エントリ

 議論が続いているようですので、続編エントリを立てました。

 このエントリは「医師はどうすれば安心するのか?」の続編です。

 現時点での最終コメントは、No.278 でも さん

 当地の救急医療部会での主要救急対応病院(二次および三次)懇談会で、各病院の担当部長の一致した見解について。

 無理をするなと下には言ってある。
 それぞれの専門外は受けるな。
 逮捕や訴訟されるよりされるより、受けなくて問題になるほうがいい。マスコミや議員がなに言おうが気にするな。

 ほかの地区も同様のようで、聞いたこともない救急隊が今日もやってきてた。大嘘ついて。(当地は隣接地区全部合わせれば100万人の医療圏です。)

です。

 実名主義者の弁護士から指摘を受けるまでもなく、匿名投稿のコメントですから、その信憑性に全幅の信頼を置けるものではありませんが、だからといってそのよう事実が全くないと言える状況でもありません。

 私はあるだろうと思いながら、議論をお聞きしたいと思います。

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ええっと、まったく無いというよりよくある話しではないのでしょうか?
一応は二次、三次救急救急であってもいつでも全科の専門医が対応できるわけでは無いので、下というか現場の若い医師には無理をするなと言うのはそんなもんなんじゃないでしょうか?
若い先生が変に過信して手に負えない患者さんを引き受けたら大変ですし。
嘘ついて救急隊がやってくる話もよく聞きます。
というか、救急隊もどっかには運ばないといけないので必死になりますよね。

たぶん昔から救急医療の体制が充分だったことは無くて、でもそんなものと思われてきたのが訴訟などとからんで表面に出てきただけだろうと思います。

根本的には救急医療にどこまでお金をかけるかでしょうが、それ以前に世界大恐慌になるのかなあ?
そっちが問題かも。

吟じま〜す

あると思いま〜す。

上の人たちの考え方次第と思いますが。

救急受け入れ義務化法案? 賛成。

こんなの受けるなボケ!!と、7,8年前には既に怒られていましたよ。ハイ。

お医者様の話を良く聞いて、指示されたことは必ず守りましょうね komaおばちゃん。

少し補足を、(匿名のままの投稿で申し訳ありません)医療行為で逮捕などというような少々、過激な表現を出してしまって申し訳ありません。このブログレベルのことから、現在その危険がほとんどないことを私は理解しておりますが、やはり、現場の各病院の中堅スタッフが集まるとその話が被害妄想的に出ていることは間違いありません。
 いかなる三次施設でも”つく””あたる”瞬間に容量オーバーになることはあります。スタッフ不足で受け入れ困難に至る時期もあります。そのとき、三次医療施設に要求される万全の医療を施せないときでも、今までは他科の対応でしのぐという便宜的な綱渡りで、”無理して”対応をしてくれていました。今はそれができなくなっているのです。
 今まで、綱渡りしていた救急が、綱渡りを止めようということになったのです。当地の地方版の新聞にいわゆる”たらいまわし”記事が載ったこともあります。でもそれに対する、救急部会の反応は、”しょうがない”であり”では何とかしよう”ではないのも現状です。(すみません、うちは二次施設で三次の話はあくまでも三次依頼した経験と、救急部会での三次の先生の会話、さらにうちにアルバイトにやってくる三次施設の若い先生からの話です。)
 当地は以前にも述べましたように、周辺人口を合わせて100万人の医療圏です。周辺に比べて、器械としての医療システムはかなり恵まれています。救急車はほとんど高規格救急車ですし、カーナビ、GPSはすべて装備され、いかなるところにでもいくことができます。救急隊の教育も勉強会も、医療側との勉強会も定期的に行なわれています。救命士同乗の救急隊もかなりの数になり、ベッド検索システムも万全です。(みんな信用してませんが)しかし結局救急隊と病院は信頼関係がなくてはやばい患者は受けられません。病院間でも同じです。いくらシステムにお金をかけても最後は人と人になってしまいます。
 近くの救急隊は信頼関係もあり、正直に話をしてくれますので、向こうの事情もわかるので多少無理をしてでも受け入れをします。聞いたこともない地区(もともと合併前は別の市だったのですから)の救急隊が困りに困って、カーナビを頼りに、はこんでくるのにろくな話がないことが多いのです。当然搬入口もわからず、とんでもないところに救急車をつけ事務員があわててこっちこっちとやってました。
 
 現状で、われわれの年代は下には無理するなといわざるを得ないのですが、実際にわれわれは無理してます。ご安心を(私は二次までですけど)。無理しなければ、川向こうからやってきて、もひとつ川を越してもらうとか、山に登ってもらうとかいう事態になるのを阻止してます。でも、それを他の人に要求はできません。また、とりあえず受けて、それから必要があれば転送という条件も受けてます。(これは心筋梗塞訴訟の判例をを考えるととっても危険な受けかたですが)でも、確実にみんな後退してます。ほんとです。私も後退してます。少しずつ。われわれの世代は相当無理していろんな経験をつんだ口ですし、無理なこともやらせてもらっております。私も、専門外ですが、本当に追い詰められれば、頭に穴あけますし,心嚢ドレナージもします。
 所詮予算もない、ひとも増えないの状況で、より専門的な医療ができなければ訴訟だという状況では、防衛的に”受けない”というしか手段がありません。

