la_causette の「自分が検察官なら認識ある過失の主張など取り下げさせるからそんな問題は生じない」との批判についてに関するエントリです。
まずタイトルについてですが、内容から見ると、私の
「日本産科婦人科学会における『正当な業務の遂行として行った医療』の意味」について
に対する批判のようなのですが、カギ括弧でくくられた「自分が検察官なら認識ある過失の主張など取り下げさせるからそんな問題は生じない」というのが、いったいどこから引用されたものか不明です。
私はそんなことを言った覚えはありませんが、本文を読めば出典が明らかになるのでしょうか?
という疑問を抱きつつ本文を読んでみます。
京都弁護士会の矢部善朗弁護士が「モトケンの小倉秀夫ヲッチング」というブログを開設されたようです。現役の弁護士が特定の弁護士を批判するためだけにブログを立ち上げることが弁護士倫理上いかがなものかということは今後の研究課題です。
なるほど。
では、東京弁護士会所属の小倉秀夫弁護士が既存の「la_causette」というブログで、特定の弁護士を批判することは弁護士倫理上問題がないかどうかも今後の研究課題に含めていただきたいと思います。
刑法上の「故意」についての判例通説は、(以下、略)
法科大学院2年生前期なみの議論ですね。
理論倒れで事実認定まで頭が回らない、というところです。
小倉弁護士は、レボルバー(回転弾装式拳銃)の弾装に実砲を一発だけいれて弾装をカラカラと回し、二人が相手に向けて引き金を引き合うゲームをしていて(ロシアンルーレットの逆ですね)、「俺の勘では弾が出ないと決め付けて引き金を引いたら弾が発射されて相手が死んじゃった。」と供述する被疑者には殺人の故意がないというのでしょうね。
小倉先生は、「認識ある過失」を引き合いにだしてごちゃごちゃ言ってますが、
隣のベッドに寝ている患者の血液型がA型だったから、この患者の血液型もA型だろうと勘で決めつけてA型の血液を輸血しました。
という供述だけで、優に認容が認定できます。
小倉先生は、どんなに状況証拠がそろっていたとしても、被告人が「俺は殺すつもりはなかった。」と一言いえば、殺人罪で有罪にできないと思っていらっしゃるのかも知れませんが、そんな理解で刑事弁護をやるとやばいですよ。
最後まで読みましたが、タイトルの批判を誰が言っているのかわかりませんでした。
これも、印象操作のテクニックなのでしょうか?
ところで、小倉先生は私が主任検事をした山形マット死事件に言及されていますが、同事件は、仙台高裁及び最高裁において、検察側主張がほぼ全面的に認められていることだけを指摘しておきます。
小倉秀夫さんにお願いしますが、「人が言ってもいないことを言ったと称して」意見表明をするのは、誤読・誤解を招くうえに、故意にやっているなら印象操作との批判を免れないので、人の意見を引用するなら、これまで同様、出典の文献やURLを正確に引用していただくようにお願いします。
こんな当然のことを著作権の専門家弁護士であらせられる小倉秀夫さんに申し上げる「釈迦に説法の非礼」をお詫びします。
ところで、モトケン先生が「『自分が検察官なら認識ある過失の主張など取り下げさせるからそんな問題は生じない』と言った又は記述した典拠を早急に引用先明示方式でお願いします。m(_ _)m
という状況を考えてみますが、患者の血液型がA型では無いのにA型を輸血してしまった場合には命に関わるということは、輸血を行った医療従事者は当然知っているはずです。であれば、A型以外の血液型である可能性があると考えていればクロスマッチなしでA型を輸血するということ自体ありえないのではないでしょうか。つまり、A型を輸血したのは、何らかの理由でその患者がA型であると確信し、他の血液型である可能性を考えていなかったからだと考えられます。とすれば、故意は無いと言えると思います。
ただ、このような状況は「勘でA型と決めつけて」という表現には合いません。私であれば「A型であると勘違いして」と表現すると思います。この事例は隣の患者の血液型と該当する患者の血液型を勘違いしたということではないのでしょうか?
