賠償責任の根拠を作られたくないのは保険会社です。福島県側の法廷闘争の本気度を疑って保険会社が訴訟参加することはあり得ると思います。その場合は保険支払に繋がる争点については、暗に負け戦を歓迎するような弱気の福島県の尻を、保険会社が後から蹴飛ばすような行動に出る可能性はあるでしょう。

まあ福島県病院局の立場からすれば、ご遺族との賠償の問題を交渉することは非常に厄介で、デリケートな交渉にならざるを得ないことは確かです。福島県側の交渉代理人は、私だったら引き受けたくないですし、県職員として担当するのも正直イヤですね。福島県当局は今まさに「前門の狼、後門の虎」の状態であることは間違いないと思います。

こういうのってすでに水面下で和解済みってことは無いんですか?
ご遺族はそもそも告訴なさってなかったんだし、逮捕されたのは事件からかなり時間が経ってからですよね。
保険金が降りる予定でご遺族にお見舞い金渡して和解してて、今になって保険金が降りないってことになったとか。
あとは県側がどう処理するかってだけならいいけどと思ってしまいます。
これから民事裁判なんてことになったらお気の毒すぎる......

>福島県側の法廷闘争の本気度を疑って保険会社が訴訟参加することはあり得ると思います。

賠償責任保険では責任の有無にかかわらず裁判費用も対象になります。ご遺族からの提訴があった場合裁判費用は保険会社が支払いますし、裁判で認定された賠償金は保険会社が支払いますので、当然保険会社は裁判に関与することになります。(県と保険会社の力関係で十分にコントロールできない場合もありますが・・・)具体的には県の弁護士は医療裁判の専門家でない場合が多いですから、保険会社の推薦する医療裁判専門の弁護士が担当することになると思われます。

>福島県側の交渉代理人は、私だったら引き受けたくないですし、県職員として担当するのも正直イヤですね。

私だったら県の交渉方針しだいですね。「賠償金は支払わない。提訴されてもやむをえない。」というまっとうなものであれば、交渉の過程で少々いやな思いをしても、後は弁護士、裁判に任せればよい。
「0回答だが、遺族を説得して提訴させないように」だったらやってられないでしょうが。

>No.16 元保険屋 さま

訴訟になるか、和解による解決か、そして賠償責任保険を使うのか、いずれも福島県の交渉方針次第でしょう。

ただこれは私の個人的な推測ですが、福島県当局は大野病院の医師が行なった医療が、賠償責任の生じる不法行為にあたるのか否かを、公開の民事訴訟で争うのは避けたいと判断すると思っています。

その推測の上に立って、刑事裁判での過失否定の判決で保険金支払が厳しいことは間違いないし、さりとて民事訴訟も避けたいし、ゼロ回頭で突っぱねればご遺族が収らないだろうし…。このように潰していくと、県当局の交渉方針の選択肢は非常に限られますし、交渉の過程は非常に困難なものになると予測しています。

刑事裁判に続き、民事訴訟で再度医師の行なった医療行為の正当性が争われることは、諸般の情勢から福島県は選択することは困難というのは、全くの私個人の推量であり確証がある予測でもありません。そこはご理解下さい。


>No.15 沼地 さま
>これから民事裁判なんてことになったらお気の毒すぎる......

仰る通りと思います。民事裁判で再び医師の医療行為が不法行為になるか否かを争う事態になったら、日本中の産科医が非難する大騒動になるでしょう。それ故に福島県は民事訴訟は避ける方向で交渉に臨むと予測しています。

>保険金が降りる予定でご遺族にお見舞い金渡して和解してて

これは有り得ないと思います。保険金が下りることを見越して先渡しするお金を調達する術は、県の病院局の予算決算の手続無しには不可能だと思います。またご遺族も金銭は1円も受け取っていないとの情報が、判決直前の頃にYosyan先生のところで紹介されていました。

アレ??( ゚д゚) 自分でこんな書いてたって気づかなかった・・
でも庇ってくれた人がいるので、単なる書き間違えだってことは、内緒にしておこう。

ちなみに、グーグルさんに聞いてみたところ、
・前門の虎後門の狼 16,500件
・前門の狼後門の虎 14,600件 ←「〜は間違い」という解説の文章もあるが、マジボケも相当数あるもよう。

P R

ブログタイムズ

このエントリのコメント