ノーベル賞学者が年に4人も出るのに、この国の医療の未来は暗いですねorz


 刑事立件のリスクは当面遠のいたと見ておりますが、民事のトンデモ訴訟は増えており、現場の人員減少があるような施設では、士気低下と少数医師の退職から始まるドミノ崩壊が現実だろうと思われます。
 端的に表れたのが救急や産科小児科ではありますが、小生の関わっていた外科などでも、現場指導医の高齢化はかなりヤバイ状態になりつつあります。
 日本の政治&経済がグダグダな状態では医療費を大幅に上げていくなどの決断はできないでしょうけど、時間がたてばたつほど金融市場と同じで状況は悪化してくるでしょうね。医療崩壊もかつての金融市場と同じく、政府がもたついてるうちに現場崩壊がハードランディングの形で起きてしまいそうな予感がします。

法務の末席さんは、社会保険労務士の資格を持ってらっしゃるということなので ご教授お願いしたいと思います。
保険の一元化がされた場合、 サラリーマンの負担額は今より増えますか、減りますか?

↑完全にトピずれです。

制度がないものの予測など出来るものではありません。


(本題に戻ります)

医師が医療を心配する姿は、炭鉱のカナリアと同じです
現場にいる医師の叫びを無視した後には、鈍感な一般市民がどんなに叫んでも医療のない世界に突入です。

今のような恵まれた医療環境が、今のような酷い医療労働環境下で両立できたことが奇跡に近いことなのです。
医師が求める医療環境の安心感は、この国の未来への安心感がないこと以上に、約束が難しいのではないですか?

ここは社会保険制度のQ&Aコーナーではありません。wain3356様には投稿マナーを守って頂きたくお願いします。

なお社会保険制度の将来の姿や費用負担は、政治が決めることであり、突き詰めればwain3356様を含む国民が決めることです。私に聞かれても困ります。

これはなんですか?お二人ともすばらしい倫理観の持ち主ですね、これ以上は追求しませんが、人を悪者呼ばわりするのはやめていただきたいですね。


No.270 法務業の末席 さん から 元外科医 さん への返信 | 2008年10月 8日 21:46 | 返信  (Top)
中小零細企業の会社経営者で、健保で標準報酬月額で59万円(給与月額575千円〜605千円)の人は、労使合計で年間の健康保険料は、580,560円になります。報酬月額が120万円で年収が1440万円の人は、労使合計の健康保険料負担額は119万円余りになります。

 あなたは前エントリで、かなりぶしつけな質問にもかかわらず法務業の末席さんに詳細な回答をしてもらったのではありませんか。

 ちょっと甘えすぎです。
 そして無礼です。

アノネ勘違いしないで下さいね。ここは「医師はどうすれば安心するのか?」というエントリです。

私は医師の方が現在の社会保険制度について誤った不満感を持っておられるように感じたから、安心して医療に専念できるお手伝いができればと思い、具体的な数字を挙げて現在の制度を解説したまでです。

元外科医様に宛てたコメントは、私としてはエントリの本筋に則った投稿だと思っています。

来年から医学生が大幅に増えることだし、医師不足を
そう心配することはない。

経済も医療も、じっと10年間耐えるしかない。

この日本に安心を求めること自体が間違っている。

もっと楽観的に考え、生きるべき。

ストレスが医療費増額を招く。

イエローカードが優しい、鷹揚な管理人様です。
でも wain3356さんは、手間を掛けてコメ欄を割いて誤りを正して貰ってる立場が解っていない様です。

これはなんですか?お二人ともすばらしい倫理観の持ち主ですね、これ以上は追求しませんが、人を悪者呼ばわりするのはやめていただきたいですね。

倫理観の ←人核攻撃
追求しませんが ←善意に対して要求が当然と考え
悪者呼ばわりするのは〜←コメ欄で我侭を通す態度は悪者相当

この「言った者勝ち」な感覚は所謂「モンスター○○」と同じ物で。
その我侭を罷り通させてきた対応は勘違いを増幅し、何処までも賠償そして刑事まで責められる状態に繋がった。

医療問題をも深刻化させてきた社会の傾向だと思います。
ややトピズレでしたm(_ _)m

>来年から医学生が大幅に増えることだし、医師不足を
そう心配することはない。

医学生が増えても,医師が増える保証はないと思いますが.留年,国家試験不合格 etc.関門はいくつもありますよ.
いずれにしても時間が掛かり過ぎます.今のままだったら勤務医は今より増える可能性は低いですから,その対策は必要でしょう.民事のトンでも裁判が続いたりするようでは楽観はできないではないですか?

ちょっと長居し過ぎましたね、私の投稿はすべて削除してください。お騒がせして申し訳ありませんでした。
それではみなさま ごきげんよう。

元外科医様のブログを拝見しました。非常に納得のいくご意見ばかりです。


前々から気になったいたのですが、ちょうど良い話がでてきましたので、


政府がもたついてるうちに現場崩壊がハードランディングの形で起きてしまいそうな予感がします。


ですが、政府はもたついているのでしょうか?
「わざと」「意図的に」ということはないでしょうか?
日本の政府はどちらかというと、人より企業を見ているように感じます。


医療の変化がこのまま進む(いわゆる、医療崩壊)と、お金に余裕のある人々(国民の半数程度でしょうか)のみが高額な医療サービスを買うことができる、今のアメリカと同じような状態になるのだと思います。