勘違いにせよ、100%の確信を持って行った選択を「勘で決めつけて」と表現するのは日本語としておかしい。しかしクロスマッチなしでA型を輸血したという行為は、100%の確信を持って行ったと考える方が納得できる。矛盾を感じてしまいます。
もしかすると、本人にはA型と確信できるなんらかの根拠があったが、その根拠を他人に合理的に説明することが出来ないため「勘で決めつけて」という表現になったのでしょうか。
雑談の類。
>では、東京弁護士会所属の小倉秀夫弁護士が既存の「la_causette」というブログで、特定の弁護士を批判することは弁護士倫理上問題がないかどうかも今後の研究課題に含めていただきたいと思います。
これは笑った(苦笑いのクチ)
某所で「自分に厳しく、相手にやさしい方が隙がない意見になるわけで」と書いたばかりでなんですが、やっぱり人に言う前に自分の襟を正しておかないと、瞬時にブーメランで返されますからつらいところですよね。
小倉さんはこの辺弱すぎ、隙ありすぎ。
そら「過去の発言と整合性取れなくてもいい( http://benli.cocolog-nifty.com/la_causette/2006/11/post_88aa.html )」とか無茶な言い訳しないといけなくなりますわ(笑)
私もたまに毒舌はくので、人に「口調が乱暴ですね」的な注意は一切しないと心に決めていたり。
>という状況を考えてみますが
どう読んでもおかしいでしょ。
つまり、説例自体が荒唐無稽でばかばかしいのです。
では、なんでそんな荒唐無稽な説例を持ち出したのかが次の問題になります。
こんにちは。久しぶりにお邪魔します。
「決め付け輸血」についてですが、昔、丹羽兵助議員の型違い輸血事件というのがありました。ナイフで刺され重体の丹羽議員が型違い輸血により死亡した事件ですが、このときは秘書が医療スタッフに議員の血液型をO型と伝え、公式プロフィールにもそう記載されていたが、実はA型だったということです(逆だったかな?)。この事件で遺族は病院に対して訴訟を起こしたそうですが、結果はどうなったのか知りません。
もしこれが刑事で立件されるとしたら、クロスマッチをしなかった過失は明らかでも、「未必の故意」認定は難しいのではないでしょうか。
ただし、この事件は小倉弁護士の例示した「ヤマ勘輸血」事例とは全然違いますね。スタッフは議員の身辺を知り尽くしていると思われる秘書の言ったことを、迂闊にも信頼しきってしまったわけですから、根拠のない山勘とは訳が違う。こんな有名な事件を知らなかった(検索などで発掘することを怠った)、又は「(誤った血液型であると)勘違いして」という言い回しを使わなかった小倉弁護士の落度は明白です。
丹羽兵助氏の事件の以後にそうなったのかもしれませんが、「クロスマッチ前は患者や家族の申し出がどうあれO型の輸血をすべき」と言う指摘を同僚の麻酔科医より受けた覚えがあります。
確固たるソースを発見出来なかったために伝聞となりますが医学的に妥当性のある方針かと思います、参考までに。
議論を拡散させて申し訳ありません。
ヤマカン輸血に関しては、小倉弁護士が「過去に実例がある」と明言されているのですから、実例を明示してくださるのを待ちませんか?
明示されない限りは、そんなありもしない荒唐無稽な机上の空論を俎上には乗せられないということでよろしいのでは?
la_causetteの17/07/2008に、下記の通り述べられています。
「例えば、輸血を行うに当たって、看護婦も医師も診療録を見て患者の血液型を確認せず、凝集溶血反応を十分に視認観察を行うことなく、異種の血液型の血液を輸血し患者を死に至らしめた羽曳野簡裁平成2年1月9日では、看護婦は、その患者は同室に入院していた他の患者と同じ血液型であるに違いないと決め打ちして、A型の血液を取り寄せるというArtfulな行為を行ったわけです。医療従事者に刑事免責が認められると、どの血液型の血液を患者に輸血するかは、看護婦の勘に頼ることができることになります。」
羽曳野簡裁平成2年1月9日が判決言い渡し日?
それなりのもので検索をかけても見あたらない判決ですね。
したがってそのような判決が存在することを前提とする批評のしようがない事件ですな。
出典を明らかにして頂かないとね。
補足しますと、現在、厚生労働省医薬食品局血液対策課より、「輸血療法の実施に関する指針」及び「血液製剤の使用指針」(改定版、平成17年9月)が作成されています。
某弁護士の記事には文献とありますので
http://plaza.umin.ac.jp/~jsbt/gakkaishi/51-3/051030315.pdf
に掲載されている次の略式判決を指しているのでしょうかねぇ?
羽曳野簡易裁判所平成2 年1 月9 日略式判
決:外科医師(罰金20 万円),看護師(罰金10
万円)
頭部外傷・貧血で入院中の患者について,看護
師が診療録の記載を確認せずにA 型の血液を取
り寄せ,医師も診療録の記載を確認せずに,また,生理食塩水で希釈せずに凝集反応を誤判定し,患者に,A 型の保存血600cc を輸血し,急性腎不全により死亡させた.