そういう状況になるのは、医療産業(薬品、器具等)や保険会社にとって、ものすごく望ましいことです。そして、こういうところは、官僚の天下り先でしょう。また、政治家、官僚は、確実に、医療が崩壊しても医療サービスを買うことができる側にいます。今より、もっと、堂々と、良いサービスを「要求」できるようになるかもしれません。


彼ら(トップレベル)が嫌なのは、医療崩壊より、どうにかしろという国民からのブーイングと選挙で負けることでしかないのでは。


医師が訴えられるときは、個人が表に出てきますが、お上の場合は、大臣ぐらいにならないと個がでてきません。「当時の担当がいない」ということで、個人が批判されることがほとんどない。
だから、自分がお上の仕事をしている間に医療崩壊しても、so what? て感じではないかと邪推してしまいます。


考えすぎかもしれませんが。


ただ、今の医療現場の変化が完了形になったときに困るのは医師ではないと思います。
内科の医者様が前におっしゃったように、大抵の医師は開き直ればどちらにでも対応できる。
困るのは患者側です。

来年から医学生が大幅に増えることだし、医師不足を そう心配することはない。


このことなのですが。
今の研修制度を受けている研修医をなめたらいけないですよ。
モンスターなんとかといい勝負ができるかもしれない。


私たち非医療者サイドが忘れがちなのは、ネット上で医療の崩壊を止めようと発言なさっているのは主として超ベテランクラスだということです。


あと、5年もすれば、新研修制度卒業生が医療現場の第一線に現れてくるでしょう。
5時になったら、「では、失礼します」と、超ベテランをおいて帰宅するように仕込まれている医師です。今のベテランクラスと同じ仕事をこなすには、3,4人必要かもしれません。


でも、実は、それが当然で、今までの過労働、過負荷が異常だったのかもしれませんが。

 禿同です。
 ちなみに弁護士が大増員となって、弁護士不足は解消されそうですが、若手の質の低下が著しく、有能な弁護士不足は変わりがないと言われています。新人の勤務弁護士の初任給も大幅に下落し、モチベーションまで低下することが危惧されます。弁護士が大幅増員されて、就職難らしいですしo(;△;)o

司法試験改革のもとは、今後の訴訟増加だったはずですが
改革後の訴訟数の増加はそれほどではないんですよね?
(正確な統計数字調べていません(^^;))

だと、法曹(弁護士)は人員増強したのに仕事が足らないと言うことになりますね・・・、でも地方は弁護士さん足りないらしいですが・・・。


トピずれからもどす?と
>来年から医学生が大幅に増えることだし、医師不足をそう心配することはない。
komaさんも指摘してますが、それすら間違いでは・・・
3-4人いてもベテランと同等にはなりえないと、知識と経験は人数では補えませんから、ただベテランが当たらないで済む仕事に適切な人員が行くことでベテランの負荷が減りはすると思いますけど・・・。いくら研修終了していても、実際に使い物になるのに3年目くらい(普通の会社)からですから職人仕事な医者では・・・。

それとkomaさんの邪推も解らないではないですが、根本的にはお国が借金まみれで「無い袖は振れない」ってのが現状ではないかと・・・、国民(地方)は「医療」より「道路」と考えていると思われているようですから某宮崎県知事や国会議員さんは・・・。


今後10年くらいは現有戦力で崩壊を防がないとならないと思うのですが、逃散した方々に戻ってきてもらわないとかなり厳しいと思います。
戻ってもらうには(理不尽な刑事罰と賠償におびえなくてすむ)安心して仕事が出来る環境ということですね。

>私の投稿はすべて削除してください。

 これは削除の要求ですか?
 そうであるならば、応じられません。
 すでにレスがついているコメントの削除は管理人の判断によります。

 ついでに言いますが、削除というのも手間がかかるんですよ。書く以上に。

>来年から医学生が大幅に増えることだし、医師不足を
そう心配することはない。

すでに最近の新人医師のなかには人の死を看取る可能性の少ない科を志望する医師が多いと聞きます。
医師の労働条件や訴訟リスクが今のままであれば、今後はその傾向が強まると思われます。
安い給料で夜も休日もよく働く腕のいい医者は絶滅危惧種です。

後期研修制度の見直しで、僻地の医師不足は解決に向かうと
思います。

後期研修募集人員を県別に決める。
各診療科の募集人数も県別に決める。
前期研修と同じマッチング方式。
前期修了者と同じ人数の募集。

問題は、都道府県の人数分配ですが、国が決めるしか
ないでしょう。

例えば、東京で耳鼻科研修したくても、定員に入れなければ
空いている地方に行くか、もしくは一年間アルバイトして
来年の募集に応募する、といった感じになると思います。

受験と同じで、都市部の病院の競争率が異常に上がると思います。
都市部で研修受けた人間は主に専門医として活躍でき、
地方は総合医を多く養成という感じになるかもしれません。

これで、診療科目、地域格差がかなり解消できると
思います。

この方向で今後議論が進むものと思います。

昔の若い医者と、今の若い医者は、経済開放前の中国人民と、その後の中国人くらい、行動原理が違うので、同じ前提での予測は論理として危ういと思いますよ。

研修が明けた途端、都市部に出て行くだけだと思いますがね。
*都市部だって医師が有り余っているわけではありませんから。

 失礼ながら、そんな計画経済がうまく行くとは思えません。

 今度は伯林ではなく都鄙の壁が崩壊するだけのことでしょう。

 多少トピズレを覚悟して書いたのは、きちんと制度設計して人員増減や人員配置やらないと、ミスマッチが拡大したり、質の弊害が出たり、という実例としてご紹介した次第です。m(_ _)m
 公務員の人事も同様で、昔は行政需要増大に比例して黙っていても増えるので(行政需要が低下しても減らさない)、ここ15年は一律削減目標を定めて、各省庁や組織が独自に配置転換でマッチング処理をした後に増員要求せよに変わりました。
 昔は、コメの検査時だけ超繁忙(ほとんど半徹夜状態)であとの10か月は遊んで暮らした米穀等級検査官というお仕事すらありました。

http://www.cabrain.net/news/article/newsId/18631.html
この記事の中で、

オブザーバーとして出席した警察庁と法務省の担当者も、「重大な過失」と「標準的な医療から著しく逸脱」は同じ意味であると説明した。

このような考えで運営されるのであれば、医師の諸先生方は不安に思われるのではないでしょうか。
 患者予備軍の私も、このような考えで運営されるのであれば、非常に不安です。というか、患者として治療上余計に不利益を被る可能性が高い、と思います。

それより、こっちの方が問題かと

「大野病院事件の判決は、法律家の間では重視されない。一審判決でしかない。地裁の判断でしかない。法律の世界はそこが非常に厳しくて、原則として最高裁(の判決)でなければ判例とは言わない」―。

これじゃ安心して医療なんかできませんぜ

「大野病院事件の判決は、法律家の間では重視されない。一審判決でしかない。地裁の判断でしかない。法律の世界はそこが非常に厳しくて、原則として最高裁(の判決)でなければ判例とは言わない」―。

というか、こんな事は少なくともここの常連ならみんな分かっていることで・・・。

内容よりもどういう意図でこういうことを言ったのかがより問題だと思います。

 前田教授は、刑事裁判は検察が起訴しないと始まらない、ということを忘れています。
 そして、大野病院事件の不控訴が福島地検限りの判断だと思っているのでしょう。

(脊髄反射的な勇み足コメントのようなので、前田教授に陳謝して撤回します。モトケン)

新井記者の見出しのつけ方とか、ちょっと問題があるように思います。前田教授の発言は樋口教授の

そこで法文として書き込むのがどうなのかは分からないが、ちょうどこの8月に大野病院事件の判決が出て、裁判所が一つのルールを示してくれた。著しく標準的医療から逸脱するとは、こういうことだと。確定はしたものの地裁判決であって、ではあるが具体的な事件で基準が示された。これは分かりやすいと思う。
という発言を受けて
大野病院は地裁判決なので、あの判断が間違っているということではないけれど、最高裁判決でなければ法律家は判例と呼ばないので、法律家としてはあまり重視できない。一つの判決だけで、厚生労働省の方に書き込んじゃうとまずい
と発言したわけです。
http://lohasmedical.jp/blog/medical/2008/10/post_1420.php#more
つまり、「通知」の基準として地裁の「一般性・通有性基準」を法文等に書き込んじゃう、というのはやりすぎであるという趣旨であって、前田教授もその後
大野病院事件のことに関して言うと、最高裁のもの以外判例とは言わない。しかし、これだけ世の中に注目され評価されているものが影響を与えないわけもない。
とフォローしているわけです。どちらかというとキャリアブレインの記事は揚げ足取りというか、言葉狩り的な感じがしますね。

事故調検討会座長の前田教授は刑法がご専門の首都大学の教授で、元々が厚生労働省とご縁が薄い方です。昨年4月に検討会を作るときに刑法関係の学識経験者にツテが少なくて困っていた厚労省が、警察庁から紹介を受けて委嘱した方です。前田教授は警察庁政策評価研究会委員長や法務省政策評価委員を以前より務められており、厚労省の検討会発足直前の2007年3月までは、警察庁の有識者会議「総合セキュリティ対策会議」委員長でした。その対策会議が3月までで報告書を纏めて手すきになられたので、厚労省の検討会座長に07年4月に就任された方です。

前田教授ご自身の事故調に対するスタンスは、検討会の過去の議事録を私が読んだ限りでは、事故調が警察の捜査権に優先するには法的根拠が必要とのお考えのように思えます。言い換えると警察の捜査権が厚労省所管の事故調の制約下の置かれる運用には、前田教授の本心はあまり賛成とは思えない印象を受けました。

また35でろくろくび様が指摘されている、前田教授の前に発言された樋口教授は英米法がご専門の東大教授です。その為に判例主義が原則の英米法の立場で語られる樋口教授と、成文法の原則に立つ前田教授とでは「判例」という言葉の使い方や意味づけに微妙な違いがあるようです。そうした微妙な両者のニュアンスの違いが、35でろくろくび様がご紹介された発言の順序と内容をトレースすると感じ取れます。

すなわち福島地裁の判決は英米法では「判例」として法規範性を持つかも知れないが、成文法主義の日本では法規範性を持つ「判例」は最高裁判決に限られる。そして「判例」という言葉に込められた意味づけが不明確のままでは議論が紛糾する恐れがあるので、この検討会に列席の法学者でない方々は、樋口教授の使われる「判例」と自分の言う「最高裁判例」との違いに充分留意されて議論して頂きたい。私は前田座長の発言の真意はこうしたことではないかと推測しております。