まあ,略式判決は(捜査官の脅しに等しい行為等による等)色々な意味合いから受け容れる方がありますので(その適否はおくとして),略式判決に示された事実関係がそのまま真実であったと鵜呑みにすることは,一般の弁護士であれば普通はしないことでしょうね。
少なくとも良識ある弁護士であれば,「但し,略式事件」とぐらいコメントを入れたりするでしょうが,某弁護士は,判決は判決だと強弁するのでしょうね。
怖い怖い
>「クロスマッチ前は患者や家族の申し出がどうあれO型の輸血をすべき」と言う指摘を同僚の麻酔科医より受けた覚えがあります。
確かに現在のマニュアルでは,血液型がわからない場合にはO型を使えとなっています.日本人の場合Rh(-)である確率は低いですし,たとえRh(-)であってもRh(+)の輸血歴がない限り大丈夫ですから...
ただし,注意して下さい.保存血はダメです.濃厚赤血球(今のRCC-LR)を使わなければなりません.血漿成分が取り除かれている必要があることを忘れてはいけません.なお,血漿製剤(FFP)はAB型を用います.
これらは緊急時のみの対応であり,可能な限り最新の血液型をチェックし,最低でも生食法で簡易クロスマッチを行ってから使うべきなのです.
ヤマ勘輸血なんて,あったというなら実例を示さないと「藁人形」になっちゃいますね.
la_causetteの17/07/2008には、大阪簡裁平成3年6月14日の判例と坂田簡裁平成8年10月29日の判例(いずれも血液の容器の確認ミスだそうです)も引用されていますが、
平成11年(1999年)に「輸血療法の実施に関する指針」及び「血液製剤の使用指針」(厚生労働省医薬食品局血液対策課)が作成され、平成13年(2001年)に輸血実施手順書(日本輸血学会)が作成されてから以降は、ほとんどの医療機関ではこれらの指針に準拠して輸血が行われていると思います(医療機関の規模によって多少異なるかもしれません)。
指針ができようができまいが、過去に一度はあったのだから、今後はありえないと断言はできないだろ?
といった反応があるのではないでしょうか。
ご本人が引用した判例を特定しないと、結局、推測に推測を重ねるだけでしょう。しかし、「勘で決め付けた」と明言する判例はないのです(経験則からくる推定)。
小倉秀夫さん
本館のお答えが件のエントリーだとは思うのですが、仮にも医師免許を持つ人間が“血液型のチェックをしない”という行動を取ったということは、「今回勘が外れて患者が死んでしまったとしても構わない」と思っていない訳がないと思います。
ということは、「当該疾病に関わる患者の利益を第一義の目的」としていない行動と一般人である私でさえ思います。
追記については「当該疾病に関わる患者の利益を第一義の目的」としているならば、故意ではなくあくまで過失なのではないでしょうか?
この事例は、看護師については典型的な思いこみによるヒューマンエラーです。この種のヒューマンエラーは、本人の注意だけでは回避できないことが非常によく知られています。医師については交差適合試験についての技術的な知識と経験に問題がありました。
システムズアプローチの観点から現在では、この医師が交差適合試験をした、つまりは知識と経験に欠けているにも拘わらず、知識と経験のある先輩の医師等の指導の下に行わなかったことや、あるいは代わって(当時既に相当数の養成があった)臨床検査技師や衛生検査技師が交差適合試験を行わなかったことと、看護師による輸血開始時に血液型と交差適合試験結果の突合を同僚等の施行者以外の者が行わなかったところに主たる問題があったと考えます。
このような事例で医療従事者個人の責任を追及して好しとしてきたことが、逆に事故の組織的再発防止の動きを阻害してきたことは明らかです。実は洋の東西を問わず同じ状況がかつて存在し、歴史の恥部として真剣な反省の対象になっています。
また、本件の被告医師、被告看護師の氏名は調べようと思えば容易に調べがつくだろうと思います。
小倉弁護士の「看護婦は、その患者は同室に入院していた他の患者と同じ血液型であるに違いないと決め打ちして、」との甚だしい怠慢等を示唆した記載は、問題とされた看護師に対して(存命であれば)充分に名誉毀損罪を構成しているのではないかと考えます。
http://benli.cocolog-nifty.com/la_causette/2008/07/post_346b.html
もちろん、名誉毀損罪が親告罪であることは存じ上げています。
ありがとうございます。
勉強になりました。