どちらかというとキャリアブレインの記事は揚げ足取りというか、言葉狩り的な感じがしますね。
このNo.32ろくろくび様のコメントには満腔の同意の立場です。


なおCBニュースというのは医師の方々にはなかなか人気がある報道媒体のようですが、元々が医療職専門の有料職業紹介業者であるキャリアブレインという会社が、自社の顧客である病院や医療機関関係者に向けた一種の「広報誌」です。それ故に公正な立場で真実を報道するジャーナリズムの原点から見ると、記事の内容や編集方針に中立公平性の面で疑問符が付くように感じます。また記者の取材能力の不足もあってか、先日も1点10円の保険診療報酬を、来年秋から新しく発足した健保協会が独自に変えられるなどという、法令面からは全く誤った情報を紹介した記事までありました。

こうしたことから私は情報ソースがCBニュースの場合、その情報は「半値半額2割引」で評価するようにしています。まあ来週には検討会の議事録が厚生労働省のHPにアップされるでしょうし、それを読んでから改めてCBニュースの報道を論じるべきかとは思いますが…。

はじめまして。
悪意のある人間が、ここに私の名前を使って、投稿していたようです。
今、元検弁護士様のブログを読める状況ではないのですが、怒りがおさまらないので、投稿させて頂きました。
出来ましたら、あまり参考にはならないかもしれませんが、偽物wain3356のIPアドレスを、私のメールアドレスに教えていただければと思います。
よろしくお願いいたします。

詳しい解説、ありがとうございます
ただまぁ、法律に無知な医者としましては

これだけ世の中に注目され評価されているものが影響を与えないわけもない

この言葉には何の担保もないわけで

大野病院事件のことに関して言うと、最高裁のもの以外判例とは言わない

この一言が、「司法的には大野病院事件なんて無かったと同じ」と言われてるように感じるのですよね
被害妄想ですかね?

>「わざと」「意図的に」ということはないでしょうか?

医療崩壊は国策なのではないだろうかと考えている医者は私を含めたくさんいます。

「労働力となりえない年金暮らしの超高齢者の重病を高い医療費をかけて検査治療することに経済的利得は無いから、こういう人が診療を受けにくい環境を作ろう」という悪魔のような考えの持ち主が政治を動かす力があれば、国策として医療崩壊を押し進めることでしょう。費用対効果ってやつですかね。

医者を安心させて存分に力を発揮させ、危ない命をどんどん助けさせようなんて、国はちっとも考えていないんじゃないかと思うことがあります。
そう仮定するといろいろなことが腑に落ちます。
違うといいんですが。

「司法的には大野病院事件なんて無かったと同じ」

表現を変えれば、
「大野病院事件での無罪判決では、何ら新奇で特殊な判断基準は用いられていない。従来の枠組みの中で当然に無罪になるべき事案であった」
と認めている、という解釈もできるかと。

 ひとことです。m(_ _)m

>最高裁のもの以外判例とは言わない。

 これは明らかな間違いです。高裁の判例は、法文上でも実質的にも実務慣例でも「判例」です(定説)。裁判官が判例と呼ばないのは、簡裁と地裁の「判決例」といいます。「最高裁のもの以外判例と言わない」なんて、法律家の言葉じゃない(少なくとも刑事訴訟法不勉強)でしょう。
 しかも、実務上は、重要な判断があれば、地裁判決例でも「判例」として扱っています。判例百選がそうですね。

「最高裁のもの以外判例と言わない」なんて、法律家の言葉じゃない(少なくとも刑事訴訟法不勉強)でしょう。

す、すごすぎます。

あの前田雅英に対して、「刑事訴訟法不勉強」とまで言い切るなんて。。。

不勉強な人の教科書を使っている者としては、肩身が狭くなりそうです。

そこまで言い切るのは逆に誤解を招きそうな気が・・・・。

学者を含め、法律家というのは「判例」とか「裁判例」という言葉を様々なニュアンス・含意を込めて用いるのであるが(同じ人が同じ言葉を違う意味で使うこともある)、専門外の人にはそこまで理解が及ばず、単語の字面に注目されると誤解のタネになりかねない。だから、「判例」という言葉だけにとらわれず、文脈を踏まえた理解をして頂きたい、と。

恐らく前田教授の言わんとするところはその辺りであって、私としてはNo.33 法務業の末席さんの捉え方に賛成です。

 つまり判例の定義論争(神学論争)を招くような発言をしちゃいけないということです。刑事法の大学教授なら。ここは團藤先生はきっちりされていらっしゃいます。

なるほど、地裁判決でも、大野事件のようなエポックメーキングなものであれば将来は「医療事件判例百選」に名を連ねる可能性があるのですね。

 もちろん不勉強なキャリアブレインの記者が誤解してまとめた可能性の方が高いです。だから記者の言葉であって、前田先生の生の言葉とは思えないという意味で、法律家の言葉じゃないと判断したわけです。
 マスコミ記事を大学教授が発表前に校閲するのは、こういう誤解記事を防ぐこともあります。私が若い時に某公務員の発言記事を校正したとき、同音異義語で法律用語の誤変換なものが数か所ありました。意味が全く違ってしまうので唖然としたことを覚えています。
 ちょうど、「悪意」(知・不知のうちの知)を「悪だくみ」と誤変換するようなものでした。

 基本法の判例百選ならいざしらず、基本6法の周囲に位置する周辺法では地裁の判例も珍しくありません。
 私の大学時代の「労働判例百選」だと、地労委命令(行政審判例)や労働基準局解釈例規(行政解釈例)まで、最高裁判例と並んで堂々と掲載されていました(遠い目。
 「判例」と「判例百選」のトリビアでした。m(_ _)m

医学用語も記者が脳内変換すると変な言葉になることが多いです(笑)

業界用語に詳しい記者もいるはずですけどねえ

検討会での前田座長の「福島地裁判決は判例とは言わない」という発言ですが、私はこの発言の裏には捜査権の独立性に対する警察官僚の強烈な意識を感じます。

医療事故と警察の捜査権限との関係について警察庁の本心としては、新たに制定された法律(例えは事故調設置法など)や、現行法令の改正(刑法や刑訴法の改正など)が行なわれるのであれば、現場一線の捜査担当者の感情的な不満はあれど従うでしょう。唯一の立法権を有する国会の議決に異を唱えるという選択肢は、官僚にとってあり得ませんから。

また法律と同等の既判力を持つとされる最高裁の「判例」で、医療過失に対する刑事責任追求の限界が線引きされるなら、これもまた官僚の立場ではやむを得ないことと受け入れると思います。やはり憲法で保障された司法権の最終判断に不満を表すことは、官僚にとってタブーですから。

この立法と司法の最終決定に行政(警察官僚)が従わなければならないことは、国家公務員としての憲法遵守の義務規定からして当然のことです。もし仮にも内心の思いとして不満があったとしても、その不満を表明することは国家制度を公然と否定することと同等視されかねず、国家国民への奉仕者としての公務員の矜持を否定することに繋がります。ですので「法令」と「判例」には官僚は「絶対的服従」の立場です。

では、福島大野事件のような下級審(1審の福島地裁)での「裁判例」については、警察官僚の本心はどのようなものか考えてみます。下級審の裁判例を「尊重」して「捜査権の手綱を絞る」ことは、あくまでも「自発的行為」であり「絶対的服従」ではありません。この「自発的行為」という考え方の背景には、自分達の権力権限を捜査当局の思し召しでセーブしているのであるから有難く思うように、という警察官僚の善意の押し付けのニュアンスを感じます。

前田教授ご自身は長年の警察庁との付合いの深さから、警察庁官僚の代弁者として厚生労働省の検討会座長に送り込まれた、自らの立場というか発言の基盤の置き所を良く承知されているのだと推察します。この警察官僚の代弁者という立場からの前田座長の発言の裏に、法と同等の既判力を持つ「判例」は最高裁判例だけのことを言うのであって、福島地裁の「裁判例」を捜査機関が自ら尊重することは意味合いが違う。このように言わんとしているように私には感じ取れます。

まあ事故調検討委員会の顔触れを見ると、刑事捜査に携わる警察庁や法務省官僚の立場を背景にしているメンバーは、前田座長ただお一人ように思えます。他は医療の専門家や法学者といっても民事賠償がご専門の方ばかりのようです。取り纏め役の座長が捜査当局の代弁者では、出来上がって来る事故調設置案が医療界が諸手を挙げて歓迎する内容になるとは思えません。14人の委員の中で唯一人の刑法学者を座長に迎えたことが、3次大綱案でも医療界からの反発が多くて纏まらない、事故調設置法案モタツキの原因の一つではないかと個人的には感じています。

厚生労働省医政局と医療関係者の不幸の始まりは、前田教授に警察庁への根回し橋渡しを期待して座長に据えたのに、結果的に警察官僚の代弁者を頭に据えてしまった思惑違いが、そもそもの手違いであり想定違いではなかろうか。

>検討会での前田座長の「福島地裁判決は判例とは言わない」という発言です

 それなら至極まっとうな発言です。裁判所の実務用語にも符合し、刑訴法の規定(上告理由に出てきます)にも合致しています。
 一般人から見たら、多分にマニアックな発言に見えると思いますが。ヽ(^。^)ノ

はじめまして。

素朴な疑問なのですが、大野病院の加藤医師が片岡検事個人を相手に損害賠償請求訴訟を起こす事は可能なのでしょうか。

馬鹿な質問かも知れず、恐縮ですが、ご教示いただければ幸いです。

 はじめまして。m(_ _)m
 訴訟を起こすことは誰でも自由にできます。ただ法令に従った理由(法律要件や要件事実)がなければ、訴えが棄却(却下)されるだけです。
 公務員の職務行為を理由とする場合、法令にしたがった損害賠償請求だと、国家賠償法が適用され、当該公務員個人に故意又は重大な過失がないと、当該公務員への損害賠償は認められません。

> 国家賠償法が適用され、当該公務員個人に故意又は重大な過失がないと、当該公務員への損害賠償は認められません(No.49 ハスカップ さま)

正確に言うと、「求償」。
法律上求償できるケースでも、実際にするかどうかは、使用者の裁量判断によりますので、
被害者から国に対して「公務員個人に対し求償せよ」という請求のしかたはできません。

国家賠償法
第1条 国又は公共団体の公権力の行使に当る公務員が、その職務を行うについて、故意又は過失によつて違法に他人に損害を加えたときは、国又は公共団体が、これを賠償する責に任ずる。
2 前項の場合において、公務員に故意又は重大な過失があつたときは、国又は公共団体は、その公務員に対して求償権を有する。

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あと、何度も繰り返し出ていますが、
本件で片岡検事が起訴を決めたわけではありません。
次席検事は地方検察庁の広報担当で、記者発表をする役目だから、この人がマスコミの取材に応じていただけ。
◆福島産科医師逮捕問題に関する話
http://www.yabelab.net/blog/2006/10/04-150649.php

早々のご回答誠に有難うございます。

よく分かりました。しかし国公立病院に勤務する公務員である医師の職務行為に起因した損害については、医師に直接賠償請求が来るのが納得いかない部分でありますが、制度上止むを得ないのでしょうね。

しかし国公立病院に勤務する公務員である医師の職務行為に起因した損害については、医師に直接賠償請求が来るのが納得いかない部分でありますが、制度上止むを得ないのでしょうね。

 実は同じ疑問を持ちましたが、公立病院の医療事故裁判(民事)で医師個人に損害賠償せよという判決が出た事例ってありますかね?
 かの有名な加古川でも奈良心タンポナーデ訴訟でも医師個人に損害賠償を求めてはいませんよね。

 詳しい方にご教授願いたいです。

制度上、原告に選択権があります。
「使用者責任」(民法715条)が問題になる場合、行為者(担当医や処置を行った看護師)と、その使用者(医療法人等)を一緒に訴えることもできるし、一方のみを訴えることもできます。

使用者のみを訴えている例
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=01&hanreiNo=36410&hanreiKbn=03

使用者+行為者両方を訴えている例
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=01&hanreiNo=35250&hanreiKbn=03

国賠法の「公務員バリア」についてはこちらを
日本をダメにした10の裁判

>fuka_fuka先生
早速レスありがとうございます。

制度上、原告に選択権があります。 「使用者責任」(民法715条)が問題になる場合、行為者(担当医や処置を行った看護師)と、その使用者(医療法人等)を一緒に訴えることもできるし、一方のみを訴えることもできます。

 一応これは知っているのですが、医師が公務員である場合にどうなのかなと言うことなんです。実際そう言う判例あるのかなと。

 んで、国家賠償法+公務員バリアでググってみましたら、「天国へのビザ」で先生がご紹介くださった著者からのメールが掲載されてました・・・汗
http://blog.m3.com/Visa/20080607/1

 やっぱしだめかい・・・

> 国公立病院に勤務する公務員である医師の職務行為に起因した損害については、医師に直接賠償請求が来るのが納得いかない部分であります(No.51 脱落医 さま)

不法行為の内容が、国賠マター(公権力行使)か、民法マター(私法関係)かという区別によるもので、
医療は一般に公立病院で行うものあっても、公権力ではなく、私的な契約関係と解されています。

もっとも、医療行為であっても、公権力に基づいたものであれば、国賠マターとなります。
例)刑務所内の医療。健康保険は適用されず、全て国費の刑務所予算でまかなわれる。

で、そこから発展して、
No.53 fuka_fuka さまおっしゃるところの「公務員バリア」を、保険診療全般にまで拡大できないか、という考え。
◆医療崩壊について考え、語るエントリ(その11)
コメントNo.176、185 YUNYUN
http://www.yabelab.net/blog/2007/02/04-124938.php#c40320

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ちなみに、イギリスの健康保険制度(National Health Service)では、NHSを実施する公的病院がトラストを組織して、医療過誤の補償交渉などを行っているようです。訴訟になった時も医師個人ではなく、トラストが受けます。

そういうことが、日本の健康保険でもできないか、というご意見がありましたが、
私としては、現行法の枠内では困難(立法論としてならばあり得る)という考えです。

◆医療崩壊について考え、語るエントリ(その8)
コメントNo.89 整形A さま、No.109 YUNYUN、No.111 じじい 様、No.117 整形A さま、No.122 YUNYUN、No.124 整形A さま、

http://www.yabelab.net/blog/2006/11/23-231315.php#c24333

健康保険法70条1項に拠れば

保険医療機関又は保険薬局は、当該保険医療機関において診療に従事する保険医又は当該保険薬局において調剤に従事する保険薬剤師に、第七十二条第一項の厚生労働省令で定めるところにより、診療又は調剤に当たらせるほか、厚生労働省令で定めるところにより、療養の給付を担当しなければならない。
となっており、健康保険の療養の給付を担当するのは保険医療機関又は保険薬局であり、保険医又は保険薬剤師は保険医療機関又は保険薬局の指揮命令下において保険診療又は調剤に従事する「被用者」であると解されます。

なおこの場合の保険医療機関又は保険薬局の指揮命令の具体的内容は、厚生労働省令で定めるところによる制約を逸脱することは許されないと理解されるのが一般的だと思います。

すなわち健康保険法での保険者と保険医療機関とは、業務請負の契約関係にあって、保険医療機関と保険医とは雇用契約関係にある。故に保険者が直接個々の保険医を指揮命令するのではなく、保険医が直接公権力の行使に携わっているという解釈は成り立たないのではないかと思料します。

設立母体が公立あるいは私立を問わず病院の勤務医については、この健康保険法70条の規定からすれば保険診療機関に雇われた「労働者」「被用者」の位置付けであり、民法715条の使用者責任のマターに該当するのではないでしょうか。

ただし個人経営の開業医は、保険医でありながら同時に保険医療機関(診療所)そのものでもあり、健康保険法の療養の給付を保険者から直接請負う契約当事者であって、公権力の行使に携わっているという解釈が成り立つ余地がある?

 普通に考えて、医療行為は「公権力の行使」ではないでしょうね。
 ちょっと話はズレますが、もし、健康保険制度に国が関与していることを根拠として、保険診療を「公権力行使」と位置づけるのであれば、国は医療サービスにおける地域偏在の解消を強力に推し進める必要がありそうです。
 公権力の行使たる医療サービスに極端な地域格差があり、その状況を放置するのでは国民に対する背反ですから。

> 健康保険法での保険者と保険医療機関とは、業務請負の契約関係にあって、保険医療機関と保険医とは雇用契約関係にある(No.56 法務業の末席 さま)

雇用関係かどうかの問題ではないと思います。
公権力行使に携わる公務員も、国に雇われているという意味では雇用関係ですから。

問題は、保険診療行為が、国家賠償法にいう「公権力行使」に当たるかということ。
その仕事を実際にする人の身分が、公務員か民間人かということは、メルクマールになりません。業務委託やら指定管理者やら、いろいろな仕事の仕方がありますからね。
行為の性質が、おおやけか、わたくしか。その境界線の位置を先験的に知ることは、できない。どうも最近、公権力の範囲が揺らいでいる(拡大方向にある)ような気がするのです。

例えば、上に書いたように、刑務所で施す医療は、たとえ外部病院に連れて行って診察を受けさせるのであっても、公権力行使の範疇に数えられています。治療の内容自体は、一般ピープルが受ける治療と、受刑者が受ける治療とで、違いがあるわけではありません。
なのにどうして、一方は公権力関係とされ、他方は私的関係なのだろう?

平成18年06月16日最高裁第二小法廷判決 平成16(受)672
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=02&hanreiNo=33231&hanreiKbn=01
集団予防接種等が強制接種であったか勧奨接種であ
ったかにかかわらず,被告の伝染病予防行政上の公権力の行使に当たる

裁判所は医療行為のうち、どこまでを公権力に入れるつもりか。
予防接種や救急医療が公権力なら、もはや保険診療全般を公権力に入れることもあながち不合理ではないのでは?

>公権力の行使たる医療サービスに極端な地域格差があり、その状況を放置するのでは国民に対する背反ですから。

保険医が公権力の行使者であれば、公権力の指示に従って保険医療に従事しなければならない。その公権力の指示には医療の内容のみならず、何時何処でどのような患者を対象に医療を行なうかということについても指示に従う必要がある。これは一種の「保険医=国家公務員」とする理屈ですね。

保険医療機関に勤務する保険医は、保険者の指示する保険医療機関に勤務しなければならず、個人開業医たる保険医療機関は、保険者の指示する医師不足地域で開業しなければならないし、産科や救急医療などの医師が足りない診療科に従事しなければならなくなる。その代わりに公権力の行使者として個人賠償責任を免れ、保険者が全ての賠償責任を負う国賠法の適用を受ける。

就業場所や診療科の選択の自由と個人賠償責任の免責のバーター、医師にとってどっちを選択したいと思うのだろうか?

健康保険法118条において、次のように規定されています。

被保険者又は被保険者であった者が、次の各号のいずれかに該当する場合には、疾病、負傷又は出産につき、その期間に係る保険給付(傷病手当金及び出産手当金の支給にあっては、厚生労働省令で定める場合に限る。)は、行わない。
一  少年院その他これに準ずる施設に収容されたとき。
二  刑事施設、労役場その他これらに準ずる施設に拘禁されたとき。
健保法のこの規定により、刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律に規定される刑務所等は、健康保険法の適用対象外となっています。

逆に刑事収容処遇法の56条において

刑事施設においては、被収容者の心身の状況を把握することに努め、被収容者の健康及び刑事施設内の衛生を保持するため、社会一般の保健衛生及び医療の水準に照らし適切な保健衛生上及び医療上の措置を講ずるものとする。
とされ、更に同法62条において
刑事施設の長は、被収容者が次の各号のいずれかに該当する場合には、速やかに、刑事施設の職員である医師等(医師又は歯科医師をいう。以下同じ。)による診療(栄養補給の処置を含む。以下同じ。)を行い、その他必要な医療上の措置を執るものとする。(ただし書き以下省略)

と規定されていて、刑事収容施設においては健康保険法は適用されないとする、前記の健康保険法118条の規定と対を為す形になっています。

このことから刑事収容施設での医療が公権力の行使であるとの判例があるが故に、同じ医療行為である健康保険法上の療養の給付も公権力の行使とする解釈は、当該判例の射程を超える解釈と思いますが如何?

本文とは、まったく関連がない個人的な事情の書き込みおゆるし下さい。

http://messages.yahoo.co.jp/bbs?.mm=GN&action=m&board=552018650&tid=fb2j0ebbua4oa4ia4a6a4ja4sa4c0a4ma4a6a4ma1a3&sid=552018650&mid=9656

ネットストーカーによる成り済まし犯罪
により、このブログの管理人様ならびに、常連の皆様に、ご迷惑をおかけしたことは十分に承知しておりますが、名前を使われた私にとっては、未だ許せない行為です。
なんとか、しっぽをつかまえて、警察にでもなんでも突き出したいと考えています。

何か良い方法がありましたら、ご教授頂ければ幸いです。

P R

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